「告白」が面白かったのと、原作にも興味があったので。
読んでないんですけども!
人間の中にある「どうしようもない悪」っていうのはすごく興味があるんです。
生まれ育ち、思想など、諸々の要素とは関係なしに、
どうしようもなく悪くなってしまう人間はこの世に存在しているとおもうので。
どうしようもなく胸糞の悪い「世界に実在する地獄」はしっかり描かれていて
正直、これが映画で良かった。
自分があんな世界に、ほんの数ミリでも足を踏み入れるような人間じゃなくて良かったって
思う程なんですけどもね。
どいつもこいつもクズばっかりで本当に嫌になっちゃう映画でした。
主人公はクズ。主人公の探している娘もクズ。元妻もクズ。
元部下もクズ。クズばっか!びっくりするほどクズばっかで、
それだけでもクラクラしちゃうのに、映像が攻めすぎていて、
音楽にも狙いすましたあざとさがあって、物語の見せ方も、
現在と過去、現実と妄想が入り乱れる作りなもんだから、
全部ちゃんと、意図したように出来上がっているんだけれども、
これは盛り過ぎ。見る人の体調を考えていないw
盛り過ぎなので胃もたれです。
最後のほうでね。
主人公が、色々あってある女性を襲うんです。
そういう展開はあってもいいし、主人公も狂っているので仕方ないんだけど
でもやっぱ!ドンびいた!もっと短くていいと思った!やり過ぎ!
最後の最後までやり過ぎでもう、疲れ果ててしまった……。
これとかなり近い印象だと思ったのは、ちょっと前に見た「オンリー・ゴッド」
なんだけど、あれも極彩色の映像を挟みながらもどこか清らかで。
あんなに激しい内容、映像なのに、すごく静かな映画だったという印象なんだよなあ。
あれは、良かった。長さもよかったし、消化できた。
あのくらいに抑えても、内容は充分伝わるんじゃないかなあ。
劇薬を、そのまま激しく表現しちゃったなあっていう感じ。
「地獄でなぜ悪い」同様、スタイリッシュバイオレンス表現が胸やけ状態で
なにがあっても絶対二度は観ないと思う。もし触れるのなら、原作小説がいいかな。
視覚・聴覚まで使いたくない。
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