WOWOWのCMで見て、面白そうだなーと思い視聴。
原作はまったくノータッチ。
出てくる登場人物はいわゆるアメコミ調のスーパーヒーローだけど、
ヒーローものとは言えない作品でした。
ヒーローを政治に利用し、禁止令が出され、罠が仕掛けられ、
あくまで人間同士のドラマが主体。ただ、ちょっと力が強いだけ、みたいな。
1世代目と2世代目の差、男女の絡みについては一番アレな部分が描かれ、
正義とはなにか、それぞれに定義が違っていて、と、世の中は
うまくいきませんよね、を地でいっている。
爽快感はゼロ。彼らはヒーローであるけれども、ヒーローではない。
ヒロインであるところのシルク・スペクターは可愛いんだけど、
その初代である母ちゃんがまた非常にMADで、
自分をネタにしたエロ同人に喜んでみたり、
衣装のせいで仲間の男に襲われかけたりとまあ、非常に生々しい。
そしてヒーローになりたくてなったわけではないのに、
人をはるかに超越してしまったDr.マンハッタン。
彼のベトナム戦争投入時の映像はすごいインパクト。
そりゃ投降しますわ……と納得。
そしてキーマンであるところの「コメディアン」。
彼はとても人間くさくて、自分なりの正義があって、道化を演じている部分もあるが、
真実が受け入れられずに泣いてしまうシーンもあり。深いキャラクターでした。
一番面白かったのが、ロールシャッハのマスクだなあ。
彼は悲しい過去を持っていて、正義への思いが強いけれども、
他人と関係を築くのが苦手という。
日本の戦隊ものくらい単純だったらいいのにね。
スーパーヒーローだって人間なんだもん。
そりゃあ、悩んだり悔やんだり、間違いもするでしょう……
っていう作品だった。
政治利用しちゃうっていうおそろしさも良い。
本当に超人的な力を持つ人間がいたら、こうなるんだろうなあって。
面白い映画でございました。
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