忍者ブログ

2016-09-04(Sun)

「彼は秘密の女ともだち」

彼は秘密の女ともだち

2014年、フランスの作品。

まだ少女の頃に出会った、クレールとローラ。
親友をちょっと超えたくらいの仲の良いふたりが大人になって
それぞれにパートナーに恵まれ、ローラは出産。
だけど彼女はその後亡くなってしまい、
夫のダヴィッドと娘のリュシーは私が守るわ、なんていうんですが
長年の親友を失ったショックはなかなか大きなものでして、
仕事も全然手につかないクレール。
一週間の休みをもらって、なんとなくローラの家へ向かいます。
すると中では、リュシーをあやす女性の姿が。

ローラの夫、ダヴィッドが女装してたんです。

ローラを失って、娘が落ち着かないから衣服を身に着けて……
なんていいわけをするダヴィッドですが、
実は昔から女装癖があったとのこと。
驚いたクレールは彼を変態じゃないかと罵りますが、
このことはローラも承知していたし、
結婚している間は収まっていたんだよとダヴィッド。
ローラの女性らしさがそばにあったおかげで満たされていた。
だけど失ってしまった今、足りなくなって、再び女装に手を出した、と。

ダヴィッドは終始まともな様子でして、
肝心な時にはちゃんと男性の姿で現れます。
クレールは戸惑いながら、悩めるダヴィッドを受け入れ、
ローラを失った悲しみを二人で埋めていくんですけども……。

というお話。

クレールと「秘密のともだち」になった女性には
ヴィルジニアという名前がつけられます。
ダヴィッドの女装はだんだんグレードアップしていって、
ローラの服を自分で直して着たり、見えないところまできっちり脱毛したり、
ウィッグもいろいろ試して、化粧もしっかりします。
クレールはすごく飾り気のない女性で、いつもモノトーンなんだけど
ヴィルジニアはとても女性らしい色を身に着け、オシャレなんです。
新しいともだちができて、クレールの心は少しずつ満たされていくものの
周囲から怪しまれたり、ヴィルジニアはとうとう「女性になりたい」し、
さらには、クレールを愛してしまう、という流れになるんです。

ダヴィッド/ヴィルジニアは体は男性なんですけど、
心理的には完全に女性だった。
さらに、同性愛者だったんだなあ……って話なんですよね。
ローラは敬虔なクリスチャンだったらしいんですが、
ダヴィッドについて本当に知っていたのか疑問が残ります。
同性愛は聖書でははっきり禁じられてますもんね。

二人は一線を超えそうになり、でも最終的にはやっぱりダメ、と。
ヴィルジニアに迫られて、クレールはこういうんですよ。
あなたは男よ、って。
ローラの夫だから、親友を裏切れない、という意味なのか
私たちの愛は女性同士のものなのに! という意味なのか
どっちもなのかなあ。


ひどい言葉を投げつけてしまったクレールは深く後悔をして、
事故にあってしまったダヴィッドというか、ヴィルジニアの回復を祈ります。

そして最後の最後は、とても意味深なシーンで終わり。
クレールのおなかは大きいけれど、誰の子なのかな。
夫の子か、それともダヴィッドの子か。
だけど彼女たちは二人とも女性。妊娠するかな?みたいな。

親友になっただけの二人なのか、
少し複雑な形の女性同士の恋人なのか。
なんにせよ、自分のいたい形で暮らすヴィルジニアの笑顔には
なぜかちょっぴりほっとしてしまったりして。

味わい深い、不思議な愛のお話でした。
こんな話だと思ってなかったので不意打ちでしたが、面白かったです。



あとは、同じくフランス映画で「復讐のセクレタリー」。
息子を事故で失った女性が復讐に行く話なんですが、
わりとどストレートなやり方でまったくひねりがなく、ある意味で相当リアルな感じ。
映画としてはどーなんだろなって感想しかないっていう。

そして「アレクサンダーの、ヒドくて、ヒサンで、サイテー、サイアクの日」
っていうのも見たんですが、まあ、うん。大変だったね。みたいな内容。
こちらはハリウッド映画ですね。
もうちょっとテンポがいいとよかったかな。
面白いんだけど、もうちょっとスピーディでよさそう。
PR

この記事にコメントする

Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字