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2016-12-29(Thu)

「二重逃亡」

「二重逃亡」

2016年アメリカ映画。
原題は「Term Life」で、主人公は犯罪計画を作って売っているというニック。
裁判所に保管されている多額の現金を奪うプランを売り渡してみると、
計画はうまくいったのに逃亡先で実行犯たちが殺されてしまう。
それが実は麻薬王の息子で、ニックに殺されたと勘違いされて逃亡スタート。
ところが敵は一人じゃないんです。
離婚した元妻に育てられていた一人娘のケイトを連れて、
親子でぶつかりあいながらの逃亡劇が始まる……!というお話。

まずはニックが「犯罪計画プランナー」っていうのがなかなか面白い。
実行には移さないけど、完璧なプランを作って売るという。
侵入ルートから使う道具まで全部セットで売ってくれるのでなかなか親切。

ニックが頼れるのは仲間のおっちゃんただ一人。
彼を追うのはクレイジー麻薬王と、超ブラックな悪徳警官なんです。
しかも組織でやってくるので非常に性質が悪い。
警察が堂々と悪事に手を染めて敵として立ちはだかるってかなりの悪夢だね。

とはいえニックは非常に観察眼の鋭い男で、的確に立ち回って難を逃れていきます。
最初はサイアクだった親子仲もじわじわと改善していき、
裏社会で生きるためのヒントを教えているうちにケイトも父を助けようと頑張りだすっていう。


全体的に緊張感があってなかなか面白かったです。ちょっと地味だけど。


あとは、ちょっと古いけど「ディスクロージャー」を見ました。
マイケル・ダグラス主演、元カノのデミ・ムーアが上司としてやってきて
セクハラをかまされるも、逆に「あいつにレイプされた!」って大騒ぎされる悪夢のような話。

男性から女性、だけではないはずなんだけど、
どうしても体のつくりが違いますゆえ、
女性から男性へのセクハラっていうのは難しいもんだなあと思います。
ましてや元カノの若い美女ときたら、事態はますます厄介だよね。
奥様にすべてを聞かれる事情聴取も針のむしろ感がすさまじく、
(ちょっとだけ応じちゃったりしてるもんだから余計に)
いやはや、女性の悪いところだけを抽出したかのような元カノ上司に
すっかりブルーになってしまいました。

でも、女性の敵のような扱いになった主人公を救ったのもやっぱり女性でして。
男女の平等ってむつかしい問題だよなあって思います。
これまでの歴史の積み重ねもあるしね。
お互いによく認め合い、努力しあえる仲になれるといいなーってしみじみ考えましたとさ。
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2016-12-08(Thu)

最近見た映画のメモ

ポケモン・サンをとりあえずチャンピオンになるところまでプレイ。
島を隅々までめぐるにはまだレベルが足りなさそうであり、
今は図鑑を埋める作業ばっかりしてます。
メレメレ図鑑だけは100%になりました。

プレイしていたら色違いのゴルバットが出てきて、
そいつをクロバットにしたら次の守り神に会いに行こうかな。

今年中に予定されていた大きな用事はあらかた済んだものの
来年度に必要なあれこれがいっぱいあってどうにもこうにも
やっぱり師走は忙しいわい……ってな心持ちの中
映画をながら見したりしてます。

最近見た映画は

ブラック・スキャンダル」 2015年アメリカ。
ジョニー・デップがハゲちらかしてたやつですね。
ベネディクト・カンバーバッチの顔、やっぱり苦手だなって見ながら思いました。

コップ・カー」 2015年アメリカ。
ケヴィン・ベーコン主演。置き去りのパトカーを子供がいたずらで乗り回してたら
すんごい悪い警官のでもう大変!ってお話。
悪い警官役ちょう似合っててハラハラしちゃった。
パトカーならではの構造のせいで後部座席から出られないとかいろいろハラハラ。
狭いところで銃を撃っては危ない。そんなことも学べる映画。


ソロモンの偽証」 2015年 日本。
前後編続けてみました。宮部みゆき原作の、とある男子中学生の転落死から始まる物語。
警察・学校からは「自殺」と言われても納得がいかず、中学生たちは校内で裁判をします。
なるほど中学生ならではだな……という内容でした。途中ハラハラしすぎると
最後に肩透かしをくらってしまうかもしれません。
事件そのものの解明ではなくて、事件が起きてざわざわする胸のうちや、それまでの経緯、
起きてはならなかった不幸な事故について彼らがどうやって
決着をつけていくか、というのが焦点だったと思いました。
自然なものではない死って、突きつけられるとつらいよね……としみじみ。


「ユニット7 麻薬取締第七班」 2011年 スペイン。
1980年代のスペインの警察、麻薬取締班の活躍を描いた映画。
最近すごく気になるスペイン映画でしたが、
いや、やっぱりこの国のことをちゃんと知らないなあって思い知った感じ。
闘牛、フラメンコくらいしか知らなかったんだなあって。
麻薬が蔓延し、どれだけ頑張っても刑事の仕事が報われない。
時には過剰な暴力で対抗しなきゃいけないほどの修羅の世界で
麻薬取締官たちが頑張る姿を描いている。
物語に山があってオチがあって、ということではなく、
リアルにこういう時代があって、こういう活躍をした人たちがいたのですよ、
っていう話なんだと思います。
日本でもですけど、深く深く犯罪を追う仕事をする人たちってすごいよね。
普通の家庭生活との両立って難しいんだと思います。
だけど胸のうちの正義の炎に突き動かされて、戦ってくれてんだろなって……。


ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」 2014年 アメリカ。
ダスティン・ホフマンも出ている、少年合唱団が舞台の映画。
アル中の母ちゃんと暮らす12歳の少年ステットは正直荒れてて、
学校でも問題ばっかり。だけど彼にはとてもいいところがあって、歌がうまいんです。
校長先生は彼の未来を思いやり、とある合唱団を学校に招いて
入団のための試験を受けさせようとするも逃亡……。
ところがステットの母が事故で亡くなり、父親は別の家庭があるからとステットを
お金の力で全寮制の学校にねじこむのです。

少年たちがソプラノの声で歌えるのは本当に一時期だけのことで、
変声期がくれば違う未来を考えなければならない。
短い合唱団暮らしの中では、男の子同士であっても嫉妬や諍いがあって
あーだこーだともめちゃったりします。
厳しい指導者に鍛えられ、歌の力に気が付き、努力することを学び、
ステットは自分に唯一あった歌の力で最後には家族も手に入れるという
なんとなく日本人好みの映画だな、なんて思いました。


ダメ男に復讐する方法」 2014年 アメリカ。
キャメロン・ディアス主演のラブコメなのかな違うかな。
イケイケの弁護士であるカーリーが最近付き合っているのはマーク・キング。
ずっと独身を貫いてきたけれど、彼とならいいかも……
なんて思っていたらなんと既婚者だったことが判明。
彼の妻に職場を突き止められ、特攻されて、相手をしているうちにちょっとずつ意気投合。
二人であの浮気男をとっちめてやろうぜ、やっぱりやめようか……と揺れているうちに
更にもう一人、ぴっちぴちの爆乳ガールとも浮気していて!

この3人で浮気男に復讐キメる話なんですが、
不誠実な男性にとってこれが一番キツイ展開だろうなって思いました。
妻のケイトはなんかちょっとエキセントリックでヘンテコな女性なんですけどね。
ピュアだし人が良くて、くじけそうになるんですよ。
それを爆乳ガールとキャメロン・ディアスで支えて最後に天誅を食らわせるという
とっても痛快な映画でした。キャメロン・ディアスかわいいね。


こんなところかな。

2016-11-30(Wed)

「ゾンビーワールドへようこそ」「ゾンビスクール」

WOWOWでまた性懲りもなくゾンビ特集をしていたので、見てみることに。
今回見たのは2本。

「ゾンビーワールドへようこそ」
2015年の作品。
普段は学校でダサい扱いをされているボーイスカウトの3人組が主人公。
彼らが仲間の一人のオギーのためにキャンプをしなきゃならないんだけど、
抜け出してパーティに行っちゃおうぜ!
と考えている夜に事件=町中ゾンビ大発生 が起きる。
人里離れた場所にいたおかげで助かったベン、カーター、オギーは
ケンカしつつも協力し、なんとか生き延び、
街が空爆される前に大好きなお姉ちゃん(カーターの姉ちゃんのことがベンは好き)
を救おうとする。そういう話。

とにかく、冒頭で描かれる「どうしてゾンビ化ウイルスが拡散したのか」の顛末が酷い。
ボーイスカウトの描かれ方に関しては、アメリカの事情がわからないものの
確かに高校生にもなって頑張りすぎてるのはダサく感じられそうだ、
なんて思うけどなんだかんだサバイバルに必要な技術を学んでおくのはいいよねと思ったり。

ゾンビたちがとにかく全員足が速いというか、知性が高すぎて違和感があったものの
くだらなさが突き抜けていたのでまあいいかってところでしょうか。
下ネタの出し方が小学生っぽいというか、
オバカ系ゾンビコメディ、という位置づけなのかな。
とはいえ、描写は結構なグロさなので、明るいホラーが好きな人向け。


ゾンビスクール
こちらは2014年の作品なのかな。イライジャ・ウッドが主演してます。

全米に出荷されていくチキンナゲット。
作られている工程の中に、なんだかとっても不吉なものが混入していくさまからスタート。
明らかに黒く変色した部分のあるナゲットを食うなよ、
と思いつつ、一人の少女ががぶりと口に運び、
作家を目指しつつも花が開かない主人公クリントが登場。
作家になれないから、教師の仕事をし始めて、赴任してくる。
なんだかヘンテコな先生ばかりの小学校で、居心地が悪い中教室へ行くと
感じの悪い男の子が女子をいじめている。
もちろん、さっきナゲットを食べていた子で、
髪を引っ張られた結果、皮膚ごともげちゃう→ゾンビ活動開始!

女の子は逃げていくけれど、ちょっかいを出していた男子が顔を噛まれて
こちらは教室で大暴れを開始。
休み時間の校庭はあっという間にゾンビキッズだらけになって、
気が付いた先生は襲われてバラバラにされた挙句遊び道具になってしまう。

休憩室でだらだらしていたダメな先生たちだけが生き残り、
慌てて逃げ出すもゾンビキッズたちは超元気で、どーするどーなる!?

という話。いやー、なんか、ゾンビの映画は結構みてきたはずなんですが
心が感じるグロレベルがものすごく高い一本でした。
この映画のキモは、感染するのは子供だけ、というところなんですけど
それが結構キツイんだよね。そりゃそーだよね。
子供たちはみんな血だらけで、最後には先生たちにブチ殺されていくわけですので。

変わりものの先生ばっかりで結構あれこれおもしろい演出があるので
あんまり感傷的な人じゃなければ楽しいんだと思います。はい。
でもなんかもう、最後の最後、主人公たちが目の当たりにしたキッズ大量発生現場が
ちょっとしんどすぎてそこまで褒められる心じゃないという。

でもよくできたゾンビ映画でした。グロくて。

2016-11-17(Thu)

「カットバンク」

「カットバンク」

2014年アメリカの映画。
寒いことくらいしか特徴のない、モンタナ州カットバンク。
平和でなんにもない田舎の町である日、郵便配達人が殺されてしまう。
街のミスコンに出ようとしていたカサンドラを撮影していたら、
唐突に背後で銃殺されてしまうという事件が置き、
ビデオを撮っていたドウェインには報奨金が支払われることに。

ところがこれは、報奨金を得ようとしたドウェインと
配達人ジョージーの仕組んだもので、
貧しい田舎町で父の介護に追われるばかりの日々から脱出するための
資金を得ようとして行われたものでした……。

という話かと思いきや、配達人と一緒に行方不明になった荷物を巡って
街の片隅で眠っていたバリバリサイコ野郎を覚醒させてしまったからさあ大変。

というおはなし。

年に一回だけ届く荷物が、運悪く届かない。
街の片隅に引きこもっている理由は最後に語られますが、
サイコ野郎ダービーが、ヤバそうだけど……から激しくヤバイ奴へと進化していき、
ラストは結構あっさりとおしまい。
要素要素はかなりいいのに、全体的に見せ方が弱い感じかな。

報奨金ゲット計画はかなりゆるゆるで、
登場人物たちの行動はすべて場当たり的で、
素人犯罪ってこんなものなのかもしれません。

メインのテーマは、ラストのドウェインへ下された大岡裁き的なものかもしれないので
事件のすべてが「安易なことしてもいいことないだろ?」みたいなお灸扱いなのかも。

未来のある若者のために、上の世代が泥をかぶるという粋なところを見せてくれまして
これでよかったのかなあ……と思いつつ、エンドです。

そうだな、メインになるのは田舎町の閉塞感と、若者の未来。
そういう映画なのだと思います。

2016-10-26(Wed)

「ザ・ビーチ」

2000年の作品。
主演はレオナルド・ディカプリオで、当時25歳くらいなのかな?
タイタニックの次の作品みたいですが、タイタニックの時にあった
アイドルっぽさが抜けて、私好みに一歩近づいたディカプリオでした。


なんとなくタイへ一人旅にやってきた青年リチャードが主人公。
安い宿屋に泊まってうだうだしていると、
ダフィという妙な男と出会う。
ダフィは「伝説のビーチ」なるものの話をリチャードに聞かせる。
いかに素晴らしく、美しい場所なのか。
そこへ至るための地図を残して、ダフィは死んでしまうのですが、
半信半疑ながら、リチャードはビーチを目指そうと決めます。
一歩踏み出さなければ、日常の強い輪から抜け出せないと考えて。

宿でお隣だったフランス人のカップルに声をかけ、
(彼女の方がかわいいので気になっているという)
船が出ていない目的地の島へ向かいます。
船がないなら泳げばいいじゃん、と。

もしかしたらちゃんと戻って来られないかもと不安になったリチャードは
出発前に親切にしてくれた同じ旅の若者たちに地図の写しをあげて、
島へ向かった泳ぎ出すんですが……。

という話。
ダフィの話していたビーチは本当にあって、
そこはとても美しく、俗世とはかけ離れたところなんです。
島の半分は、大麻をこっそり栽培している現地の人たちのもので、
もう半分は、せわしない現代の暮らしから解放されたくてやってきた
世界中の旅人たちが秩序を守って集落を作っている。

ビーチを管理しているのは、サルという名の女性。
彼女の指示でみんなが食料の調達をしたり、家を建てたりしてます。
ちゃんとボートも用意してあって、時には町へ買い出しにも行くんです。
リチャードも指名されて、集落のみんなのリクエストを聞いて買い物に行くんですが
ネオンの毒々しさ、人々の目の暗さなんかにすっかりうんざり。
あの美しいばかりのビーチに、この世の楽園に戻りたいとしか思わないという流れ。

ところが、事件が起きてしまいます。
その原因はいろいろあるんですけども、
ひとつは、リチャードが地図の写しを人にあげてしまったこと、
島へ買い出しに行った時に、お互い恋人がいるというのに
サルと関係をもってしまったことなどなど。

さらに、住人がサメに食べられちゃうんです。
一人は死に、一人は命からがら生き残る。
サメに噛まれた傷に苦しみながら、医者を呼んできてと頼むも、
サルはとにかくビーチを人に知られたくない。
生き延びたいのなら島へ渡れと冷たい態度。
どうしてもボートには乗りたくないと拒否し、苦しんでいると
呻く声が不愉快だと、島のはしっこに置き去りにされてしまう。

ビーチは楽園であって、不快な現実が入りこむ場所ではない。
そういう理由で、エチエンヌを除く全員が一人を見捨てます。

そもそも、住民との約束で、人をこれ以上増やしてはならないことになっており、
自分の作り上げた美しい場所を失いたくないサルは、
とにかくビーチを守ることを最優先にしてしまうのです。

そしてやってきた来訪者。
リチャードがビーチについて話し、地図を渡してしまった男たち。
四人がいかだに乗ってやってきてしまうんですが……。



若いうちは特にそうなりがちだと思うんですけども、
自分が大切にしているものって絶対に壊されたくない、
これこそが最高で、至高で、もっとも美しいもの、
理解なんかされなくてかまわない。これさえあれば他にはなにもいらない
みたいな思いに振り回されちゃうことってあるよね、ってことなのかな。
ところがこのビーチを守るための代償は、大きすぎた。

最後の最後、リチャードはちょっとおかしくなっていたんだけども、
その大きな犠牲を目の当たりにし、
彼の叫びと共に、一緒に暮らしていたひとびとも目を覚まします。

ひとつのものをじっと見つめすぎるあまり、
本当に他には目が向かず、思いを寄せられなくなる。
人生によくある落とし穴について考えてしまう映画でした。

いや、若いディカプリオもいいもんですね。
最近産経新聞にマーティン・スコセッシ監督のインタビューが掲載されていたんですが
デ・ニーロが「すごいやつがいる」って紹介してきたのがディカプリオなんだそうで。
デ・ニーロに感謝したい今日この頃なのでした。ありがとうデ・ニーロ。