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2015-07-09(Thu)

「未来世紀ブラジル」「ガーディアンオブギャラクシー」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

毛色の違う作品を連続で鑑賞。

まずは「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

どうしてこういうタイトルになったのか、見たらよくわかりました。
主人公はまだ10歳の少年で、少しばかりかわっている子。
彼にとって世界はとても生きにくいところで、
それを支えているのは大好きなお父さん。
だけどそのお父さんは、9.11で命を落とす。

父親の死からしばらくして、少年はクローゼットに隠されていた鍵を発見。
それが一体なんの鍵なのか、ヒントは鍵の入っていた袋に記されていた
「BLACK」の文字。
これは人の名前だから、と、少年はニューヨーク中のブラックさんを訪ねて回る……

という話。
ただ訪ねてまわるだけではなくて、この行動の中で、
おばあちゃんの隠し事、お母さんとの心の交流などなど
人と人が触れ合って得られるもの、いいことも、悪いことも丁寧に描かれていると思いました。

主人公オスカーを演じている子がかわいいのなんの……
サンドラ・ブロックも大好きだし、じんじんと心に染み入りましたよ。

テロって一体なんなんだろうなと、憤りもね。
平穏な日常が、なんの正当さもない暴力で破られるというのは、
本当にどうしようもない痛みだと思います。
あの日犠牲になったひとたちも、その家族も、さぞ無念だったでしょう。
ということで、たくさん考えなければならない映画でした。


次、「未来世紀ブラジル」

古い映画なので映像がとてもレトロに感じられるものの、
良いSFだと思いました。
管理をされ尽くしたいつかどこかの息苦しい世界。
主人公のサムは、夢の中で大空を舞い、美しい女性と出会う。

けれど自由なはずの夢の中にも、現実の影がじわじわと忍び寄ってきて、
現実にも夢でみた女性が現れて、ふたつの世界が少しずつ融合していくような、
とにかく彼の人生は破壊されていくわけです。
美容整形で若返りを繰り返す母親や、
バカみたいに情報と許可・不許可が管理された世界は
悪夢そのものって感じで更にいうととても女神転生的だなあと思いました。

どうやらハッピーエンド版とトゥルーエンド版が存在したようで、
私がみたのはちゃんとトゥルーエンドでした。
悲しい結末だけど、あれこそがサムにとっては真のハッピーエンドだよなあ……って。

お母さんの帽子がいちいちひっくり返った靴だったり、
突然現れる暖房修理人がデ・ニーロだったり、刺激的でしたなあ。
この時代のフルパワー、という形で受け止めました。良かった。


そして最後「ガーディアン・オブ・ザ・ギャラクシー」

こちらは最新のエンタメ感バリバリのSF映画。
いやあ、……CGって進化したよなあ……ってな感じで
非常にエキサイティングでした。
内容自体はすごく王道で、世界を滅ぼす力をもったオーブを悪人に渡さない、
ってなもんなんだけどね。
懐メロの使い方がとても良くて、見ていて気持ちが良かった。
あと、トレント系の生き物、好きだなあってしみじみ思いましたよ。
ロードオブザリングの2章以来だね。樹人にときめいたのは。

どれも見応えのある作品ばっかりでホクホク。充実しちゃった。
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2015-06-24(Wed)

「96時間」

「96時間」

リーアム・ニーソン主演。
友達と二人で旅行にいったらうっかり誘拐されちゃった愛娘を
父ちゃんがすげえ勢いで救い出す物語。

お父さんは元CIA職員で、離婚した妻に引き取られた娘を溺愛中。
夫の仕事が危険&忙しすぎた反動か、
娘は自由にのびのびさせたいママン。
そのせいでフリーダムすぎるヨーロッパ旅行へ行って、
案の定誘拐されてしまう。

娘を案じてかけた電話の真っ最中に誘拐されてしまうので
電話越しにちょいちょいヒントが……
って、とにかく普通の人には無理なことでも
この父ちゃんなら出来る。
事件現場になったアパートへも入り込むし(5階なのに窓から入る)
異変に感付くなり会話の録音を始め、それを再生しながら
誘拐がどう進んでいったかシミュレーションも完璧。
些細なヒントから犯人の目星をつけ、あっさり追い込む様は見事のひとこと。
映画なんだけどね!
それでも、全体の流れが美しすぎてうっとりしてしまう。

この話のいいところは、父ちゃんの溢れる娘への愛情。
それが一番大事ってことで、まったくブレない。
誘拐犯、人身売買してるクズ野郎どもは全員俺の敵、ってことで、
まったく容赦しなさすぎて衝撃的。
何人巻き込まれて死んだのだろうか……と、最後はハラハラしてしまう
(無事に帰国できるのかっていう点で)。

娘ちゃんは、男遊びをしていなかったお蔭で無事で、本当に良かったなとw
すべてのアクション、無駄のなさ、容赦のなさは見応えあり。
物語はまあ、どうでもいいかもw
容赦の無さを描くための添え物のような、すごくノーマルな物語なので。
素晴らしく面白かった。すっきり爽快!

2015-06-18(Thu)

「22ジャンプストリート」

「22ジャンプストリート」

21ジャンプストリートの続編。
前回は麻薬の売人探しのために童顔の警官2人組が高校に潜入捜査しに行く話だったんだけど
今回はそれが大学に変わっただけっていう素敵なストーリー。
見た目の幼さを買われての潜入だってのに、割と普通にオッサン呼ばわりされてて楽しい。

もうとにかく、バカwいい意味でバカ。
コメディの続編という立ち位置を生かして隅々までやりつくしたとてもいいバカだった。
何回吹きだしたかわからない。
笑いとしてはかなりベタな種類のものなんだけど、とにかくテンポよくたたみかけてくるので、
笑わざるをえないというか。

素晴らしいよね。
笑うのって大事だよねって語り掛けてくるような、そんな映画です。

21から続けてみたいし、
最後の悪ふざけ予告集の出来の良さと、
豪華ゲストの数々にまた笑いたい。
BD買おうかな!

2015-06-11(Thu)

「オールユーニードイズキル」「エデンの東」あと「ゴーストライダー」

前にみたけど忘れちゃっていたのは「ハード・ラッシュ」だった。
マーク・ウォルバーグ主演で、麻薬の運び屋を失敗した義理の弟を助けるために
もと伝説の運び屋が云々……っていう。割愛。


「オール・ユー・ニード・イズ・キル」

どっちかというと、オール・ユー・ニード・イズ・ダイ、って感じの
宇宙からの侵略を受け、ひょんなことから運命の一日をループする羽目になった
キャリア軍人の長い一日の話。
原作は未読。でも、エッジオブトゥモローよりはこっちのタイトルがいい。
ビートルズファンがうるさいのかなあ。

トム・クルーズもそろそろお年じゃないですか……?
って思いながら観たんだけど、面白かった!
ループする理由もなるほど納得でオッケー、
少しずつ簡略化されていく過程、トライ&エラーの繰り返しなどなど
常人ならば気の狂うであろうループ生活を繰り返す主人公と、
容赦なくリセットさせるヒロイン。すげえクールでした。
完全に覚えゲーになっている長い長い一日、分岐ありをこなせたのは
主人公のスペックの高さゆえよな……と思います。
とにかく、見て楽しむタイプの映画だった。

水にぬれたトムが関根勤に見える瞬間があるんだよ、と言われたので
どれどれと思っていたら、本当にラビット化しててホント笑いました。加齢のせいだね。



そして「ゴーストライダー」。
マーベルのアメコミ原作の実写化。
燃えるガイコツが地獄仕様のハーレーでぶっ飛ばし、
悪魔を倒しちゃう痛快な内容なんだけど、主演がニコラス・ケイジ。
好きなあまり実写化しちゃったのかな……?
とにかく思ったのが、もうちょっと若くて美しい青年を主役にしたらどうかってこと。
嫌いじゃないけど、ちょっと、なんか、見てて苦笑するしかないというか。
笑いはしたけど、痛快は無理かなあ~。
走ると炎が道路に残ったり、破壊されていくさまは良かったけどね。



もうひとつ、「エデンの東」。
急に古い名作を見てみるの巻。

監督のエリア・カザンはいつだったか、アカデミー賞で揉めてた気がするなあって
程度にしか知らなくて申し訳ない。ジェームス・ディーンの作品も初めて。

死んだと聞かされていた母親が実は生きていたと知って、
会いに行く息子。双子のうちの片方だけが、母にあいに行く。
あっさりと追い返されて失意に沈むんだけど、それだけではなくて、
主人公のキャスは父の愛も求めている。
父親は完璧な聖人と言いたくなるほどの人格者で、
双子の兄弟であるアロンもそう。
完璧な父は、完璧な息子を愛し、そうではないキャスを疎んでいる。

父の事業が失敗し、その穴埋めをしようとキャスは頑張る。

細かいあらすじは紹介サイトにでも任せるとして、
この、親の愛情を求める行動っていうのは、
ある程度自分で考え、行動できるようになっているはずの
十代後半の若者であろうと関係ないのだなあと改めて思わされた。
小さなこどもであれば、両親を求めて当たり前なんだけど、
もうちょっと成長したらもう自立しなきゃね……と周囲の反応は変わってしまう。
けれど、幼い頃から注ぎ込まれていない人間は、
決定的にどうしても基盤が欠けるというか、
そういう風になりやすいものだと、私は自分の近しい人から学んだ。

欠けたまま生きていくのはとても苦しくて、
すごく辛いものなんだと。

キャスは、母親に追い返され、尽くそうとした父からも拒絶される。
(母には後にある程度理解してもらえるけれども)
その拒絶されたシーンは、本当に悲しくて、涙がこぼれた。
キャスを演じるジェームス・ディーンのあの表情と、それから台詞。

絶望したキャスは、ずっと妬んでいたアロンにささやかな復讐をする。
本当ならば、あの程度でおかしくなるなんてありえないんだけど。
でも、完璧を志していた若者の心は壊れてしまう。
父親もそう。完璧な息子を失って、父親も倒れる。

最後は、アロンの婚約者の優しさにすくわれるんだけど
それにしても悲しい物語だった。
エデンの園を追い出されて、人類で初めて人殺しをしたカインが行き着いた先。
完全ではなくなった世界は厳しくて、冷たくて、でも優しさもちゃんとあって
人の世界はこういうものなのだ、っていう
あらゆる愛の形を詰め込んだすさまじい作品でした。

思い出すとまだ涙が出てくる。

2015-05-28(Thu)

「愛しのローズマリー」

なんかもう一本みた気がするのに、忘れてしまったっていう。
ぼけっと見てるとダメっすね。

とりあえずハッキリ覚えている方を。「愛しのローズマリー」。

父親の遺言があまりにもショッキングだったせいで、
ロクでもない男に育ってしまった主人公、ハル。
ジャック・ブラックがあんまり好きではない(見た目が
のであんまり期待しなかったんだけど、愉快な作品でした。っていうか見たことあった!

女は巨乳でいいケツしてる若いのに限る、を信条に生きてきたハルが、
アクシデントで有名なカウンセラーと一緒にエレベーターに閉じ込められ、
「なぜかわからないがモテない」と相談する。

その後から、彼の目はあまり見た目のよろしくない女性がすべて美女に見えるようになっていて。
というお話。

運命のヒロイン、ローズマリーはものすごい巨体の持ち主なのですが、
心の美しさが見えるようになったハルにとっては、最強にゴージャスな美女。
ローズマリーは自信がなく、とても控え目な女性で
自分をほめちぎってくるハルを最初は胡散臭いと思っていたのだが……

っていうね。よく考えたら初対面の女性の心の美しさなんて、
見抜けないもんだと思うけどもw 重さはリアルにのしかかってくると思うし。
そこはそれ、ファンタジーっすな。

人の美醜とはなんぞや、と問いかけてくる話だったと思う。
だって、ハルからみたら完全な美女、美男な面々は、
催眠がとけたらもう……ね。なんというか、アレなの。
やけど専門病棟のこどもたちについては、心がきゅうっと痛みます。

見た目をまったく気にせず接してくれる人のありがたさ。
とはいえ、見た目なんて問題じゃない!本質は内面だ!
と声高に叫んで「自分はいけてる」なんて言えるもんでしょうか。

軽快だけど結構シビアな映画でございました。
だからこそ、最後の最後でハルが「やっぱりローズマリーが良い」と言ってくれてほっとしたかな。