結構古い映画だった。1996年制作。
映像特典みたらコーエン兄弟がそっくりでちょっと微笑んでしまったものの
話は非常に陰惨で最悪の人間模様。
借金まみれの男が考えなしに狂言誘拐を計画したが、
頼んだ相手が極悪過ぎて被害者6人の
最悪な連続殺人事件になってしまう。そんな話。
なにも考えない人間っていうのがいる、っていうのは
ペイン&ゲインの時も思った。
ペイン&ゲインと話自体はほとんど同じかな。
その場その場で取り繕って、反省もしない、熟考もしない、
なんとなく暴力で乗り切ってしまう。
なぜなら、多分だけど、その方がラクだから。
暴力に走らなくても、簡単に借金、簡単に浮気などなど
考えないせいで泥沼にハマるような罠は人生のそこら中にしかけてある。
それを回避するために必要なのは、知性とか、忍耐力とか、
想像力なんだろうなあ。想像力っていっても、都合のいい妄想だけではダメで、
こういうことをした場合どうなるのか、
最悪を想定できる能力なのだと思う。
なにも考えずに見れば、「ただの悲惨な誘拐事件の記録」でしかない映画だけど、
人にとって大切なこと、人にとって最も不愉快なことが見えてくる。
ウシジマくんと同じ。
冒頭に「実話だ」って出て来るけど、実は実話じゃないらしい。
ただ、こんな陰惨で容赦のない事件は、世界に実在している。
もっと悲惨な事件も存在している。
人間は美しいし、ささやかだし、弱いけれど、醜くて凶悪だっていう。そういう話だと思った。
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