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2014-09-21(Sun)

「パシフィック・リム」

パシフィック・リム

巨大ロボVS怪獣!
日本のロマンが香るハリウッド大作ってことで見てみたら
ホントにその通りだった。

とにかく、いろんなお約束が全部入って守られている。

巨大なロボ。
こまけーことはいいんだよ!って感じの操縦法、
相棒との別離、新しいバディとの衝突、
上司の病と覚悟、怪獣との交信、
怪しい香港、苦戦、最後の戦い、自爆、最後はギリギリ。

お見事!って感じ。
どうして日本でこれは作れないんだろうなー。
日本のアニメと特撮のおいしいところ全部取り入れているのに
どうして実写でこういうの作れないんだろう。

なぜだろう、日本にもかっこいい人はたくさんいるのに。
日本人キャストじゃこれってムリなんだろなって確信できちゃうのは。

そういう物悲しさをかんじるほどに、
よく出来た怪獣対巨大ロボ映画だった。
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2014-09-20(Sat)

「ザ・ロック」「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」

気が付けば返却期限が迫っている。
もうちょっと余裕があるかと思いきや……そんなことなかった。

というわけで大急ぎで
ザ・ロック

安定のマイケル・ベイ。
なんだろうね、このマイケル・ベイ感。
マイケル・ベイが撮りましたよって空気が全編に漂っている。
これが監督の力なのか……と。

ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、そしてエド・ハリスとスターの競演っぷりも素敵。
乗っ取られた「不落の要塞」アルカトラズ島に
潜入して毒ガス入りミサイルをなんとかせよ!

なんとかなった!

というお話。ショーン・コネリーはやっぱりカッコいい。渋カッコいい。
ニコラス・ケイジはいつも通りのモト冬樹。

マイケル・ベイ監督は串刺し好きだよねw
「また串刺しにしたー!」ってエキサイトしながら観ました。ベイだった。


お次は
ヘルプ ~心がつなぐストーリー~

我ながら随分傾向の違う話を連続でみたなあという感じ。
1960年代のアメリカ、
黒人を当然のように差別し、こき使う時代に、
彼女らの立場、心に押しとどめている叫びを拾い上げて、出版する。
それも、若い白人女性が、というお話。

本を出版するスキーターが大学を卒業して地元へ戻ると、
友人たちはみんな結婚して子供を産み、
家で雇っている「ヘルプ」の黒人女性に家事と育児をさせている。
料理も掃除も子育てもさせるのに、同じトイレは使わせない。
できるだけ低賃金でこき使うし、気に入らなければクビにする。
そういう時代であり、土地によって差はあるだろうけれども、
「これが当然」だった。という話。
今となっては「酷い」けれども、
「彼女たちも同じ人間」だなんて発想がそもそもない世界で生きているので、
スキーターの友人たちはヘルプたちの気持ちなんかカケラも考えやしない。

スキーターは自分を育てたヘルプのコンスタンティンに愛情を抱いていて、
大学に通っている間に彼女がいなくなったことを疑問に思っている。
家族からは「自身の子供たちのもとへ帰った」と聞かされているけれど、
スキーターを愛情深く育てたコンスタンティンがなんの伝言もなく
去っていくはずがないと確信を抱いている。

そんなスキーターなので、友人たちがヘルプにつらくあたり、
当然のように差別する様を黙って見ていられない。
出版社で働きたい、小説家になりたいという夢もあり、
ヘルプたちの本音を聞き出して本にしようと考える。

ヘルプたちはなかなか本音を話さない。
不平不満を言えば、白人に逆らえば当然のように殺される時代だから。

ヘアスプレー」や「ドリームガールズ」でも描かれていた
「黒人は差別されて当然」の時代。

同じ人間として扱って欲しいという願いを口に出すことすら憚られていて、
今も差別は間違いなく地球上に残っているけれど、
ここまで来るのにどれだけの苦労があっただろうなあと考えさせられる。

この作品は「黒人への差別」が主体となっているけれど、
「男尊女卑」についても同時に描かれている。
女性はさっさと結婚して、仕事なんかしないで子供産んで育てろと。

ついでに、「相手に嫌がらせして平気な人間」は、どんな相手だって平気で見下すよね、とも。
実母を施設に追いやり、気に入らないからとシーリアを締め出すヒリー。
彼女の描き方も秀逸だった。とても。あそこまでイヤな役を演じきって、
いや女優って素晴らしいですねと。

差別ダメ、いじめはダメ、と言いつつ、人の心は弱い。
あなたは強くしなやかな心を持っていますか?と
問いかけられるような作品だった。染みた。

2014-09-19(Fri)

「エンダーのゲーム」

エンダーのゲーム

原作小説は未読。

映像の勝利、って感じかな。
若干、説明不足は否めないけれども
(兄、姉との関係性とかさっぱり過ぎ)
サードがどうのこうのっていうも特に説明もなく
「あーもしかして3人目の子供は特別なのかしらー」
くらいに受け取りましたけれども。

宇宙からやってくる侵略者との戦いに備えて、
優秀な子供を集めて訓練を施している世界。

宇宙でも無重力でもこうして映像に出来るからすごいよねここのところ。
CG、合成が見え見え、ってこともなく
「おー宇宙で戦ってるー」
「あの手を動かすだけで全部動作する仕組みどーなってんのじゃカッコイイ」
とか、原作未読の身としては単純にワクワクしてしまった。

キーボード操作とか痺れるよね。
どこにどのキーがある、じゃなくて、触れたキーが打ちたい文字になる。
カッコイイ。

散々シミュレーションを重ねて、
最終試験は「敵の母星との戦い」。

ところがそれは、シミュレーションではなくて……と。

敵について、完膚なきまでに叩きのめせるほどに理解していると
その心情まですべてわかってしまう。

そうかな?と思わなくもないです。
そういうのは名将同士、酸いも甘いもかみ分けた達人同士の話じゃないかなって。

でも子供は敏感な部分があるので……。
エンダーもそうだったのかな。センシティブな少年だったとしよう。
最後、優しいのねアンタ、って感じだけど
一人で大丈夫かいw っていう気もした。

あと、偉い人達は彼の旅を許したのかなーって。
気になるところはちょいちょい、
あんまり考えなければ「わーい」と楽しめる作品な気がした。

2014-09-15(Mon)

「キャリー」

キャリー」 1976年版。

キックアスを見てて、目に入ったリメイク版のニュース。
そこから興味が出て、オリジナル版を借りました、という経緯。

本当はシャイニングを見てたんだけど、
怖いのはちょっとダメな家人が起きてきたのでね……。
仕方ない、PCで続き観るか―と思ったら!
ブルーレイディスクが読めないw

それでキャリーを見ました。
ツタヤさんの袋に193分って書いてあって
「こいつは壮大ですな」とか思ってたら
実際には96分くらいでした。アホか。マッチスティックマンの時と同じだよ!
あれにも193分って書いてあったんだけど、どういうエラーなの???


で、キャリーです。

狂信的なクリスチャン(特に性的な部分に厳しい)なママンに育てられたキャリーは
高校のシャワー室で遅い初潮を迎え、パニックに。
それを嬉々としていじめるクラスの女子たち。すごい怖い。
体育の先生は以前からキャリーに対するイジメを把握しており、
女子たちを厳重注意に。楽しみにしているプロム
(高校で開催されるカップルで出席するパーティ。イケてない人間は参加できない。
 大抵のリア充はこれに命を賭けるらしい)
に参加させねーぞ!と脅され、一人はすっかりヒネくれてここで
キャリーに対する壮大な嫌がらせをしようと決意する……。

何が怖いって、人間が怖いよねっていう話。
キャリーは本当に可哀想。後半は秘めたる力、サイコパワーが炸裂するんだけど、
なんの救いもない、非情な終わりを迎える。


キャリーのお母さんは宗教的な理由で狂っているけれど、
あんな風に子供を縛り、思うがままにしようとする人はたまに存在する。
自分と子供が違う人間だと、わけて考えることができず、
呪いをかけて意のままに操ろうとする。
キャリーは自分の考えをはっきり持っていて、
普通になりたい。みなと同じようになりたいと願うも、
結局は他人の悪意に潰され、願いを断たれてしまった。

唯一、キャリーに対して申し訳ないと思ってくれた友人のスー。
彼女だけは生き残るけれど、それが良かったのか、悪かったのか。
先生の熱意も、結局は裏目に出てしまった。
信じていたのに、救ってくれると思っていたのに。
そう感じていたからこそ、裏切られた気持ちが強く、プロムの夜は血にまみれてしまった。


最後、家に帰ってから。
お母さんの狂いっぷりは最高潮に。
反省部屋に飾られていた十字架、怖いって思っていたらこのためだったのね。

事切れた母を抱きしめ、自分も炎の中に沈んでいくキャリー。
親子の絆っていうのは本当に不思議で、
「このクソ野郎!」ってぶっ飛ばせばいいじゃんと思う人も多かろう場面だけど、
あそこで母を抱きしめるからこそ、キャリーというキャラクターが際立ってた。


イライラさせられたとしても、
ムカついても、
生理的にイヤだと思ったとしても、
他人を積極的に傷つける人間にはなってはいけない。

悪意は人の魂を殺す。
悲しい話だった。

2014-09-14(Sun)

「恋愛小説家」

恋愛小説家

ジャック・ニコルソン。またジャック・ニコルソン。

ニヤっとすると谷村新司に似ているジャック・ニコルソン。祭りだ!


タイトルからしてスイートな話なんだろと思っていた自分を殴りたい。
むしろ真逆。ジャック演じる主人公のメルヴィンは
正直すぎて言動にドン引きの連発だった。

隣人の飼っている犬をダストシュートに放り入れ、
その隣人自体をもゲイだと罵り、ビジネスパートナーの黒人には
人種差別発言をこれでもかというほど投げつける。

潔癖症であり、ものすごく神経質な主人公。
だけど多分、その分ものすごくロマンチックな話を書くんだろなと。
仕事のシーンを見ていて思う。

ところ構わず暴言を吐きまくり、
自分勝手に振る舞うメルヴィンだったけれど、
隣人に訪れた思わぬ不幸から犬を預かることになり、
飼ってみれば案外可愛く思えて、熱心に面倒を見る。
行きつけのお店のウェイトレスとも打ち解けるきっかけになり、
そこから始まる「新しい人生」への道。

ヘレン・ハント演じるウェイトレスのキャロルが抱える問題を知り、
(自分のためではあるものの)病気の息子へ手を差し伸べ、
犬との暮らしに喜びを知って、隣人のサイモンをも助ける。

メルヴィンはとても不器用で、取り繕えない男で、
でも本当は親切で、穏やかで、思慮深い。
周囲はそれに気が付いて、お互いの人生を支え合える仲になっていく。


自分の人生の中で、毒舌が酷すぎるとか、言動が信じられない人っていうのは
何人かで会ったことがあるんだけど、
それをこれまで許せずに生きてきたんだけど、
この映画を見た直後ならちょっとくらいは許せるようになるかもしれない。
と、思った。

駄目かな?
ジャック・ニコルソンくらい男前じゃないとw


あらゆる人を受け入れられる人間をいつもうらやましいと思っていたけれど、
ほんの少し心を大きく持てれば、私も許せるようになるだろうか。

いい映画だった。心のありようが変わるような、沁みる映画だった。