1975年の作品。生まれる前のだった。
シャッターアイランドに続いて精神病院が舞台(ちょっと違うか)。
刑務所から精神病院へ移された男、
マクマーフィの登場からスタート。
マクマーフィは好戦的、粗暴だけれど非常に健全な精神の持ち主で、
舞台となっている精神病院には似合わない男。
薬と監視、規制によって管理されることに抵抗するんだけれど、
個人的にではなく、あまりにも抑えつけられている他の患者たちのために、
なのだと思う。こんな状態でお前たちはいいのか、と苛立ち、
やれば出来るだろうという希望を感じて暴れる。
精神病院という場所はとても特殊で、
もちろん時代も違うし、現代ではロボトミーとかもう言わないと思うんだけど。
穏やかに管理されなければ生きていけない人もいると思う。
けれどマクマーフィが見た同じ病棟の患者たちは
不当に自由を奪われているようにみえたのだと思う。
それが正しいかどうかはおいといて(明らかに駄目な人もいるし)
マクマーフィには耐えられなかった。そういう話。
レクリエーションの時間に脱出してバスを奪って釣りへ出かけ、
クリスマスの夜には脱走しようと女友達を呼び、
若いイケメンの患者にいい思いを体験してもらおうとして
脱出には失敗してしまう。
マクマーフィはお人よしだ。
女友達を好きになってしまった若者のためにひと肌ぬぎ、
(このあたりのくだりは全員どうかと思うところもあるけれど!)
そのせいで眠気に負けて脱出に失敗してしまうし。
せっかく男になれた、一歩踏み出せたビルを自殺に追い込んでしまった
高圧的な婦長を許せず、結果的に廃人になってしまう。
マクマーフィが拘束され、病棟へ戻ってくるまで、
他の患者たちは彼の噂をする。
逃げてどこかへ去ってしまったとか。そう信じ、希望に変えている。
マクマーフィは確かに粗暴な人間だったけれど、
息苦しい病院の中に穴を開けて、大勢の心に火をともしていった。
けれどその希望は、一番悪いかたちで病棟へ戻ってくる。
自分は駄目だ、小さいのだと人生を諦めていたインディアンの大男のチーフは、
変わり果てたマクマーフィを抱きしめ、二人で自由を取り戻し、そして終わり。
ジャック・ニコルソンは素晴らしい役者だなー。
次はアバウトシュミットを見ようと決めた。
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