1999年アメリカ作品。
孤児院で生まれたホーマーは、孤児院で育ち、孤児院で暮らす青年。
二度里親にもらわれたことがあるものの、うまくいかずに帰ってきて
医師のラーチに産婦人科医としての知識を技術を教えられ、
助手のようなことをして暮らしている。
この孤児院では望まない妊娠をした女性の出産や堕胎を手伝い、
生まれたこどもを預かる場所でもある。
1940年代の話。
こどもたちは時折訪れる里子探しのひとたちの家族になりたいと願いながら暮らし、
そんな孤児院にある日、若い軍人とその恋人がやってきて、ホーマーと出会う。
というあらすじ。
ホーマーに目をかけて父親代わりを務めているラーチ先生が暖かくて
最初にまず泣きそうになる。
こどもたちを寝かしつける時にかならずいう台詞があって、
また、誰かがもらわれていった時には、そして命を落とした時には
その子のしあわせを祈ろう、と手を合わせさせるっていうね……。
人里離れた孤児院は静かで、あわただしくて、少し寂しいけれど、
幸せなところ。
でも、結局引き取り手がみつからないまま大人になったホーマーは、
若いカップルと意気投合して、外の世界へ飛び出して行ってしまう。
カップルの男の方、軍人であるウォリーの実家でりんごの収穫を手伝うようになり、
ウォリーは出征し、恋人のキャンディと仲良くなって、
そしてりんごを収穫するひとたち、主に黒人の労働者たちに混じって暮らしていくうちに、
孤児院ではない世界を知っていくんだけども。
世界の美しさも、色鮮やかさも、土砂降りの日の寒々しさも、人のどす黒さも、
命の尊さとはかなさ、そしてすべてを許すやさしさも……
直接的な言葉はなくとも、しっかり伝えてくる映画でした。
ホーマーがいなくなった後の孤児院の面々、ラーチ医師の喪失感、
ホーマーの感じた喜び、やるせなさ、恋の甘さも酸っぱさも、
全部が良かったです。トビー・マグワイアも良かった。
シャーリーズ・セロンの美しい背中も素晴らしかったです。
そして「ザ・ファン」。
見たことあったよなあと思いつつ見てみると、結構忘れてたもののやっぱ見てたかな?
ロバート・デ・ニーロ主演。1996年の映画。
ウェズリー・スナイプスが若いよね。まだブレイドになる前で。
野球バカであり、スナイプス演じる「ボビー・レイバーン」の大ファンである
主人公ギル(デ・ニーロ)が、離婚した妻、愛する息子とうまくいかず、
仕事も失敗して父の起した会社から追い出され、暴走に暴走を重ねる物語。
正直ね、デ・ニーロはどうかと思いますよ。だって仕事できそうじゃないってw
これは「アバウト・シュミット」の時も思ったんだけど。
(ジャック・ニコルソンが「その辺のうだつのあがらない親父」で済むはずないじゃんっていう)
でも、さすがなんだよね。めっちゃ怖いの。暴走を始めたデ・ニーロは。
しらんかおしてボビーの家に入り込んで、好き勝手した挙句、
息子まで誘拐しちゃうんだけども、もー怖えのなんの、ですよ。
よーく見たらなんだかジャック・ブラックが混じっていたような。
あと、さりげなくベニチオ・デル・トロも。
なにがおっかないって、最後の最後まで反省・改心しないギルが怖いっす。
あそこまで徹底してくれたら本望だな。
実際、スターっていうのはああいう影が自身のすぐそばに生まれてしまうかもしれない
そういう可能性が濃厚な、因果な商売だと思います。はい。
久しぶりにデ・ニーロ主演作を見て、ちょっと楽しかった。
作品自体はそこまで面白くはないんだけども。でもやっぱり、魅せるなーと。
スターってこういうもんなんだろうな。
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