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2015-02-23(Mon)

「ストリートファイター 暗殺拳」

「ストリートファイター 暗殺拳」

カンフー・ハッスルの次にみーよう♪と思っていたら
想像よりも長くて時間がかかってしまった(1日目寝落ち)。
この長さは……って思ったけど、ホントはもっと長いのね?

いわずとしれた格闘ゲームの映画化作品。
ではない、ストリートファイターを愛する余り、
ストリートファイターのちゃんとした映画を本気で作ろうじゃないか!
よし、やろう!
みたいな決意の結果がこれなのだな、と見て思いました。

かつてハリウッドで何回か映画化されたと思うんですよ。
アニメもあったね。アニメはなんかすごかったねw

でもそれは、ハリウッド流の「ウケる感じ」に染め上げられただけで
ストリートファイターの映画ではなかったと思うんです。
だから、真のファンは怒ったよ!
みたいな流れを感じるかなり愛を思わせる一本。

ストリートファイターっていったらやっぱ一番有名なのは「Ⅱ」で
リュウとケンが同門で、世界を飛び回ってファイターたちと戦って、
みたいな印象だと思うんす。
ゼロとか3とか続いていくけれど、基本はやっぱⅡだし、
リュウとケンかなあって。チュンリーやガイルもいるけどまあ、
とりあえず中心に据えたいのはリュウとケンのお二人。

だから、この映画ではリュウとケンが世界へ羽ばたくまでの修業時代と
お師匠様たちの苦悩、暗殺拳にまつわる悲劇や
戦う者の心意気だのなんだのをものっすごく丁寧に描いております。

最初にまずリュウとケンが出てきて、一緒に滝行に行くんですが
このシーンがなんともみずみずしくて、若々しくてくすぐったい。
で、先生がかっこいい。先生の師匠もかっこいい。豪鬼怖い。

私はあんまり詳しくないので、どこまで公式の設定としてあったのかは
正直わかんないんですが、とにかくカプコンの作ったストリートファイターの
リュウとケンへと続く系譜の部分を忠実にやったんだ!感がすごくて
映画の見せ方としては若干弱い部分があるんですが
(アクションだと思っていたのにどっちかっていうとドラマ寄りだけど
 設定がリアル過ぎて重たい。でも必殺技は撃つから、少し不思議なテイストに)
この愛は本物だなって。その部分に撃たれましたよね。って思った。

アクションも相当忠実にやってるなあって。
必殺技の見せ方なんかもすごくこだわってやってるよね。蹴りの形とか、
ああこうだったそうだった、って頷いちゃう感じで。

途中、ちょっとだけ笑ってしまったのは、
お寺の障子(ふすまだろうか)に描かれていた絵の「お前が書いたんだろ」感と
ロックマン2に大はしゃぎのリュウとケン(可愛い)
いつまでも飛んでいく波動拳(UMAの正体だなって思った)
米軍基地でガイルが出ない(そりゃそうだ)
の部分かな。ユーモアも混ぜつつ、真剣に作った真摯な作品でした。

袴はいてるケンが可愛かったなあ。
日本語と英語が切り替わるタイミングが全然わかんなくて
ちょっと戸惑ったけど。
っていうかリュウもケンも絶妙なバイリンガル具合でズルいなってw

ただ、ストリートファイターをまったく知らん人にはわかんないね。
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2015-02-21(Sat)

「ノーカントリー」

「ノー・カントリー」

コーエン兄弟監督作品は、「ファーゴ」に続いて2つ目。
いやなんかもう、ズーンとなる映画っすね。

物語としては、狩りをしていた男モスが
死屍累々の凄惨な現場を発見。
おそらくは麻薬の取引で揉めた……と思われる場所から
大金を発見してお持ち帰り。

ただ、一人生き残った男が水を欲しがっていたのを思い出し
深夜届けようとしてしまい、そこから追手がかかって逃げる。

という流れ。
追っ手のひとりがものすごく異常な殺人者で、シガーって名前なんですが
モスとシガーの攻防戦がみどころ、みたいな感じで観ちゃうわけです。

ところが、この映画の主題はそうじゃなくて、
本当にタイトル通り。ノーカントリー「for old man」ってことなのね……。

たとえば黒人が明らかに差別されていた時代、
医療が今ほど発達していなくて、病気やケガでひとが簡単に命を落としていた時代、
女性が男性に従うべきだと考えられていた時代、
戦争に明け暮れていた時代、などなど

残酷で非情で、苦しかった過去はいくらでもあると思うんだけど
それが終わって、たくさんの自由を得て、長く生きられるようになって今、
最早うかうかぬくぬくと生きていられる場所はなくなった、みたいな……。

抜かりがなく、戦争に行っていた過去もあり、出来る男であるモスと
自分のルールを徹底し、それに外れた者は容赦なくすべて消していく殺人鬼であるシガー。
追われる夫を案じ、保安官を頼るモスの妻。
そして重い腰をあげた保安官。

そう、保安官。主役は保安官だった。
なんだかすごくデキそうな感じなんだけども、
モスと妻を救ってくれそうな気がするんだけれども
職務とか、正義感とか、そういったものがすべて失われて
今のこの時代、この国を諦めちゃってる。枯れきってる。

最後、なんだよもう!って思ってしまいそうな終わり方なんだけどね。
でも、これが本当なんだと思う。保安官だから、警察だからって命かけてられないよ。

すごい映画だなって思いながら寝たんだけど、
その後、最初にシガーを一度は逮捕した若い保安官、
あいつすげえなって思いました。おわり。

2015-02-19(Thu)

シルエットロマンス

NHKのBSプレミアムで「The Covers」という番組をやっているのです。

出演するアーティストが、自分の影響を受けたもの、好きな曲をカバーしてうたうっていう。
たまたまゴスペラーズが出演するのを知って、年末に見たんですが
スピッツの「ロビンソン」でねー。すごく良かったんです。

で、年始に「傑作選」をやるって宣伝があって、
それに吉井和哉がでるぞと。慌てて録画したんす。
大好きな吉井さんの歌った曲は「ウォンテッド」。
完全にあなたの曲ね!って言いたくなる程のハマり具合で、
やっぱりちゃんと世界観を確立させている人の歌は良いなと再確認したのでした。

その時出ていた歌手は大体良い感じで、
平原綾香の「たしかなこと」もものすごく良かった。
あと秦基博の「氷の世界」も良かった!
で、大体良かったんだけれども、一番最後に出てきたのが中田裕二さん。
「シルエットロマンス」がものすごく印象に残って、
なんかこう、久しぶりに胸がざわざわしてしまった、
何回も録画したものを見直した挙げ句、買ってしまったカバーアルバム
SONG COMPOSITE

なにがいいって、ものすごくマッチしてるとこだよね。
選んだ曲と、声と、アレンジと全部。素晴らしい。
ちょっとねっとりした感じだなあなんて最初は思っていたんだけど
そこがむしろよいんじゃないですかね、と。

で、名曲揃いなんだけれども、でもやっぱり一番良いのが「シルエットロマンス」だった。
「シクラメンのかほり」とかもハマっているけれども、
なんというかこう、たまらん感じです。
これはしばらく聞き続けるだろうなあって。本当に久しぶりのスマッシュヒット。
普段音楽には全然アンテナ張ってないんだけど、ちょっと反省しました。

昭和歌謡の良さにも最近グラグラしている。
自分が年寄りなんだなあって思うけれども、それはむしろいいことなんじゃないかなって
そんな風に感じられるようになってきました。

2015-02-18(Wed)

「ハイ・フィデリティ」

「ハイ・フィデリティ」

タイトルがどんな意味なんだろうかと思っていたら
見て納得、調べて納得。イギリス発っていうのも納得。

いまひとつ冴えない人生を歩んできた、30代の中古レコードショップ店主ロブ。
同棲していた恋人に捨てられ、どうして自分がふられてばかりなのか?
失恋ランキングTOP5の女性たちに聞いてまわることを決意して……

みたいな話。もー、痛い痒い切ないそして笑える。
リアルだなあって。しみじみしました。

ロブは、そこまでイケてないわけじゃない。
でも、イケてるわけでもない。
臆病で、でもガンガン攻めたくて、認められたい、自信がない、モテたい、こだわりたい、
とまあ、とにかくもうすごく普通!リアル。納得。

これを単なる恋愛映画としてみてしまうと、ものすごくつまんないんだろうなあ。
そうではなくて、悶える男の人生の一部を、
しかも一番みっともない時間をピックアップして描いた作品なのだと思いました。

ゆえに、共感できる。というか。
ローラの気持ちもわかるよ……。

そしてキャサリン・ゼタ=ジョーンズがまた良かった。残酷でw
彼の辿った歴代ガールフレンドのキャラクター付けも的確だなあって。
ちょっと古いけれども(テープ作ったりとかの文化がね!)
なんかすごく、わかるし恥ずかしいしニヤニヤできる一本だった。

30代後半以降におすすめしたい感じ。

2015-02-16(Mon)

「ファイティング・タイガー」

「ファイティング・タイガー」

キアヌ・リーブスのファイティング・タイガーです。
キアヌ初監督作品。でもハリウッドじゃない。中国映画、でした。


真面目で優しげな太極拳の使い手であるタイガー・チェン。
自分の師のいる寺を守り、家族を大事にし、配達の仕事をしながら
太極拳の素晴らしさを知らしめようと大会に出て活躍したりしている。

ところが闇の武闘大会を開催している悪いヤツ(キアヌ)に目をつけられ
ガチバトルでハッスルしているうちに、体が戦いを求めるようになっていき……

みたいな話。


主人公がね。すごーく地味です。ゆえに、良いというか。
リアルだったんじゃないかなあと思いました。
真面目だけれど、真面目ゆえに、自分の強さを知りたくなり、
師匠の教えにも逆らってしまったり、でも寺を守りたくて耐震強度あげたり、
自分は強いんだ!って思っても結局は師匠に歯向かいきらない、
寺の文化財保護を取り下げられた時も、暴力に訴えたりしないっていう。

アクション映画としても、ちょっと地味。ではあるけれど、
リアルにやったらこうなるんじゃないかなあと。
2対1の変則マッチの時とか、ラスボス戦とか。
人の限界ってこんな感じかしら、みたいな。
あと、主人公がかなり小柄なので、最後のキアヌ戦、キアヌがデカくて
破壊力がありそうに見えたよねっていう。

非合法な格闘をさせる「闇を抱える成金」と
自分の強さを見極めたい余りに「光を見失う無垢な青年」っていう
対比もなかなかよく出来ていたかなあ。
なんだかんだ師匠は強くて、最後はその強さの極意を知って、みたいな。

地味なんだけど。
迫力に欠ける部分はあるけれど(見栄えという点で)、
なかなか良い感じのアクション映画だったんじゃないでしょうか。
精神性が高いっていうか。心の強さにフォーカスが当たっている格闘映画でした。