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2015-12-13(Sun)

「ザ・ベイ」

ザ・ベイ

多分あらすじに興味を惹かれて録画。
時間が短かったので、ちょうどいいやとアイロンかけながら観ました。

メリーランド州にあるとある海辺の田舎町クラリッジ。
独立記念日で盛り上がっている人たちを、インターンでやってきた
女子大学生がリポートしている。
物語は彼女の告発になっており、この日、町でなにが起きたのか、
それがなぜ隠ぺいされてしまったのかを説明していくというスタイル。

事件はこの日以前にすでに始まっていた。
町に恵みをもたらしていたチェサピーク湾を調査していた海洋学者が二人、
なにかに食い殺されて海に浮かんでいた。
彼らの死因には疑問があったのに、彼らは何度もレポートを送っていたのに、
目の前の富を手放したくない権力者たちのせいですべてが握りつぶされ、
最悪の悲劇が起きる……!

という話でした。怖かった。海怖い。

舞台になっていうる町に富をもたらしているのは、海水淡水化装置で作られた水。
その水の力で、養鶏産業の規模が大きくなり、町は潤った。
水は安全で、どこよりも美味しい。
そう信じていたのに、実は海には深刻な汚染が広がっており、
プロテイン入りの鶏のエサ、そこから排出されるフンが海に投棄されているせいで、
海にすむ寄生虫がとんでもない進化を遂げて、水の中に潜み、
人の体に入り込んで数時間で一気に成虫へ成長してしまう。

っていうんですよ。虫の成長や人の体内を食い破るあたりはフィクションなのですが
こういうこともありえますよ、っていう発想で作られていると思います。
なので、救急医療の崩壊、緊急時の封鎖問題、疾病対策センターの対応なんかが
こまかくリアルに描かれていて、非常にいたたまれない気分になります。

残酷描写に弱いかたは見ない方がいいでしょうね。
すごい量の死者が出てきますし、人体が破壊される様子もえがかれますんで。


実際、未知の室病、新たな寄生虫なんかが発見された時、
前線で働く医師や研究者っていうのは、本当に大変だろうなと思います。
警察官もね。ましてやこの作品では、ほとんどの町人が一斉に発症しちゃうので
大混乱なんて生易しい言葉で表現できないくらいでした。

あー怖かった。海のような定型ではない場所の対策は本当に難しいだろうな。
くらいしか考えられない自分がとても小さく感じられる作品です。
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2015-12-03(Thu)

「帰ってきたMr.ダマー バカMAX!」

帰ってきたMr.ダマー バカMAX!

今回はおうち視聴ではなく、映画館でみた最新作!
20年前にあった、「ジム・キャリーはMr.ダマー」をご存知の方は
あんまりいらっしゃらないと思いますが、その続編です。
まさかの20年越し。
一時はコメディがイヤになっていたんじゃないかなと思わせる雰囲気があった
ジム・キャリーが、かつてやった中で最も純粋なバカの役をもっかい!
っていう最高の一本でした。

ジム・キャリー演じるロイドと、ジェフ・ダニエルズ演じるハリー。
二人は善き友人で、かつ、ものっすんごいバカなんです。
バカが二人がかりなので、普通のこともまともには進まない。
ただただそれだけの映画です。

一作目は、一目ぼれした女の子が忘れていたトランクを届けるという話でした。
要するに、とんでもなく迷惑な珍道中。

今作は、ハリーが腎臓移植が必要になったんだけど、肉親がいない。
ところが実は娘が生まれていたことがわかったので、探しに行くという
またもや超はた迷惑な珍道中です。

面白いポイントはもう、ひたすらに二人が規格外っていうところなので、
こうなんですよとここに書くのはナンセンスだと思います。
実際に見て欲しいところですが、あまりにもくだらなさすぎるし、
めちゃめちゃ不謹慎なので、頭の固い方には全然楽しくないんだろうなーっていうのがね。
あるんですよ。この映画は、全然自重しません。
こんなことしたらこういう団体からクレームが来るかもしれないなってことを
率先して全部やっていっちゃう映画です。

そこがね、いいの。
久々に純粋な、アメリカ産の不謹慎バカ丸出しコメディです。
こういうの、減ったよね。配慮配慮で減ったよね!
って言いたい。それから、ジム・キャリーがあれから20年経ってさすがに老けたんだけど
それでも完璧なジム・キャリーで見ているだけでもう笑いがこみあげてきちゃうっていう。

これを笑って許してくれるおおらかさがある人となら、
長い間つきあっていけるだろうなーって思いました。

で、この二人についてとても感心したのは、
不謹慎極まりないバカな二人なんだけど、
全然悪意がないっていうところ。
小学生男子のわるふざけを50過ぎてもまだやってるだけで、
悪(あく)ではないというところに、監督の美学を感じました。

最後の最後まで、ほんとふざけ放題です。
サービス精神にあふれた素敵な一本。万人にはすすめません!

2015-11-17(Tue)

「ミュータント・タートルズ」

ミュータント・タートルズ

2014年版。亀の忍者のやつ。
むかーし見たなあっていう懐かしい気持ちで。

マイケル・ベイ制作だけど、監督ではありませんでした。
だから爆発もほとんどしないし、人が串刺しになることもないという。

宇宙から来た謎の物質を投与されて進化した亀が
こっそり忍者の修業をしてて、ニューヨークを跋扈する悪の集団を倒す。
シンプル極まりない物語。

テレビレポーターのエイプリルはスクープを探していて、
偶然倉庫を襲う「フット団」の姿を目撃する。
それを謎の黒い影が襲撃。フット団は退散し、倉庫は守られた。
黒い影は謎のマークを残し、とても人間とは思えない動きをするのだが……。

みたいな導入で、主人公エイプリルの勤め先の上司がウーピー・ゴールドバーグ。
久しぶりに見かけたのでビックリしちゃった。もう還暦なんすね。

次に起きたのは地下鉄の襲撃事件で、
みんなが逃げる中エイプリルは記者魂を炸裂させて現場へ潜入。
ヘンテコな軍団に捕獲されるも、期待通り例の集団が現れ、
フット団は撃退され、去っていく正義の使者を追うと、巨大な亀人間が屋上でフィーバーしていた。

タートルズのみんなはなんというか、原作に忠実な姿で正直不気味。
でも明るく楽しく元気よく、しかも昔エイプリルの父が研究をし、
エイプリル自身も世話をしていた亀たちの進化した姿だと知ってびっくり仰天。

で、みんなで悪いやつをやっつけた、という話でした。
タートルズの動きが面白い。CG丸出しで今時感が薄いんだけど、
とにかく移動のシーンが見ていて楽しい。下水道と、最後の雪道がいい感じ。

気になるのが、敵の一人、謎の日本人? シュレッダー。
なんで時々日本語吹き替えになるのかな。
突然英語に戻るので、なんだかフフっと笑ってしまう。

日本の文化をどこから仕入れたのか問いかけたくなるトンデモジャパン風味は
味わい深くていい感じです。
センセイ!って呼ぶのも良い。

日本のフルアーマーをメタルアレンジしたスーツもなかなかいい感じ。強いし。
悪役のスケールが大きいんだか小さいんだかさっぱりわかんなくても、
それはそれで、みたいな。
主人公の同僚のお兄さんも、中途半端にオッサンだしイケてないけどそれもよし。

気楽な気分で見るのにピッタリ。
最後のジェットコースター風の演出も面白くて良かった。

2015-11-03(Tue)

「プロミストランド」

プロミストランド

マット・デイモン主演。
シェールガス発掘会社のやり手社員が、ガスの埋まっている田舎町に行って
契約を取り付けようとするも、邪魔が入ってあれやこれやする物語。

寂れ切った田舎町に住む人々を札束で叩いて契約を取り付けていくも、
ガスの採掘方法が100%安全とはいえないと主張する教授がいたり、
あからさまに袖の下を要求してくるヤツがいたり。
そんな輩もなんとかやり過ごしていく主人公スティーヴだったが、
そこにちょっと厄介な環境保護団体の男も絡んできてさあ大変。

地下にお宝が埋まっているところに住んでいるっていうのは
宝くじが当たったようなものかなあと思います。
田舎町ではいい学校もいい仕事もなくて、
大金をゲットできるのかと人々は喜び舞い上がる。
でも、危険かもしれないという話を聞き、
環境保護団体の男が吹聴する「実際にあった酷い話」に心が揺れて、
スティーヴは街の人たちから疎んじはじめられたりして。

この環境保護団体の男の正体がなんというか、
この世の無常そのものって感じの存在で悲しい。

こどもの将来のためならば、豊かな暮らしのためならばと、
お金が欲しいと正直に思う人。
先祖から引き継いできた土地を、自らの生きる場所だと信じて、
悪魔に魂を売れないと思う人。

でも結局、ガスが欲しい大企業にはそんなのは些細なことなんだよね。
色んな人がいても、全然関係ない。

一大企業のやり手社員のくせに、スティーヴにはやけにピュアなところがあって、
最後は会社の容赦のなさに打ちのめされてしまう。

彼が最後に語ったのは、この世の真実ではなくて、ただただ自分の素直な胸のうちだったんだろうなって。
静かな終わり方が心に沁みる。
話の作り自体はとてもシンプルかつ王道だけど、こういう素直な作品は良いものだと思いました。

2015-10-30(Fri)

「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」「紙の月」

「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」

あらすじだけでワクワクしてしまう最低ぶり。すげー面白かったw

ベトナム戦争から帰ってきたとある兵士の書いた、
とても危険なミッションをもとにした実話を映画化するために、
現地へ撮影をしにいった主人公たち一行。
ところが、新人監督は個性的すぎる俳優たちを御しきれず、
スタッフとの連携もとれずに5日目にして予算を使い果たしてしまう。
同行していた原作者がキレて、主演俳優たちをジャングルへ置いて、
その様子を撮って映画にしようというムチャな作戦が決行されてしまう。

ベン・スティラーが監督で、あんまり彼の顔が好きじゃなかったんだけど
あまりにもこう、芸が細かくスレスレアウトな下世話ぶりが面白くてw

本編が始まる前に、架空のPVや映画の宣伝が入ってくるんだけど、
映画に出演するキャラクターたちがこういう仕事をしている、という
紹介になっていて、やたらと豪華でまず笑ってしまう。

開始早々ディスられまくる主人公と監督、そして無茶苦茶なプロデューサー。
一緒に戦場を駆けるハメになる仲間達も、設定がもうめちゃくちゃ。
ジャック・ブラックはヘロイン中毒のコメディ俳優。
ロバート・ダウニー・ジュニアに至ってはなぜか黒人役で、
出資者がまさかのハゲちらかしたトム・クルーズ。
みなさんこういう映画好きなのねw と思わされるノリノリぶりで、
そんな無茶な映画なのに爆破のシーンとかものすごく迫力があるのがすごい。
全然手抜きがなくて、でも内臓がハミだしているシーンとかは
いかにも造り物感バリバリでついふふっとしてしまう。
監督の首が飛んだシーンはどうしようかと思った。

撮影だと信じて進む俳優たちに、マジの兵士が襲い掛かり、
一行は麻薬の製造所へ乗り込むことになってしまい、
そこでももう、バカ満載。いい話もちゃんと混じってるんだけど、
アメリカらしい笑いが詰め込まれた話でした。

シンプル・ジャックはマズかないかって思ったんだけど、
調べてみたらやっぱりクレームがついたそうでw

や、でも面白かったしなにげに豪華キャストで、
でもちょっとお下劣すぎるし人体欠損の表現もあるので、
シャレのわかる方は見たらいいんじゃないかなあ。


もう一本、「紙の月」。
宮沢りえ主演、原作は角田光代さんっすね。

専業主婦の梨香が銀行で働き出して、ついつい魔が差して不倫・横領する人生転落話。

おおむねいい感じでした。
こういう薄幸そうな女性こそが「まさか」っていう大胆行動をするもんなのかもなあ、と思ったりして。
あの宮沢りえの美しくも慎ましやかなオーラが、役によくあってました。

ひとつだけ納得いかないのは、不倫に陥った経緯。
あれだけでそんなにソッコーでホテルに行ったりしますかね?っていうのは、あります。
夫がいて、ちょっと鈍そうだけど悪い人じゃなくて、っていう状況でね。
あまりにも早いというか。

そこ以外は良かったです。落ちて行く様に、人間の弱さを感じ、
ずぶずぶにはまってしまったら、もう思考能力なんて期待しないほうがいいんだなとか。
実際にああいう状況にハマる人がいたら、同じようにするんじゃないかと思いました。

でも、最後はいただけないな。あれは幻だったのかな。
ドラマ版の「OUT」でも思いましたけど、あっさりと海外逃亡に成功しちゃうっていうのはあんまり、
好みではありません。悪い人間はきっちり裁かれてほしい。

にしても、日常的に大金を触っている人というのは、
大島優子が演じていた役の子のように
「おかねがいっぱいでヤバイですー」って言ってるくらいが健全なのかなと思いましたとさ。

どんなに若い男がよくても、ヒモを養うのは絶対にダメ、っていう教訓もあり。
このどクズが!って思いながら最後まで見られました。