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2014-10-22(Wed)

「ワールズエンド 酔っ払いが世界を救う」

ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!」

見たかったやつ。
なんてったってテンポの良さMAXのエドガー・ライト監督作品。
相変わらず、シーンが切り替えとか素敵なセンス。

物語は、駄目な大人が過去の親友たちを集めて故郷に戻り、
若い頃できなかった「パブ12軒めぐり」をやり遂げようとするというもの。
最後の店の名が「ワールズ・エンド」なんだけど、
これは意味深な店名でした。

そこに+して、過去にちょっと好きだった友人の妹との再会だとか
友情の復活、更にはいつの間にか街の人間がほぼ全員侵略者と入れ替わってた、みたいな。

細かいことを書くとネタばれしちゃうのでおいとくとして、
テーマは大体「ありのままの自分で」って感じか。

主人公のゲイリーはダメなやつで、40歳になってもダメなまま。
強引に過去の友人たちを引っ張り出して振り回し、故郷の街を駆けずり回る。

「ショーン・オブ・ザ・デッド」と展開は近い。追い回されるし。
でもテイストは全然違っていて、なんだろう、こんなにダメなヤツだけど
強烈な魅力があって、アンディのセリフはめちゃめちゃに熱くて良かった。

最後はもう、なんでそんな無駄にカッコいい終わり方なのwと。
ただのダメ人間が暴れる話ではなく、なんだろうなー。
うまく言葉に出来ないんだけれども、良かったです。

なにげにアクションもいい感じで侮れない。見て良かった系の映画。
にしてもあの映像の魅せ方のうまさ、すごいや。



もう一本、「我が家のおバカで愛しいアニキ

出所してすぐのバカ正直で心優しいアニキと、その妹たち及びその周辺の人達の物語。

とにかくアニキがピュア。
正直で優しくて、なんでも受け入れようとする。
受け入れられない時には、自分が悪いと反省しちゃうほど。

妹たちを頼って居候させてもらうも、
そのあまりの受容性の高さと正直さで妹たちにとっては面白くないことが色々と起きる。
それらは全部、兄のせいではなくて、むしろ妹たちにとっては良いあれこれなんだけど
自分の現状、これまでに築いてきた人生を否定されて怒ったり。

最後はなんだかんだ、みんな反省してアニキを迎えに。
ほんわかあったかいいい話だった。
アニキもいい男なんだけど、妹たちがみんな美人過ぎて困っちゃう。

妙にいいもの観た感が強い一本だった。
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2014-10-18(Sat)

「ヒューゴの不思議な発明」「ラスト・ホリデイ」

まとめて2本。

ヒューゴの不思議な発明

先月観た「エンダーのゲーム」の主演の子がやってるということで。
あと、監督がマーティン・スコセッシ。よし。

原題は「HUGO」で、確かに
「これはヒューゴの発明じゃないからタイトル変じゃね?」
みたいな気分に。ヒューゴは別に発明しませんし。
こういうタイトルにしたいなら「ヒューゴの素晴らしい修理」とかかな?

映像がとにかく美しい。町並み、駅の中、劇中のフィルムなど。
不思議な世界観、現代とは違った世界線で繰り広げられるアレコレ
全部良かったです。

クロエ・グレース・モレッツはちょっと強そうすぎるかなー。
可愛いんだけど、もうちょっと可憐な感じの子でも良かったかなー
とか思いつつ、最後まで楽しかった。
正統派のファンタジー(子供向け)という感じ。
清らかなメルヘンというか。とにかく美しかった。

もうひとつ「ラスト・ホリデイ

クイーン・ラティファが好きなので。
と思ってみたら、かなり楽しいいわゆる洋画のコメディらしい
勘違いが高速回転していい感じになるストーリーなんだけど
「こんなに大人しいクイーン・ラティファをはじめて見たぜ!」
みたいな感じだった。

あるアクシデントから病院で診察を受け
「余命はあと3週間程度」と言われてしまった超地味で謙虚な主人公ジョージアが
最後くらいぱーっとやろうと決めて憧れのホテルに行き、
憧れのシェフの料理を食べ、贅沢三昧を尽くす。
で、同じタイミングで現地にやってきた
元勤務先の社長と地元の議員が「あのセレブは誰なのだ」と勘違いする。

これ、余命はきっと間違いだなっていうのは早いうちに気が付く(元気すぎ)けど
この間違いをきっかけに大勢の人生が良い方向へ転がり始める。
大人しく知的なクイーン・ラティファの抑えた演技がまた良い感じ。

憧れの彼、不倫中の社長秘書、地元そっちのけの議員などなど
いろんなところに影響を及ぼした上で、見事なハッピーエンド。

ホテルのシェフが、嬉しそうに料理をたいらげるジョージアによろこぶんだよね。
あれはダメ、あれは入れないでくれ、っていうわがままな客の相手はこりごりしてたんだろう。
最後一緒に厨房に立ってるあたり、見ていてほっこり楽しい気分に。

いつもは派手な衣装でガンガン歌いまくる人なので(ラッパーだし)
新鮮な気分になりました。隠れた名作だった。見て良かった。

2014-10-18(Sat)

「グッドフェローズ」

グッドフェローズ

デ・ニーロ祭りというか、ロバート・デ・ニーロと
マーティン・スコセッシ祭りでした。

今回はこの監督と俳優の組み合わせのものを4本借りて、
最後にグッドフェローズを見ましたがまー、良かった。

ギャングに憧れてギャングになった男の話。
実話ベースで、特典の音声解説にはご本人が出てくるそうな。

派手な話ではなく、リアルな話。
幼い頃、実直に働く人生ではなく、人にコケにされない人生を選んだ少年。
実力者に気に入られた主人公と、気に入られずに死んでいった者。
掟と、実力者のいうことがすべての世界。
悪いことばかりしているので、逮捕され、でも力があるから快適な牢獄生活。
金も女も家庭も手に入れて栄華を極め、でもやっぱり悪いことしてるわけで、
衰退し、クスリで少しずつ精神の安定も失って落ちていく。

タイトルの「グッドフェローズ」は「いい仲間」みたいな意味だというけれど
都合のいい仲良しだけをそう呼ぶのだろうなーなんて気分に。

最後はちゃんと裏切ったもんね。自分が可愛い。人間そんなもん。
葛藤はすれど、自分を選んだ。
そんな小物感が出た最後に、うーんと唸ってしまった。

迫力のある演技と映像、主人公を演じたレイ・リオッタの男前感。
そして、ああこの年代が一番キテたなあ、っていうデ・ニーロの
抑えながらも存在感のある演技。

ジャケットは地味だけど、重厚感があって良い。
同じ題材でも、スコセッシ監督じゃなかったら全然違うんだろうなあ。
面白かったです。

2014-10-16(Thu)

「レイジング・ブル」

レイジング・ブル

ずっと前に書いた短編に小ネタで出したのに
未見だったっていう。

多分、ネタとしてしゃべった冬樹もみたことなかったんでしょう。
ボクサーって大変だから、減量とかあってストイックなんだよなんて、
この映画観ても思わないだろうからw


まず、若々しいデ・ニーロに慣れてないなって
最初に思いました。すぐに父ちゃんって思うからいけないのかな。

若々しいデ・ニーロがボクサー役で出てきます。
白黒映画です。
実在の人物の人生を映画化したものです。


時代が違うから、ということで色々飲みこみますが、
あれだよね。昔の映画って本当に
女性が雑に扱われているよねw

これこそリアルだってことなんだろうけども
見ていてまず、妻への当たりっぷりだとか
「そう簡単にはヤラせない」という判断具合とかに
ちょっと気持ちが遠くなってしまう今日この頃。

それは仕方ないのでおいといて、

主人公のジェイク・ラモッタはとても勝手で疑り深い。
周囲の人間は彼に付き合いきれなくなって去っていく。

これだけ書くと、悲しい話みたいに思えるけれども
それでもジェイクは一人で立っていられる。
強いから。その姿がとてつもなくかっこいいから、この映画は支持されるんだろう。

ボクシングというスポーツがどうして愛されるのか?
その疑問にも答えてくれる映画かもしれない。
あんなのただ殴りあってるだけでしょ、と普段は思うんだけど
ああなるほど、という気分になった。言葉に出来ないけれど、そんな風に感じた。

2014-10-14(Tue)

「タクシードライバー」

タクシードライバー

超今更感が漂っているものの、
とりあえずジャック・ニコルソンブームは終了して、
お次はデ・ニーロ強化月間に。
ってことで、タクシードライバー。


海兵隊から除隊して職を探す男、トラヴィスがタクシードライバーになるところから話が始まる。
不眠症で、することも会う人もいない。そういう空虚な暮らしをしている。

まず、デ・ニーロが若い(当たり前だけど)。
もう38年も前の映画なんだなー。生まれる前の作品なのだなーと感心。
若くてツヤツヤしていたけれど、デ・ニーロはデ・ニーロでした。
父ちゃんそっくり。


トラヴィスは戦争にいった経験があるという点で
現代日本の感覚からいうと特殊な人間なんだけれど、
彼の抱える孤独や苛立ち、社会への歪んだ気持ちなどは
よくわかると、シンパシーを感じられる人は多いのではないだろうか。

孤独で、女性との付き合い方がうまくなくて、
自分という存在を認められたい、承認されたいという強烈な思いがある。
現代にはたくさんのトラヴィスがいるのじゃないかと。

こういう本質をついた作品は、古さを感じさせない。故に名作と呼ばれるのだ……
みたいな気分になりました。そう言いたくなる凄みと鋭さがあった。


最終的に色んな失敗を重ねた結果、思わぬ形でトラヴィスは英雄になる。
でも彼は満たされていない。最後にミラー越しに映った目が、そう思わせる。

いや、デ・ニーロって本当にいい役者!

鏡に向かって独り言を言ったり、自分を鍛えているシーンはハラハラした。
基本的に計画がグダグダしているところも、リアルで恐ろしい。

見て良かった。

次はレイジング・ブルを見ます。