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2016-09-06(Tue)

「ナイト・チェイサー」

「ナイト・チェイサー」

2015年、フランス産映画。
WOWOWでやってる映画の中であらすじに惹かれたものを
かたっぱしから録画して、その時のタイミングにあう長さのものを見ているんだけど
最近やたらとフランス映画に当たるなーって思いながら見ました。

なんていうか、すごく不思議なテイストの一本でしたよ。

主人公は二人のちょいワルな若者。
クリスとリュックは久しぶりに再会してウェイウェイし、
タクシー料金を踏み倒して逃げる。
最初からそのつもりだったわけじゃあなくて、
多分「まーいいじゃん!」みたいな感覚だったと思うんですよ。
それでパーティに出てまたウェイウェイするんですけども、
そのパーティはなんでもありで悪の匂いがプンプン漂う感じ。

で、会場を出たらタクシーが止まってるんです。
もしかしてさっき料金踏み倒したから?なんて思った二人は逃亡。
だけどタクシーは追ってくる。すんごい追ってくる。どこまでも追ってくる。

そういう話。

サスペンス、スリラー、B級……みたいな感じで見ていると
このタクシー運転手が想定していたよりもずっと強くてビックリ。
悪い友達の家に逃げ込んだら、運転手が乱入してきて
友達全員あっさりぶっ殺されて更にビックリ。
やってきた警察官たちも、一緒になってぶち殺されてまたまたビックリ。

どういうことなんだこりゃ……って半分終わったところで興味津々。
どうやら、あんまり悪くない人は殺さないみたいなんですよ。
犬を連れた警備員はぶっころすけど、犬ちゃんは大丈夫。
わいろを受け取らない警察官はいい人だから、大丈夫。

で、クリスとリュックは過去にあったある事件を思い出します。
お酒飲んでウェイウェイしてた時に、ホームレスの男性に絡んでお酒をぶっかけた挙句
(しかも相当下品な感じでかける)、うっかり火だるまにしちゃうんです。
事故なんだけどね。だけど救助をせずに逃げてしまった。

クリスはちょっぴり良心があるんですよ。リュックよりも。
タクシーの料金踏み倒した時にも、お金なくてごめんなさい!って一応いうし、
火だるま事件の時にも助けなきゃ!って思ってはいるんです(助けないけど)。

その結果、リュックだけが連れ去られます。最後、タクシーに乗せられて。
意味深にあがっていくタクシーのメーターがたびたび映されるんですが、
リュックが乗ったらメーターはリセットされて。

で、気が付いたらリュックは素っ裸で寒々しい独房に閉じ込められている。


最後は「えーマジかー」ってなるんで、もし見たいなら
ネタバレは読まない方がいいと思います。

一応書いておくね、小さい字で。





謎のタクシードライバーの正体は、もともとは悪いやつだったけどその分の因果をちゃんと善行で取り戻さなきゃいけないちょっと過激な世直しマンなんです。
なんかサムライっぽい精神を叩き込まれて、世界をよくするために生きなきゃダメになっちゃった人たちの時空がこの世にはありまして、リュックはその教えを叩き込まれて(手記みたいなものを読んで目覚め、独房でちょいちょい体を鍛えだすという)、自分をさらったタクシードライバーと一緒に夜を駆け、世間にはびこるクズをボコボコにしていくのだ!




こんなオチで「わーなんだそれー」ってなりました。
納得いくとかいかないとかそういう感覚の前に、そうきたか……って感じでね。
映像は序盤はスリリングで、時々B級らしい面白味もありまして、
見ていてつまらないことはないです。音楽はかなり大げさで、一回吹き出しました。

予想外のエンディングであることは確かですが、決してうまくはないです。
ただ、憎めない妙な可愛らしい雰囲気があって。
スリリングでサスペンスなんだけど、なんかわかんないけど総合するとファンシー。
そんな感じの不思議な一本でした。短いので試しに見てみてもいいかも。

フランス映画だけど、英語の方が多かったかな。
(クリスがあんまりフランス語ができないらしい)
なので、フランス語の独特の雰囲気に慣れない人にも見やすいのではないでしょうか。
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