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2016-08-05(Fri)

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
2002年、アメリカの作品。

主演はレオナルド・ディカプリオで大好きなんだけど
ちょっとまだ若いかなーというのと(まだ好みではない)
もう一人の主演、トム・ハンクスがあんまり好きではなくてね。
なんで好きじゃないかは、わかんないです。なんとなく。
どうしてかわからないけど、声がイヤなんだよね。

という理由で今まで見てこなかったんですけど、
これまたなんとなーく気が向いてみてみることに。
思ってたのと違ってました。


主人公のフランク・W・アバグネイルJrは実在の「天才詐欺師」でして
まだ16歳で家出して、航空会社のパイロットになりすまし小切手を偽造、
そのあとも医師や弁護士なんかになった挙句、
捕まってもまた逃げ出したという華々しい経歴の持ち主。
彼の自伝をもとに作られた小説の、映画化されたものをみたわけですが……。

詐欺師になった後うまくいったのは彼の能力が素晴らしかったからなんですけども
どうして詐欺師になったのか、その理由は結構悲しいものでした。

父親は弁護士で、自分を曲げようとしない男なんですよね。
いろいろと失敗があって、母親は愛想を尽かして離婚に向けて動き出す。
フランクはそれがいやでいやで、お金さえあれば家族はもとに戻るのではないかと
詐欺を繰り返していくんです。
彼はとてもよく学ぶ男だったようで、最初はちまちま繰り返していた小切手の詐欺も
銀行の窓口の女性を取り込んでどんな風に処理されていくかを知り、
社会的に信用のある職業はなんなのかを知り、
パイロットになり、医者になり、弁護士にもなっていく。
最初にまず「学生で新聞を作るので」って名目で取材に行くのが偉い。
相手は瞳をキラキラさせた学生相手だしってことで、教えてくれる。
学生を相手にした場合の企業のやり方を熟知していたからこそ、
アメリカを脱出するときの大胆な方法も実行できた。

バージョンアップを繰り返す詐欺師フランクを追うのは、
トム・ハンクス演じるFBIのカール・ハンラティ。
二人の関係は、ルパンと銭形警部と少し似てるかな。
あるホテルでフランクを追い詰めたものの、ハンラティはうまく丸め込まれてしまう。
時々電話をかけたり、クリスマスのたびに会ったり。
細々と繋がり続ける二人にはいつしか絆のようなものが生まれて、
フランクがどうして詐欺を続けているのか、ハンラティは知って、
彼を気遣ってくれたりするんです。

フランクが求めたのは、自分の家庭なんですよね。
父と母がいる暮らしがほしかっただけ。
母が再婚相手と一緒にいるのはイヤだし、
父親が話を聞いてくれないのは悲しいし。
なんとかつなぎとめたくてお金を作ってきても、
家族はちっとも同じところに集まらないんです。

最後の最後、ハンラティにとらえられたあと、
フランクは父が亡くなっていたと知ります。
いてもたってもいられなくなって、飛行機から逃げ出し、家へ戻るも、
そこにいたのは母と、新しい家族でね……。

フランクがやったのはとんでもないことばっかりなんですけど
まだ子供である彼のひたむきさを思うとかわいそうでなりませんでした。
医者を名乗っていた時に結婚しようと思ったのは
新しい暖かい家庭を作れば、お父さんがほめてくれると考えたからなんだろなーとか。

その後、フランクはハンラティにその才能を見出されて、
小切手の偽造・詐欺のやり口を見抜く捜査官にされてしまいます。

実際のフランクさんも、偽造されない小切手の開発をしたり、
社会的にもんのすごく成功することになります。

彼はただ犯罪者として裁かれるだけじゃなかった、というのが非常にいいところ。
なぜ犯罪に走ったのか理解し、能力を正しい方向に使おうと
周囲がよく支えてくれたんでしょうね。

思ったよりも軽くなく、いい話でした。コメディとかいってるけどウソだろ。

若くてかわいいディカプリオもなんだかんだいいなって、満足しました。
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