8月から公開中の映画。
エドガー・ライト監督作品ということでどうしても見たかったけど
近いところだと全然やってない→公開終了……
かと思いきや、じわじわ上映するところが増えてきて
ちょうどいい距離のところでちょうど公開スタートしたので劇場へ。
いやーもう、思っていた以上にファンタスティックな映画でした。
エドガー・ライトといえば映像と音のシンクロと、
並ぶ者がいないであろう疾走感!って印象でしたけれども、
今まで見た中で一番だったんじゃないかなあ。
画と音に一切無駄がなくて、目を休めるシーンは一秒たりともなかった、
しかもそれが心地良くてたまらんかった、っていうのが感想です。
主人公は「ベイビー」と呼ばれている若者。
強盗なんかをするチームの一員で、そのテクニックからドライバーを任されている。
実行犯を回収して、警察の追跡を振り切る係なんですが、
うっとりするほどの激しいカーチェイスをこれでもかってほど魅せられまして。
でも、ただただ画がいいというわけではなく、
キャラクターたちも物語もいいんです。
公式サイトには「カーチェイス版ララランド」なんて書かれてますが
割とその通りじゃないかなと思います。
幼い頃の事故で、両親を失い、聴力に問題を抱えてしまったベイビー。
やまない耳鳴りを止めてくれるのは音楽で、
常にヘッドホンにサングラス、
その態度を「仲間」にはたびたび見とがめられますが、
彼は計画を誰よりも理解し、パトカーが何台来ようと
すさまじいドライビングテクニックで振りきり、
その場の判断で乗り捨て、乗り換えて仲間を無事に逃がすんです。
しかしこのベイビー、過去にうっかりやってしまった窃盗のせいで
犯罪を取り仕切る「ドク」という男に協力させられているだけ、という立場。
本当なら悪いことはしたくない。
失った両親のかわりに自分を育ててくれた養父の世話をしながら、
彼の教えを守ろう、正しく生きようと思いつつ暮らしているんです。
ようやくこの仕事で借りを返し終わる、という頃に、
彼は昔母親が働いていたダイナーで運命の出会いを果たします。
自分の名を呼ぶように歌う彼女の名前はデボラ。
彼女のために足を洗いたい、まっとうに生きたい……。
けれど過去の実績のせいで、ドクはベイビーを離さないわけでして。
という話。
犯罪の元締め役のドク、ケヴィン・スペイシーを久々に見たんですけど
やー、やっぱ上手!すごく味わい深いキャラクターでした。
悪いやつではあるんですけど、ロマンも笑いもわかる男というか。
ベイビーをとても気に入っていたんだろうなあって最後はしみじみ。
そして、運命の仕事をする仲間たち。
他人を簡単には信用しないバッツ、
二人でいちゃつきまくるバディとダーリンも、
誰もかれも良かったです。はい。本当に。
役者もいい、キャラクターもいい、画もいい、音もいい、最後の展開もいい。
安易にただただ幸せなだけの物語ではないところもいい。
ほれぼれするような、完成度の高い作品だったなあって
本当に見て良かった、いい映画でした。大満足。
パンフレットがなかったのだけが超残念!
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