2010年の映画。
舞台はイタリア。
主人公のソフィーは婚約者と二人でイタリアへ旅行へやってくる。
料理人の彼氏はワインやパスタ、トリュフに夢中。
それよりも二人で観光したいのに……と一人でソフィーが歩いていると、
街角には不思議な光景が広がっている。
たくさんの女性たちが、手紙を壁に貼り付けており、
そのうち一人の女性が手紙を回収してどこかへ去っていく。
気になってあとをつけてみると、とある民家では
何人かの女性がテーブルの上に手紙を広げている。
たくさんの手紙が書かれていたのは、
ロミオとジュリエットの、ジュリエットのおうち。
恋愛についての悩みを書いて送る風習があって、
ジュリエットの秘書たちがそれに返事を書いてくれるのだそう。
各言語にも対応し、悩み別に担当も決まっているという徹底ぶり。
ソフィーはその仕事に興味津々になり、
婚約者がグルメフィーバー中でほったらかしなのもあって、
秘書たちの仕事に少し混ぜてもらうことに。
もともとライター志望でもあるので、このエピソードを書こうと思っていたら
ジュリエットのおうちの壁の中から一通の古い手紙を見つける。
駆け落ちしようと約束していたのに、勇気が出なくて行けなかった。
50年も前に書かれた手紙にやけに心を打たれて
返事を出してみようと決めたソフィー。
悩みに悩んで、言葉を選んで、返事を出すと
その手紙を書いた女性、クレアが孫とともにイギリスからやってくる。
返事に心を動かされ、婚約者に会ってみたいと思って。
そう告げられて、ソフィーはクレアの旅についていくことに。
というお話。
とてもロマンティックなラブストーリーであると同時に、
とてもリアルなラブストーリーでもあるという。
50年の時を経て、かつての恋人ロレンツォを探すクレアの旅は結構過酷。
同性同名のロレンツォを端からあたっていくものの
なかなか見つからないし、イタリア人男性は情熱的なのか
全然別人のくせになんかオレがそうだよ!みたいな感じで出迎えてくるし。
同行している孫のチャーリーは、
50年も経っているし、こんな旅をするのはどうなの?
と最初から反対ムード。
おばあちゃんが傷つくところは見たくない……と文句たらたら。
ソフィーとはたびたびぶつかりあうけれど、
でも結局旅を共にしていくうちに、
なんだかんだ理解しあえるようになって、
ソフィーは自分と婚約者の仲についてしっかり向き合うようになり。
クレアのロマンチックな愛の物語も、
ソフィーの現在進行形の恋愛についても、
途中で波乱を含みながらも最後は美しく決着がつく、
とてもよくできた美しいラブストーリーでした。
ジュリエットに恋愛相談をする女性が世界中にいて、
それに返事が戻ってくるという話も面白かった。
ちなみに、日本語で手紙を送ると、ちゃんと日本語で返事が返ってくるそうです。
いい映画でした。
イタリアの風景もいいし、ソフィーが本当にチャーミングでね。
クレアは目指すべき上品な老婦人の姿だと思いました。みてよかった。
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