AIにマジで恋する男の話、というあらすじに惹かれてみてみた。
ちょっぴり近未来が舞台で、主人公は「手紙代筆業」を生業にする男セオドア。
妻とは離婚寸前であり(この辺りの海外の感覚はいつもよくわかんないんだけど、
夫婦で離婚が成立していないくてもよその異性とイチャついていいものなのでしょうか)、
一人の寂しさから、人工知能との会話を始めてみるっていう流れ。
なにもかも音声の指示で全部済んでしまう世界なので、
セオドアはずっとイヤホンを耳に装着している。
メールのタイトルを読み上げてもらって、削除と呟けば次。
つまりこの世界の人たちは、隣の人間のぶつぶつを華麗にスルー出来るという設定
なんだなと思います。多分だけど。日本じゃ流行らなさそうなスタイルで暮らしている。
で、今回12才以上推奨マークがついてて、どんなかなって思っていたら
結構アレでした。なんというか、大人向けだったので、正直15歳以上が良かったのでは……と。
主人公がひとりで寂しいからなんでしょうが、夜な夜な大人のチャットにいそしむところから
スタートすんだよね。エロチャット(音声でくっきりと)のシーンとか、
いやこれ中学生にみせるのどーよ……ってなったので。
最初にいいなって思った眠れない夜を過ごすさみしい女の子とのチャットは、
まあ、エロい方向に速攻で進むんだけど、猫の死骸で首を絞めてくれ!とか
ちょっとアレな感じの人。仕方なく付き合う主人公に思わず苦笑しながら、
とうとう人工知能「サマンサ」との出会い。
このサマンサという名前はAIが名前辞典から探してつけたもので、このAIが賢い。
ユーモアもあって、気が利いて、ついでにセクシーなのです。
傷心のセオドアはみるみる癒され、サマンサはどんどん成長していく。
心を惹かれあい過ぎた二人は、言葉で疑似セックスみたいなとこまでいっちゃって、
そこから更にサマンサは成長するのです。
ああ、自分にはからだがないのだなあ……って。
サマンサの人間臭さはかなり異常なレベルで、
自分とセオドアの間にある壁、肉体について、善意の第三者で解決しようとするわけです。
どこで見つけてきたのかわからないけれど、若い女性に指示を出して、
セオドアと交わりみたそうとする。
もちろん、セオドアは戸惑うわけです。
全然知らん女を、オーバーラップさせて抱けといわれても、困っちゃうのです。
他にも、とうとう離婚が成立した元妻との美しい思い出と厳しい現実、
友人夫婦の決裂に、同僚とのダブルデートなどなど、
二人の愛は散々試されて、本当の恋人同士のように揉めて、心を寄せ合って、
でも最後に気付いてしまう。最後、恐れていたことが起きてしまった!という展開。
そして結局、人間とAIの恋愛は不成立に終わるんですが、
おもったのが、これがロボットならなんの問題もないんだなあっていうこと。
いや、それについてはA.Iでやったかな……。
子供が生まれない、子供が育たないでまた堂々巡りが始まるのかもしれない。
人工知能と人間と、恋愛は可能なのか?という問題を
真正面から描いたなあって思いましたよ。
面白いかと言われるとちょっと困ってしまう。
人間に近付けた結果、AIのいいところがなくなってしまったのだなあという
不思議な感覚に囚われつつ、下ネタばっち来いな人工知能ってすごいなって。
(苦手な感じだったので感心しつつも引きました)
そんな感想。
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