忍者ブログ

2016-10-25(Tue)

「ファイトクラブ・レディズ」

「ファイトクラブ・レディズ」

WOWOWで先行放送だったみたい。
DVDなどはこれからのようです(出るのかわかんないけど)。

2016年、アメリカの作品。
主役のレベッカを演じているのはエイミー・ジョンストン。
「デッドプール」「スーサイド・スクワッド」でスタントウーマンを務め、
女優としてデビューしたということで結構ワクワクしながら見てみたんだけど。
お父さん役はドルフ・ラングレン。強い。


ペットの保護団体で働いているレベッカはどうやら複雑な過去を持っている様子。
その証拠に、ペットを預かっているところにやってきた悪い男たちを
キック一発でのしてしまう。
その映像がなぜかネットに流出、ユーチューブでまさかの再生回数50億回。
そのせいで、妹に居場所を探し当てられてしまう。

妹は悪い男に多額の借金を背負わされており、
ラスベガスにある闇の闘技場でキャットファイトして勝たなきゃならないという。

めちゃめちゃ強いレベッカなんだけど、参戦は拒否。
かわりに妹ちゃんを鍛えるという。
お父さんのやっていたジムに戻り、選手たちを鍛えだすレベッカ。
父ちゃんは悪ガキたちを何人か地獄へ送った罪で投獄中なんです。

ファイトシーンはなかなかカッコいいんだけど、いかんせん尺が短いかな。
レベッカ役のエイミー・ジョンストンは普通に美人でして、
これまでスタントやってたのかーってちょっと惜しく思うくらい。

レベッカはかっこいいですし、悪い男と戦う女たちという対比はいい。
ところが、ちょっとばかり出てくるみんながエゲつないのがとても残念。

レベッカの妹ケイト以外はみんな鼻っ柱が強くて、
レベッカのいうことをあんまりきかない。
地下ファイトでは全員地下女王にこてんぱんにやられてしまうし、
ジムに所属していた連中はみんな、
ケイトの代わりに試合に出たレベッカに大金を賭けていたのに
負けてしまったのでその腹いせに、
重傷で入院中のケイトの酸素のチューブを抜くという荒業をやってのける。

黒幕である男の冷酷さとか、いろいろいいところはあるんだけど、
最終的にレベッカの過去(なぜ父親が投獄されたのか)が明かされて
そこでめちゃめちゃどん引いてしまった。マジか?と。

なにが起きたのかはここにネタバレで小さく書いておくね。

町の悪い若者たちに、ケイトは集団でレイプされてしまう。
それに怒ったレベッカは酒場で楽しくやっている若者たちを襲撃。
全員容赦なくぶっ殺してしまう(ボコボコじゃなくて、ぶっ殺す)。
その罪をかぶって父親が収監されているんだけど、
その話をした時に、レベッカは「スカっとした」と言ってのけ、
とりあえず反省をしている気配はゼロなのである。
父親が投獄され、妹はレイプされたときにできたのか子供を産んでいるが
その間レベッカは身を隠し、誰からも連絡を取れないまま5年以上身を潜めていた。


で、最終的に街にいられなくなりまして、
刑期を終えた父親と、母を亡くした姪っ子と一緒に新天地へ旅立つんですが
どーにもこうにもこのラストシーンの合成感がひどすぎる。
21世紀にありえるのかコレが、と言いたくなるレベルの低さでして
色々と考えていたものも全部すっとんでいってしまいました。

いや「オール・チアリーダーズ・ダイ」もひどかったんだけどね。合成は。
あとは「OUT」のドラマ版。古いけど、これも最終回のテキトーさがひどかった。
終わりが悪いとそこまでの積み重ねも全部色あせてしまうので、
もうちょっと頑張った方がよかったと思うんだけど、
ドルフ・ラングレンはどう考えているのかな。

映画の要素単体をそれぞれ見ていくと、結構よさそうなんだけど。
全部まとめたらダメになっちゃったような、そんな映画でした。



PR

2016-10-04(Tue)

「サスペクツ・ダイアリー」

「サスペクツ・ダイアリー」

2015年の作品。主演はジェームス・フランコで、お父さん役にエド・ハリス。
ついでにジョニー・デップとモメにモメたアンバー・ハードが出てました。


原題は「The Adderall Diaries」でして、このAdderall は薬の名前なのよね。
ADHDなんかに処方される感じなのかなと見て思いました。


幼いころから不幸だった青年スティーヴンは作家になって成功したものの
自分の過去についてつづった本を朗読する会に
死んだことにしていたお父さんが乱入。
あいつはウソつきだ!と叫ばれ、作家としての地位を失ってしまう。

そこからゆっくりと自分の過去と向き合っていくという、そういう話でして
最終的な感想は、なるほどなー でした。
辛いことってなかなか真正面から取り組めないもので、
主人公がはっきりとADHDだとかそういう問題を抱えているという描かれ方はしてないですけど
そういう問題がなかったとしても、辛い体験や記憶っていうのは
今の自分にあうように多少改変されるのが普通なのかもしれません。

なんて、前に「ハッピー・ボイス・キラー」を見た時には思ったんですけどね。
だけど最近、まだまだ幼いのに、なにもかもを他人のせいにする、
自分の思い通りにいかないとわかるやいなや、
言い訳や言い逃れを口にして、それを全部誰かのせいにする
っていうタイプの子供を立て続けに二人見たんですよね。

社会人になってからも、なにかっていうと誰かが悪い、
お前が悪いってすぐに言い出す、
もしくは誰かがしでかしたんじゃないかという邪推を
実際にあったことにしてしまう人と会ったことがあるなーってのも
セットで思い出しました。
あれは、ああいう病気なのかもしれませんね。心の。
なにかしら誰かのせいにする、悪し様に言う仕組みが
子供のころから組み込まれている心が存在するのかなー
だとしたら、随分生きていきにくい仕組みがあるものだなー……みたいな。

主人公は、自分が記憶を都合のいいように作り変えていたと自覚して
ゆっくりと立ち直っていくんですけどね。
親友の優しさや、父の本当の姿を知って、心の形を作り変えていくんです。
みんながみんな、ああなれればいいのになー……みたいな気分になりました。はい。

ジェームス・フランコはプロデュース業にも精を出しつつ、
俳優としてもちゃんとしてて偉いなーって。そんな風にも思ったよ。


あとは、「ザ・インターネット」もみました。
サンドラ・ブロック主演で、よわよわしいタイプのサンドラが見られますが
いかんせん古いよねっていう。
1995年の作品だから、ネットの黎明期もいいところでして。
今見るととにかくコンピューターが古い。
でもあんな時代もあったんだよね、ほんの少し前にはね。

で、この間みたなんだったか、オランダ映画でも同じような題材をつかってましたが
データの改ざんはマジで怖いなって!
犯罪歴とかガンガン入れられたら困っちゃう。


2016-10-01(Sat)

「スーサイド・スクワッド」

スーサイド・スクワッド

見たかったんだよね!
予告編で見た時から楽しみにしてたのに、
なかなか行けなくてモヤモヤしているうちに
上映がみるみる縮小されていき仕方なく吹き替えで見ました。
ジョーカーの声がイケメンすぎてめっちゃ気になりましたが
全体的にはとてもよかった。

ハーレイ・クインがまー可愛い。
ダンガンロンパが好きな人はまちがいなくはまるかわいさで
これまでとは違う、新しいイケてるオシャレジョーカーも良かった。
手に笑った口のペイントをする人が今年のハロウィンでちょいちょいいるのでは。

ストーリー部分に関しては、
考えていたよりも敵が壮大だったなあ、ってな印象。
エンチャントレスの演出はとてもよかったし、
復活した弟の攻撃というか、攻撃を受けたものの痕跡がかっこいい。

ビジュアルは、ハーレイ・クインのハンマー(使わないけど)とディアブロが超よかった。
ワニも良かったけど、ディアブロの本気モードはかっこよすぎ。

もしもこうなったらって妄想の時のきれいなジョーカーとか
ぬいぐるみのユニコーンとか
ちょいちょい顔を出すバットマンとか
つっこみどころ満載で邪悪なおもちゃ箱みたいないい映画でした。

でも一番やべえのは、やっぱりアマンダだったね。みたいな感じで。
続編作れそうな雰囲気で終わってたので、
こんなコンセプトの映画なのに意外と全体的におとなしかったから
もっともっとハジけててでたらめな感じにしていたらいいんじゃないかなーと思いました。

カタナは必要だったかな?くらいの存在感でちょっぴり残念。

ジョーカーがあまりにもオシャレ系だったので、
一緒に見に行ったともだちと、歴代ジョーカーについても話しましたよ。
ジャレット・レト→ヒース・レジャー→ジャック・ニコルソン って感じで進化するのかなって。

間にヒース入れるのは無理かなあ?


あとは、空いた時間にちょいちょい映画見てるのでメモ。

「アノマリサ」
人形ムービーなんだけど、異様にリアルで最初混乱しちゃった。
時々実写に見えるんだよね。ドキドキしたね。
物語もなんともいえない無常感で、見てはいけないものを見てしまった気分に。

「マジック・マイク XXL」
男性ストリッパーの復活とか引退とか。
男のストリッパーっていうのは、なんだかんだで女性との絡みがあった方がいいのかなあ。
なんにせよ、自分には縁のない世界でした。あれを楽しめる文化はすごいと思う。

「ミッション・インポッシブル」
まさかの今更一作目。まーみてみるかーみたいな感じで。
でもあれ、内容あんまり覚えてないかも……。
あんまりトム・クルーズの顔は好みじゃないんだなってことばかりを考えましたとさ。

あとは「パーフェクト・ゲッタウェイ」っていうのを見たんだけど、
3組のカップルのうち殺人鬼はだーれ的な作りでね。
一生懸命みて考えたんだけど「わかるかーい」ってオチでした。


ポケモンGOは、Plusのお陰でプレイがすっかり快適に。
初めてベトベターを捕まえました(役所で手続き中に)

だけど、カビゴンは逃がしてた……残念。

2016-09-13(Tue)

「コンフェッション ~ある振付師の過ち~」

「コンフェッション ~ある振付師の過ち~」

2014年、アメリカの作品。
もともとはブロードウェイの戯曲とかいてあったので、舞台作品だったのかな。

主演はパトリック・スチュワートだから、
X-MENのプロフェッサーだしスタートレック。

主人公のトビーはニューヨークでバレエの振付師をしている元ダンサー。
現在はひとり寂しく暮らしているんだけど、
そんな彼のもとにインタビューをしたいと一組の夫婦がやってくる。

アメリカのバレエの歴史をまとめたいということで、
世界中を巡ったトビーの話を聞きたいはずが
なぜか彼の若かりし頃の女性関係ばっかり聞きたがるインタビュアー夫妻。
なんでそんなことを聞くかとさすがに怒ると、
旦那の方が実はトビーが昔遊んだ女の息子だった。

あなたが本当の父親だろう?と迫る推定息子。
そんなことない、とつっぱねるトビー。

最終的には力づくで押さえつけられ、口の中を綿棒でガリガリやられる。
DNA鑑定のための細胞をゲットし、夫は鑑定へ走るが
そんな無茶をした夫を申訳なく思い、妻はトビーに謝る。
そこからこう、真実が……という話。


もとが舞台だとわかると、なるほど感が出てくるかもしれない。
なんてったって話が劇的すぎるし(普通の人間は親子関係を探るのにあんな真似はしない)
会話がかなり下世話なんですよ。
若いころは遊びまくったわー
女抱きまくったわー
みたいな昔話をする老人のかなしくも滑稽な様子、という描き方がまず
現代の映画らしくなくて野暮ったい。というか、聞いてられない感じがすごい。

トビーはやってきた男について、自分の息子だという意識があるんです。
相手の女性からもいわれていたし、心当たりもあったから。
だから過去にはそっと援助もしたし、心にずっとかけてきた存在ではある。
だけど父親であることを放棄したし、いまさら父親面できないって思いが強いので
父親だと言い出せないし、冷たく追い払ってあきらめさせようとするんだよね。

ところが、父親がいないことが夫婦に大きな影を落としていると知って、
奥さんの方には心を開き、過去や心の強く持つ方法なんかを話す。
夫婦がだめになりそうな時に肝心なものは……のあたりは腰砕けなんだけど
どうして舞台だとこういうセリフ出しちゃうんだろうね。
文学的ってことなのかな、こういう猥雑な感じをあえて出すスタイルが。

とまあ辟易しながら見ていたら、案の定。
二人は実の親子じゃないんです。

いいように解釈すると、長年お互いをしばりつけていた
「親である人」「息子である人」という鎖がほどけて自由になれた。
という終わり方。

あんまりいいように考えなくていいなら
「しょーもない」
ですんじゃう感じ。

あまり共感できるところがないので(みんな悪い面の方が強く押し出されている)
「しょーもないな……」と思いつつ、でもまあ、現実にもあるかもなあと思うと
解放されたのはきっと幸せだし、よかったのだろうな、みたいな気分になりました。

バレエの振付師の話だけど、バレエのシーンはほぼゼロです。


ポケモンGOは本日、イワークがたまごから出てきました。やった。

2016-09-05(Mon)

「ナイトクローラー」

ナイトクローラー

2014年、ハリウッド映画。
事件や事故の映像を撮るカメラマンの話、というと語弊があるかな。
警察の無線を傍受してだれよりも早く現場に駆けつけ、
被害者がいようが犯人がいようが関係ない、
刺激的でダイレクトな映像を撮って、テレビ局に売る
事故映像専門のパパラッチが主人公。
ナイトクローラー、夜を這い回る者、みたいな感じかな。

結構衝撃的な内容でした。

主人公は、現在無職でコソ泥でなんとか食いつないでいる男、ルイス・ブルーム。
冒頭からちょっとマトモじゃなさそうなんです、ルイスは。
明らかに入ってはいけない場所に入って、注意されて、
笑顔でごまかそうとした挙句、警備員にアタック。
勝手にフェンスを切り取って売りさばき、
売り込んだ先で就職活動を開始する。
そこの社長には、コソ泥なんか雇わないよって言われて、
そうっすよねなんて笑顔でかえっていくんですけど……。

この後ルイスは偶然交通事故の現場に遭遇して、
被害者を救出しようと頑張る警察官を撮影しているところを見るんです。
その映像は、次の日の朝のニュースで流れる。
事故や事件の決定的な映像は売れる、ビジネスになると理解し、
盗んだ自転車を元手にしてルイスはカメラを手に入れ、
パパラッチへの道を歩み始めるんですけども……。

この映画のパッと見の訴えっていうのは、
人としての倫理観ってどうなのとか、テレビで見せられているのは誰かの作り上げた
編集済みの勝手な物語なんだ、とかそういうものだと思うんですけどね。

それよりなにより、主人公のルイスが怖い!
カッと見開いた目は相手をじっと凝視し、
彼だけの勝手なルールのままに会話が運ばれて、
大した愛情も情熱もなさそうなのに体の関係を求め、
より認められるためには手段を選ばなくなっていき。
最後の事件に関しては、本当に超えてはいけない一線があったのに
彼は軽々と飛び越えちゃうんですよね。

そういう人物がいるから、より刺激的な映像が撮られるし、
より刺激的な映像は話題になり、視聴率に繋がる。
もっともっと、の構造はこういうとこにあるんですよね。
もっと強く、もっと早く、という要求から、
カメラを持った人たちも理性をどんどん失っていく。
ブレーキはきかなくなって、大事なものが壊れてしまうっていう。

いや、ルイスはそもそもブレーキがきかないタイプだったようですけどね。
あそこまでやらなきゃいけないものなのか……
って思う自分が正常であってほしいと願わずにはいられないというか。

ルイスのやりすぎは、映画だからね、って言えるものなんですけども
だけどこういう人、本当にいるんじゃないかなって恐怖も感じるんです。
人間っていったいどうなっているんだろう。
ここまで非情に、良心のかけらも持ち合わせずに生きていけるものか?
ルイスの強烈な「認められたい」という気持ちを、
理解できるようなできないような、とにかく見ていて心にトゲが食い込んでくるような
恐ろしい映画でございました。


残酷なもの、なまなましいもの、性的なものに関しては、日本でもいろいろと
もっと刺激的なものをというスレスレのチキンレースが続いていると思ってます。
あいつがここまでやったなら、こっちもやらなきゃっていう
より売るための道具として、良心が削り取られていく感じ。
ここまでしてはいけないという声も、結果、お金の前には無力です。
たとえ誰かが傷ついたとしても、たとえ多少のウソが混じったとしても。
視聴者、読者が求めるから……だからより過激に!っていう流れですよね。
なんとか止まらないかなって、いつも感じています。
だから余計にこの映画は、刺さったなーって。

主演のジェイク・ギレンホール、すごかったですね。
あんな危ない目をした男ではなかったと思うんだけど。
他の映画ではみたことのない鋭さで、すごい存在感でした。
これは本当に、見た方がいい映画だと思います。
いけないんだよーこういうのはー といういい子の主張の奥に隠されたあれこれを
特に若い子には見てほしい気がいたしました。