WOWOWで映画を見るのはたいてい録画でして、
よさげなあらすじなものを端から予約してるだけなので
見る頃にはどんな紹介文だったか忘れてます。
だからこれもあらすじが魅力的だったんだろうけど
どういう話なのかさっぱりわかんないまま見てました。
2012年アメリカ制作作品なんですけども……
これはあんまり褒められないな。
予備知識がないまま見ていると途中であっけにとられちゃうんだけど
こちらはいわゆる「海底2万マイル」、
潜水艦にのったネモ船長が出てくるお話の続編
「神秘の島」って作品の映画化作品でございました。
この前提がないと見たらダメだったw
物語は最初、アメリカの南北戦争の時代からスタート。
そこでなんだかんだあって、5人の兵士やら新聞記者が
とらえられそうになって逃げだし、
気球に乗って脱出を試みるんです。
仲間がひとりやられて、敵が一人まぎれた状態で飛び立ち
もめているうちに空には怪しい穴が……。
気球はそこに吸い込まれて、気が付けばみんな妙な島にいるんです。
そこはバミューダトライアングルに飲み込まれた飛行体が行きつくところで
時空を超えた被害者が集まって、なんとか出ようと試みる。
そういう話なんですけどね、まずはとにかく、カメラワークがしょぼい!
いつもだれかのアップで、画面に映っている範囲が狭いんだよね。
バストアップしか書けない人の漫画みたいなイメージでとにかく拙いなと。
未来人と出会って協力したりするんですが
この時空を超えるという超常現象に対して驚きが少ないし
すぐになれちゃうし、とにかくみんなのアップばっかりだから
なにがどうなってどのくらい深刻なのか伝わってこなくてモヤモヤ。
島にはもじゃもじゃの怪人が住んでいるんだけど
その正体にはなんか口があんぐり。
唐突に表れたきれいなネモ船長とか、
これは力のあるプロダクションが本気だして作ったら
かなりロマンのある映画になっただろうになーと残念でならない。
もう一本「マダム・マロリーと魔法のスパイス」。
タイトルがちょっと違うんじゃないかなーと思いますが、まあよしとしようか。
2014年アメリカ制作なんだけど、
主役の青年はインド人、舞台はフランス、料理がテーマの軽やかな作品。
まずは、インド人の一家が故郷を追われてヨーロッパへやってくるところからスタート。
ポンコツな車で南アルプスをさまよっていると、ブレーキが故障してしまう。
偶然とおりかかった親切な女性に助けられ、
家で料理をふるまわれると、それがとてもおいしい。
ちょうど空き店舗になっている場所を見つけた一家の家長は
これも運命だとフランスの地でレストランをやろうと決意する。
息子のハッサンは料理人で、とても腕がいい。
だけど店の向かいはミシュランでひとつ星をもらっているレストランで
文化の違いなどからいやがらせを受けたり、もめたりしてしまう。
お向かいのフレンチレストランを経営しているのが
マダム・マロリーなんですけどね。
伝統的なフレンチレストランの向かいに
やかましい音楽をかけるインド料理店ができて
カレーの香りがずっとしているのが許せないんです。
それでセコいいやがらせをするんだけども、
(インドのパパも戦争だって対抗してしまう)
ハッサンは良識のある謙虚な男なので
父の非礼を詫びにいくんです。
いやがらせにハトを買い占めた父のかわりに、
自分の料理をもって謝りに行きます。
そこで、マダムはハッサンの才能に気が付くんだけど
プライドが邪魔をして言い出せない。
そして対立はエスカレートして、インドレストランに
とうとう火炎瓶が投げ込まれ、壁にも心無いいたずら書きが……。
マダムはちょっとプライドが高い人なんだけど、
料理にたいしては非常に真摯な人間で、
火炎瓶も落書きも自分のとこの従業員がやったことなんだけど
料理人なら料理で戦え、と裁きを下します。
素直に謝らないんだけどね、そんな彼女をハッサンは許して
自分のレシピでオムレツを作らせたりするんです。
とにかく、ハッサンが美しいこの映画。
フランスの山奥の風景も非常にビューティフルなんですけども、
ハッサンの才能と謙虚さが両レストランのオーナーを黙らせる。
マダムの理想の決着のつけ方をして、
フランス料理の修行をしたいという彼を自分の店で働かせます。
ハッサンは才能を見出され、もっと有名な店へ移籍。
お父さんは喜び、マダムも後押しをしてくれる。
おいしい料理は幸せを生み出すものだと冒頭で語られますが
幸せを生み出す天才料理人の世界は変わっていき
周囲はそれをあたたかく見守るという。
まーとにかく見ていて気持ちのいい映画でございました。
最初こそいがみあうけど、マダムとパパの間に生まれる友情も、
ハッサンの成長も、年月を経てようやく一歩踏み出せることもあるとか
人生のあれこれが詰まった映画だったんじゃないでしょうか。
ちょっと地味だけど、名作と言ってよし。
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