まずは「サイドウェイ」。
録画した分であらすじとかをすっかり失念しているので
「おっ、R15+表記だぞこいつはまた残酷表現ありか!」
と思ったら違っていました。エロ。
主人公のマイルスは作家志望の国語教師。
2年程前に離婚して、すっかりしょぼくれた冴えないただのワイン好きなんだけれども
親友のジャックが結婚する前にいわゆる「バチェラーパーティ」的な
独身生活最後の1週間をイエイイエイしようぜの旅に付き合う。
ところがジャックときたら、女とヤリまくるぜ!しか頭になくて……。
というお話。
マイルスはとてもこだわりが強くて、見た目は冴えない常識人。
つまり、イケてない。
ジャックの不誠実な振る舞いを快く思っていないのに、強くは止められない。
よく行くワインの名産地で気になる女性マヤがいるものの
こちらにも強くは出られない。
マイルスの人生を豊かにしてやろうと、ジャックはマヤと付き合えとうるさく言う。
結果的に、ジャックはもうすぐ結婚することがバレて、
よろしくやっていたステファニーさんに思い切り殴られる。
マヤといい感じになっていたマイルスも、お蔭でとばっちり。
なによアンタサイテー男なのね!みたいな。
出版エージェントに「いけるかもしれない」と言われていた小説も、
結局は採用されず、マイルスは全部の夢が破れてしまう。
悲しいほどに、マイルスは普通。すごく常識人で、良識もある。
胸の中に溜めていた怒りをちょっぴり発散して(ワインをたるごと飲む)、
ついでにジャックの大ピンチ(浮気相手の家にサイフ忘れたのを
不法侵入で取り返してくれる)を救ったりして。
最後に「とっておきのワイン」を開けて、一人で飲むマイルスに涙が浮かんだ。
特別な日に飲もうと思っていたワインだけれども、
マヤが途中で言った通り、「ワインを開けた日を特別な日」にした。
元妻の未練から卒業したんだなあ、と。
最後、なんとか一筋の光を掴もうと一歩踏み出したところで終わり。
この終わり方は憎いなあ。
マイルスが幸せになれますように、って思わざるを得ない。
なかなか味わい深い一本でした。
そして「フローズンライター」。
締め切り直前の脚本家が、さびれた元精肉工場に籠もって書き上げようとすると
次々事件が起きて……
と見せかけての、すべて「こんなシナリオどうかな」でしたー!みたいな話。
ただ、最後の最後、本当の結末はめっちゃホラー。ヤバ目。
主人公の「構想」を演じるのが主人公なので、
なるほどなにがどーなってるのかよくわからん 現象が起きてなかなかいい感じ。
そしてなにげに、主人公がE・ファーロング。老けた。見ただけだとわからないぞ!
でもやっぱ上手でした。
問題があるとしたら、全体的にすごく地味なところかなあ。
でもまあまあ、良かったです。はい。
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