1998年のハリウッド映画。古いね!
実話をもとにした作品でした。
主演はジョン・トラヴォルタ。
主人公のジャン・シュリクマンは弁護士なんだけど、
基本的に傷害事件を得意としており、
最初にぶっちゃけてくるんだけど、
被害者がどういう状態だと一番稼げるか、なんて
ものすごく下世話な基準を設けている。
弁護士の報酬のあり方というものがはっきりしているので、
確かにきっと、白人の専門職、40歳で稼ぎ盛りの既婚男性の担当が一番儲かるのでしょう。
そして一番お金にならないのは、子供の被害者なんだ、でナレーションは終わり。
そんなお金にならない案件を、ある日持ち込まれるのです。
ラジオで法律相談をしていた時に、生電話でののしられるという形で。
2年前に依頼したのに知らんぷりなのかと言ってきたのは、
マサチューセッツのある街に住むひとりの女性で、
息子を白血病で亡くしています。
元気だった子がいきなり病気になって、あっという間に死んだ。
息子の死に納得がいかなりアンには、裁判で争う相手が見えていないんです。
なのでジャンはこの依頼は受けないと決めるんだけど、
スピード違反で取り締まりを受けた時に、見つけてしまうんです。
どうしてこの土地で急に白血病にかかり、子供が次々死んでしまったのか。
大企業の工場が並んでいて、そこからなにかが垂れ流されている。
これはビッグビジネスの予感!と、ジャンはこの依頼を受けます。
たくさんのこどもの命を奪ったのは、工場から出された発がん性物質であり、
そのあたりに適切ではない方法で廃棄されたから、井戸水にしみこんで、
健康被害がでてしまったんだと。
最初はいっちょ金もうけするか!ってな意識のジョンでしたが、
子供を失った親の哀しみ、勤め先を裏切りたくはないけれど、
汚染された土地で子供を育てている従業員の証言などを得て、
さらには企業側の弁護士のやりくちに腹をたてて、
少しずつ、忘れていた「正義の心」を思い出していくんです。
最終的には相手にしてやられまして、
事務所のお金はなくなり、所属していた弁護士は全員家を抵当に出され、
本当に1セントも払うお金がなくなり、みんなバラバラになってしまい、
やむを得ず相手の和解案に乗らねばならなくなりました。
本当にどん底に落ちてしまう、ジャン・シュリクマン。
彼は小さな小さな事務所を街角に構える羽目になるんだけど、
それでも情熱を失わない。
むしろ、失うものがなくなったから、パワーアップを果たす。
自分の信念を取り戻し、もう一度証拠を探し出して、再び法廷に立つのです。
弁護士ものっていろいろありますが、
弁護士ものの王道って感じの話でした。
弁護士になりたてのひよっこか、慣れ過ぎて金の亡者と化したベテランが、
本当の正義とはなにかに出会うみたいな話のひとつです。
でも、実際にすべてを失って、それでも立ち上がって被害者を救った人物がいるんですもんね。
ジャン・シュリクマンはこの後環境問題専門の弁護士になったのだそうです。
潤沢な資金を持っている相手は強いw
この作品は、企業側の弁護士を演じているロバート・デュヴァルがすごくいいし、
ジャンの事務所で経理を担当するウィリアム・H・メイシーがすごく良かったです。
結構前の映画なのに、不思議と古臭さも感じませんでしたよ。
レインメーカーはあんなに「古っ」って思ったのになあ。
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