アフリカを舞台にした製薬会社の悪事というか、
アフリカの人達を利用した盛大な治験(人体実験)について
不正を暴こうとする女性と現地の医師。
二人が命を失い、女性の夫で英国の外交官が事件を追う……という話。
アフリカで起きている不幸な出来事と、ある夫婦の愛の軌跡を描いた映画、でした。
途中で泣いてしまった……。
アフリカのとても不幸な地域で起きる悲劇にも、
夫が妻を理解して、その愛を知るという流れにも、どっちも!
製薬会社のあれこれを題材にした映画というのはいっぱいあって、
実験なくして薬は出来ないとは思うんですが、
そこに人としての良識があるかどうか。
利益の追及が犠牲を上回っていないかは、厳しく問われなければならないところです。
貧しい地域、医療がきちんと整っていないところのひとびとは、
つけこまれるよね……っていう話がまずズーンと。
それどころか、ただただ略奪、意味もなく殺される人々すらいるんだとか、
拷問の仕方があまりにも残酷だったりとか、
最初にうつしだされるアフリカの今にも倒れそうな家がびっしり並んでいる光景とか
観始めたら全部が美しかったり、悲しかったりしてまたズーンと。
主人公である二人、ジャスティンとテッサの、互いへの思い。
遠慮と無関心の悲しいすれちがい、憶測と、勘違いと、色々。
危険だとわかっていながらもやめられなかった情熱的なテッサと、
穏やかで争いを好まないのに、妻の後を追っていったジャスティンがね!もうね!
おもうのが、あの時、赤ちゃんが死ななかったらってことなんです。
二人の愛の結晶が生まれて、無事に育っていたら、こんな悲劇が起きなかったのかなって。
それは誰のせいでもなくて、この世にあるある意味でありふれた悲しい出来事でしかないんだけど、
それでも、二人を繋ぐ強いきずなが失われてしまったことに、
これも神の計画なんですよみたいなへんてこな台詞が思い浮かんでしまって、
そんな陳腐なことを言わないでほしいという思いと、
ああそうなのかなあっていう、妙な説得力とね。
フィクションなんですけど。
色々考えてしまいました。
神様っていうのは本当に存在して、あらゆる現象に意味を持たせるのかなあと。
フィクションなんですけどね。
だとしたら、作家は、神なのかもしれません。
こんな風に、ズーンと心の奥に石を置かれてしまったわけですから。
みたいな気分になりました。良い映画だった。でもちょっと、悲しすぎる気もするけど。
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