チャニング・テイタム主演の、男性ストリッパーの物語。
いや、すごいねアメリカって!って久しぶりに思った一本。
マシュー・マコノヒーも「ダラス・バイヤーズクラブ」であんなに死にそうだったのに
お元気でなによりだなあと思います。
物語は割と王道な成長もので、仕事が長続きしないキッドが
ストリッパーのマイクと出会って、自身も舞台に立つようになり、
なかなかいい線いってるじゃん、とメキメキ頭角を現し
ついつい調子にのってヤクとか決めて乱れて、
こんな生活ってどうなのって考え直してマイクは卒業、
キッドは俺はまだまだ花を咲かせるぜ!と袂を分かつ……みたいな。
日本に似たようなものが存在するのかどうかはわかりませんが、
とにかく男性ストリップは過激。
女性のストリップと違うのは、男性が攻める側だからなのかな。
客席の女性を引き込んで絡むのですが、まあいやらしいいやらしい。
ただ、風俗に近い業界に身を置く人はやはり節度が多く求められるのだろうと思います。
客との関係、甘い誘いや、薬物とかね。
誘惑の多い暮らしの中で、バランスを崩せば一気に足元をすくわれて、
積み重ねてきたものがすべてあっという間になくなってしまうというか。
マイクはとても堅実で、舞台の上の自分と普段の自分は違う、と
職業意識の強いプロだったのでしょう。
若いキッドはそれがまだわからず、すごく強気に出る。最後はちょっと切ない感じ。
キッドのお姉さんはまともなんだけどね。若いとわからないこともあるかな。
とにかくダンスがキレてて素晴らしい。
いやらしいんだけどね。ああいう場所には行きたくないんだけど、見応えがあって良かったです。
「ガッチャマン」
噂の実写版。ひどいひどいと噂だけ聞いていたので、
でも見ないで「ひどいんだろーな」とおもうのはなんなので、
ルパン三世同様実際みてみることに。
有名な批評サイトで100点満点中4点と言われておりましたが、
私は40分くらいで心の底からギブアップしました。
一応さいごまでチラッチラッとは見たんだけど……。
まず序盤に入ったヘンテコなアニメ。
あれが既に面白くない。面白いと思う人も多かったようですが、
私にはまったくもって寒々しいものでした。笑えない。
で、すぐに本編が始まって、地球が絶望的に破壊・侵略を受けていると説明されるのに
地球の半分はぶっ壊されて、一部の地域でのみ暮らすことを許されていて、
それでももう、それも失われそうな雰囲気みたいなのを出しているっていうのに!
東京都心が平和すぎ!
遠景はまったく破壊の爪あとみたいなものはなくて、むしろ栄えた印象。
でも近くによると、それなりに世界に危機がありそうな空気を
申し訳程度に出しているわけ。外国人がいっぱいウロウロしていたりね。
ニュースは緊迫した感じだしね。
でも、ジュンが登場するとその設定が一気に崩壊してしまう。
こぎれいなOL風ファッションだし、たーくさんショッピングしちゃった☆
って感じで紙袋満載だからね。
三ツ星レストランなんかねーだろーがこの世界にはもうよー って思うじゃないですか。
最初に、真っ黒に染まった空と、侵略してきた人たちを見たんだから……。
で、世界中の権威たちが揃って呑気に会議しているところに、
ぐるぐるのホイーガみたいなのが突っ込んでくるので、
それでガッチャマンが出動ですよ。
民間人になりすますのはもういい、初の任務だ!みたいな。
なんで民間人になりすましてたのか、全然わかんねえの。
選ばれし戦士なんだから、選ばれし戦士として街の様子を見張ってたんじゃダメなの?
なんでうきうきショッピングとかしなきゃいけないの?
そして戦闘が始まって、スーツの造形はなかなかいい感じ。
CGは微妙だなー。頑張ってるとは思うけど、あきらかCG過ぎて、特に上手くもない。
この時にちょいちょいキャラクターの個性が見えてくるんだけど、
リーダーのケンはいいとして、ジュンと甚平が軽すぎる。
ケンとカップルになりたすぎるジュンと、天才なのか天才じゃないのかわからん甚平が
演技もこの二人についてはちょっと足りないというか。
緊迫感を持たせたいのか、軽妙にしたいのか、方向性がずっとグラグラし続けるのが
この映画の1番悪いところだと思う。
ケンとこの後に出てくるジョーについてはシリアス極まりなくて、
(言ってることとやってることについては置いといて、ムードの話)
敵もちゃんとしてるんだけど、時々ものすごく脱力させられる要素があって、
見る気がガリガリそがれていってしまう。このグラグラ感が酷過ぎてダメ。
その他、設定があれこれとにかくブレたり矛盾していたりする点が多いし、
説明でしかない台詞が多すぎてげんなりはどんどん増していき、
最終的にすげークソだなって感想しか出てきませんでした。
あと、演出がことごとくダサイのが頂けないかな。
鈴木亮平の髪は染めなくて良かったと思うし、
パーテイ会場へ入るためのハッキングシーンはもたつき過ぎ、
ハッキング成功のあとのドヤ顔がめちゃくちゃダサくてイライラ、
プロポーズのあと拍手されてんのなんなの?
あのビジュアルでカークランド博士?
適合者にしか世界は救えないのに、思想が自由過ぎ、管理もされてなさすぎ、
あと最後。あのコクピットなんなの。あの椅子はどういうことなの。
割と悪くないっていう感想もありましたが、
出演している俳優が好きとか、某作品よりはマシとか、そういうのが多くて、
これが心の底から面白かった!って人はさすがにいないんじゃないかと。
やりたいことはわからなくもないんだけど、
でも全部がちぐはぐで、作り手の足並みが揃っていない感じが酷かった。
見るんじゃなかったなーって最後は思った。
デビルマンとどっちがマシかと聞かれると、まあガッチャマンのがマシかな……?
あちらは演技力が壊滅的にアレだったから……。
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