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2014-08-18(Mon)

「カッコーの巣の上で」

カッコーの巣の上で

1975年の作品。生まれる前のだった。
シャッターアイランドに続いて精神病院が舞台(ちょっと違うか)。

刑務所から精神病院へ移された男、
マクマーフィの登場からスタート。

マクマーフィは好戦的、粗暴だけれど非常に健全な精神の持ち主で、
舞台となっている精神病院には似合わない男。

薬と監視、規制によって管理されることに抵抗するんだけれど、
個人的にではなく、あまりにも抑えつけられている他の患者たちのために、
なのだと思う。こんな状態でお前たちはいいのか、と苛立ち、
やれば出来るだろうという希望を感じて暴れる。

精神病院という場所はとても特殊で、
もちろん時代も違うし、現代ではロボトミーとかもう言わないと思うんだけど。
穏やかに管理されなければ生きていけない人もいると思う。

けれどマクマーフィが見た同じ病棟の患者たちは
不当に自由を奪われているようにみえたのだと思う。
それが正しいかどうかはおいといて(明らかに駄目な人もいるし)
マクマーフィには耐えられなかった。そういう話。

レクリエーションの時間に脱出してバスを奪って釣りへ出かけ、
クリスマスの夜には脱走しようと女友達を呼び、
若いイケメンの患者にいい思いを体験してもらおうとして
脱出には失敗してしまう。

マクマーフィはお人よしだ。
女友達を好きになってしまった若者のためにひと肌ぬぎ、
(このあたりのくだりは全員どうかと思うところもあるけれど!)
そのせいで眠気に負けて脱出に失敗してしまうし。

せっかく男になれた、一歩踏み出せたビルを自殺に追い込んでしまった
高圧的な婦長を許せず、結果的に廃人になってしまう。

マクマーフィが拘束され、病棟へ戻ってくるまで、
他の患者たちは彼の噂をする。
逃げてどこかへ去ってしまったとか。そう信じ、希望に変えている。
マクマーフィは確かに粗暴な人間だったけれど、
息苦しい病院の中に穴を開けて、大勢の心に火をともしていった。

けれどその希望は、一番悪いかたちで病棟へ戻ってくる。
自分は駄目だ、小さいのだと人生を諦めていたインディアンの大男のチーフは、
変わり果てたマクマーフィを抱きしめ、二人で自由を取り戻し、そして終わり。

ジャック・ニコルソンは素晴らしい役者だなー。

次はアバウトシュミットを見ようと決めた。
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2014-08-15(Fri)

「テルマ&ルイーズ」

テルマ&ルイーズ

有名な映画ですが、今更観ました。
リドリー・スコット監督作品は
「アメリカン・ギャングスター」「マッチスティックマン」
ときて3作目かな。
他は多分観ていないけれど、丁寧で整然とした作品揃いな印象。
監督のセンスってすごく出るのだなあと感心しきりです。

束縛の強い夫に不満を抱きつつも言えない主婦テルマと、
少しばかり気の強いルイーズの二人が
バカンスに出掛けて、トラブルに巻き込まれ、転落していく話。

続いていく旅の中で、二人はみるみるうちに転落していく。
二人は少しずつなにもかもを振り切って行って、
最後には本当の自由を得る。そういう話ですが、重い!
爽快!なんていってらんない内容。

映画だから、お話だから、って突き放してみれば確かに爽快なだけだろうけど。

冒頭の、テルマの夫のダリルの不機嫌そうな様子。
酒場で出会った最低男のハーラン。
爽やかな出会いかと思いきや、ヒッチハイカーのJ.D。
お下劣極まりないトラックの運転手。

ルイーズの恋人であるジミーはいい奴だったけど、
なんだかんだ怒りのあまり物に当たる男だったりもする。

男と女は、人間としては同じだけど、性的な役割は絶対に違うわけで、
真の平等などは訪れないと思っている(努力はあってしかるべきだけども)。

そういう話。

強い女性もいるし、時代や国の違いもあるんだけれども、
基本的には男性の方が力が強く、
襲われた時には女性の方がはるかに弱い。
妊娠してしまうのも女性だけ。
人間がそういう風に出来ているから仕方ない部分もあるけれども、
その土台があって、女性が犠牲になるという構図がある。
(男性だって犠牲になるっていうのはわかってるけどあえてこう書く)

散々抑えつけられてきたテルマと、
彼女を救ったルイーズ。
混乱の果てに逃亡を選び、
また男に騙されて、安易な、強盗という道へ突き進んで戻る場所を失う。

二人の中に溢れる解放感は気持ちのいいものだけれど、
犯罪の上にしか成り立たなかったのはとても悲しい。

タンカーが爆発したとこは思わず笑ったけれど、
あのシーンで露わになっている二人の怒りこそがすべてだと思う。

ハル刑事はいいやつだったのにな。
ああいう男がいかに少ないか、
あんな風に思いやってくれる存在がいるなんて思いもよらない、
っていう描写が、容赦なくてとても良かった。
見て良かった映画だった。

理性や優しさに溢れた男性はたくさんいるんだけどね。
自分の人生の上に、不幸な被害が訪れていないことに感謝しつつ。

2014-08-13(Wed)

「シャッターアイランド」

シャッターアイランド

みようみようと思っていたのに後回しになっていた一本。
や、映画ってこういうのがいいんだよね、と感じさせられた。

1954年のアメリカ。
主人公は連邦保安官で、精神病患者を隔離している島で起きた
女性の失踪事件の捜査のためにフェリーに乗っている。
そういうシーンから始まる。

舞台や設定、主人公テディの描き方からして、
これはひょっとしたら全部妄想かもしれない、とすぐにわかる。

現実と思い出と、妄想と。
物語はじわりじわりと核心に近づいていき
そしてあんまりにも悲しいラスト。

ディカプリオの演技は素晴らしい。
怒り、焦り、哀しみと、最後は解釈が分かれるところだと思うけれど
私としては「諦め」かなと思った。

インセプションの時も良かった。
レオ様は影のある役がよく似合う。

ああ、映画観て良かったなって思える作品と出会うと、嬉しくなる。

2014-08-11(Mon)

「ファーゴ」

ファーゴ

結構古い映画だった。1996年制作。
映像特典みたらコーエン兄弟がそっくりでちょっと微笑んでしまったものの
話は非常に陰惨で最悪の人間模様。

借金まみれの男が考えなしに狂言誘拐を計画したが、
頼んだ相手が極悪過ぎて被害者6人の
最悪な連続殺人事件になってしまう。そんな話。

なにも考えない人間っていうのがいる、っていうのは
ペイン&ゲインの時も思った。
ペイン&ゲインと話自体はほとんど同じかな。
その場その場で取り繕って、反省もしない、熟考もしない、
なんとなく暴力で乗り切ってしまう。
なぜなら、多分だけど、その方がラクだから。

暴力に走らなくても、簡単に借金、簡単に浮気などなど
考えないせいで泥沼にハマるような罠は人生のそこら中にしかけてある。

それを回避するために必要なのは、知性とか、忍耐力とか、
想像力なんだろうなあ。想像力っていっても、都合のいい妄想だけではダメで、
こういうことをした場合どうなるのか、
最悪を想定できる能力なのだと思う。

なにも考えずに見れば、「ただの悲惨な誘拐事件の記録」でしかない映画だけど、
人にとって大切なこと、人にとって最も不愉快なことが見えてくる。
ウシジマくんと同じ。

冒頭に「実話だ」って出て来るけど、実は実話じゃないらしい。
ただ、こんな陰惨で容赦のない事件は、世界に実在している。
もっと悲惨な事件も存在している。
人間は美しいし、ささやかだし、弱いけれど、醜くて凶悪だっていう。そういう話だと思った。

2014-08-07(Thu)

「トランスフォーマー ダークサイドムーン」

トランスフォーマー ダークサイドムーン

シリーズ3作目。
まず最初に、ミカエラどこいった……
からスタートしてしまう残念さ。

ハリウッドは結構、あっさり降板あるね。
サムとは強いきずなが出来上がっていると信じていたのに……。
切ない。

物語はオートボットVS人類になっちゃって寂しい。
やっぱバンブルビーっすなあ。
やっぱり、バンブルビーっすなあ、っていうのが主な感想。
地球がボロボロになっちゃって
(もしかしたらシカゴだけ?)
映像は迫力満点なんだけど
物語はちょっと、バラバラっとしてて没頭できなかった。

2は良かったけどなー。
ミカエラさんが惜しすぎて、
新しいヒロインを受け入れられなかったのがちょっと壁だった。