2016年の作品。
事の顛末、監視カメラ映像、法廷の3か所で物語が進んでいく作り。
主人公はイーサンとショーン、2人の高校生。
かつて行われたある実験を下敷きに、自分たちもとある試みをしているところです。
向かいの家に住んでいる偏屈ジジイにイタズラを仕掛け
その様子を6週間観察し続ける。
ポルターガイストのような現象を起こし続けていって、
幽霊を信じるようになるかどうか……試したいのです。
向かいに住む頑固じいさんは通行人を口汚く罵ったりするし、
妻を毒殺したなんて噂もある人物。
なので少々のお仕置きくらいいいじゃない?
ってノリで、まずは留守中に家中に監視カメラを仕掛ける。
監視はところどころに穴があるものの、じいさんの日常は丸裸に。
ところが、ドアを荒々しく開閉しても、
暖房が勝手に切れて家の中が寒くなっても、
窓がいきなり割れても、じいさんはなんだか平常心のまま。
監視を続ける二人は、じいさんがたびたび入り浸る地下室が気になってくるのですが、
そこまで入り込むのは不可能で……。
というお話。
最初に二人の口から説明されるとある実験に関する見解、
「人は見たいものを見る」
これそのまんまのお話でした。
仕掛ける側の二人組のうち、イーサンは爺さんにちょっとした恨みがあるんです。
それが物語が進むうちに明かされていく。
私怨があっての実験だったとわかって、ショーンは怒り、打ち切ろうとするも
イーサンはどうしても「自分の見たい現実」を捨てられず、
思い切った行動に出てしまって、
途中でわかりますが、最終的には死者が出る、という悲しい結末を迎えます。
それが一体誰なのか。最後にわかって、しかも理由がハッキリとして
なんてこった……!
ってなって終わり。
ものすごく皮肉な展開なんですよね。
幽霊を信じさせようなんて、ちゃんちゃらおかしい目的だったね、とか
最悪の結末ではあったけれど、爺さんにとってはひょっとしたらよかったのかも……とか、
でもとにかく、個人の勝手な思い込み、勝手な印象で他人を判断してはならないよ
って話なんだと思います。はい。
どんなに明るくても心に暗いものを抱えていたり、
どんなに陰気でも、いざという時にはとても頼りになる賢者だったりなんて
たくさんある話なんですもんね。
人は見たいものを見る
思い込みこそが現実の一番の敵なのかもしれません。
あとは「ソムニア 悪夢の少年」と「ディアボロス/悪魔の扉」を細切れで。
「ソムニア」はルームで名演技を披露していた少年が
夢みたものを現実のものにしてしまう力を持っているものの、
彼のママを食べてしまった悪霊「キャンカーマン」まで呼び寄せてしまうというもの。
キャンカーマンは結構おっかない風貌なんですけど、
その正体や現れた理由は結構悲しいもので
ホラーなんだけど静かでドリーミィな感じでした。
「ディアボロス」はまたキアヌ主演で、敏腕弁護士役。
無敗のままやり手街道を突っ走るために、明らかに悪い依頼人を守るため
セクハラされた女学生にかなりの嫌がらせをかましてしまう。
そんな彼を超一流の弁護士事務所がスカウトして、
お金ザックザクの超リッチ生活が始まったものの
妻は精神に異常をきたすし、
所長が実はお父さんだったり、正体が悪魔だったりでもう大変。
アル・パチーノが悪魔、っていうのはものすごくハマってて
なるほど感が素晴らしかった。
正義の道を行きたかったはずの若きやり手弁護士役がキアヌにもあってて
でもそれよりなにより奥さん役のシャーリーズ・セロンがかわいいのなんの。
あんなかわいい美女に甘えられるのサイコーじゃないのって思った分
彼女のたどる運命がかわいそうでならないっていう。
シャーリーズ・セロン最強伝説がまた1ページ刻まれたなあって思いました。
全体的には、ちょっと長かったかなあって感じ。
どれもなかなか良かったです。
PR