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2016-11-30(Wed)

「ゾンビーワールドへようこそ」「ゾンビスクール」

WOWOWでまた性懲りもなくゾンビ特集をしていたので、見てみることに。
今回見たのは2本。

「ゾンビーワールドへようこそ」
2015年の作品。
普段は学校でダサい扱いをされているボーイスカウトの3人組が主人公。
彼らが仲間の一人のオギーのためにキャンプをしなきゃならないんだけど、
抜け出してパーティに行っちゃおうぜ!
と考えている夜に事件=町中ゾンビ大発生 が起きる。
人里離れた場所にいたおかげで助かったベン、カーター、オギーは
ケンカしつつも協力し、なんとか生き延び、
街が空爆される前に大好きなお姉ちゃん(カーターの姉ちゃんのことがベンは好き)
を救おうとする。そういう話。

とにかく、冒頭で描かれる「どうしてゾンビ化ウイルスが拡散したのか」の顛末が酷い。
ボーイスカウトの描かれ方に関しては、アメリカの事情がわからないものの
確かに高校生にもなって頑張りすぎてるのはダサく感じられそうだ、
なんて思うけどなんだかんだサバイバルに必要な技術を学んでおくのはいいよねと思ったり。

ゾンビたちがとにかく全員足が速いというか、知性が高すぎて違和感があったものの
くだらなさが突き抜けていたのでまあいいかってところでしょうか。
下ネタの出し方が小学生っぽいというか、
オバカ系ゾンビコメディ、という位置づけなのかな。
とはいえ、描写は結構なグロさなので、明るいホラーが好きな人向け。


ゾンビスクール
こちらは2014年の作品なのかな。イライジャ・ウッドが主演してます。

全米に出荷されていくチキンナゲット。
作られている工程の中に、なんだかとっても不吉なものが混入していくさまからスタート。
明らかに黒く変色した部分のあるナゲットを食うなよ、
と思いつつ、一人の少女ががぶりと口に運び、
作家を目指しつつも花が開かない主人公クリントが登場。
作家になれないから、教師の仕事をし始めて、赴任してくる。
なんだかヘンテコな先生ばかりの小学校で、居心地が悪い中教室へ行くと
感じの悪い男の子が女子をいじめている。
もちろん、さっきナゲットを食べていた子で、
髪を引っ張られた結果、皮膚ごともげちゃう→ゾンビ活動開始!

女の子は逃げていくけれど、ちょっかいを出していた男子が顔を噛まれて
こちらは教室で大暴れを開始。
休み時間の校庭はあっという間にゾンビキッズだらけになって、
気が付いた先生は襲われてバラバラにされた挙句遊び道具になってしまう。

休憩室でだらだらしていたダメな先生たちだけが生き残り、
慌てて逃げ出すもゾンビキッズたちは超元気で、どーするどーなる!?

という話。いやー、なんか、ゾンビの映画は結構みてきたはずなんですが
心が感じるグロレベルがものすごく高い一本でした。
この映画のキモは、感染するのは子供だけ、というところなんですけど
それが結構キツイんだよね。そりゃそーだよね。
子供たちはみんな血だらけで、最後には先生たちにブチ殺されていくわけですので。

変わりものの先生ばっかりで結構あれこれおもしろい演出があるので
あんまり感傷的な人じゃなければ楽しいんだと思います。はい。
でもなんかもう、最後の最後、主人公たちが目の当たりにしたキッズ大量発生現場が
ちょっとしんどすぎてそこまで褒められる心じゃないという。

でもよくできたゾンビ映画でした。グロくて。
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2016-11-24(Thu)

サン/ムーン

ポケットモンスターの新作を始めました。
ポケモンセンターで買ったので、アートブックとフィギュア付ですよ。

担当わけをした結果、私はサンをプレイすることに。
引継ぎはまだこれからってことで、ゼロからのスタート。
最初の一匹についても話し合いの結果、モクローになりました。
モクローめっちゃかわいいですなモクロー。

初代のカントーポケモンの何匹かについて、
アローラ地方で独自の進化をとげたことが発表になっていましたが、
これってなかなか上手なやり方ですよね。
カントーのポケモンは長らく地味な立ち位置にいたわけでして
彼らもなんとかしてあげられたらいいのになんて思っておりました。

メガ進化とか、別シリーズで新しい進化を遂げていないものが
ちょいちょいリージョンフォームを見せているようで。

とはいえ、オニスズメとかカイリキーはそうじゃないみたいですけども。
あとラプラス・カイリューもないのかな。
そのほかはまだ全員みていないので楽しみにしてるんですけれども、
個人的にはベトベターのリージョンフォームがお気に入りです。


夏のGO配信から吹いてきた強いポケモン旋風の中、
昨日はポケセンメガトウキョーに行ってきました。また行ってきました。
ちょうど誕生日だしということで行ってみると、人がいっぱい。
サンシャインでは新作発売のイベントとして、
館内に隠された40匹のポケモン探しゲーム(無料)が開催されていて
そっちもちゃんと参加してきました。
ただ、アゴジムシが本当にどこにいるか見つけられなくて
気が付いたらかなり遅い時間になってしまったっていうね。
ニャース・ライチュウ・アゴジムシは見つかりにくいだろうと思います。


今年もバースデーカードをもらいました。

誕生日のお祝いも新作仕様にちょうどかわったところで、
もらえる王冠の種類が2種類になってました。
いままでの王冠と、キュワワーの花冠に。かわいい。
プレゼントも、イーブイとその進化形かピカチュウではなくなって、
ピカチュウ・イーブイ・キュワワーの3種類になってました。

まだアローラのライチュウをもっていなかったので、
ピカチュウをもらいました。家に帰ってからライチュウにしたった。




モクローのパスケースとかいろいろ買いましたが、
おとなのぬりえも売っててついつい購入。かわいい。

モクローとロトム図鑑のグッズがかわいくて、なんかもう目移りして大変。
ゲームではもうジュナイパーになっちゃってんですけどね。

ジュナイパーはメス、
ガオガエンはメス、
アシレーヌはオスでなかなかカオスですが、
リゾート開発なんかもあわせてとても楽しいです。

そろそろポケモンGOもジョウトポケモン追加して欲しいですねえ。

2016-11-18(Fri)

「リザとキツネと恋する死者たち」「マジカル・ガール」

みてみたかった映画を2本。ポケモン始める前に見なきゃってことで急いで視聴しました。
偶然2本とも、インチキジャパン要素が入ってました。
インチキってほどじゃないかな。真剣にやったけどちょっとズレてる的な感じか。

まずは
リザとキツネと恋する死者たち
2015年、ハンガリーの作品。ハンガリー映画って「人生に乾杯!」くらいかな。
不思議な映画でしたよ。

30歳になろうとしている看護師のリザが主人公。
公式サイトはラブリーな雰囲気にまとまってますけど、そんなラブリーじゃないですよ。
ラブリーではあるんだけど、ブラックなラブリーです。

リザは元日本大使夫人の家で住み込みで働いております。
マルタ田中は病を患い、自分では動けない状態。
リザは夫人から日本語を学び、かつてスターであった、今は亡きトミー谷の歌を愛する女性です。
30歳の誕生日にステキな恋人に出会えると信じているリザは
愛すべき誰かを探すためにいろいろしているんですけども、
彼女にだけ見えるトミー谷の亡霊が実は悪いヤツで、
嫉妬心から彼女に恋する男をつぎつぎに殺していっちゃう。
あまりにも不幸が続く状況を、
自分には那須に住まう化けキツネがとりついていると嘆くリザ。
この呪いをとくには、見返りを求めない、無償の愛を注いでくれる人が必要、
ってことで、運命の人を探してドレスアップしたり出会いを求めたり、
それがなかなかうまくいかなくて、でも案外その相手はすぐそばにいて……という話。

トミー谷を演じているのが日本人でよかったなーというのがまず1つのポイントw
海外の映画だと、日本人役を日本人が演じていることってなかなかない(と思う)ので。
デンマーク生まれのハンガリー暮らしということで、あんまり日本語は上手じゃないみたいでしたけど(リザの方がうまかったっていう)。

リザは可愛いんですよね。
モテなさそうであり、美人なんだけど、ネガティブで、純真で、清らかなんです。
トミー谷の霊に愛されてしまうのも仕方がないかなあ。

映像的にもとても面白い作りで、
運命の人であるゾルタン警部がなぜか全然死なないところとか、
愛の力があれば死なないんですって急に力業で訴えてくる感じがめちゃめちゃよかったです。




マジカル・ガール

2014年、スペインの映画。
やっぱスペインってちょっとクレイジーなんですかね。すごいんだけど。

キャッチコピーは「魔法少女ユキコは悲劇のはじまり。」で、
実際に魔法少女ユキコというキャラクターが登場します。
こちらも日本好きの香りが漂っております。
ユキコを愛しているのは12歳のアリシアという女の子。
友人たちと交流する時のハンドルネームも日本風でして、
ただしアリシアは白血病を患っており、余命いくばくもないんです。
アリシアは日本で作られたユキコのコスチュームが欲しいと願っているんですが
(彼女の願いを書いたノートは正直泣ける)
日本円で90万円もするんです。
7000ユーロという値段を見て、失業中の父親はため息をつく。
とても買えないけれど、娘の願いを叶えたい。
13歳まで生きられないと言われてしまったから。

父親のルイスは宝石店で強盗をしようとしますが、決行する直前に上から吐瀉物をひっかけられます。
上から声をかけてきたのは、もう一人の魔法少女というべきなのか、
深い闇を魂の底に抱えたバルバラという名の奥様なんですが。
なんだかんだルイスと関係をもってしまったバルバラ。
すべてを携帯電話に録音して、ルイスはお金をもっていそうな彼女を脅します。

とにかく、闇の深いというか、深い闇で作ったような映画でした。
バルバラには、因縁のある男がいます。昔彼女の担任だった教師、ダミアン。
恐喝されてなにやら怪しげな方法でお金をつくったバルバラでしたが、
ユキコのコスチュームには魔法の杖がついてない!
魔法の杖は2万ユーロで、ルイスに再び恐喝され、仕方なく更に怪しげな部屋へいくバルバラ。
なにがあったのか、ボコボコにされてしまったバルバラは、ダミアンのもとへ。
助けを求めたのではなくて、復讐するためにです。

バルバラの行ったあやしげなバイトの詳細は伏せられたままですが
普通の人生ではありえないであろうなにかであるのは間違いありません。
バルバラとダミアンの関係についても、詳細はわからない。
でもたぶん、ダミアンはバルバラを愛してしまったんでしょうね。
とても歪んだ偏執的な愛を、バルバラは利用します。
かつて少女だったころのバルバラも、現在の闇の心をもった彼女にも、
魔女的なオーラがぷんぷんただよっておりまして。

スガラムルディといい、スペインには魔女信仰みたいなものがあるのかな?
でも考えてみれば、日本人も魔法少女大好きですもんね。
無垢な少女の魔法の力は、大人になれば百戦錬磨の魔女のものに変わるのでしょう。

最後の最後、ダミアンの狂気ははっきりと浮き出して、
最悪の悲劇を招いて映画は終わりますが、
その最後の最後、アリシアの瞳の強さがすごく印象的でして。
おもしろいとか面白くないとかじゃなくて、ハートを切ってくるような映画だなと。
そんな感想を抱きました。スペイン映画は闇が深い。ますますそんな風に思います。

2016-11-17(Thu)

「カットバンク」

「カットバンク」

2014年アメリカの映画。
寒いことくらいしか特徴のない、モンタナ州カットバンク。
平和でなんにもない田舎の町である日、郵便配達人が殺されてしまう。
街のミスコンに出ようとしていたカサンドラを撮影していたら、
唐突に背後で銃殺されてしまうという事件が置き、
ビデオを撮っていたドウェインには報奨金が支払われることに。

ところがこれは、報奨金を得ようとしたドウェインと
配達人ジョージーの仕組んだもので、
貧しい田舎町で父の介護に追われるばかりの日々から脱出するための
資金を得ようとして行われたものでした……。

という話かと思いきや、配達人と一緒に行方不明になった荷物を巡って
街の片隅で眠っていたバリバリサイコ野郎を覚醒させてしまったからさあ大変。

というおはなし。

年に一回だけ届く荷物が、運悪く届かない。
街の片隅に引きこもっている理由は最後に語られますが、
サイコ野郎ダービーが、ヤバそうだけど……から激しくヤバイ奴へと進化していき、
ラストは結構あっさりとおしまい。
要素要素はかなりいいのに、全体的に見せ方が弱い感じかな。

報奨金ゲット計画はかなりゆるゆるで、
登場人物たちの行動はすべて場当たり的で、
素人犯罪ってこんなものなのかもしれません。

メインのテーマは、ラストのドウェインへ下された大岡裁き的なものかもしれないので
事件のすべてが「安易なことしてもいいことないだろ?」みたいなお灸扱いなのかも。

未来のある若者のために、上の世代が泥をかぶるという粋なところを見せてくれまして
これでよかったのかなあ……と思いつつ、エンドです。

そうだな、メインになるのは田舎町の閉塞感と、若者の未来。
そういう映画なのだと思います。

2016-11-15(Tue)

「エール!」

エール!

2014年のフランス映画。
青春映画ですね。すごくよかった。
久しぶりに映画を見て泣きました。


フランスの片田舎で酪農を営む一家。
父と母、姉と弟。四人の家族は、娘であるポーラ以外全員耳が聞こえない。
とても明るく、団結力のある素敵な一家なんだけど、
両親と弟の話をほかの人々に伝える役目はポーラが負っている。
市場でチーズを売る時に客と話すのも、商売相手と電話で話すのも。
ポーラは聡明で働き者の少女なんですが、ごく普通の高校生でもある。
学校で始めたコーラスの活動に参加すると、
音楽教師から才能を認められてパリの学校へ通ってはどうか
(通うための試験を受けてみてはどうか)と提案される。

けれどポーラが去れば、家族はきっと困るだろう。
自分の夢と人生、自分がいなければきっと大変であろう家族。
まだわずか十数年しか生きていない彼女は、悩んで、ぶつかって、そして結論を出す。
そういうお話。

そこまでたくさん見てきたわけではないんですが、
フランス映画は本当にフランス、って感じがするんだよね。
日本ともアメリカとも全然違う。もちろんイギリスともドイツとも、どことも違う
完全なるフランス色だなって思うんです。

以前「八日目」という映画を見て思ったんですが、
フランスの人って障碍を抱えている人に対しても本当にまっすぐですよね。
もってるもんは仕方ないじゃない。そういう人生なんでしょ?って。
見ぬふりとか、極端に親切にするとか、そういう雰囲気があまり感じられない。
ものすごく対等な印象がするんです。

この映画もそうで、障害を抱えた主人公一家側もものすごくまっすぐ。
村の農地をつぶされてたまるかという思いからお父さんが村長に立候補するし、
家族はみんなで協力しあわなきゃダメ、
女の子は年頃になったら男の一人や二人できなきゃ、
医者にやるなって言われても愛の営みはやめないし、
彼氏ができたら即座に「もうやったのか?」と、なる。
そもそもすべてのものに対してストレートなのかな。
両親が医者にかかる時の通訳も娘がしていて、
夫婦の性生活をどストレートに伝えている姿をみて
おうってなりましたよ。
オープンかつストレート。
これがフランスなのかと、私の中にはちょっとイメージができつつある。
(違っていたら申し訳ないし、全部が全部そうだとはさすがに思ってはいなんですけどね)

耳が聞こえない家族に対して、ポーラは歌いたいと言い出せません。
家から出ることになれば困るだろうとわかっているから、なかなか決意できない。
自分の人生が大切だと理解して決意してみれば、
母からはかなり強烈な否定の言葉を投げかけられる。

あなたが生まれた時、耳が聞こえると教えられて絶望した、と。
うまく育てられないだろうと自信がなくなったって、言われちゃうんです。

お母さんの言葉はめちゃくちゃなんですけど、
それに対するお父さんの慰めもなんだか不思議なもので。

耳が聞こえないかもしれないんだから、同じように育てればいいよって。

でもね、聞こえるんです、ポーラは。
それに、歌がうまいんです。

家族がポーラのコーラスの舞台を見に来たシーンは、本当に胸が詰まりました。
いきいきと歌う高校生たちの声が、途中でふっと消えてしまいます。
家族に見えている光景は、こうなんですよと。
なんの説明もなく差し込まれてね。
ああ、そうなんだよな。音がない世界って、あるんだなって。
それが悲しいとか、辛いとか、そういう表現の仕方ではなくて、
この人たちにとってはこうなんです、と淡々と見せつけられる。

歌に喜びを見出す娘の世界を、家族はわからない。体感できない。
それはもう、絶対に仕方ないことなんですよね。

お母さんは、娘が家族を捨てようとすることをどうにも許せないし、
自責の念がある。自分が愛し育てた赤ちゃんが、なぜいなくなるのと。

だけどお父さんは、娘の姿に感じるものがあったんでしょう。
舞台のあった日の夜中、胸に手を当てて、歌ってくれっていうんです。
声は聞こえなくても、歌のエッセンスは感じとったのかな。
どんな歌詞だったのか聞いて、考えて、試験を受けにいけって
ギリギリで家族で送り出すんです。

で、最後。ぎりぎりでオーディションに参加させてもらったポーラは
選曲が地味すぎて審査員に鼻で笑われちゃったりする。
だけど音楽の先生が駆けつけてくれて、伴奏をしてくれて、
そしてとうとう、歌を家族に届けるんですよ。

彼女の歌声の力強さはとても素晴らしくて、
家族への思い、自分の人生を歩みだす青年らしい決意を
高らかに、堂々と、ステージで披露するんですよ。
それがほんとうに、美しくってね。
真摯な歌声は耳には届かなくても、心には届くんです。
まっすぐなものって遠くまで届くし、すっと刺さるんだなって。思いました。


ポーラを演じた女の子はオーディション番組で見出されて、
これが映画初出演だったとか。
そしてお父さん、どっかで見たと思ったらタンゴ・リブレの無口な看守。


自分のそばに存在しないものについて考えたり思いを寄せたりすることは難しいです。
私も、あまり耳の悪い人の世界について考えが及んでおりません。
だけど映画や、ドラマはその世界の一端を見せてくれて、
自分が身を置かない場所について少しだけ、考えるように言ってくれます。
私が最近映画を好きだと思うのは、そんな風にささやいてもらえるからなんでしょうね。

こんな風に考えさせてくれるのに、明るくて優しい映画でした。素敵だった。