制作はスペイン/カナダになってましたが、言語は英語。
タイトルにゾンビってはっきり入ってますが、原題は「Reterned」。
世界には人をゾンビ化してしまうウイルスがあって、
人類は何度かの危機を経験し、今では感染しても発症を抑える薬を開発しており、
ウイルスに感染してしまったものの、適切な治療で発症を免れている人が
タイトルの通り「リターンド」と呼ばれています。
リターンドはごく普通の人間と同じように生き、生活をしているのですが、
発症を抑える薬が少なくなっていて
(発症しゾンビになった人間の髄液からしか採れないという鬼畜仕様)
処分しろ!と声高に叫ぶ市民も結構大勢いるような世界観。
主人公は過去に父親が発症、母親は父に食べられてしまい、
父親を銃で撃ち殺したという経歴の持ち主。
リターンド専門の医師、研究家であり、恋人までリターンドだったりします。
そんなケイトが、リターンドが襲われる事件が連発し、抑制薬が失われる中、
恋人を救うために必死になる話なんです。
ゾンビはちょっと出てくるんですが、そんなには姿を見せません。
ゾンビ映画と呼ぶのはちょっと憚られるかな。
リターンドはごく普通の人間なんですが、薬がきれれば即発症してしまうし、
その血に触れれば感染してしまう危険な存在です。ゆえに反対派がいるのも仕方ない。
抑制薬に必要なタンパク質は、発症してしまった人からしか採れない。
今は薬で抑制されているので、発症しない→薬のもとがとれない
という悪循環もあって、代替品の開発が進んでいるけどなかなか完成しない。
リターンドが激しく追い立てられる中、ケイトは必死で恋人を守るのですが、
その努力は最終的に実らないんですよね。ラストは本当にかわいそうで、
最後の最後の豹変もやむなし……と思いました。
ゾンビをゾンビとしてではなく、ひとつの病として描くっていうのは新しいかな。
リターンドと人間であんなにイチャイチャするのは大丈夫なのかな?とか
子供が出来たけどそれってどういう感じで生まれるのかな?とか
疑問は色々。全体的にうすぐらーくて静かな雰囲気で、ムードが良かったなーと。思いました。
そして「デビルズ・ノット」
アメリカで実際に起きた、子供三人が惨殺された事件。
その犯人を追及した裁判が非常に雑で、冤罪だったのではないかと言われているんですよ
っていうのを映画化した作品。
実際に犯人とされた3人の若者は2011年に条件付きで釈放されたという。
非常に怪しい人物について最後、言及されていますがこれは大丈夫なのかな?
あらすじだけに惹かれてみてみたら、デイン・デハーン様が出てました。
影のある若者やらせたら天下一品ですね。犯人っぽすぎてびっくりですよ。
映画は裁判がいかに不当に行われたかを描いたもので、
あまりの不公平感にイライラしてしまうっていうよくあるタイプです。
こういう裁判が、いかに田舎であっても本当にあったかと思うとクラクラしてしまう。
この映画よりも前に、同じように裁判の問題点について訴える作品があって、
アメリカでは非常にメジャーなのに、すぐに再審に結びつかなかったのは不思議。
自分の大切なこどもがあんな風に惨たらしく殺されて、
証拠らしい証拠が出て来ない茶番のような裁判でその辺の若者が犯人に仕立て上げられて
被害者の家族はどれほど辛かったでしょうね。
とにかくあいつらが怪しい、犯人だ、これでいいんだって人もいたのだという風に
描かれておりますし、真犯人については非常に近い人物が浮上しているみたいで
なんだかもう、やりきれない、本当に悪魔の仕業だなと思います。はい。
事件そのものも恐ろしいし、
こういう無茶苦茶な冤罪が存在するのも恐ろしいし。
で、レストランにやってきた男は一体なんだったの。どうなったの?
デハーン様がやったクリスはなんだったの、などなど
疑問は残ってしまう。事実をそのまま入れたんでしょうけども、
見せ方としては若干うまくない部分もあったかな。
とはいえ、人間の恐ろしさ、弱さが存分に描かれていたとは思います。
こんな事件は世界からなくなればいい。
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