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2016-01-05(Tue)

「小説家を見つけたら」

「小説家を見つけたら」

ショーン・コネリーがかっこいいんだよ!最高だよ!
って話を母にしたところ、おすすめされた作品。
ところが母は間違ってとにかく「恋愛小説家」と言い続けるという。
そう言われたのにこの作品だってわかって、良かったなあと思います。
(「恋愛小説家」も良かったけどね!ジャック・ニコルソン出てるかんね!)


2000年、アメリカ作品。
グッド・ウィル・ハンティングとかなり近い形の、青春物語かな。
ブロンクスで生まれ育った黒人の少年ジャマールたちは、
いつもバスケをして過ごしている。それが終わったら飲みに出掛けて、
下世話な話題で盛り上がるのが常。
だけどジャマールが愛しているのは文学で、バスケは友人たちと付き合うための
ひとつの手段でしかない。
そんなジャマールに転機が二つ、一度に訪れる。

ひとつは、高校生が受ける学力試験でうっかりいい成績をとってしまったこと。
(普段は友人たちにあわせるためにわざと間違えている)
それから、いつも使っているバスケのコートから見える、
窓からいつもコートを覗き見ている男の家に忍び込んだこと。

試験の結果をもとに、私立高校の人間がスカウトにやってくる。
(奨学生のために若干名の余裕を残しておくのだとか)
経済的に通えない子へ手を差し伸べるための制度があるんでしょうね。
ついでにバスケでも活躍してもらえると嬉しいんだけど、と
ジャマールはとりあえず体験入学のために学校へ通いだす。

同じ頃、窓からいつも外を覗いているオバケのような男の部屋に、
仲間にけしかけられて忍び込んだら、部屋の主が実は起きていて、
リュックサックを忘れてきてしまうという事件が起きる。
中には、ずっと文章を書き綴ってきた大事なノートがあって、
次の日にリュックサックは窓から放り投げられるんだけど、
そのノートには細かく添削が入っていて、
興味を惹かれたジャマールは男の部屋へ通いだす……という。

原題は「Finding Forrester」で、ショーン・コネリー演じる
伝説の小説家がウィリアム・フォレスターなのです。
かつて若いころに一冊だけ傑作を書いたきり、
まったく世に出てこない秘密のベールに包まれた小説家。
それがウィリアム・フォレスターで、頑固ジジイ丸出しのウィリアムなんだけど
ジャマールはとても惹かれるものがあって、彼の部屋へ通い、
少しずつ打ち解けていく。


これから世に出ていくであろう才能の持ち主のジャマールと、
世の中の無常を知って部屋に引きこもっているウィリアム。
二人がお互いに触れて、勇気を得る物語っていえばいいのかな。
いい話でした。
あんなダンディがかまってくれるようになるなら、私も不法侵入くらいしてもいいと思えるほど。

それにしてもジャマールの苦悩が深くてね。
途中で本当に泣きそうでした。

ウィリアムが外に出なくなってしまった理由も切なかったけど、
生まれ育ちで偏見を持たれ、遠い世界に行ってしまったからと友人たちから無視され
人ってそうなんだよね。異質なものに対しては拒否反応が出て、
なにもかもを受け入れられる人ってそういないんだよね。
だって一目で相手がどんな人物か、善良なのか邪悪かなんてわからないんだもの。
ジャマールもそういう偏見の目があるのをわかっていて、
なんとかうまくかわしてやって来たのに、
あからさまな形で攻撃されてとうとうキレちゃって、
それでも決して腐ったりしなくて、と。
きれいな瞳の青年だよね。白目がきれいでね。
最後のバスケのシーン、めちゃめちゃハラハラしましたよ……。


母から一押しされたのが、ショーン・コネリーが自転車で駆けつける場面。
確かにあれは良かったなあって。

美女よりもダンディの方がまちがいなく尊いよね。絶対数が少ないから。

これのブルーレイディスクをぜひ!ぜひ出してほしい!
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