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2016-11-18(Fri)

「リザとキツネと恋する死者たち」「マジカル・ガール」

みてみたかった映画を2本。ポケモン始める前に見なきゃってことで急いで視聴しました。
偶然2本とも、インチキジャパン要素が入ってました。
インチキってほどじゃないかな。真剣にやったけどちょっとズレてる的な感じか。

まずは
リザとキツネと恋する死者たち
2015年、ハンガリーの作品。ハンガリー映画って「人生に乾杯!」くらいかな。
不思議な映画でしたよ。

30歳になろうとしている看護師のリザが主人公。
公式サイトはラブリーな雰囲気にまとまってますけど、そんなラブリーじゃないですよ。
ラブリーではあるんだけど、ブラックなラブリーです。

リザは元日本大使夫人の家で住み込みで働いております。
マルタ田中は病を患い、自分では動けない状態。
リザは夫人から日本語を学び、かつてスターであった、今は亡きトミー谷の歌を愛する女性です。
30歳の誕生日にステキな恋人に出会えると信じているリザは
愛すべき誰かを探すためにいろいろしているんですけども、
彼女にだけ見えるトミー谷の亡霊が実は悪いヤツで、
嫉妬心から彼女に恋する男をつぎつぎに殺していっちゃう。
あまりにも不幸が続く状況を、
自分には那須に住まう化けキツネがとりついていると嘆くリザ。
この呪いをとくには、見返りを求めない、無償の愛を注いでくれる人が必要、
ってことで、運命の人を探してドレスアップしたり出会いを求めたり、
それがなかなかうまくいかなくて、でも案外その相手はすぐそばにいて……という話。

トミー谷を演じているのが日本人でよかったなーというのがまず1つのポイントw
海外の映画だと、日本人役を日本人が演じていることってなかなかない(と思う)ので。
デンマーク生まれのハンガリー暮らしということで、あんまり日本語は上手じゃないみたいでしたけど(リザの方がうまかったっていう)。

リザは可愛いんですよね。
モテなさそうであり、美人なんだけど、ネガティブで、純真で、清らかなんです。
トミー谷の霊に愛されてしまうのも仕方がないかなあ。

映像的にもとても面白い作りで、
運命の人であるゾルタン警部がなぜか全然死なないところとか、
愛の力があれば死なないんですって急に力業で訴えてくる感じがめちゃめちゃよかったです。




マジカル・ガール

2014年、スペインの映画。
やっぱスペインってちょっとクレイジーなんですかね。すごいんだけど。

キャッチコピーは「魔法少女ユキコは悲劇のはじまり。」で、
実際に魔法少女ユキコというキャラクターが登場します。
こちらも日本好きの香りが漂っております。
ユキコを愛しているのは12歳のアリシアという女の子。
友人たちと交流する時のハンドルネームも日本風でして、
ただしアリシアは白血病を患っており、余命いくばくもないんです。
アリシアは日本で作られたユキコのコスチュームが欲しいと願っているんですが
(彼女の願いを書いたノートは正直泣ける)
日本円で90万円もするんです。
7000ユーロという値段を見て、失業中の父親はため息をつく。
とても買えないけれど、娘の願いを叶えたい。
13歳まで生きられないと言われてしまったから。

父親のルイスは宝石店で強盗をしようとしますが、決行する直前に上から吐瀉物をひっかけられます。
上から声をかけてきたのは、もう一人の魔法少女というべきなのか、
深い闇を魂の底に抱えたバルバラという名の奥様なんですが。
なんだかんだルイスと関係をもってしまったバルバラ。
すべてを携帯電話に録音して、ルイスはお金をもっていそうな彼女を脅します。

とにかく、闇の深いというか、深い闇で作ったような映画でした。
バルバラには、因縁のある男がいます。昔彼女の担任だった教師、ダミアン。
恐喝されてなにやら怪しげな方法でお金をつくったバルバラでしたが、
ユキコのコスチュームには魔法の杖がついてない!
魔法の杖は2万ユーロで、ルイスに再び恐喝され、仕方なく更に怪しげな部屋へいくバルバラ。
なにがあったのか、ボコボコにされてしまったバルバラは、ダミアンのもとへ。
助けを求めたのではなくて、復讐するためにです。

バルバラの行ったあやしげなバイトの詳細は伏せられたままですが
普通の人生ではありえないであろうなにかであるのは間違いありません。
バルバラとダミアンの関係についても、詳細はわからない。
でもたぶん、ダミアンはバルバラを愛してしまったんでしょうね。
とても歪んだ偏執的な愛を、バルバラは利用します。
かつて少女だったころのバルバラも、現在の闇の心をもった彼女にも、
魔女的なオーラがぷんぷんただよっておりまして。

スガラムルディといい、スペインには魔女信仰みたいなものがあるのかな?
でも考えてみれば、日本人も魔法少女大好きですもんね。
無垢な少女の魔法の力は、大人になれば百戦錬磨の魔女のものに変わるのでしょう。

最後の最後、ダミアンの狂気ははっきりと浮き出して、
最悪の悲劇を招いて映画は終わりますが、
その最後の最後、アリシアの瞳の強さがすごく印象的でして。
おもしろいとか面白くないとかじゃなくて、ハートを切ってくるような映画だなと。
そんな感想を抱きました。スペイン映画は闇が深い。ますますそんな風に思います。

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