あれ、5巻を読んだかな?って。
で、6巻を読んでからわかりました。
5巻読んでねえって。

新黒沢最強伝説です。
カイジやアカギで有名な福本先生作品。
これの前のシリーズがものすごく好きで好きで、
きれいに終わったのにまたやるの?って思ったんですけどね。
前シリーズである「最強伝説黒沢」は、昔職場の方に貸してもらって知りました。
これ面白いよーって。チームの皆さんが面白いっていうので借りると、
その時は3巻までしか出てなかったんですけど、異常に心を打たれてしまって。
頼れるアニキデビューに失敗し、後輩に怖がられ、最後は側溝にハマって
出たくないとわがままを言う。
黒沢は人望が欲しくて、自分に自信がなくて、人生を変えたくて、
でもそんなに持ってる人ではなくて。
知らない方は一度「最強伝説黒沢」の3巻までとりあえず読んでくれないかなと思いますが、
側溝(いわゆるドブ)にハマるシーンにやたらと共感してしまって、
黒沢の気持ちがわかるって言ったら貸してくれた方には「駄目でしょ」って言われてしまいました。
その後、本当にみっともないやり方ながらも、黒沢は何度も立ち上がるんです。
挫けていじけて、嫌になって、苛立って、それでも最後は立つんです。
自分の魂のために、決して誇りを失わないようにって、立ち上がるんですよ。
そういうところが好きなので、新シリーズも読んでいます。
ものすごいスロースタートで、どうなることやらと思ったんですが、
ここにきてもう、すごい。響く。これが響く人とともだちになりたい。
ヒーローなんかいないんだよ、って今回の背表紙には書いてあります。
その通り。ヒーローなんていない。
みんなの望みをすべて叶えてくれる存在なんてこの世にはいないし、
いてはいけないのだと思います。
5巻のメインテーマは、増長と許容、みたいな感じかな。
つけあがるという心理の在り方が描かれているし、
人と他人のものさしは違うのだから、っていうのがね。
他人が自分とあまりにも違う場合、苛立ったり呆れたりしてしまうのでしょうが、
それは心にしまって、寛容な精神ですべてに臨めたらいいですよね。
黒沢は哲学書です。
カイジも面白いけど、やっぱり黒沢が一番の傑作だと思います。はい。
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