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2014-10-26(Sun)

「デンジャラスな妻たち」

デンジャラスな妻たち

邦題ダメでしょコレって感じのいただけないタイトル。
もともとは「MAD MONEY」で、こちらはぴったりかな。

夫が失業、借金まみれになったせいで
専業主婦一本でやってきたブリジッドは仕事を探すことに。
年齢+あらゆる仕事が未経験+スキルのなさから
なかなか仕事は見つからないが、家政婦から
「清掃のいい仕事がある」と教えてもらう。
それが、銀行の内部の清掃の仕事なんだけれども、
普通の銀行ではなく、国中の紙幣の管理をするようなところ。
前科がある者は雇ってもらえず、いたるところに監視カメラがある。

古くなった紙幣を集めて裁断し処分する。
そういう処理をするところで働くうちに
ブリジッドのハートに火が付く。

どうせ裁断して捨てるなら、ちょっとくらいもらえないか?


モニタールームに入れるのをいいことに、
監視カメラの死角になる場所を調べ、共犯者を探し……


というクライムムービー。ただしコメディ。
手口がとても原始的なんだけれども、意外だし大胆。
女同士の友情、恋人を引き込んだり、悪知恵を働かせたり、
最後はなんだかとってもスッキリ。

やっていることは駄目なことなんだけれども
たとえ裁断される紙幣だったとしても、それは「処理されなきゃいけない金」だし。

こういうのはやっぱり、映画の世界でみるのがいい。
この作品でも穏やかかつ大人しめのクイーン・ラテイファさんの姿を見られます。

タイトルのせいでB級感出てて勿体ないなーと思う。
いい映画だった。だらだら感のない、ちょうどいい90分だった。
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2014-10-25(Sat)

ハモれメロス

ゴスペラーズのコンサートに行ってきた。

ゴスペラーズ坂ツアー2014「ゴスペラーズのハモれメロス」の東京公演。

会場は日本青年館と、名前は聞いたことあるし近くも通りかかったことがあるけれど
入った経験はなかったところ。
「ありがとう、そしてさようなら日本青年館」と書いてあるあたり
もしかしてもうなくなるの?→移築する予定だそうで。

古い建物だもんねー。
なんといっても入口が狭い、通路も狭い、客席の幅、足元も狭いし
トイレがほとんど和式+トイレの中央にしか電気がなくて個室の中が超暗い。
もう和式はなくなっていいよ……。と始まる前にちょっぴりブルーに。

でも始まればもうご機嫌ですよ。
なにせゴスペラーズの皆さんは歌が上手い。
前にもゴスペラーズのコンサートは行ったことがあって、
実はそこまで大ファンってわけではないんだけれども、
この人たちの歌は間違いないだろうという確信もあったんだけれども
聞いてみたら (゚д゚;)ウメエ ってなるんだよね。

今回も案の定 (゚д゚;)ウメエ ってなった。
特にリーダーの村上さん(サングラスの人)。
すごく (゚д゚;) うまい。何回聞いても ;(゚д゚;) うまい。

あの5人の中では酒井雄二さんが一番好きなんだけれど、
(゚д゚;) ってなるのは村上てつや。衝撃的上手さ。(゚д゚;)超ウメエってなる。

芝居仕立ての物語の中、歌っていくというスタイルの見せ方で、
ゴスペラーズの曲よりも古い歌が多かった。けど、これが新鮮。
なに歌っても上手だからむしろ贅沢な気分になったりして。

そしてヒャダインプロデュースの歌が、忙しなくて超ヒャダイン的だったけれど
ゴージャスでなんでもありで、すごく良かった。
20周年ベストアルバムが出るらしいので、これは買わなきゃかなーって。

オシャレーな表参道のストリートを久しぶりに歩いてリッチな気分。
いい日でした。また、ぜひ、行きたい。

2014-10-24(Fri)

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

ウルフ・オブ・ウォールストリート

観たかったやつ。「ゼロ・グラビティ」を見に行った時に予告が出ていて
「アメリカン・ハッスル」とともに観たいな~って思った一本。

監督マーティン・スコセッシ、主演レオナルド・ディカプリオ。

若い頃の綺麗なディカプリオよりも、
小汚く味わい深くちょっとジャック・ニコルソンに似てきた今のディカプリオが良い。

実話をベースにしているけどフィクションだよ、という体だけど
いやー、実話かと思うと嫌だわーポイント超高め。
ゴージャスだけど、無茶苦茶過ぎてw
とか思っていたら、最後に出てきた司会者の方がベルフォートご本人だとか。
いやはや、すごいわ……。

今回はTSUTAYAさんの袋に偽りなしで、3時間近い大作だった。
長いけれど、すごいテンションで最後まで突き抜ける。

金と女とドラッグと。
ちょっと古い時代を舞台にした映画は、本当に無茶苦茶にこれを全部やる。
と、最近ちょっと痛感している。
ドラッグやばいね。体壊さないのかなあ?
あと、あんなに女をとっかえひっかえして遊びまくって
病気しないんでしょうかね(淋病完治記念とか言ってたけどさ!)。

なんて無駄な心配を画面の中の人物たちにしつつ、
最後まで見入ってしまった。
船で遭難するシーンは吹いた。

ほぼインチキの証券会社を興して栄華を極め、転落するある男の話なんだけども、
映像がソリッドで音楽が非常に良い。まとめてセンスが良く、見ていて楽しかった。
こんな人間には絶対なってはいけないよ、と子供にしっかり教えていかなきゃだよね。

で、ここまで出来る人は、仕事を失ってもどうにかなるのだなと。
たとえばジャパネットたかたの社長さんが失職したとしても、
あの話術があれば再び返り咲きできるようになるって確信できる。
そういう感じ。

とにかくお下劣なシーンが多いのに、目を逸らさずに見ていられるのは監督の力であり
あんなに悪いやつなのになぜか味方したくなる瞬間があるので
ディカプリオ様の演技のお蔭でしょう。

そしてジョナ・ヒルだよ!
この人ジョナ・ヒルかなー……いや、彼は結構若かったはずだよな……
と思ったらジョナ・ヒルでした。30歳なのにw 
彼も大変素晴らしかった。21ジャンプストリートの時と全然違っててこちらも衝撃。

船のシーンのBGMは反則だな、と思った。見て良かった。良かった。

2014-10-22(Wed)

「ワールズエンド 酔っ払いが世界を救う」

ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!」

見たかったやつ。
なんてったってテンポの良さMAXのエドガー・ライト監督作品。
相変わらず、シーンが切り替えとか素敵なセンス。

物語は、駄目な大人が過去の親友たちを集めて故郷に戻り、
若い頃できなかった「パブ12軒めぐり」をやり遂げようとするというもの。
最後の店の名が「ワールズ・エンド」なんだけど、
これは意味深な店名でした。

そこに+して、過去にちょっと好きだった友人の妹との再会だとか
友情の復活、更にはいつの間にか街の人間がほぼ全員侵略者と入れ替わってた、みたいな。

細かいことを書くとネタばれしちゃうのでおいとくとして、
テーマは大体「ありのままの自分で」って感じか。

主人公のゲイリーはダメなやつで、40歳になってもダメなまま。
強引に過去の友人たちを引っ張り出して振り回し、故郷の街を駆けずり回る。

「ショーン・オブ・ザ・デッド」と展開は近い。追い回されるし。
でもテイストは全然違っていて、なんだろう、こんなにダメなヤツだけど
強烈な魅力があって、アンディのセリフはめちゃめちゃに熱くて良かった。

最後はもう、なんでそんな無駄にカッコいい終わり方なのwと。
ただのダメ人間が暴れる話ではなく、なんだろうなー。
うまく言葉に出来ないんだけれども、良かったです。

なにげにアクションもいい感じで侮れない。見て良かった系の映画。
にしてもあの映像の魅せ方のうまさ、すごいや。



もう一本、「我が家のおバカで愛しいアニキ

出所してすぐのバカ正直で心優しいアニキと、その妹たち及びその周辺の人達の物語。

とにかくアニキがピュア。
正直で優しくて、なんでも受け入れようとする。
受け入れられない時には、自分が悪いと反省しちゃうほど。

妹たちを頼って居候させてもらうも、
そのあまりの受容性の高さと正直さで妹たちにとっては面白くないことが色々と起きる。
それらは全部、兄のせいではなくて、むしろ妹たちにとっては良いあれこれなんだけど
自分の現状、これまでに築いてきた人生を否定されて怒ったり。

最後はなんだかんだ、みんな反省してアニキを迎えに。
ほんわかあったかいいい話だった。
アニキもいい男なんだけど、妹たちがみんな美人過ぎて困っちゃう。

妙にいいもの観た感が強い一本だった。

2014-10-18(Sat)

「ヒューゴの不思議な発明」「ラスト・ホリデイ」

まとめて2本。

ヒューゴの不思議な発明

先月観た「エンダーのゲーム」の主演の子がやってるということで。
あと、監督がマーティン・スコセッシ。よし。

原題は「HUGO」で、確かに
「これはヒューゴの発明じゃないからタイトル変じゃね?」
みたいな気分に。ヒューゴは別に発明しませんし。
こういうタイトルにしたいなら「ヒューゴの素晴らしい修理」とかかな?

映像がとにかく美しい。町並み、駅の中、劇中のフィルムなど。
不思議な世界観、現代とは違った世界線で繰り広げられるアレコレ
全部良かったです。

クロエ・グレース・モレッツはちょっと強そうすぎるかなー。
可愛いんだけど、もうちょっと可憐な感じの子でも良かったかなー
とか思いつつ、最後まで楽しかった。
正統派のファンタジー(子供向け)という感じ。
清らかなメルヘンというか。とにかく美しかった。

もうひとつ「ラスト・ホリデイ

クイーン・ラティファが好きなので。
と思ってみたら、かなり楽しいいわゆる洋画のコメディらしい
勘違いが高速回転していい感じになるストーリーなんだけど
「こんなに大人しいクイーン・ラティファをはじめて見たぜ!」
みたいな感じだった。

あるアクシデントから病院で診察を受け
「余命はあと3週間程度」と言われてしまった超地味で謙虚な主人公ジョージアが
最後くらいぱーっとやろうと決めて憧れのホテルに行き、
憧れのシェフの料理を食べ、贅沢三昧を尽くす。
で、同じタイミングで現地にやってきた
元勤務先の社長と地元の議員が「あのセレブは誰なのだ」と勘違いする。

これ、余命はきっと間違いだなっていうのは早いうちに気が付く(元気すぎ)けど
この間違いをきっかけに大勢の人生が良い方向へ転がり始める。
大人しく知的なクイーン・ラティファの抑えた演技がまた良い感じ。

憧れの彼、不倫中の社長秘書、地元そっちのけの議員などなど
いろんなところに影響を及ぼした上で、見事なハッピーエンド。

ホテルのシェフが、嬉しそうに料理をたいらげるジョージアによろこぶんだよね。
あれはダメ、あれは入れないでくれ、っていうわがままな客の相手はこりごりしてたんだろう。
最後一緒に厨房に立ってるあたり、見ていてほっこり楽しい気分に。

いつもは派手な衣装でガンガン歌いまくる人なので(ラッパーだし)
新鮮な気分になりました。隠れた名作だった。見て良かった。