ダンガンロンパ制作陣の新作ということで、事前に一切情報を入れずにプレイしました。
それでびっくりしたんですが、ゲーム開始して3日後くらいかな。
ゲーム内で40日目くらいを迎えたところで、
「エンディングが100あるってやつでしょ?」って言われましてね。
びっくりしたんですわ。
どう考えてもエンディングが100あるような感じではなかったので。
このゲーム、ごくごく普通に日常を過ごしていた主人公「澄野」君が突然戦士として選ばれ、同じように選ばれた仲間たち15人と共に「最終防衛学園」なるところに放り込まれ、世界を滅ぼそうとする敵と戦え、100日守り切れ!と戦いを強いられるという物語。
主人公たちは何故自分が選ばれたのか、襲撃を受けた後に急に学園へ放り込まれたという状況で、家族は無事だろうか、敵は一体何者なのか?
なんにも知らされないまま戦っていかなきゃならないんですが……。
選ばれた若者たちを導く立場のはずの司令官的ポジション「SIREI」は速攻で姿を消して、澄野たちは迷いながらも、自分たちが戦う理由を探し、仲間との絆を深めていきます。
そして迎えた100日目。
無事、防衛の日々が終わるというところから、本当の話が始まるっていう……。
ゲーム開始から100日間の防衛学園生活は、ただのチュートリアルというか、
「こういう前提なんだよ」と示すだけのものっていうね。
その後から始まる本編を進めていったら、エンディングが100あるっていうのはすんなり理解できました。
拠点防衛シミュレーションかと思っていたら、かまいたちの夜みたいな作品だったという感じ。
かまいたちの夜にしては、ひとつひとつの話の物量が重たいかな。
同じ舞台、同じ登場人物が繰り広げる100日間を繰り返していく中で、隠されていた秘密を知って、新たな引っかかりも回収していくような、膨大なテキスト量で畳みかけるような作品でした。いや、参った。すごい物量で、まずはよくぞここまで用意しましたね、と感心しちゃう。
戦闘の難易度はどうなのかな。FE好きの自分からすると特に苦労もなかった程度で、イージーモードもあるので苦手な人でも大丈夫だとは思います。
それに、テキスト、ムービー、戦闘とスキップ機能はかなり充実してます。
それでもかなり時間がかかるので、腰を据えてやらねばなりませんけど。
ダンガンロンパもしんどいゲームでしたけど、あれと同じくらいしんどいことを挟みながら100日防衛なので、こっちの方が重たいんじゃないかな。
重たいばっかりでもないんですけどね。楽しい、幸せ、えへへ、って感じの要素もあります。
ついでにいうと、どのキャラクターも魅力的でみんな好きになるんじゃないかな。
だからこそしんどいし、しんどいからこそすべての話を追いたくなるというか。
罪なゲームができてしまったもんだ、と思いました。
これ以上のネタバレはしたくないので、主なキャラクターについてちょっとだけ書いて終わりにしたい。
正直、誰かのゲーム配信で見るとかじゃなく、遊んで欲しいです。
それで、澄野の気持ちになって一緒に泣いてほしい。
という風に私が思ったのは、多分だけど、最初に辿り着いたエンディングがちゃんと「01」番だったからだと思います。
エンディングが100あるだけあって、いろんな種類の「なんてこった」が用意されてるんですよね。
なので最初にコロコロコミックみたいな展開の話を選んだ場合、なんだこれって思ってしまうかも。
今更他の体験はできないので、断言はできないんですけども。
というわけで、ネタバレなしの感想です。言いたいことはあるけど、ネタバレはなしでいきます。
まずは主人公の澄野拓海(すみのたくみ)。
ごく普通の日常をちょっとつまらないくらいに感じていた彼は、突然「最終防衛学園」で目覚めることに。
プレイヤーが操るのは基本この澄野君で、彼の悲しみ、苦しみ、後悔なんかを一緒に味わう羽目になります。
ちゃんとしたキャラクターイラストは公式サイトでご覧ください。かっこいいですから。
でもねえ、一緒になってこんな顔することになるんですよ。
胸が痛むことがとにかく多くて。
戦闘はシミュレーション形式で、キャラクターそれぞれ武器とか能力が違う。
なのでステータスも見られるんですが、みんな背景にそのキャラを象徴する単語がかかれてるんです。
澄野君のステータス画面に書かれている単語は「失敗」。
戦闘でミスった時に最初からやり直せるので、失敗を取り戻すみたいな意味で捉えたらいいのかなと思うんですが、それ以上の意味もあるのではないかな……と思わざるを得ません。
とても常識人が故に、彼は様々なことで苦しみます。いい奴でね、だから、ほんとに何度も泣きそうになったし、SIREI役の声優、芳忠さんの声を聞く度に「クソ!クソが!」って思ったりするような時期もありました。
次!
厄師寺猛丸(やくしじたけまる)。基本みんな「高2の17歳」です。
厄師寺はヤンキーを自称しているものの、御覧の通りいいやつです。
彼のステータスに書かれた単語は「爆走」なんですよね。
みんな特殊な力で変身して戦うんですが、彼はバイクに乗ってます。
それ以上はあんまり言うことないのかも。
良い兄貴分であり続ける彼は、メンバーの中にいてほしいと思える男でした。
次!
雫原比留子(しずはらひるこ)。
とても謎の多い、という印象になってしまうような仕組みになってます。
彼女に関しては、諸々明らかになるところまでが長すぎて、最後まで好きになりきれなかったかも。
さすがに焦らされすぎちゃったかもしんないです。
とコメントしたくなる程度にはキーパーソンで、防衛部隊の中でも特殊な存在でした。
特殊っていうのは最初にわかることんだけど、それにしても特殊だったなあ、という感じ。
ステータス画面に書かれているのは「虐殺」で、すべての物語を見た後だとちょっと複雑に感じてしまう。
次!
飴宮怠美(あめみやだるみ)
デスゲ大好き、メンヘラ発言てんこ盛り、名前がまさかの「怠美」。
キャラクターの名前に関しても、エンディングをいろいろ見ると複雑な気持ちになるんですよ。
性格とか過去に関してもそうなんだけど、どうしてこんなキャラなのか悩まされるうちの一人ですね、飴宮は。
彼女のステータス画面に書かれた単語は「魔法」。
魔法……?って最初に引っかかったのを思い出します。
次。
蒼月衛人(あおつきえいと)。
見ての通り、かなりの重要キャラです。わかりますよね、見ただけで。
澄野の最初の相棒になってくれるキャラクターであり、いくつも強烈な印象を残します。
彼のステータス画面に書かれているのは「薄幸」なんですよね。
気付いた時にすごくひっかかるんですよ、薄幸て。
武器は鎌の形だし、結構強くて頼りになるんですよ、蒼月は。でも薄幸。
次。
川奈つばさ(かわなつばさ)。
登場キャラクターの中でナンバー1の癒し系だと思う。
女性キャラクターの中では一番好きです。可愛くって。
女の子だけどメカニックであり、いてくれないと困るキャラでした。
川奈は戦闘状態の時に白いタイツみたいなの履いてるのもいいんですよね。
デッカい車に乗って戦うのも良かった。
ステータス画面に書かれた文字は「改造車」。
柵置くと引っかかって動けなくなるし、狭いところは通れなくなるのもまた良し。
次。
丸子楽(まるこがく)。
男子の方の癒し枠です。丸子がいてくれないと嫌だ、と思うほどに好きな奴でした。
なにか発言するたびに墓穴を掘る正直者であり、帽子を取った時の髪型が◎。
なにより、戦闘で彼の攻撃範囲に助けられるんですよね。
マシンガンを「ダダダダッ」て撃つのも良い。
ストロールと同じ声優さんとは思えない。
ステータス画面に書かれた文字は「家事」で、やはり能力とはカンケーないのではと丸子辺りで思うのです。
次。
九十九今馬(つくもいま)。
そして、九十九過子(つくもかこ)。
個人的には最もミステリアスな存在だと思う、九十九兄妹。
双子で、今馬と過子だけが15歳、中学三年生という設定になってて。
九十九の今と、九十九の過去。ハンドレッドラインというタイトルに対して意味がありすぎて、気になってしゃーないのに二人だけが年下の理由は謎のままでした(と思うんだけど違うのかな)。
今馬本人が言うんですよね、自分たちだけ年下なのはどうしてなのかなって。
いつかどこかでこの謎がわかると思ったんだけどな。なにか知ってる人がいたら教えてほしい……。
そして、今馬の絵は群を抜いて魅力的でしたね。色気があって。
ステータス画面には、今馬は「超能力」、過子は「神秘」。ああもう気になる!
次。
銀崎晶馬(ぎんざきしょうま)。
怖ろしいほどの自虐キャラで、自分をさげすむ表現を無限に持っているという。
聞いてて悲しくなるほどのボキャブラリーでインパクトは抜群。
けれど、濃厚なメンバーの中でブレない優しさを持っているキャラクターであり、非常に重要な存在になっていたと思います。
彼のステータス画面には「盾」の文字があり、これは能力そのまんま。
次。
霧藤希(きりふじのぞみ)。
15人の隊員たちの中では一人だけ仲間外れ、能力が足りずに人口鎧でカバーしてる回復要員。
主人公澄野君が大切に思っている幼馴染のカルアと同じビジュアル、同じ声であり、めちゃくちゃ大事なキャラクター、のはず。
戦闘で彼女がいないと困る場面は結構あるんじゃないかな。
ステータス画面に書かれた言葉は「看護」。霧藤も能力のまんまなんですよね。
あの単語にはどんな意味があるというのか。
次。
大鈴木くらら(おおすずきくらら)。
鈴木の中で最も偉大な存在だから、大鈴木。
トマトを被ってますが、中はホントーに可愛い女の子です。
衣装といい、中身といい、トマト状態時の言葉の辛辣さといい、ありえんくらい良いキャラでしてね。声も可愛かった。
彼女のステータス画面に書かれた文字は「魔改造」。これは能力のままかな。
霧藤以降の五名は「第二防衛学園」というところに配属されているんですが、第一と第二のメンバーにはほんのりと差があるように思えます。
それがなにかはわからんかったけど、気になるポイントのうちの一つですね。
次。
凶鳥狂死香(まがどりきょしか)。
最初に名前に面食らったんですよ。なんちゅー名前かって。気になりません?
人里離れた森の中で祖父に育てられたゆえに、あんまり常識は知らない女の子。
語尾は「ござる」で締めは「にんにん」。侍らしい言動をしつつ、週刊少年ジャンプが大好き。
めちゃくちゃジャンプネタをぶちこんでくるのですが、六割くらいわからなかったかも。
彼らが一体何者で、何故戦っているのか?
わかったところで一番思うのが、どうしてこんな名前なのかなってことなんです。
ステータス画面に書かれた文字は「武士道」で、凶鳥は変なキャラなんですけど、ちゃんと武士でもあって、プレイヤーの心を揺さぶってきます。
次。
面影歪(おもかげゆがむ)。
暗殺者の家系で育った現役暗殺者なんだそうで、名前も込みでどーなってんだよと思える17歳。
なんですが、誰が一番好きになったか問われたら、私は間違いなく面影だと答えるでしょう。
トリッキーなキャラクターこそ、芯がまっすぐ、強く通っていて、頼りになるもんなんですよね。
面影は普段の衣装が良くて、着物状の服を着てますが、模様はおそらく臓器っていう。
眼帯をしているので、変身ムービーもなんだか不思議に仕上がってていい感じ。
ステータス画面に書かれた文字は「人体実験」。
戦闘でもかなりの活躍を見せます。面影のいないバトルは心細いくらい。
最後。
喪白もこ(もじろもこ)。
現役女子高校生プロレスラーで、必殺技が特に良い。
とはいえ、プロレスネタが40代男性にしかウケない奴では、とは思います。
母性強めのいい女キャラであり、優しくキュートな存在でした。
ステータス画面に書かれた文字は「闘魂」で、そのまんま。
もこが仲間になった時、どうしてもしんどい気持ちになる作りなんですが、長く付き合っていくうちに好きになってしまう、そんなキャラクターでした。
登場するキャラクターは他にもおりますが、ネタバレなしだと特坊隊だけになっちゃいますわな。
とにかく膨大な物量でプレイヤーの心をへし折って来る作品でした。
辿る運命によってキャラクターの言動がほんのりとブレるので、おそらく複数で書いていると思うんですが、とびぬけておかしなところというのはなかったです。
好む好まざるもありますけど、なにせど真ん中にあるものが強くて、そこからの展開も楽しめるんじゃないかなあ。
一度プレイし尽くすと、次はもう記憶消すしかないような気がしますが。
すごくずっしりとした作品で、とても良かったです。
なにか追加要素来ないかなあ。
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