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2016-08-31(Wed)

「ゲット・ハード」

「ゲット・ハード」

2015年のハリウッド映画。シンプルおバカ系コメディ。
主演はウィル・フェレルとケヴィン・ハートで、
ケヴィン・ハートは「ゲット・アロング」で
アイス・キューブの義弟になろうとしてた人。
ちょっと小型犬みたいなニューカマーなんすかね。

投資家として大成功し、努めている会社のご令嬢との婚約も決まった
幸せ絶頂の男、ジェームス・キングが主人公。
人生サイコーっと婚約するよパーティを開いていたら
身に覚えのない詐欺・横領の罪で逮捕。
しかも、これまでの知能犯よりも厳しく罰を与えてやる!と
治安の悪い刑務所に10年もぶちこまれることになってしまう。
100%掘られることで有名なところにぶちこまれるということで
収監されるまでの30日の間に、
自分の身を自分で守れるようになろう!と
駐車場の管理人のダーネルに監督を頼んで、
刑務所で生き抜くためのサバイバル特訓を積んでいく……!

という非常に頭の悪い物語。
ジェームス・キングは仕事はできるのにかなりピュアな人物なようで
車をいつもお任せしているダーネルを
「黒人だから刑務所に入ったことがあるだろう」という推測の元
(黒人は3人に1人の割合で収監されているというデータをもとに)
刑務所での作法、サバイバル術を教えてくれ、3万ドル払うからっていうんです。
ダーネルはちょうど家が欲しいところで(娘をいい学校に通わせたい)
刑務所にまったく縁がない人生を送っていたにも関わらず
(それどころか駐車違反すらしたことない)
テキトーないろいろをぶちあげてコーチになるんですよ。

ジェームスもダーネルもなんとなーくのふわふわ知識で刑務所について考えており
いろんな特訓するんだけどどれもこれもとにかくアホでしょーがないw
美しかった自宅を刑務所仕様に改造して、
隙あらば刺されるぞ!と不意打ちを仕掛けるとか
ゲイが集まる店に行って、男に襲われることに関して免疫をつけさせようとか
とにかくもうずっとバカなんです。意味のないバカが続く。
ダーネルのいとこのワルの家に行って、刑務所内で守ってもらおうとするも
白人だからダメだよと失敗。
今度は白人同盟なるワル集団のところに行くも、
激しすぎる黒人差別はできない!となってしまう。

ジェームスは見た目がもっさい割りに、すんごいいいやつなんですよね。
仕事はめちゃめちゃできるのに、そのほかがすごくダメ。
そんなジェームスの良さにすっかりほだされて、
ダーネルもついつい余計なとこまで頑張っちゃう。
最終的には、もしかしてこの人本当に冤罪なんじゃないか……と気がついて
真犯人のところにぶっこみに行くんです。

ぬらっとでかい天使系ピュア白人ジェームスと
小さくてキャンキャンやかましい世話焼き黒人ダーネル。
最終的にはマヨ&チョコレートという名のナイスコンビに。

頭からっぽにみられるいいコメディでした。
下ネタも少なめでねー。いや、結構全裸になったかな……。
結構いい歳になってきたであろうウィル・フェレルがあそこまで
全裸かましてきてくれる、いい映画です。はい。


そこまで長々と書けない作品もいくつか見ました。

「ヴィジット 消された過去」

事故にあって記憶を失った女の子が、寄り付かなかった実家に連絡されて
戻されたらなんか家族の様子が変で……という話。イギリス映画。
おそろしく胸糞悪い映画でした。とりあえずそれだけ。

「お!バカんす家族」
ちょっと下品レベルが高かったっす。

「禁断のケミストリー」
さえない薬剤師のおっちゃんが、ちょっと欲求不満な人妻と出会って
不倫関係に陥り、自分で調剤してハッスルしはじめる話。
アメリカン・ビューティをはっきりコメディにしたような雰囲気で
そういう意味で目新しさはなかったかな。でも最後まで見られる作品ではある。
主人公が振り切れているので、下品さは本来の量より少なく見える。

「チャップリンからの贈り物」

スイスで暮らす移民の二人が、チャップリンの遺体を盗んで
身代金をせしめようとする話。実話ベースらしい。
フランス映画らしいムードで、結構いい話。
いまちょうどチャップリンDVDコレクションが出始めてて
見たいなーって思ってしまう。
そういう、チャップリンを改めて尊敬しちゃう作りの作品でした。

「タイム・トゥ・ラン」

原題は「BUS657」。
娘の病気のための治療費が欲しい男ヴォーンが主人公。
努めているカジノのオーナーにお金を貸してほしいと頼むも、
それは俺の流儀から外れるからダメとデ・ニーロ。
仕方なく強盗するんですが、すぐにバレて追われて、
路線バスをジャックして逃げていくんだけど……という話。
バスが乗っ取られているのにいち早く気づいたパトロール中の警官に
ジーナ・カラーノさまが出てて、もう強そうだし頼れそうだしタフだし、みたいな感じ。
いろいろと仕掛けが豊富で、見ていて飽きないピリっとした話なんだけど
最後の最後で思ったのが「デ・ニーロ……。歳をとったな……」だったので
ちょっと短めにまとめてみました。いや、いいんだけど。こういう展開でもいいんだけどね。
あれはあれでかっこいいんですよ。
本当はマフィアのボスなんかやったことないでしょうに、
ボス役が似合いますよね……。ほんとに。



最近時間がないので、短めのばっかり。2時間未満の作品ばっかです。
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2016-08-21(Sun)

「アントマン」

アントマン

2015年、ハリウッド発のアメコミ映画。
MARVELの一員であるところのアントマン(小さい)が主役で
結構ビックリしたけどマイケル・ダグラスが出てきてたっていう。

主人公のスコットは、いろいろやらかして収監され、
刑期を終えて出所してきたところ。
別れた妻に引き取られた娘のために頑張るも
やっぱり前科者に世間は厳しい。
前妻にはもう新しい夫がいて、せっかくの娘の誕生日も気持ちよく祝えず
結局以前の悪い仲間のところに戻って盗みを働いてしまう。

大金持ちの家に、でっかい金庫があって……という話に乗せられて忍び込むも
破った金庫の中から出てきたのはヘンテコなスーツ。
なんだかんだ持ち帰って着てみると、体が蟻サイズまで縮んでしまい!?

っていうお話。
原子を縮小して、ありとあらゆるものを小さくしてしまうという発明から
生まれたアントマン。
この話でぐっときたポイントは、初代アントマンが人知れず活躍してたってところ。
知らない間に運命を操られて二代目になって、スコットもまじめに頑張る。
また、小さくするというこの大発明を、一企業と争っているところもいい。
企業側の技術が不完全で、小さくしたときにうっかり肉塊(ミニマムな)に
されてしまったりなんかしちゃったりするのも、面白いなと。

で、普通にX-MENのいる世界だから、なんならアベンジャーズよべば?
ってなるのも面白いところ。
実際出てきたもんね。飛ぶ人が。ウインター・ソルジャーでみたよ!
ってくらいの浅い知識しかなくて申し訳ないところなんですけども
とにかく、アントマンが蟻を操ってしまうとこなんかも面白かった。

にしても、マイケル・ダグラス若いよね。70過ぎてコレ?って思いました。

ラストの戦いでは、国際的な超人気機関車も友情出演してて楽しかったです。


あと、「カリフォルニア・ダウン」も見ました。
ドウェイン・ジョンソンかっこいいし、頼れそうで……。
題材的に簡単に感想は述べられそうにありませんけど、
恐ろしい映画でございました。

2016-08-20(Sat)

「エース・ベンチュラ」

「エース・ベンチュラ」

1994年のハリウッド映画。
主演はジム・キャリー。

主人公エース・ベンチュラはペット探偵。
依頼を受けた行方不明のペットを探し出すんだけど
捜査の仕方が独特というか、すんごいアホ。っていう話。

フットボールチーム、マイアミドルフィンズのマスコットである
バンドウイルカのスノーフレイクが行方不明になり、
大事な試合の前に探し出してほしいと依頼が入って、
エースが大暴れしながら探し出すんですが、
基本的に超オーバーリアクションのジム・キャリーを
見ているだけで楽しいし、小ネタがいちいち不謹慎。
ベタな笑いも、斜め上のネタもたくさん詰め込んだ楽しい作品。

とはいえ、真犯人の正体はとても意外だし、
犯行の動機も割とドラマチックではあるんです。
普通にペット探偵としての映画にしても良かったんだろうけど
やっぱりジム・キャリー出すなら本領発揮してもらわなきゃね、
とスパークして出来上がったのがコレ、って感じかな。

捜査の一環として精神病院に潜入するシーンがありまして
とても不謹慎なんですよ。
とはいえ、ここが一番の真骨頂なって思うので外せない。
真犯人につながる大事な場面だしね。
ここが微妙にカットされてたらどうしようかなーって思ったら
全然されてなかったんでよかったです。

下ネタの見せ方もそんなにダイレクトではなくて、
まだほほえましいレベル。
しょっぱなの「ワレモノ注意」だけでも見てみたら
それだけで笑えるんじゃないでしょうか。

にしても、ジムが若い。昔何度も見て何度も笑ったんですが、
久しぶりにみても面白くて超笑えました。よかった。

2016-08-14(Sun)

「ペット」

8月11日から公開が始まった、イルミネーションスタジオの最新作
ペット」を見てきました。
去年同様、ちびっこの引率係として吹き替え版を見てきたんですが
まーかわいいったらありませんのね、ワンちゃんネコちゃんたちが……。


普段、飼い主が留守の間家の中で待っているペットたちが、
不在の間いったい何をしているのか? っていう
ペット版トイストーリーみたいなお話。

主人公はご主人さま大好きな小型犬、マックス。
優しいケイティに拾われて、ニューヨークのアパートで暮らしていた彼のもとに
ある日もう一頭の犬がやってくる。
保健所に入れられていた大型犬のデュークは乱暴なヤツで、
ケイティを独り占めしたいマックスはどうしても彼を許せない。
ちょっと懲らしめてやろうといじわるしたら、報復にあってしまい、
そこから「以前はペットとして飼われていたけど捨てられた」動物たちの
アジトに行くことになってしまって……

というお話。
とある、新しい同居犬とうまくやれずにいたマックスの一日の話です。

まずはとにかく、映像が良い。
動物たちの毛並みや動き、背景はとてもリアルなんですよ。
そこに、結構なデフォルメをされたキャラクターたちが違和感なく入り込んでいる。
しかもみんなかわいいの!
かわいい、っていうのが今までの外国アニメ(とくに3D)にはあまりなかった感覚で
見ていて全然嫌じゃなかったですね。細かいところまで本当によくできてる。

動物たちはぺらぺらしゃべっていわゆる擬人化されてる状態なんだけど、
なんだかんだ本能に忠実で、嬉しいときはずっとしっぽをふりふりふりふり、
これまたとにかく愛らしい。かわいい。そんなに犬猫好きじゃないけど、可愛かった。

近所に住んでいるペットたちはみんな知り合いで、
飼い主が留守の間は互いの家を行き来したりして交流している。
いたずらもするけど、ご主人さまがかえってくる時には家に戻って
ドアの前で尻尾をブンブンしながら目を輝かせている。

犬、猫以外にもいろんな動物が出てくるんですが、
みんなそれぞれスパイシーなキャラクターになっていて、よい。
あと、みんなかわいいだけじゃないところもいい。

マックスは、飼い主に裏切られて人間を滅ぼそうとしている集団に
追われることになっちゃうんですけども、
この集団がすごい。結構設定がキレてるというか。

人間を滅ぼしたい集団のリーダーは、白いうさぎのスノーボールって子なんですが
彼のキャラクターが本当に素晴らしくキレがいい。
パッと見ものすごくかわいいんだけど、本当に凶悪でね。
彼の腹心のブタも、彫り師のところにいたせいで全身タトゥーだらけ。
そのタトゥーの図柄もまあ、節操ないんですw かわいそうなの。
他にも、ああ、なるほどなあっていう動物たちがいっぱい。
特に爬虫類がぞろぞろいるあたりがリアルでね。

そんな人間を憎む集団と、幸せいっぱいの現役ペットたちがそれぞれに動く。
ペットたちの相談役に出てきた老犬は、足が悪いみたいで車いすにのっていたり、
都合よくみんなおりこう、かしこい、可愛い、ってわけじゃないんですよね。
そんな彼らを、飼い主はみんな愛情たっぷりに見つめており、
人間と動物の関係って、そうだなあ……って、
映像は基本的にずっと楽しいんですけど、
ずっと楽しい分逆に考えさせられちゃってね。

デブ猫のクロエはかわいくて、声をあてていた永作博美さん、上手でした。
主役のマックスと、新しい同居人デュークはバナナマンのお二人が。
白いふわっふわのポメラニアンのギジェットもかわいいったらない。
個人的に一番ツボだったのは、パグ犬のメル。味わい深い。

割と、よくあるスタイルの話なんですよ。
ある日トラブルが起きて、そりの合わない誰かと一緒に乗り越えて、
思いがけないところに敵がいたり、力を合わせたりっていうのは。
人間に見つからないようにっていうスタイルも、これまでにいっぱいあったと思いますが
それでも、この表現力は本当に素晴らしいなって思います。
イルミネーションの皆さん、演出力がすごい。
もったりしたシーンがなくてね、やりすぎもちょうどいいところでおさめてあって
センスがいいなーって深く感心したし、めっちゃ笑いました。

オマケのミニオンズのアルバイトも楽しかったね。
イルミネーションのロゴでミニオンが出てきた時、みんな笑ってて、
それだけでもういい映画だなって感じでした。


来年公開される新作の「SING」も面白そうです。

2016-08-05(Fri)

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
2002年、アメリカの作品。

主演はレオナルド・ディカプリオで大好きなんだけど
ちょっとまだ若いかなーというのと(まだ好みではない)
もう一人の主演、トム・ハンクスがあんまり好きではなくてね。
なんで好きじゃないかは、わかんないです。なんとなく。
どうしてかわからないけど、声がイヤなんだよね。

という理由で今まで見てこなかったんですけど、
これまたなんとなーく気が向いてみてみることに。
思ってたのと違ってました。


主人公のフランク・W・アバグネイルJrは実在の「天才詐欺師」でして
まだ16歳で家出して、航空会社のパイロットになりすまし小切手を偽造、
そのあとも医師や弁護士なんかになった挙句、
捕まってもまた逃げ出したという華々しい経歴の持ち主。
彼の自伝をもとに作られた小説の、映画化されたものをみたわけですが……。

詐欺師になった後うまくいったのは彼の能力が素晴らしかったからなんですけども
どうして詐欺師になったのか、その理由は結構悲しいものでした。

父親は弁護士で、自分を曲げようとしない男なんですよね。
いろいろと失敗があって、母親は愛想を尽かして離婚に向けて動き出す。
フランクはそれがいやでいやで、お金さえあれば家族はもとに戻るのではないかと
詐欺を繰り返していくんです。
彼はとてもよく学ぶ男だったようで、最初はちまちま繰り返していた小切手の詐欺も
銀行の窓口の女性を取り込んでどんな風に処理されていくかを知り、
社会的に信用のある職業はなんなのかを知り、
パイロットになり、医者になり、弁護士にもなっていく。
最初にまず「学生で新聞を作るので」って名目で取材に行くのが偉い。
相手は瞳をキラキラさせた学生相手だしってことで、教えてくれる。
学生を相手にした場合の企業のやり方を熟知していたからこそ、
アメリカを脱出するときの大胆な方法も実行できた。

バージョンアップを繰り返す詐欺師フランクを追うのは、
トム・ハンクス演じるFBIのカール・ハンラティ。
二人の関係は、ルパンと銭形警部と少し似てるかな。
あるホテルでフランクを追い詰めたものの、ハンラティはうまく丸め込まれてしまう。
時々電話をかけたり、クリスマスのたびに会ったり。
細々と繋がり続ける二人にはいつしか絆のようなものが生まれて、
フランクがどうして詐欺を続けているのか、ハンラティは知って、
彼を気遣ってくれたりするんです。

フランクが求めたのは、自分の家庭なんですよね。
父と母がいる暮らしがほしかっただけ。
母が再婚相手と一緒にいるのはイヤだし、
父親が話を聞いてくれないのは悲しいし。
なんとかつなぎとめたくてお金を作ってきても、
家族はちっとも同じところに集まらないんです。

最後の最後、ハンラティにとらえられたあと、
フランクは父が亡くなっていたと知ります。
いてもたってもいられなくなって、飛行機から逃げ出し、家へ戻るも、
そこにいたのは母と、新しい家族でね……。

フランクがやったのはとんでもないことばっかりなんですけど
まだ子供である彼のひたむきさを思うとかわいそうでなりませんでした。
医者を名乗っていた時に結婚しようと思ったのは
新しい暖かい家庭を作れば、お父さんがほめてくれると考えたからなんだろなーとか。

その後、フランクはハンラティにその才能を見出されて、
小切手の偽造・詐欺のやり口を見抜く捜査官にされてしまいます。

実際のフランクさんも、偽造されない小切手の開発をしたり、
社会的にもんのすごく成功することになります。

彼はただ犯罪者として裁かれるだけじゃなかった、というのが非常にいいところ。
なぜ犯罪に走ったのか理解し、能力を正しい方向に使おうと
周囲がよく支えてくれたんでしょうね。

思ったよりも軽くなく、いい話でした。コメディとかいってるけどウソだろ。

若くてかわいいディカプリオもなんだかんだいいなって、満足しました。