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2015-08-14(Fri)

「カレンダー・ガールズ」

「カレンダー・ガールズ」

イギリスで起きた実話を映画化したやつ。
当時ニュースで紹介されていたのを見た記憶が、おぼろげにあります。

チャリティのためにカレンダーを作るのだけれど、
毎年伝統的に作っていた教会とかお花の写真をやめて、
思い切って私たち奥様方のヌードにしてみました!
っていう。

ものすごく普通にくらしていた奥様たちにこんなお茶目なチャンスを与えたのは
婦人会の一人が白血病で夫を亡くした時。
主人公の一人であるところのクリスは、病院に追悼のためのソファを置こうと考える。
そのための資金は、毎年恒例のカレンダーの売り上げから。
でもいつも通りのお利口さんなカレンダーではとてもじゃないけど売れないわけで……。

クリスは保守的な婦人会に飽きているようで、
息子の隠していたエロ本やら、修理工場に貼ってあったヌードカレンダーを見て
「これだ!」と思う人。イギリスの片田舎のお固い婦人会からの依頼に、
募集を見てやってきたカメラマンたちも辟易。
やっと一人受けてくれる人を見つけるも、ヌードなんてとんでもない!と横やりも入ったりする。

夫を失ったアニーを思うクリスの熱さと、友人から差し伸べられる手を掴んで
しっかりと立ち上がるアニー。こういう女の友情っていいよね、となるんだけども、
ヌードカレンダーが成功する一方で、下世話なうわさ好きが寄って来たり、
夫婦の信頼がぐらぐらと揺れてしまったり、ついでに母ちゃんが脱いだらしいよなんて
うわさされて息子が傷ついたりと、一筋縄ではいかないリアルなドラマが良い感じ。

一行はハリウッドに招かれて有頂天になるも、
そこでイロモノ扱いされてガッカリしたり。

単純な友情物語だけではなくて、成功して浴びた光から生まれた影についても描かれていて
最後はごくごく普通の生活に戻る奥様方が良かった。
人生の喜び、哀しみ、失意、希望、などなど
爽やかに描かれていていい気持で見られる。
ヌードシーンはなぜかとても上品な印象でした。
熟女好きにはたまらんかもしれませんね。
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2015-06-17(Wed)

「あなたを抱きしめるまで」「グリース」

あなたを抱きしめるまで

実話ベースってことで、この実話部分が非常に胸糞の悪い、
悲しい親子の話。
十代で未婚のまま妊娠した主人公フィロミナは、修道院に入れられる。
古い時代だから、少女たちは許されなかったのだろう。
修道院で働かされながらこどもを産み、
一日に会える時間は1時間だけ。
修道院を出たければ金を払うしかなく、
払えないまま滞在しているうちに、子供は養子に出されてしまう。

フィロミナの息子も養子に出されていって、それから50年。
息子の誕生日に、彼女は探そうと決意する。
娘が偶然出会ったジャーナリストとともに息子を探す旅に出るのですが、
この修道院がクソでねw
先日見た「エデンの東」もそうでしたけれども、
宗教に強くとらわれている人の思想っていうのが
なんだかおかしなものだなあと思います。
本来ならば、生きる指針として人生の土台にでもすべきものなのに、
こうしなきゃダメと他人にまで強要するっておかしいよねって。
自分の周囲にも何人かそういう人がいて、ああ、おかしいなって思いました。
その人達もこの映画みたら「おかしいよ!」とか言うんだろうなあ。
過ぎた宗教は害悪でしかないです。本当。クソって言っていいと思う。
そう言える日本はいい国なのかもしれません。


「グリース」

古いミュージカル映画。トラボルタが可愛い作品。
「サタデー・ナイト・フィーバー」をみた時も思ったんだけれども、
女はヤラれるために生きていると男が考えていて当然、
みたいな時代観にくらくらしてしまう。
もちろん、その少し前の時代よりもずっと進化してるんだろうけれども、
それでも女は男に気に入られ、抱かれることがステータスであり、
男もどれだけいきがって生きられるか、どれだけいい女を抱いたかを
競い合うような様子が結構吐き気がするよねw みたいな感じ。

いや、時代を反映していていい感じなんだけども。
今と比べるとちょっとめまいもするよね。
レトロポップな雰囲気とかは好きだし、
青春が迸っていていいんだけども、モヤモヤする。そんな映画でした。

2015-05-22(Fri)

「ナイロビの蜂」

「ナイロビの蜂」を観ました。

アフリカを舞台にした製薬会社の悪事というか、
アフリカの人達を利用した盛大な治験(人体実験)について
不正を暴こうとする女性と現地の医師。
二人が命を失い、女性の夫で英国の外交官が事件を追う……という話。

アフリカで起きている不幸な出来事と、ある夫婦の愛の軌跡を描いた映画、でした。
途中で泣いてしまった……。
アフリカのとても不幸な地域で起きる悲劇にも、
夫が妻を理解して、その愛を知るという流れにも、どっちも!

製薬会社のあれこれを題材にした映画というのはいっぱいあって、
実験なくして薬は出来ないとは思うんですが、
そこに人としての良識があるかどうか。
利益の追及が犠牲を上回っていないかは、厳しく問われなければならないところです。
貧しい地域、医療がきちんと整っていないところのひとびとは、
つけこまれるよね……っていう話がまずズーンと。
それどころか、ただただ略奪、意味もなく殺される人々すらいるんだとか、
拷問の仕方があまりにも残酷だったりとか、
最初にうつしだされるアフリカの今にも倒れそうな家がびっしり並んでいる光景とか
観始めたら全部が美しかったり、悲しかったりしてまたズーンと。

主人公である二人、ジャスティンとテッサの、互いへの思い。
遠慮と無関心の悲しいすれちがい、憶測と、勘違いと、色々。
危険だとわかっていながらもやめられなかった情熱的なテッサと、
穏やかで争いを好まないのに、妻の後を追っていったジャスティンがね!もうね!

おもうのが、あの時、赤ちゃんが死ななかったらってことなんです。
二人の愛の結晶が生まれて、無事に育っていたら、こんな悲劇が起きなかったのかなって。
それは誰のせいでもなくて、この世にあるある意味でありふれた悲しい出来事でしかないんだけど、
それでも、二人を繋ぐ強いきずなが失われてしまったことに、
これも神の計画なんですよみたいなへんてこな台詞が思い浮かんでしまって、
そんな陳腐なことを言わないでほしいという思いと、
ああそうなのかなあっていう、妙な説得力とね。

フィクションなんですけど。
色々考えてしまいました。
神様っていうのは本当に存在して、あらゆる現象に意味を持たせるのかなあと。
フィクションなんですけどね。
だとしたら、作家は、神なのかもしれません。
こんな風に、ズーンと心の奥に石を置かれてしまったわけですから。

みたいな気分になりました。良い映画だった。でもちょっと、悲しすぎる気もするけど。

2015-02-18(Wed)

「ハイ・フィデリティ」

「ハイ・フィデリティ」

タイトルがどんな意味なんだろうかと思っていたら
見て納得、調べて納得。イギリス発っていうのも納得。

いまひとつ冴えない人生を歩んできた、30代の中古レコードショップ店主ロブ。
同棲していた恋人に捨てられ、どうして自分がふられてばかりなのか?
失恋ランキングTOP5の女性たちに聞いてまわることを決意して……

みたいな話。もー、痛い痒い切ないそして笑える。
リアルだなあって。しみじみしました。

ロブは、そこまでイケてないわけじゃない。
でも、イケてるわけでもない。
臆病で、でもガンガン攻めたくて、認められたい、自信がない、モテたい、こだわりたい、
とまあ、とにかくもうすごく普通!リアル。納得。

これを単なる恋愛映画としてみてしまうと、ものすごくつまんないんだろうなあ。
そうではなくて、悶える男の人生の一部を、
しかも一番みっともない時間をピックアップして描いた作品なのだと思いました。

ゆえに、共感できる。というか。
ローラの気持ちもわかるよ……。

そしてキャサリン・ゼタ=ジョーンズがまた良かった。残酷でw
彼の辿った歴代ガールフレンドのキャラクター付けも的確だなあって。
ちょっと古いけれども(テープ作ったりとかの文化がね!)
なんかすごく、わかるし恥ずかしいしニヤニヤできる一本だった。

30代後半以降におすすめしたい感じ。

2015-02-04(Wed)

「トランス」

トランス」です。
同じタイトルありそうだけど、
ダニー・ボイル監督の2013年作品。

主人公は記憶喪失。
絵画のオークションの最中に起きた強奪事件が起きて、
主人公が絵を隠し、その場所を思い出す為に催眠療法を受けるのだが……

みたいな話。
そもそもが「催眠療法」でなんとか思い出せ!っていう設定なので
お客を騙しにかかっちゃいますよ~ へっへーついてこれるかな~
みたいな態度が透けて見えてました。

これは一体どういうことなのだろうなあと興味津々で見始めるのですが
最終的にどういう構図だったのかが判明しだしたところでちょっとガッカリ。
なんか割としょーもないなってw
半分くらいは「こういうことなんじゃないかな」って予想まんまだったのも
良くなかったかもしんない。

現実と理想世界(と作中で呼ばれている)の境目の曖昧な描き方など
ビジュアル的には結構頑張ってる気がするんだけれども。
ことの発端がしょうもない&最後の畳み方が
あんた結構ひどくない?ないてたのなんだったの?みたいな感じでスッキリいかず。

最後の最後まで観客を騙せる、うわあ!って思わせられる映画ってすごいんだね。
わあ騙された!で一番気持ちよかったのは
これまでだと「マッチスティックメン」かもしれない。と思った。

今回はイマイチ。ここが最高なんだよ!って部分は……ちょっとないかな。