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2016-01-21(Thu)

「ゾンビコップ」

「ランニング・マン」(2013年アメリカ作品)も
みたんですが、久々にいただけないデキでがっかり。

内容的にはまあまあなんだけど、圧倒的に描写が足りない。
75分くらいで短いなと思ったらこのザマかい!と。
それとも訳あって大幅なカットを余儀なくされたのか?
現状はとりあえず未完成みたいな感じでオススメできず。


で、「ゾンビコップ」。1988年アメリカ作品。

まじめとチャラ男の二人組の刑事、ロジャーとダグ。
ある日起きた宝石強盗事件で犯人をなんとかやっつけたものの
耐久力が高すぎるなど、様子がおかしい。
検死官から「前にもうちに来たやつだ」と言われ
調べてみるとある製薬会社に行きつく。
どうやら不死の命を得るために怪しげな実験をしているらしく
揉み合っているうちにロジャーがヘンテコな装置にIN。
命を落としてしまう。

そのあといろいろあって、また妙な装置にセット。
ロジャーは蘇る。ただし、ゾンビとして。

敵もゾンビ、刑事もゾンビ。
撃たれても死なないし、よーしブッコミだー!

という話。
面白かった。下らな面白かった。
特殊メイクがレベルが高かったからかな?
ナチュラルにやばいセリフが満載なので、行き詰ったときとかにみるといいかも。
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2016-01-16(Sat)

「カクテル」

「カクテル」

トム・クルーズ主演の1988年作品。
トム・クルーズが絶好調だった頃の作品だよなーってイメージしか持ってなかったんですが、おすすめして頂いたので見てみることに。

主人公は兵役上がりの青年ブライアン。
大金持ちになりたいけれど、就職活動は難航。
ある日通りかかったお店でバーテンダーを募集しており、
とりあえずの仕事として働き始めるが……。

みたいな話。
青春映画、なのかなーと思います。
夢を見て、うまくいかなくて、いい出会いもあったけど、成功した誰かがうらやましくなって、せっかく手にした幸せを逃してしまって……そして最後に、自分に一番必要なものに気が付く。

そういう人生に必要な失敗と成功をぎゅっと詰め込んだ感じかな。
若さってこういうものかもしれない、と思う話でもあるっていうか。

もうちょっとなんというか、バーテン一筋の青年の話なのかと勘違いしてましたが、そーでもないんだなっていう。

ブライアンは意地を張ったり、素直になったりと非常に若者らしい感情の見せ方をするんですが、一番気になったのが表情。ずーっと笑ってるんだよね。いつも笑顔の感じのいい青年、って感じじゃなくて、へらへらした印象なんです。

それがね、なんというか、ブライアンの自信のなさとか、意志のよわさの現れなのかなと。
言い訳をする準備にも見えて、ナイーブな青年なんだろうなっていう印象を持ちました。
最後はちゃんと男気を見せてくれるので、あのヘラヘラ感はあえてのものなんだと思いましたが、単純にいいからニコニコしとけみたいなアイドル的な演出だったらどうしようかな……。

自分は酒はまったく飲まないし、バカンスにもいかないので行きずりの恋とも無縁なんですけど。
バーテンダーってなかなか、面白い職業だと思いました。

人生における「当たり前」を描いているので、多少薄く感じられるかもしれませんけども。
でもこういう当たり前も、大切よなって。大人だったら思うかもしれません。

2016-01-14(Thu)

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

マッドマックス 怒りのデス・ロード

公開中に映画館に行きたかったけど、どうしても予定が合わず行けなかったのをとうとう見ました。

昔の作品は見たことなくて、マッドマックス初体験。
素晴らしい世紀末感に加えて、色への拘りを深く感じた一本でした。
物語はね、荒廃した世界で悪いやつをぶっ殺すという
非常にシンプルなものなのだと思います。
ただ、味方が少ない(女性ばかり)のと、
敵が多くて粗暴なので状況としては絶望的っていうだけでね。

細かいあらすじは公式サイトで確認するといいということにして、
とにかく感心したのが、オレンジと青の美しさ。
舞台は基本砂漠で、もう砂と空しかないの。
砂のオレンジと、空の青。たまにものすごく鮮やかな色が目にぐわっと入ってきて
そのたびに胸がドキドキするっていう。
これはこだわって彩度をあげているのだろうなって。

それから、イモータン・ジョー軍団のクレイジーさ。
車のデザインも攻撃の仕方もなんというか、まるで隙がないの。
車と重火器はあるけど、それ以外は体でぶつかるしかない。
その辺、全然ご都合展開なしで、全員突っ込んでくる。
味方もそれは同じでちょいちょいやられてしまうので、
最後の砦への道中、最後の戦いのときはほんとワーってなりました。

味方はほとんど女性っていうのも、みどころ。
イモータン・ジョーの妻というかなんというか、
囲ってる女の子たちと、裏切りの隊長フュリオサ。
それから、故郷で再会した女性の戦士たちがね。
なんというかもう、美しいんですよ。
全員なりふり構わず、仲間のため、ジョーを倒すため、
時には少しグラつきながらも戦う。強いし、でもやられるし。
仲間を思っているけれど、誰かを失っても振り返らない。
世界観に基づいた強さがよく描かれていて、
荒廃した砂漠と粗野な男たちの描写とのコントラストがくっきり。
マックスと共に進む女性たちはどうしようもなく美しかったです。

それから、あれだけ激しい戦いの描写があるのに、
あんまりこう、グロ、残酷表現はないんだよね。
全編に渡って、ほとんどの戦いが車VS車だったからなのかな。
やられた奴らは爆発するか振り落とされてもう出てこないので
死屍累々とはならない不思議なテイスト。
そのおかげか、あんまりやさぐれた気分にならずに済む。
これなら何度でも見られるかなって思いました。

みどころが途切れない構成で、二時間じっくり見ましたよ。
これは名作。オススメされて当たり前でした。
今からでも3Dで見たいよー!

2016-01-05(Tue)

「小説家を見つけたら」

「小説家を見つけたら」

ショーン・コネリーがかっこいいんだよ!最高だよ!
って話を母にしたところ、おすすめされた作品。
ところが母は間違ってとにかく「恋愛小説家」と言い続けるという。
そう言われたのにこの作品だってわかって、良かったなあと思います。
(「恋愛小説家」も良かったけどね!ジャック・ニコルソン出てるかんね!)


2000年、アメリカ作品。
グッド・ウィル・ハンティングとかなり近い形の、青春物語かな。
ブロンクスで生まれ育った黒人の少年ジャマールたちは、
いつもバスケをして過ごしている。それが終わったら飲みに出掛けて、
下世話な話題で盛り上がるのが常。
だけどジャマールが愛しているのは文学で、バスケは友人たちと付き合うための
ひとつの手段でしかない。
そんなジャマールに転機が二つ、一度に訪れる。

ひとつは、高校生が受ける学力試験でうっかりいい成績をとってしまったこと。
(普段は友人たちにあわせるためにわざと間違えている)
それから、いつも使っているバスケのコートから見える、
窓からいつもコートを覗き見ている男の家に忍び込んだこと。

試験の結果をもとに、私立高校の人間がスカウトにやってくる。
(奨学生のために若干名の余裕を残しておくのだとか)
経済的に通えない子へ手を差し伸べるための制度があるんでしょうね。
ついでにバスケでも活躍してもらえると嬉しいんだけど、と
ジャマールはとりあえず体験入学のために学校へ通いだす。

同じ頃、窓からいつも外を覗いているオバケのような男の部屋に、
仲間にけしかけられて忍び込んだら、部屋の主が実は起きていて、
リュックサックを忘れてきてしまうという事件が起きる。
中には、ずっと文章を書き綴ってきた大事なノートがあって、
次の日にリュックサックは窓から放り投げられるんだけど、
そのノートには細かく添削が入っていて、
興味を惹かれたジャマールは男の部屋へ通いだす……という。

原題は「Finding Forrester」で、ショーン・コネリー演じる
伝説の小説家がウィリアム・フォレスターなのです。
かつて若いころに一冊だけ傑作を書いたきり、
まったく世に出てこない秘密のベールに包まれた小説家。
それがウィリアム・フォレスターで、頑固ジジイ丸出しのウィリアムなんだけど
ジャマールはとても惹かれるものがあって、彼の部屋へ通い、
少しずつ打ち解けていく。


これから世に出ていくであろう才能の持ち主のジャマールと、
世の中の無常を知って部屋に引きこもっているウィリアム。
二人がお互いに触れて、勇気を得る物語っていえばいいのかな。
いい話でした。
あんなダンディがかまってくれるようになるなら、私も不法侵入くらいしてもいいと思えるほど。

それにしてもジャマールの苦悩が深くてね。
途中で本当に泣きそうでした。

ウィリアムが外に出なくなってしまった理由も切なかったけど、
生まれ育ちで偏見を持たれ、遠い世界に行ってしまったからと友人たちから無視され
人ってそうなんだよね。異質なものに対しては拒否反応が出て、
なにもかもを受け入れられる人ってそういないんだよね。
だって一目で相手がどんな人物か、善良なのか邪悪かなんてわからないんだもの。
ジャマールもそういう偏見の目があるのをわかっていて、
なんとかうまくかわしてやって来たのに、
あからさまな形で攻撃されてとうとうキレちゃって、
それでも決して腐ったりしなくて、と。
きれいな瞳の青年だよね。白目がきれいでね。
最後のバスケのシーン、めちゃめちゃハラハラしましたよ……。


母から一押しされたのが、ショーン・コネリーが自転車で駆けつける場面。
確かにあれは良かったなあって。

美女よりもダンディの方がまちがいなく尊いよね。絶対数が少ないから。

これのブルーレイディスクをぜひ!ぜひ出してほしい!

2015-12-21(Mon)

「セルラー」「ミッシング・デイ」

短めの映画を2本。

「セルラー」

2004年アメリカ映画。
セルラーっていうのは、携帯のことですかね。

ごく普通の日常を送っていた生物教師の女性が突然誘拐され、
監禁された屋根裏で壊された電話をなんとかつなぎ、
偶然繋がった見ず知らずの相手に助けを求める話。
浜辺で青春満喫中の青年ライアンは最初、いたずらかと思うんだけど
あまりにも緊迫した様子に警察へ赴き、
でも騒動が起きて別部署に回されて階段を昇っていく最中、
電話の相手がマジでヤバいことに気がついて、救出のために奔走する……
という流れ。
いやーお見事でした。
警察内部のゴタゴタ、携帯が切れそう、携帯電話の混線などなど
アクシデントを上手にちりばめ、ライアンが頑張るものの
全部後手に回ってしまうというこのハラハラ感を
見事に100分に収めてあるっていう。
助けを求めるジェシカも、決して無力ではなく、家族のために戦う。
隙のない面白いサスペンスでした。超良かった。
携帯が古いんだけど、携帯黎明期を大人になってから迎えたので
ああそうだったこういう感じだったと懐かしみながらも、
違和感なく見られましたよ。若い子だと無理かもしれない、これ。
なにあれ、iPod?とか言い出しそうで。
いやはや、いいものみたなーって気分です。素晴らしかった。



ミッシング・デイ

そしてコレ。公式サイト、一番上にきてる写真がイメージと違いすぎて、
同じタイトルの別映画かと思ってしまった……。

原題は「リクレイム」で、返還とか回収という意味ですね。

子供を望めなくなったスティーヴンとシャノンの夫妻。
海外の恵まれない環境のこどもを養子に迎えるために、
プエルトリコへやってきた。
養子を紹介され、事前に面談した通りの愛らしい女の子が現れる。
父親と母親になったと喜んでいたのもつかの間、
突然養女の姿が消えていて……というお話。

海外から養子を迎えるというのは日本ではほとんどなじみがないですが
ハリウッドのスターなんかはよく報道されていますね。
国際貢献、慈善の精神から、子供に手を差し伸べる分化があるんでしょうが
この映画はそういう善意につけこんだ詐欺と、巻き込まれた夫婦の物語でした。
海外から養子を迎えるには大金が必要で、
それを用意できる人間はカモとして狙われるという。
養子を引き渡したあと連れ戻し、雲隠れして、
つまり金を巻き上げられるだけ巻き上げて、次のカモを探すという。

主人公であるスティーヴン夫妻は、事故が原因で自分たちの子供が望めない。
さらには自身も養子であったため(いい親に育てられたであろう人物像だし)
自分たちも海外から、地震で大きな被害があったハノイのこどもを迎えようとします。

ところがいいなりになってお金を払いすぎたために、
資産を調べられ、すべてを巻き上げられそうになってしまいます。
追いかけてくる詐欺師の集団から逃げ、さらには罪のない子供を救おうと
頑張るんだけど、いや……ほんとに辛い話でした。
実際、こういう話はあるんだなあっていう感覚が辛くて、
ひとの命ってなんなんだろうなって、思います。はい。

善とか悪とか、一概に決められるもんではありませんが、
一定の倫理観が期待できない状況って地獄なんじゃないでしょうか。
最近物騒な事件も多いけど、日本の基本的平和さが身に染みるというか。

そんな感じです。