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2015-08-06(Thu)

「キッド」「怪盗グルーのミニオン危機一髪」「ビッグリボウスキ」「ママはレスリング・クイーン」「FACEBOOKで大逆転!」

この一週間で色々みたりみなかったり

まずは「キッド」

チャップリンのじゃなくて、ブルース・ウイリス主演。
あらすじが気になって見たんだけども、ディズニーが制作しているせいか
画面中から漂うディズニー臭に眉間にしわが寄るばかり。あと、音楽。
ずっと夢の国でアクシデント発生中♡みたいな音楽が鳴ってて、
いらいらしたので20分くらいでやめました。
多分子供時代の自分をすったもんだあって、いい人になるんだと思う。おわり。


「怪盗グルーのミニオン危機一髪」
今新作が公開中なので、なんとなーく気が向いて。
あの黄色いのなんなんだろうな、スポンジボブみたいな感じかなって。
そうしたら、これが結構面白い。
もちろん、コテコテのアメリカンなアニメーションの部分はあって
文化の違いをひしひしと感じるんだけれども、
笑いのセンスがソリッドでマッチしてトゥーインタレスティング。
グルーの足ほっそ!と思いつつ、楽しかった。
日本語吹き替えで見なくて良かったと思った。


「ビッグリボウスキ」
ソリッドなことで有名なコーエン兄弟の作品。
ちょうどWOWOWでコーエン兄弟祭りをしていたので、視聴してみた。

主人公のデュード(自称であって本名ではない)が
たまたま大富豪と同姓同名で、彼の妻の誘拐事件に巻き込まれてしまうという話。
面白かった。デュードの駄目っぷりがすごいし、
なによりも台詞の「メ~ン」がものすごく気になるw
なあお前ら!みたいな感じなのかな、メーン。
友人のウォルターのでしゃばり具合がものすごくツボだし、
出てくるやつらホントもう全員どうしようもなくて、
でもなんというか、ただアホなだけではない、不思議な映画。
コメディの皮をかぶった人間哲学、といった印象でした。


「ママはレスリング・クイーン」
フランス映画。
刑期を終えて出てきた主人公ローズはシングルマザー。
息子と一緒に暮らしたいものの、拒否されてしまう。
息子がプロレスファンだとしったローズは、関心をもってもらおうと
就職先のスーパーの仲間と一緒にプロレスに挑む……みたいな話。

フランス語のムシュフシュ~な響きに慣れないくらいで
とても王道で邦画っぽい印象を受けるの巻。
スーパーの仲間がみんな結構年が上なので、
ひょっとしたら熟女好きにはたまらない内容かもしれない。

フランスとプロレスってあんまりイメージが結びつかなかったものの
現地では結構人気がある様子。
主人公たちが参考にするのはアメリカの女子プロレスなんだけどw
(ド派手なディーバたちの映像を見てキャアキャア言う)

最後はメキシコからやってきたルチャ・リブレ軍団と戦って、終わり。
ガチなプロレスラーとレジのおばちゃんたちの戦いに納得。
彼女たちにプロレスを仕込む、往年の名選手って設定も良かった。



「FACEBOOKで大逆転!」

FBをはじめとするSNSにどっぷり生活を食い荒らされている主人公が、
友達の数を気にしすぎて、自分が死んだらどのくらい人が来てくれるのか
試す為に偽の葬式を執り行うという話。
タイトルに超偽りありで、特に大逆転はない。
FBやツイッターに投稿するネタを探すために、
駐禁車両だの街のトラブルだのを撮影してはほくそえんでおり、
主人公は本当にクソみたいな男。
内容としては結構ありがちな話なんだけれども(特にエンディングに関しては想定通り)
この映画のいいところは翻訳。
ネットスラングをうまく取り入れていて、思わず笑ってしまう。

そんな感じ。
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2015-07-25(Sat)

「ウォッチメン」

「ウォッチメン」

WOWOWのCMで見て、面白そうだなーと思い視聴。
原作はまったくノータッチ。

出てくる登場人物はいわゆるアメコミ調のスーパーヒーローだけど、
ヒーローものとは言えない作品でした。
ヒーローを政治に利用し、禁止令が出され、罠が仕掛けられ、
あくまで人間同士のドラマが主体。ただ、ちょっと力が強いだけ、みたいな。

1世代目と2世代目の差、男女の絡みについては一番アレな部分が描かれ、
正義とはなにか、それぞれに定義が違っていて、と、世の中は
うまくいきませんよね、を地でいっている。
爽快感はゼロ。彼らはヒーローであるけれども、ヒーローではない。

ヒロインであるところのシルク・スペクターは可愛いんだけど、
その初代である母ちゃんがまた非常にMADで、
自分をネタにしたエロ同人に喜んでみたり、
衣装のせいで仲間の男に襲われかけたりとまあ、非常に生々しい。

そしてヒーローになりたくてなったわけではないのに、
人をはるかに超越してしまったDr.マンハッタン。
彼のベトナム戦争投入時の映像はすごいインパクト。
そりゃ投降しますわ……と納得。

そしてキーマンであるところの「コメディアン」。
彼はとても人間くさくて、自分なりの正義があって、道化を演じている部分もあるが、
真実が受け入れられずに泣いてしまうシーンもあり。深いキャラクターでした。

一番面白かったのが、ロールシャッハのマスクだなあ。
彼は悲しい過去を持っていて、正義への思いが強いけれども、
他人と関係を築くのが苦手という。

日本の戦隊ものくらい単純だったらいいのにね。
スーパーヒーローだって人間なんだもん。
そりゃあ、悩んだり悔やんだり、間違いもするでしょう……
っていう作品だった。
政治利用しちゃうっていうおそろしさも良い。
本当に超人的な力を持つ人間がいたら、こうなるんだろうなあって。

面白い映画でございました。

2015-07-21(Tue)

「チョコレートドーナツ」

前からみたいと思っていた一本。
ちょっと前に近場のミニシアターでやっていたのに、
時間があわず、行けないまま1年過ぎてようやく観られました。

チョコレートドーナツ

予告とか作品紹介的に、ハートウォーミング、感動する類の話だと思わされていたのですが、
蓋を開けてみたら全然違っててビックリ。
現実の厳しさ、社会の目、他人を許容できない人の攻撃の鋭さを、
描き切った作品でズシーンと来る一本。

ダウン症のこどもの役を、実際にダウン症の人間が演じたことが話題になりましたが
素晴らしい演技でしたね。


1970年代の実話をもとにした話。
ゲイバーで働くルディと、客としてやってきたポール。
二人は出会ってすぐに惹かれあう。
そしてルディのアパートには、母親から育児放棄をされた少年マルコがいた。
ある夜二人は出会って、そのあとすぐにマルコの母親は麻薬所持で収監。
施設に入れられたらかわいそうだと、ルディはマルコを引き取ろうとする……

という話。
自分をゲイであると認め、ゲイとして暮らしてきたルディは社会の片隅で、
「普通」の扱いをされてこなかったのだろう、その苦しさを知っているからこそ、
マルコを引き取ろうと決め、精一杯頑張ります。
けれど、彼の正直な生き方に対し、社会は厳しい。
子供の前で女装をしている、ゲイバーで働いている、男同士でキスをしている、
まともな住処を持っていない、などなど。
カップルではなくいとこ同士だと偽り、法廷ではスーツを着て、
「差別を受けるから」という理由で普段の自分を隠してマルコを受け入れ、
彼を病院に連れて行き、専門家の診断を受け、学校にも通わせる。
マルコは優しく、ユーモアがあって、ダンスも上手。
受け入れてくれる人もたくさんいるけれど、
でも、気に入らないとおもう人間もたくさんいて、
最終的にルディたちとマルコは引き離されてしまう。


監護権を争う裁判で出てくるのは、ゲイがいかに「悪」かということばかり。
必死で愛情を主張する二人に対し、世界は本当に厳しい。
マルコも二人と暮らしたいと望んでいるのに、
そんなささやかな願いはすくいとってもらえず、
すべてが「ゲイの否定」、気に入らない人種を叩きのめすために動いていく。

裁判のシーンは本当に見ていて辛い。
正当性などかけらもない、ただの憂さ晴らしのような時間でしかなくて、
ただ他人と少しだけ違うことがそんなにも悪いのか、
けれど他人を受け入れない人間は確かにいて、
今この瞬間も誰かを傷つけるために力を注いでいるのだと
涙を流さずにはいられなかった。

マルコとともに暮らすために、ポールは自分達の愛情について語り、
言いたくなかったであろう言葉も、裁判長に向けてぶつける。
「背が低くて、知的障害のある太ったこどもなど、誰も養子に欲しがらない」と。
自分達が望んでいるのは、そんなマルコを幸せにする暮らしであって、
誰の邪魔もしない、彼を良い大人に育てるから、と訴える。でも、却下されてしまう。

結末も本当に、悲しい悲しいもので、
ルディは夢見ていたシンガーとしての道を歩み始めるけれど、
彼の歌も本当に悲しくて、世界の残酷さにやるせない気分になってしまう。

それでも一年は一緒に暮らせて、ちょっとは幸せだったからいいじゃない、という考えもあるけれど、
世界がもう少しだけ寛容だったなら、その幸せは長く続いていたじゃないかと。

自分に関係のないところにある幸せよりも、
自分が許せない者への攻撃が優先されるって
一体なんなんでしょうね。

神様は意地悪だなあ、とか、
人間は不完全な生き物なんだなあとか、
切ない気分でいっぱいになりました。

「チョコレート」に続いて、差別問題満載の映画を観てしまった……。
時代は進んで、少しくらいは緩和されたけれど。

他人に親切で、寛容な人間でありたいと思います。
いつだって完璧ではいられなくても、心におもしを置いて生きていくように
こころがけたいものですね。

2015-07-19(Sun)

「チョコレート」

ジョニー・デップのやつだー
と思ってたんだけど、間違い。「ショコラ」だよねそっちは……。

チョコレート 映画 で検索すると
最近では「チョコレートドーナツ」が出てくるようだけれども
私が観たのはハル・ベリーがアカデミー賞を撮ったちょっと前の作品。

原題は「モンスターズボール」で、2001年作品。

刑務官の男、ハンクと死刑囚の妻、レティシア。
二人は同じタイミングで、全然違う理由から息子を失い、出会う。
そこから始まる、悲しくて激しい愛の始まりについて描いた作品。

今回の邦題はいい感じかなあと思うのですが、
それは全部みたあと思う事で、甘い部分は本当にまるでない作品なので
タイトルの印象だけでみちゃうと後悔するだろうなあと。

あと、映倫再審査版、ということで、
本来R18だったものがR15くらいになってますよーと最初に告げられ、
なるほどこれはかなり性描写を削ったのだろうなあ、と納得。
レビューを見ると、性描写がしつこい、長い、という意見が目立つので
そっちを見たら感想はどうであっただろうか……という思いもありつつ。


ハンクは刑務官で、父親も息子も刑務官。
黒人への偏見・差別が激しい父親と、心優しい息子との三人暮らしが、
ある死刑囚への刑執行を機に崩壊してしまう。

息子が差別や偏見のない優しい心の持ち主なのは、
完全に父と祖父を反面教師にしているから。
祖父は特に差別を隠そうとしない。女性蔑視も酷い。
母も妻も亡くなり、口の悪い父親と一緒に暮らしているハンクも、
父とよく似た厳しい男なんだけれども、
その厳しさについて、息子から命懸けの抗議を受けることになってしまう。

息子の死は「弱さゆえ」と考えていたけれども、
最後に残した言葉は抜けない矢になって心に突き刺さったんだろう。
簡素すぎる葬儀を終えたあと、ハンクはどこか虚ろな様子。
あとは死を待つだけのやかましい父親との息苦しい暮らしの中で、
息子と二人で必死に生きているレティシアと出会う。

レティシアは美しいし、とても控え目な性格をしている。
対外的には、なんだけれども。
うまくいかない人生に憤りや苦しさ、哀しみを抱えて生きているけれど、
人に頼らず、一生懸命なんだよね。息子に苛立ちをぶつけてしまうけれど、
それも必死に生きているからなんだろう。息子の過食もストレスゆえだろうし、
貧しさ、夫の境遇、刑務所に通い続ける暮らし、すべてが辛い。
最後の面会でようやく漏らした「もう辛い」という言葉が、重たくて仕方ない。

不慮の事故から彼女も息子を失い、そこにハンクが通りかかって助ける。
いきつけの店で働きだした、自分が刑を執行した死刑囚の妻であった女性。
同じように息子を失った彼女のストレートな哀しみ、気丈な様子に心を動かされて、
ハンクはレティシアに手を差し伸べはじめる。

そこから二人は深い仲になっていくんだけど。
性描写のシーンはかなりカットされているので、
どんだけだったのかはわかんないんすけどね。
でも、私を女にしてくれ、というセリフがものすごく重くて、
レティシアの11年分の苦しみ、哀しみっていうのがその一言だけで伝わるというか。
一生出て来られない夫、うまく息子を育てられない、家賃ももう払えない、
追い出される寸前、貧しさ、黒人への差別などなどなどなど
耐えて耐えて耐えて耐えてきた人生の苦渋の中で、
酔いの中ではあったとしても、半信半疑の中なんだけれども、
白人の男性が自分によくしてくれる理由がなにかわからないけれど、
それでも自分を一人の女性としてみてくれる男がそこにいて、
すがっていいのだっていう、許されたような感覚が生まれて、
すくわれたような気持ちになれたのではないのかなあああああ、って思ったわけです。


最終的に、ひょんなところからハンクが刑務官であったことがわかって、
レティシアは泣き崩れてしまう。
信じたいけれど、信じられない。白人と黒人、上と下、踏みつける者と踏みつけられる者、
ずっと壁に隔てられてきた相手を、心から信じていいのか、
裏切られているのかわからなくて、それで叫ぶんだけど。

最後のシーン、二人はどうなるのか、祈らずにはいられない。
永遠にではなくても、短い間だけでもいいから、互いに信じられる日々があれば良いなと
思わずにはいられない作品でありました。

差別やいじめは世界のそこら中に山のようにあるものだと思うんですが
白人と黒人の問題は本当に根深いね。今この時代になってもまだ、
薄らいでいてもまだ、存在しているのだろうなあと。
考えずにはいられませんでした。

重たい映画だったけど、名作だなあ。
でもあんまり、二度みたいとは思えませんでした。辛すぎた!

2015-07-13(Mon)

「フライト・ゲーム」

フライト・ゲーム

「96時間」が面白かったので、リーアム・ニーソン祭りを
一人で開催してみました。
WOWOW先行放送なのかなあ。
飛行機の中でテロリストと戦う航空保安官が、
いろいろあってハイジャック犯扱いをされつつみんなを守る話。
全体的に非常に豪快で、こまけえこたぁいいんだよ!
って押し切られつつ楽しく観られましたよ。

飛行機の中って密室なんだなあ、としみじみ思いつつ、
犯行理由のやるせなさにぐったりしてしまいました。
自分の命が失われても構わない&破壊衝動 って
ホント最悪のコンビネーションっすなあ。

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
をみた直後だったので、ちょっとズーンとなってしまいました。





今朝、任天堂の岩田社長の訃報にすっごいビックリして
心の中でQUEENの「Only The Good Die Young」が止まりません。
若くして社長に指名されて(山内会長の息子さんもいらっしゃったのに)
携帯、スマートフォンのゲームがガンガン台頭してきて、
普及台数では歯が立たない、ゲーム業界が岐路に立たされている状況でまだ、
自分達の愛する、信じてきた良いゲームを作る道を選んで、
こどもたちが安心して遊べる、明るくて優しくて頭を使ってやっていて気持ちいい
愉快な作品を沢山作って送り出してくれて、
本当に素晴らしい、任天堂という会社を背負う最もふさわしい人物であったなあと思います。
岩田社長の楽しいプレゼンテーション、毎回毎回みていました。
くるしい中でもそれを気取らせずに、ユーモアとやさしさに溢れた姿、素晴らしかったです。

今日は花を買って帰りました。
あと、ヨッシーウールワールドの予約もしました。
ついでにアミーボも二つ買ってしまいました。
任天堂のゲームが大好きです。

岩田社長、ありがとうございました。