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2016-08-16(Tue)

「寄生獣」

寄生獣
2014~2015年に公開された邦画。漫画原作の実写化。
前編と、完結編、両方まとめてみてみました。
原作ははるか昔に読んで、かなり面白かった記憶があるものの
結構忘れかけているという状態での視聴。

ある日突然現れた異様な虫。
そばにいた人間の中に入って、体を乗っ取り、人を食べる。
主人公の新一は腕の中に入られるものの、とっさに強く縛ることで
頭を乗っ取られることを阻止。
だけど、右手を乗っ取られてしまい、一緒に生きることになってしまう。
新一は右手に宿った生命体にミギーって名前を付けて、
人間に擬態した寄生体たちと戦っていくのだ……みたいな物語。
はじめの姿こそ大きめのムカデ的な生き物なんだけど、
人間に入り込んだあとはそれぞれに知性を持っており、
人間の世界にどう潜むか、はたまたどうやってともに生きていくか
いろんな思惑が交錯していくのです。


漫画版の実写化作品としては、たぶんだけどかなりいいんじゃないかなと思いました。
演技が下手な人は出てこないし、残酷表現もかなりうまい。
かなりきつい殺害、体の欠損などの表現がいっぱい入ってくるんですけど、
いい意味でゲーム的で、気持ち悪さが上手に抑えられているなと。
(エグい作品でたまに見てられないものもあるので、個人的に上手だと思いましたが
 もちろん苦手な方には間違いなくキツイはず。なにせ数が多いし)
容赦のない戦いの中に、人間との共存を望み、人の抱く感情について思いを馳せるタイプが出たり、
主人公は唯一の肉親である母親とのドラマ、好きな子とのあれこれがあって
それも戦いと同じラインで進む大きなテーマとして邪魔になることなく描かれておりました。


これはきっと、原作をこの制限時間で実写化する場合の最適解だったと思うんですよ。
バクマン。と同じで、今まで原作ありきの実写化でかなり裏切られてきた我々からすると
奇跡のような出来の良さだとは思うんです。

でもやっぱり、時間の制限がある分、原作にあった濃厚なものは
薄まってしまったなあって感覚もあってね。
よくできてるけど、物足りない、っていうのが正直な感想です。
単純にこの映画だけならば、きっと面白いと思える出来なんだけど……。難しいな。

CGは大体いい感じなんだけど、ときどき「あ、CGだな」って感じる箇所があって、
こういう残酷描写が多いものはこのくらいでいいのかなって思います。
あんまリアルでも視覚的につらいのでね。ちょうどいい。
とにかく、全体的にちょうどいいのが、逆に鼻につくところがあるようなないような。
そういう、複雑な気分になる映画でした。

実写にするならこのくらい、
この役にはこの役者、っていうのが
全部「まあまあ」なんだよね。
文句はないんだけど、ベストだったかどうかっていうとどうだろう?っていう。

そう感じた理由は、邦画の「いつものメンツ」感のせいだと思います。
なんかね。同じメンバーでいっつもやってる気がしちゃうんですよ。
凶悪な役はこの人、癖のある役はこの人って、決まった枠でもあんのかな?って。
意外性も隙もなさすぎて、可愛げがないというか。

充分いい出来なんだけどね。
なんか、きれいに真四角に作られすぎているような印象で、
よくできていると思いながらも、好きにはなれない、
見た後に、面白い面白くないではなく、そんな風に感じてしまいました。

だから、一言でいうなら「よくできている」映画でした。
もうひとつ、突き抜けたものがあればよかったなあっていうのは
きっと、欲張りな感想なんでしょうね……!
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