オーストラリア・アメリカの合同制作。
2015年の作品。
2004年当時、現職であったブッシュ大統領が
ベトナム戦争のころの軍歴に詐称があったのでは?
というニュースを流すも、
その証拠とされる文書が実は偽造されたもので、
真実を追求して発表すべし!と息巻いていたジャーナリストたちが
テレビ局を追われる話、です。簡単にいうと。
主演はケイト・ブランシェットでして、
実在する元CBSの報道部門プロデューサー
メアリー・メイプスという女性役を演じております。
うまいよね、やっぱ。見ちゃう。
このブッシュ元大統領の軍歴詐称について、
メアリー女史はこれよりも過去に追及していたこともあったんですが
いろいろあって断念。
ところが新しい証拠をつかめそう!ってことで
再び調査を開始するんです。
信頼のおける仲間と、番組のアンカーマン、ダン・ラザーと一緒に
インタビューをし、裏を取って、とうとう放送にこぎつける。
ところが、証拠として出された文書が「偽造ではないか」と
ひとりのブロガーに指摘されるやいなや、
他のテレビ局から猛攻撃が始まる。
その信ぴょう性について確認をしていくうちに、
重要な証人の言葉が実は虚偽であることもわかり、
大統領選にも結局は大きな影響を及ぼしてしまい……ともうさんざん。
最終的には、メアリー・メイプス自身に矛先が向いて、
彼女の人間性やらなにやら、盛大な「叩き」が始まって。
実際がどうだったか、というのはこの映画のテーマではないんです。
ブッシュ元大統領の軍歴については、
どうにもこうにも濃いグレーだったのかな、という感じ。
問題は、報道する側の、ネタを扱う際に必要な覚悟と、
誰かが失敗したときの「世界からの叩かれ方」について。
調査委員会と対峙したメアリー・メイプスの最後の言葉は
今の日本の世の中にも言えることでした。
誰かが失敗をしたときに、完膚なきまでに叩きのめそうとするのは
話が違うんじゃないの?っていう。
確たる証拠、がないとダメなのはわかるんですけども、
じゃあそれがない状態で、本当に悪事が目の前にあると知った時、
声をあげないでいるのかどうか……?
ジャーナリストに求められるものは大きくて、重いものです。
誤報、虚偽だった場合、名誉を傷つけられる人もいるわけですし。
そういうテーマについて、丁寧に描かれた映画だと思いました。面白かった。
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