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2015-10-08(Thu)

「コールド・バレット 凍てついた七月」

「コールド・バレット 凍てついた七月」

あらすじがいい感じだったので観てみる。
主演はマイケル・C・ホール。

ある夜、主人公リチャードの家に侵入者がおり、
威嚇のために持っていた銃を、手を滑らせて発砲。
見事に命中して、犯人は死んでしまった。
正当防衛が認められた上、犯人は指名手配中の凶悪犯だとわかったものの
人を殺してしまった事実は重たい。
悩んだ挙句、犯人が埋葬されると聞いて墓地へ行くが、
そこには犯人の父親(こちらも前科者)が待っており、息子を狙われるようになる……

という話なんですが、この話の中核は全然ここじゃなかったっていうね。
てっきり幼い息子を狙う犯人との攻防を描いたものかと思いきや、
この父親はあっさり捕まったと知らされるリチャード。
これで安心して暮らせるなあと思っていたら、
例の父親がなぜか警察に縛られて、貨物列車が通る線路に放置されている現場を目撃してしまう。

罪の意識も相まって、父親を助けるリチャード。
問題はもう一つ、警察署で見かけた自分が射殺した男の手配写真が、
どうにもおかしい。自分が撃った男はこんな顔じゃなかったのに、と思っていたが
警察に思いっきりはぐらかされて違和感爆発なのです。

二人は協力関係になり、警察の隠し事と、指名手配されている息子フレディを探るようになる。


途中から父親であるベンの旧友で、私立探偵でもあるイカしたおっさんが加わり、
息子を探すんですけどね……。

警察の隠し事というのは、フレディの身柄の安全を確保するために、
(マフィアの秘密を暴露したフレディは、証人保護プログラムで守られている)
死んだと装ったというもの。リチャードに撃ち殺されたのは別人で、
死んだことになれば安全だよねという理由でフレディとして報道されてしまった。

そしてなにより、守られているフレディがとんでもないクズ野郎なんです。
息子の正体が人としてありえない最悪のクソ野郎だったと知ったベンは、
どうしてくれようかと悩んだ挙句……。


正直まったく無関係だったリチャードが仲間として行動し続けたのは、
自分が殺してしまったのは本当は誰だったのか知りたくて、
と理由だったんですが、これが最終的にさっぱり忘れ去られているのが痛い。
最後の最後で「あれえ~~?」となって終わってしまい、
途中は良かったんだけどなあ、と思わざるを得ない作品。
特に探偵登場から盛り上がったんだけどなー。最終的になんかモヤモヤしちゃって。

フレディのやっている最低最悪のクズ行為も、正直酷すぎてドン引きといいますか。

あとは、自宅が殺害現場になってしまって、リチャードたちは自分たちで掃除するんだよね。
そういうことってあるのかなあっていうのが気になりました。
あとは、デクスターなら血のあと消すくらい簡単だよね、とか
お、夜中出かけるなんてターゲット探しに行くのかな、とか
そういう気分になってしまうのがちょいと頂けなかったかもしれませんが
デクスターを見てない人には関係ないからまあいいかな。

息子については完全にハリソンでしたが、本当は違うっていう。
というわけでものすごくビミョーな作品でした。
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2015-10-06(Tue)

「サイダーハウス・ルール」「ザ・ファン」

「サイダーハウス・ルール」

1999年アメリカ作品。

孤児院で生まれたホーマーは、孤児院で育ち、孤児院で暮らす青年。
二度里親にもらわれたことがあるものの、うまくいかずに帰ってきて
医師のラーチに産婦人科医としての知識を技術を教えられ、
助手のようなことをして暮らしている。

この孤児院では望まない妊娠をした女性の出産や堕胎を手伝い、
生まれたこどもを預かる場所でもある。
1940年代の話。
こどもたちは時折訪れる里子探しのひとたちの家族になりたいと願いながら暮らし、
そんな孤児院にある日、若い軍人とその恋人がやってきて、ホーマーと出会う。

というあらすじ。

ホーマーに目をかけて父親代わりを務めているラーチ先生が暖かくて
最初にまず泣きそうになる。
こどもたちを寝かしつける時にかならずいう台詞があって、
また、誰かがもらわれていった時には、そして命を落とした時には
その子のしあわせを祈ろう、と手を合わせさせるっていうね……。

人里離れた孤児院は静かで、あわただしくて、少し寂しいけれど、
幸せなところ。
でも、結局引き取り手がみつからないまま大人になったホーマーは、
若いカップルと意気投合して、外の世界へ飛び出して行ってしまう。

カップルの男の方、軍人であるウォリーの実家でりんごの収穫を手伝うようになり、
ウォリーは出征し、恋人のキャンディと仲良くなって、
そしてりんごを収穫するひとたち、主に黒人の労働者たちに混じって暮らしていくうちに、
孤児院ではない世界を知っていくんだけども。

世界の美しさも、色鮮やかさも、土砂降りの日の寒々しさも、人のどす黒さも、
命の尊さとはかなさ、そしてすべてを許すやさしさも……
直接的な言葉はなくとも、しっかり伝えてくる映画でした。

ホーマーがいなくなった後の孤児院の面々、ラーチ医師の喪失感、
ホーマーの感じた喜び、やるせなさ、恋の甘さも酸っぱさも、
全部が良かったです。トビー・マグワイアも良かった。
シャーリーズ・セロンの美しい背中も素晴らしかったです。


そして「ザ・ファン」。
見たことあったよなあと思いつつ見てみると、結構忘れてたもののやっぱ見てたかな?

ロバート・デ・ニーロ主演。1996年の映画。
ウェズリー・スナイプスが若いよね。まだブレイドになる前で。

野球バカであり、スナイプス演じる「ボビー・レイバーン」の大ファンである
主人公ギル(デ・ニーロ)が、離婚した妻、愛する息子とうまくいかず、
仕事も失敗して父の起した会社から追い出され、暴走に暴走を重ねる物語。

正直ね、デ・ニーロはどうかと思いますよ。だって仕事できそうじゃないってw
これは「アバウト・シュミット」の時も思ったんだけど。
(ジャック・ニコルソンが「その辺のうだつのあがらない親父」で済むはずないじゃんっていう)

でも、さすがなんだよね。めっちゃ怖いの。暴走を始めたデ・ニーロは。
しらんかおしてボビーの家に入り込んで、好き勝手した挙句、
息子まで誘拐しちゃうんだけども、もー怖えのなんの、ですよ。

よーく見たらなんだかジャック・ブラックが混じっていたような。
あと、さりげなくベニチオ・デル・トロも。

なにがおっかないって、最後の最後まで反省・改心しないギルが怖いっす。
あそこまで徹底してくれたら本望だな。
実際、スターっていうのはああいう影が自身のすぐそばに生まれてしまうかもしれない
そういう可能性が濃厚な、因果な商売だと思います。はい。

久しぶりにデ・ニーロ主演作を見て、ちょっと楽しかった。
作品自体はそこまで面白くはないんだけども。でもやっぱり、魅せるなーと。
スターってこういうもんなんだろうな。

2015-09-30(Wed)

「ペリカン文書」

Cromeがマトモに起動しなくなってしまって焦った。
再起動したら治ったんだけど、ちょっとだけGoogleに電話してみたくなったのは
「インターンシップ」観たからだろうなw


「ペリカン文書」

タイトルだけははっきり覚えていたものの、
誰が出ているかどんな話かはさっぱりわからなかった一本。
タイトルの理由も観て納得。

まず思ったのが、ジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンが
若くてかわいい!ってこと。
ジュリア・ロバーツを可愛いと思ったの初めてでした。
(プリティ・ウーマンを観ていないっていう)

1993年制作。サスペンス映画でいいのかな。
最高裁判事が2人いっぺんに亡くなって、
どうして2人が狙われたのか、主人公であるダービー(女子)は考える。
彼女は法科学生であり、教授と付き合っていて、
二人は資料を漁ってとある仮説を立ててしまう。
この教授が殺された判事のうちの一人に師事していたことがあって、
ショックで落ち込んでいるのでこういうことをしたんだけども、
これが悲劇の始まりになってしまう。

ダービーの作ったレポートはちょっとあり得ないよね、と本人すら思った出来なのに
色々あって大統領補佐官まで届いてしまう。
それが実は的を得ていたものだったので、ダービーたちは命を狙われるようになり……

という話。
古い映画なせいもあって、若干チープに見えるシーンもたびたびあるんですが
(カーテンくらい閉めなさいよとか、殺し屋雇うとか、人を殺し過ぎとか)
ダービーを助けるヘラルド紙の記者(デンゼル・ワシントン)と一緒に
がんばれ逃げ切れと応援せざるを得ない造りでした。

敏腕記者って設定がいいよなあ。
最近あんまり見ない設定で、パソコンもすごく古めかしくて、
その辺含めていい感じだなと思いました。

2015-09-29(Tue)

「インターンシップ」「スナッチ」

また気力が尽きて、映画みる気分すら減少中だけど

まずは「インターンシップ」。

Google完全協力のコメディ。
営業職のおっさん二人組が主人公。
会社が倒産してしまい、どうしようか悩んだ挙句、
Googleのインターンシップに応募し挑戦する話。

実際の社屋を使っての撮影なんだなとすぐわかるので、
うわGoogleやばい、という気分に。
日本にもこういう企業はちょいちょい増えてきましたけれども
(食事がタダとか、自由に寛げる部屋があるとかそういうの)
ここまで盛大な会社は出て来ないでしょうねー。
さすがアメリカさんでございます。

インターンシップ生はグループを作って課題に挑戦し、
一番優秀だったチームが正社員採用されるとあって
おっさんたちははりきるもののITの波に取り残された感が丸出し。
他の若いメンバーたちから敬遠され、
余り物のコミュ障たちと仕方なくグループになって頑張る。

かなり王道なつくりの話でした。
ライバルがイヤなやつで、最初はボロ負けながらも段々仲良くなり、
一緒にはじけたら一気に仲が深まり、
でもいい調子かと思ったところに大きなミス、
自分は黙って去る……→からの大逆転と。
見本のような美しい流れだったんだけど、
小ネタがいちいち笑わせてきてw
どんだけフラッシュダンス好きなんだよとか
古い映画好きにはたまらない仕込みっぷり。

主人公の片方が中川家の礼二にしかみえないところも良い。
なかなか面白い映画でした。


あとは「スナッチ」。
ブラッド・ピット主演かと思ってたよあんなジャケットでさ。
実際はステイサムが主演の、ブラックコメディなのかな。

ダイヤモンド泥棒から始まって、何組もの悪いやつらが入り乱れて
騙し騙されやりあう話。
話の内容を書き出すと多分ものすごく文字数が必要になると思われる
入り乱れっぷりで面白かった!
コミカルだけどバイオレンスというべきか
バイオレンスだけどコミカルというべきか。
でも許せるからコミカル寄りかな。

長い間気になっていたので、見られて良かった。
ありがとうWOWOW!

2015-09-24(Thu)

「セブン・イヤーズ・イン・チベット」

「セブン・イヤーズ・イン・チベット」

WOWOWでブラッド・ピット特集をしていて、こちらも放送しておりまして。
「フューリー」絡みですな。こちらもそのうち観ようと思ってます。

この映画にはひとつ思い出があって、映画館で上映していた時に、
私の母が友人と一緒に観に行って、私は仕事かなんかで行けなくて、
そうしたら何故か私の友人も一緒に行って、三人で2回連続で観たと。
あの頃はまだ座席の総入れ替えとか、全席指定の映画館も少なくて
そんなことも出来たのなあって。1997年か。懐かしい話でした。


この話は実話がベースで、オーストリアの登山家ハラーが
ヒマラヤ登頂に挑戦している最中に戦争がはじまり拘束され、
逃げ出してチベットへ、受け入れてもらって仕事などをしているうちに、
当時こどもだったダライ・ラマ14世と交流を始めるというもの。

雪山の描写などかなり真に迫ったものなんですが、
中国とチベットの辺りはずっと落ち着いていないからということで、
撮影のほとんどはアルゼンチンで行われたとか。
中国の反応などからみても、よく撮ったなあと。

この映画はもちろん、歴史的、政治的な視点も多分に含んでおりますが、
一番しっかり描かれているのは少年であったダライ・ラマの美しさ、でしょうね。
演じたあの少年の瞳の輝きのなんと素晴らしいことか。ちょっと、びっくり。
ついでにいうと、当時は全然わかっていなかった、
ブラッド・ピットの美しさもガンガンに伝わってきて、
なんだか目が覚めたような気持ちです。

ただただ人がいいだけでは世の中うまくいかないのはわかっているのですが、
それでもあのダライ・ラマのような台詞を言う人はいた方がいいし、
宗教というもののあり方の理想が描かれていたよなあと思います。

魂の浄化をされる一本だなあと、感じました。