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2014-06-20(Fri)

「BLOW」

BLOW」を観ました。

麻薬、ダメ、ゼッタイ!第2弾。
(1つ目は「アメリカン・ギャングスター」)

実在の麻薬王の人生を映画化。
途中、あれこれと派手な部分もあるけれど、
結局は家族、友人、夫婦など、人間同士のドラマを描いていると感じた。

自分が一番の母、
子供を愛する父、

バラバラになってしまった家庭から逃れたくて家を出て、
お金さえあればという思いから麻薬ビジネスへ足を踏み入れ、

大きく成功した分、落ちた時のどん底感は半端なく。

なりたくなかった「あの頃の息苦しい家庭」を自分も築いてしまって

人生で最も大切な娘をも失って、と。

悲しい話ですよ。

人は裏切るし、愛してくれる。
思いは届いたり、届かなかったり。

そんな無常をあますところなく描き切ってるなって。

ペネロペ・クルスのヤンママ風ファッションでちょっと笑ってしまった。
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2014-06-18(Wed)

「黙秘」

黙秘」を観ました。

主演はキャシー・ベイツ。
去年「フライドグリーントマト」を観て気になって
「ミザリー」を観てビビってからの「黙秘」です。

小さな島の小さな町で暮らす母が人を殺したと
連絡を受けた記者の娘と、
頑固だけれど愛情の深い母の物語。

映像から漂う田舎ならではの息苦しさ、
風景と回想が繋がる見せ方のうまさ、
そして出てくる役者の演技の素晴らしさよ。

キャシー・ベイツ演じる母、ドロレスは
夫から見下されながらも真面目に生きる女。
気難しい富豪の女性のもとで働きながら、
愛する娘のことを第一に思って生きている。

娘が薬に依存してしまっている理由、
故郷へ帰らず、連絡すらも入れずに生きているワケが
少しずつ明かされ、ドロレスが過去に何をしてのかが
最後に明らかになる。全体的にめっちゃ辛い。

けれど、最後には大きな救いがある。

あの高飛車な奥様がみせた優しさは
ドロレスの真摯な働きを気に入っていたからで、
映画の冒頭に起きた悲しい「事件」は
二人の間に固いきずながあったからこそ。


いくらクソだったからといって、
娘にとっては父親のこと。
母の思いは最終的に、娘に通じる。
自分のプライドのために執拗で一方的な捜査をする刑事を
ドロレス母娘ははねのける。

最後、フェリーで去っていく娘と、静かに見送る母の姿。

二人のキャラクターを崩すことなく描ききっていて
見事だなあと思った。

キャシー・ベイツ、むすっとした顔で黙ってると
ちょっとオッサンみたいだなとか思いながら観たけど
とても良い映画だった。

あと、泥レスって単語が頭を飛び交って困ったけど
とても良い映画だった。

事故は不幸な女の友達。名言。

フライドグリーントマトの
「淑女はおいとま時を弁えてる」っていうのも名言だったな。

2014-06-16(Mon)

「バーレスク」

珍しく深夜に映画。「バーレスク」。

ミュージカル好きなので気になってた。
ので、とうとう借りて観た。

ストーリーそのものはもう、本当にありがちなやつ。
天涯孤独な少女が都会へ出てきて、
歌とダンスでスターダムヘ!っていうサクセス系。

話はとてもシンプルで明快、わかりやすい。
そこに、悪いやつにひっかかりそうになるとか
いい男が助けてくれて、ちょっぴり揉めて、
意地悪な先輩がいるけど、ピンチをチャンスに換えて、みたいな。

あまりにも王道過ぎて文句のつけようがないくらい。
だけどそのあまりにも単純な話の展開の最後がダメだった。

借金がかさみ過ぎて経営が立ち行かなくなったクラブを
最後の最後で主人公が救うっていうアレ。
そこまで都合いいのはどうなの、っていう。

歌とダンスは良かった……のかな。
歌声とか、踊りの技術そのものはよくて、
なかなかいい感じの演出も光っていたけれど
趣味には合わなかった。
官能というか、下品な印象で「サイコー!」とはならず。

これならシカゴの方が断然いいな。

NINEもそこまで良かったわけじゃあないけど、
女性の美しさの魅せ方はこっちの方が上だった。と、思う。

クリスティーナ・アギレラが好きならどうぞ、みたいな感じ。
それにしてもシェールさんの魔女っぽさはすごい。

2014-06-15(Sun)

「スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団」

スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団

オススメしてもらったので観てみたら
面白いのなんの。

あらすじだけ書き出すと多分とても間抜け。

バンドやってる若干冴えない感じの主人公が
ステキな女の子に一目ぼれして付き合い出すも
「元恋人軍団を倒さないとダメ」
っていう。

全体的に「何いってんだ」なんだけど、
笑って見られる良い「何いってんだ」で構成されてる。

笑いも、単純すぎず、クドすぎずでかなりちょうどいい。

お前、戦えるの、っていうのが一番の突っ込みどころかな。

最初のスタッフ紹介のところの映像のセンスがかなり良くて
序盤から期待できたのも◎。
制作はアメリカってなってるけど、
アメリカ感が全然ない。

万人向けではないと思う。
でも、これを楽しい、面白いと感じる人とは
仲良くできそうな予感。
観ててとてもいい気分になれた一本。とても良かった。

斉藤兄弟しゃべらなさすぎw

2014-06-09(Mon)

「SUPER!」

昨日の夜鑑賞した映画。

SUPER」。

キック・アスから見続けている
「ド素人が急に思い立ってヒーローになる」系統の話。

キック・アスはすごくよく出来ていた。
原作よりもマイルドらしいけれど、
それは大勢に受け入れられるためにってことでしょうし
アクションに隙がなくてとにかくカッコいい。
ケチがつけられないくらいよく出来た映画だった。

で、次にみた「ミラージュ」。
まだ少し粗削りだけれど、異国情緒あふれてる系であり、
とがったセンスで魅せてくれる名作だった。

で、三つ目(個人的に見た順なだけ)のSUPER。
超問題作。
とにかくリアル。
主人公の人生がリアル。
世の中の無常がリアル。
戦い方がリアル。
失敗の仕方がリアル。

リアルなんだけど、めちゃめちゃにソリッド。
すごい攻めてる。
ヒーローを研究して実践にうつしたものの
戦い方、キレ方がすごく普通。
普通っていうか危ないw
やむを得ず頼った先の女の子がおそろしくクレイジー。
そこまでやるつもりはなかったのに……から
こうなったらどうしようもない!
やるからには徹底してやる!
という流れになるんだけど、
これで本当にやりすぎ、っていうくらいやりすぎてもうスゴイ。

ネタバレすると面白くないと思うので書かないけど、
このやりすぎ感がリアル。
人間の心理がいかに変遷していくか、
これは確実に「あり得る」っていう流れで凄かった。
相棒の女の子はアレなんだけどね。
あと、神様からのアプローチとかは完全に
アブナイ人の妄想にしか見えないんだけど、
でも、「やり過ぎる人」の心って多分こうなんだろうって
納得できる出来でした。

割り込みは悪だし
麻薬は駄目。
人妻を攫って好き勝手にするのもいけない。

人生へのやるせなさだとか、
喝采を浴びたいという渇望、
この辺ちょっと「最強伝説黒沢」と近いかも。
(黒沢は無差別な攻撃をしないけど)
そういったものに突き動かされて最後にわかった「真理」。
主人公のフランクの心にストンと入り込んだ
「人生への諦めの付け方」みたいなものに思わず涙。

あそこまでして奥さんを奪い返した後、
の展開としてはあまりにも惨い。
だけど彼にとってそれは代わりのない福音になって
心を救うっていう。

うまく言葉に出来ないけれど、
フランクはあれでいいのだ、
後悔を抱きつつ、変わった自分に少し満足しつつ、
新しく与えられた幸せを喜びつつ、
一度はあきらめた可愛い兎を膝に抱く。

わけわかんないな。
とにかく、見ないことには理解不可能な映画だった。
これがわかる、心にぐっと感じるものがあるという人と
ともだちになりたい。そう思わされる映画だった。