1994年、ハリウッドの作品。
原作はアン・ライスの小説「夜明けのヴァンパイア」だそうで。
当時、トム・クルーズとブラッド・ピットのイケメン共演!
みたいな感じで騒がれていたなあ、と思うんですが
天邪鬼なのでそんなイケメンイケメン言ってこの野郎って
まったく見ずにおりました。
トム・クルーズはさすがとは思うんだけど、いまだにそこまで好きではなく
ブラッド・ピットに関しては「セブンイヤーズインチベット」などで
なかなか美しい人だったのなって最近感心したので
いい機会だし見てみよっと、という流れ。
物語はサンフランシスコからスタート。
ライターのマロイが誰かにインタビューしているところから始まる。
黒髪の青年ルイは自分はヴァンパイアだと話し、
これまでの二百年の人生について語り始める。
ニューオリンズで農場主をやっていたものの、
妻は出産で死に、子供も助からず、途方に暮れていた。
もう死んでしまいたい、誰かに命を絶ってもらいたいと願って
自暴自棄な暮らしをしているものの、そう簡単に殺してはもらえない。
するとある日、レスタトという男が現れる。
苦しみから解放してやろうと囁く彼に噛まれ、
ルイはヴァンパイアとして覚醒するんだけど……。
という話。ルイは人の血をすすり、命を奪うことにどうしても抵抗があって
苦しい思いをしながらも自分を戒めて生きていきます。
ペストの流行で生き残った少女を噛んでしまったり、
ヴァンパイア化した彼女に振り回されたり、
レスタトの容赦のなさについていけなくなったり。
意識は人のままヴァンパイアになってしまったルイの、
放浪の人生の物語でした。
特に良かったのは、少女ヴァンパイアを演じたキルスティン・ダンスト。
すごい。本当に素晴らしい。
肉体が少女のままでいる自分に疑問を抱き、
本能のままに命を奪い、大人になりたいと願い、
ルイの優しさを愛する彼女は、子供と大人が同居した
すごく複雑な魅力にあふれておりました。
単純にものすごく美しいっていうのもありますけど、
いや、ビックリ。きれいだった。
勝手なイメージのヴァンパイア通りだったのは彼女だけで、
トム・クルーズとブラッド・ピットはなんか違うかな……みたいな。
バンデラスもちょっと違うよね。え、バンデラスなの?って思ってしまった。
もう少し線が細くて消えてしまいそうなはかなげな人が演じた方が
良かったかなあなんて思っちゃうんですけど。
少し前のデイン・デハーンとかね。あんな感じの透けちゃいそうな感じ?
みんななぜかゴリっとしてて、そこが不思議で。
不健康な印象が薄くて気になりましたとさ。
話自体は面白く、ラストは結構意外な締め方でね。
なんだかんだ二人は仲良しってことなの?って思ったら
もうちょっとゴリ感の薄い人たちの方が雰囲気でたんじゃないかな。
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