超今更感が漂っているものの、
とりあえずジャック・ニコルソンブームは終了して、
お次はデ・ニーロ強化月間に。
ってことで、タクシードライバー。
海兵隊から除隊して職を探す男、トラヴィスがタクシードライバーになるところから話が始まる。
不眠症で、することも会う人もいない。そういう空虚な暮らしをしている。
まず、デ・ニーロが若い(当たり前だけど)。
もう38年も前の映画なんだなー。生まれる前の作品なのだなーと感心。
若くてツヤツヤしていたけれど、デ・ニーロはデ・ニーロでした。
父ちゃんそっくり。
トラヴィスは戦争にいった経験があるという点で
現代日本の感覚からいうと特殊な人間なんだけれど、
彼の抱える孤独や苛立ち、社会への歪んだ気持ちなどは
よくわかると、シンパシーを感じられる人は多いのではないだろうか。
孤独で、女性との付き合い方がうまくなくて、
自分という存在を認められたい、承認されたいという強烈な思いがある。
現代にはたくさんのトラヴィスがいるのじゃないかと。
こういう本質をついた作品は、古さを感じさせない。故に名作と呼ばれるのだ……
みたいな気分になりました。そう言いたくなる凄みと鋭さがあった。
最終的に色んな失敗を重ねた結果、思わぬ形でトラヴィスは英雄になる。
でも彼は満たされていない。最後にミラー越しに映った目が、そう思わせる。
いや、デ・ニーロって本当にいい役者!
鏡に向かって独り言を言ったり、自分を鍛えているシーンはハラハラした。
基本的に計画がグダグダしているところも、リアルで恐ろしい。
見て良かった。
次はレイジング・ブルを見ます。
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