「SUPER」。
キック・アスから見続けている
「ド素人が急に思い立ってヒーローになる」系統の話。
キック・アスはすごくよく出来ていた。
原作よりもマイルドらしいけれど、
それは大勢に受け入れられるためにってことでしょうし
アクションに隙がなくてとにかくカッコいい。
ケチがつけられないくらいよく出来た映画だった。
で、次にみた「ミラージュ」。
まだ少し粗削りだけれど、異国情緒あふれてる系であり、
とがったセンスで魅せてくれる名作だった。
で、三つ目(個人的に見た順なだけ)のSUPER。
超問題作。
とにかくリアル。
主人公の人生がリアル。
世の中の無常がリアル。
戦い方がリアル。
失敗の仕方がリアル。
リアルなんだけど、めちゃめちゃにソリッド。
すごい攻めてる。
ヒーローを研究して実践にうつしたものの
戦い方、キレ方がすごく普通。
普通っていうか危ないw
やむを得ず頼った先の女の子がおそろしくクレイジー。
そこまでやるつもりはなかったのに……から
こうなったらどうしようもない!
やるからには徹底してやる!
という流れになるんだけど、
これで本当にやりすぎ、っていうくらいやりすぎてもうスゴイ。
ネタバレすると面白くないと思うので書かないけど、
このやりすぎ感がリアル。
人間の心理がいかに変遷していくか、
これは確実に「あり得る」っていう流れで凄かった。
相棒の女の子はアレなんだけどね。
あと、神様からのアプローチとかは完全に
アブナイ人の妄想にしか見えないんだけど、
でも、「やり過ぎる人」の心って多分こうなんだろうって
納得できる出来でした。
割り込みは悪だし
麻薬は駄目。
人妻を攫って好き勝手にするのもいけない。
人生へのやるせなさだとか、
喝采を浴びたいという渇望、
この辺ちょっと「最強伝説黒沢」と近いかも。
(黒沢は無差別な攻撃をしないけど)
そういったものに突き動かされて最後にわかった「真理」。
主人公のフランクの心にストンと入り込んだ
「人生への諦めの付け方」みたいなものに思わず涙。
あそこまでして奥さんを奪い返した後、
の展開としてはあまりにも惨い。
だけど彼にとってそれは代わりのない福音になって
心を救うっていう。
うまく言葉に出来ないけれど、
フランクはあれでいいのだ、
後悔を抱きつつ、変わった自分に少し満足しつつ、
新しく与えられた幸せを喜びつつ、
一度はあきらめた可愛い兎を膝に抱く。
わけわかんないな。
とにかく、見ないことには理解不可能な映画だった。
これがわかる、心にぐっと感じるものがあるという人と
ともだちになりたい。そう思わされる映画だった。
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