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2015-04-10(Fri)

「羊たちの沈黙」「MAMA」

映画を2本観ました。

まずは今更感が超すごい有名作「羊たちの沈黙」。
すいません今更見て……。
昔の同僚が好き過ぎて辛いってめっちゃ語ってたの思い出す。

連続猟奇殺人犯を捕まえるために、FBIの実習生である主人公クラリスは
やっぱり連続猟奇殺人犯であり、元精神科医現囚人のレクター博士から
協力を取り付けてこいと命じられる。
美しくて聡明なクラリスと、一筋縄ではいかないレクター博士の
師弟のような様子、しかもなんとなく恋の香りも漂っているさまがみどころ。

プロファイリングという言葉はもう一般的に知られるようになったけれど
この作品があってのことだったと記憶している。
犯人の行動、こだわりからどんな人物か推理していくっていうアレ。

ジョディ・フォスターが演じるクラリスの強さと愛らしさ、
レクター博士の紳士なんだけど常軌を逸している人物像が
よく描かれていると思います。
追っていた犯人である、バッファロー・ビルの異様さと
捕まっていた議員の令嬢も良かったですね。
これは他のシリーズも観たくなる。緊張感あふれる映像に思わず正座してしまった。


もう一本は超正統派のオバケ系ホラー「MAMA」。
ギルレモ・デル・トロ製作総指揮の、2013年の作品。
あらすじを見て面白そうだなーって思ったんだけど
ここまでこう、どストレートなホラーとは。

妻を殺して娘二人を連れて消えた兄を、5年間探し続けた弟。
ある日ようやく見つけたものの、二人は狼少女化し、兄は消息不明。
娘たちの母の姉と親権を奪い合うが、
二人のカウンセリングなどを担当したお医者さんと一緒に
娘たちは育てると決めるが、なんだか異様な現象がちらほらと起きて……。

みたいな話。
最初は「子供なんて」と思っていた弟の彼女さんが母性に目覚めていく様子、
お医者さんが真実に気付き始め、親権を奪おうとするおば様が体を乗っ取られ……
二人の少女を守り育てていたのは、かつて子供を奪われて自殺した女の霊なんだけど
まーおっかないおっかない。
結末もなかなか衝撃的かつ、予定調和を打ち破る形で良かったけど
なにが困るって、女の霊が「MAMA」って呼ばれてるんだけど
淵さんにそっくりなんだよねえ……って。

最後は完全に淵さんだったんですが、監督ひょっとしてわざとなんじゃ……みたいな。

淵さんというのは、伊藤潤二先生の漫画に出てくる3大強烈キャラクターの一人で
「伊藤潤二 モデル 淵さん」で検索すればわかるはず。
「SEX AND THE CITY」の主人公の一人であるキャリーも相当にてて、
映画版の2のポスターは完全に淵さんでした。キャリー=淵さん=MAMAです。
あれ、ってことはMAMAのモデルはキャリーなのだろうか……。

両方とも良い映画でした。怖かったけど。
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2015-03-29(Sun)

ポケモンと映画

ポケモンオメガルビー、図鑑埋め作業中。

アルファサファイアをプレイ中の相棒と一緒になって、
伝説とか幻系ポケモンを乱獲しました。
ライコウ・スイクン・エンテイゲット。
ユクシー・アグノム・エムリットゲット。
パルキアとギラティナゲット。
コバルオンとヒードランゲット。
トルネロスとランドロスゲット。

いやー、埋まった埋まった……。
ポケマイルを貯めるためにミラクル交換を繰り返し、
グローバルリンクで進化用アイテムをとったのも良かった。
おかげでペロリーム、ドサイドンをゲット。
フラージェス、マニューラ、グライオンも進化完了で
ホウエン図鑑が無事埋まる。ただしジラーチはいない。

テラキオンとコバルオンは日替わりだそうなので、また明日チャレンジ。
クレセリアはどこいった。忘れそうだ。
あとは一匹、レベル100にしなければならないらしい。
ゲームでレベルカンストとかホントいつ以来でしょうね……。


映画は色々観たんですが、そこまでこう、良かったなーっていうのはナシ。

「キル・ユア・ダーリン」
文学やってる連中はみんな大袈裟だよね、って感じでまとめられそうな
センシティブなひとびとのお話。
マイケル・C・ホールはちょっとクレイジーな役が似合いますね。
デイン・デハーンは少女漫画から抜けて出てきたようで大変よろしい。
ただ、一番インパクトあったのはラドクリフさんのへそ毛でした!

「WALL-E(ウォーリー)」
ちょっと付き合いで、アニメ映画なんかも観ましたよ。
先日観た「エリジウム」をやさしーくした感じ……かな。
ウォーリーと白いロボは可愛いんですが、
人間の未来の姿があまりにも醜悪で見てて辛いといいますか。
エンディングでは明るい未来が描かれていましたが、
あれは単に「理想」に過ぎず、間違いなく全員滅びたなと考えてしまいました。

「アナと雪の女王」
とうとう観てしまった、去年の大ヒットのアレ!
吹き替えで観ましたが、確かに主役のお二人は上手。
話はなんというか、ごく普通。
っていうかアナが能天気過ぎてエルサさんがちょっとお気の毒でした。

エンディングの歌は妙にずっこける感じがあって、
評判がいまひとつな理由もよくわかるというか。

最後の最後で姉妹の真実の愛が目覚めてのハッピーエンドになりますが、
ものすごくスッキリしない終わり方だなーって。
エルサが自分の力を秘密にしていた理由を知らないまま
唐突に「これが本当の愛!」とか言い出すのが納得いかぬ。
たとえばあの寒い城の中で、姉が自分に向けていてくれた愛情の理由を
誰かに聞いて……とかの展開がありゃあねえ?
って思いましたがまあ、お子さんたちにはちょうどよいのでしょうね。

例の歌が案外すぐ始まったのと、歌はあんまりないんだなっていうのとで
構成も若干肩すかしだったような気も致します。つまり、別に、って感じ。
歌は上手でした!

2015-03-18(Wed)

「リーガル・マインド~裏切りの法廷~」

忙しかった日々が終わり、4月まで小休止。
というわけで久々に(でもないか)一本みた。
リーガル・マインド~裏切りの法廷~

サブタイトルの付け方が良くない。
確かに裏切りの法廷なんすけど、主題はまた別というか。

やりて女性弁護士のケイトは、ある事件で冤罪と気付かないまま
被告を死刑判決にまで追いやり、のちにそれが過ちであったと気が付いた。
ストレスから酒に溺れ、アルコール依存症になり、
仕事もボロボロ、ついでに娘の親権まで失いかけている状態。

保護観察中の彼女は社会奉仕の一環として
ある女性の弁護を引き受けるのだが……。

と言うお話。
ケイトがなかなか可哀想なんスよね。
真面目すぎるせいでうまくいかない典型的なタイプというか。
ちょっと前にみた「デンジャラス・バディ」の主人公とダブる。

殺人犯として収監されていた依頼人レイシーは
看守にレイプされるわ、殺人はしていない、ハメられたのだと涙ながらに訴える。
聞けば聞くほどアラの多い裁判であり、なんじゃこりゃとケイトは憤慨。
レイシーの無罪獲得のために動き出すわけですが、
これがねー、なんかもう全員クズ揃いで(後からしみじみ思う)
まともな人は被害者の母と、ケイトを助けてくれるおっちゃんだけじゃないの?みたいな。

ケイトは頑張ってレイシーを助けますが、
のちにそれが大間違いだったとまたまた判明。
脅されたり、枕を要求されたり、娘に嫌われたりとまあ
散々な目にあって泣いて泣いて、最後にふんがーと立ち上がるのです。

なんだかんだでちゃんと溜飲の下がるつくりでなによりでした。
しかしピュアな人が見たら「法廷腐ってんなー」って植えつけられる気もする。

レイシーさんの演技が素晴らしかったです。豹変しすぎw
にしても何故あんなに検察は雑な捜査をしたのやら。そこだけ納得いかぬ。

2015-03-09(Mon)

「ネブラスカ」「キリングゲーム」

あれこれ作業しながら二本観てみた日曜日。

まずは「ネブラスカ」。邦題は「ネブラスカ 二つの心をつなぐ旅」。

公式サイトのタイトルのロゴとか、のほほんとしたイメージだけれども
これは結構ハードな家族再生物語。再生じゃあないかな。
家族受容の物語ではないでしょうか。

先週観た「サイドウェイ」と、去年みた「アバウトシュミット」と同じ監督ということで
ふかく納得。なんというか、甘い理想のエッセンスを入れ過ぎず、心に残る出来。

「100万ドルが当選しました!」といういわゆる典型的な詐欺の手紙が届き
「当選した」「賞金を受け取りに行く」と言ってきかない年老いた父。
妻が止めても息子が止めても、まったく聞き入れず、高速道路に徒歩で入り込んだりと
どうしようもない。
諌めても諦めないというのなら、気が済むようにさせるしかない。
決意した息子は、仕事を休んで父を連れてネブラスカまで出かけていく……。

という話。

これはアルツハイマーであることだなあ、と最初にまず思って辛い。
お父さんは「人の話を信じやすい」「酒癖が良くない」という設定なんだけれども
状態はそれ以上によろしくなくて、映画なのだけれどもため息が出てしまう。

これはしないようにと言ったことをやり、
ものをなくし、無理して怪我して病院送りになりつつ、
途中で一家の故郷に寄る事に。

言っちゃ駄目だよといわれたそばから、父は「100万ドルが当たった」と周囲に漏らす。
古い知人や親せきたちは、大富豪が現れた!と表面上は祝福してくれるが、
もちろん実際には善意だけの人達ではない。
過去に金を貸した、世話をしてやったからとお金を無心するようになって、
息子の「なにも当選はしていないんだ」という言葉を信じない。

最終的に、当選の手紙が強奪されて、それが嘘だったのだと判明する。
それでも行きたがる父を連れて、息子はとうとうネブラスカへ。


認知症になったとしても、そうでなかったとしても、
タガの外れてしまった老人の相手っていうのは大変なものだと思う。
強く思い込んで現実を認められないし、子供と違って行動力があるから。
最後の最後に、息子はひとつ、父の夢を叶えてやる。
父がどうしてそこまでくじにしがみついたのか、理由がわかったから。
この息子が本当に優しくて、素晴らしいなあと思いました。
本当に結びつきのない親子なら、こうは出来ない。
苛立ちと虚しさ、無力感に潰される人の方が多いだろうなあ……と。

時の流れは残酷なものだけれど、でも、人生って捨てたもんじゃない。みたいな。そんな映画。
全編モノクロなんだけれども、映像はすごく美しかった。
画面の向こうに色が見えるモノクロだなあと感じました。良かった。


次は「キリングゲーム」。
登場人物がめっちゃ少ない。ほぼトラボルタとデ・ニーロ。
二人が森でお互いを狩り合うお話。

かつてある紛争地で、現地の兵士と派遣されてきた軍人として出会った二人。
方や森の中で古傷をさすりながら暮らす生活、
一方は十八年も必死になってカタキの行方を捜していた。

偶然を装って出会い、雨の晩に語り合って、翌朝戦いはスタート!
わあデ・ニーロつよい
って感じで進みます。トラボルタの方が若いし情熱的なはずなんだけど
なんだかんだ老練の兵士にはかなわなかったよ的な。

アクションは時々ピリっとするものの、そう長くはない。あとめっちゃ痛そう。
メッセージはしっかり込められている。戦争はよろしくない。
誰もが傷つくだけで終わる。復讐なんてもう忘れようよ……と。
実際にはもうちょっと深いかんじなんだけれども、
そこに家族愛も詰め込んで85分。短い。
エッセンスをぎゅぎゅっと詰め込んだシンプルな造りなんだけど、
ちょっとシンプル過ぎたかもしれない。
もうちょっと遊びがあっても良かったな、なんて思うけどでも
ここまで無駄なく作れるのもすごいなあと。ちゃんと主題伝わるからね。

なんだかんだロバート・デ・ニーロ。老いてなお健在でした。

2015-03-06(Fri)

「サイドウェイ」「フローズンライター」

二日分まとめて。

まずは「サイドウェイ」。
録画した分であらすじとかをすっかり失念しているので
「おっ、R15+表記だぞこいつはまた残酷表現ありか!」
と思ったら違っていました。エロ。

主人公のマイルスは作家志望の国語教師。
2年程前に離婚して、すっかりしょぼくれた冴えないただのワイン好きなんだけれども
親友のジャックが結婚する前にいわゆる「バチェラーパーティ」的な
独身生活最後の1週間をイエイイエイしようぜの旅に付き合う。
ところがジャックときたら、女とヤリまくるぜ!しか頭になくて……。

というお話。
マイルスはとてもこだわりが強くて、見た目は冴えない常識人。
つまり、イケてない。
ジャックの不誠実な振る舞いを快く思っていないのに、強くは止められない。
よく行くワインの名産地で気になる女性マヤがいるものの
こちらにも強くは出られない。
マイルスの人生を豊かにしてやろうと、ジャックはマヤと付き合えとうるさく言う。

結果的に、ジャックはもうすぐ結婚することがバレて、
よろしくやっていたステファニーさんに思い切り殴られる。
マヤといい感じになっていたマイルスも、お蔭でとばっちり。
なによアンタサイテー男なのね!みたいな。

出版エージェントに「いけるかもしれない」と言われていた小説も、
結局は採用されず、マイルスは全部の夢が破れてしまう。

悲しいほどに、マイルスは普通。すごく常識人で、良識もある。
胸の中に溜めていた怒りをちょっぴり発散して(ワインをたるごと飲む)、
ついでにジャックの大ピンチ(浮気相手の家にサイフ忘れたのを
不法侵入で取り返してくれる)を救ったりして。

最後に「とっておきのワイン」を開けて、一人で飲むマイルスに涙が浮かんだ。
特別な日に飲もうと思っていたワインだけれども、
マヤが途中で言った通り、「ワインを開けた日を特別な日」にした。
元妻の未練から卒業したんだなあ、と。

最後、なんとか一筋の光を掴もうと一歩踏み出したところで終わり。
この終わり方は憎いなあ。
マイルスが幸せになれますように、って思わざるを得ない。
なかなか味わい深い一本でした。


そして「フローズンライター」。
締め切り直前の脚本家が、さびれた元精肉工場に籠もって書き上げようとすると
次々事件が起きて……

と見せかけての、すべて「こんなシナリオどうかな」でしたー!みたいな話。
ただ、最後の最後、本当の結末はめっちゃホラー。ヤバ目。

主人公の「構想」を演じるのが主人公なので、
なるほどなにがどーなってるのかよくわからん 現象が起きてなかなかいい感じ。

そしてなにげに、主人公がE・ファーロング。老けた。見ただけだとわからないぞ!
でもやっぱ上手でした。

問題があるとしたら、全体的にすごく地味なところかなあ。
でもまあまあ、良かったです。はい。