ホラーではなく、ほっこりドラマ寄りのコメディでした。
変異したウイルスが牛から人に感染して爆発的に広がり、
ゾンビだらけになってしまった世界。
ひきこもり気味の大学生「コロンバス」は自分でルールを決めて、
ゾンビからひたすらに身を守って過ごしていた。
街にゾンビがあふれて、さてどうするか。
あてもないし、故郷へ向かってみようか……と考え、
オハイオ州コロンバスへ向かうことに。
その旅の途中で、ゾンビ狩りの得意な男、タラハシーに出会う。
二人旅をしているうちに、ウイルスに侵された妹とその姉に出会い、
だけどその二人は詐欺師で、車と銃をとられてしまい、
だけどまた進んでいるうちに再会して、
なんだかんだで四人でロサンゼルス郊外にある
「パシフィック・ランド」という遊園地を目指すことに。
そこはゾンビのいない楽園なんだと姉妹は話す。
他人を信じない詐欺師姉妹と、
ちょっぴり怒りっぽいマッチョなゾンビハンター、
そしてゲームオタクでひきこもり気味の青年。
警戒しあいながらも、旅をしていくうちにちょっとずつ打ち解けてきて……
みたいなお話。
面白かったです。
ゾンビものなのに警戒、で、珍しく救いのある明るさに満ちているという
とても不思議な一本(もちろんゾンビはめっちゃ出る)。
四人が四人とも自分の名を名乗らず、
出身地などで呼び合うさまが世紀末らしくて良い。
詐欺師姉妹は実にかわいらしくて、
ゾンビハンターと化したウディ・ハレルソンもかわいい。
気が弱く争いを好まない主人公「コロンバス」が緩衝材になって
四人はなんとなくまとまっていく。
ゾンビまみれの世界に救いはやっぱりなくって、
ロサンゼルスに入った時の景色の悲しさは抜群。
希望をもって入り込んだ楽しい遊園地は、
電源をつけたらキラキラと輝きだすんだけど、
それでゾンビがワラワラと集まってきてしまうという恐ろしさ。
で、ネタバレになっちゃうんですけどね。
正直、ゾンビ映画なんで、だれか死んじゃうと思ったんです。
最後はかなり絶望的な展開になるので。
この映画の登場人物、とりあえず一人は死んじゃうんですけどね。
だけどまあ、そこなの?そういう理由なの?って感じでして、
いわゆる王道的な展開にはならなかった……ような
別な意味で王道なのかな。
ゾンビまみれになってしまった世界の話って、
最後の最後に「ちゃんと人類が保護されている場所」とかにたどり着かないと
正直デッドエンド一直線に思えて安心できないまま終わるじゃないですか。
なのに、これは結構、妙な安堵感に包まれたまま終わるんですよね。
それが不思議にさわやかに感じられるという
ゾンビ界ではなかなか珍しい作品なんじゃないでしょうか。
エマ・ストーンが出演していますが、
にこーってしてもらえないとあんまりエマ・ストーンってわからないという。
チャーミングなんですけどね。化粧のせいかなあ。
とりあえず、とても面白いゾンビ映画でした。よかった。
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