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2017-11-16(Thu)

映画見た記録

邦画編


「聖の青春」

2016年の作品。松山ケンイチ主演で見たかったやつ。
棋士・村山聖の短くも熱い人生を追った映画。
棋士の対戦の仕方や、どれだけ狭き門なのかなどの予備知識はあった方が良いかな。
詳しい説明はあんまりなくて、彼が病とともにどう生きて、
将棋に身を捧げていったのかが淡々と描かれていく。
再現度はかなりいい感じ。
あと、やっぱりリリー・フランキーが出てきた。


「ケンとカズ」

2015年の作品。
街のチンピラ、幼馴染のケンとカズ。
自動車整備工場の影に隠れてクスリの売人をやってるんだけど、
子供もできたし足を洗いたい、認知症の母がいて人生が重たい。
そんな二人に訪れた破滅についての話。
豪華でも明るくもない映画なんだけど、
たぶんリアルにこの世界はあるなってしみじみする作り。
悲しい気分になる話だった。


「淵に立つ」

2016年の作品。
服役していた友人がやってきて、ある家族が営む工場で働くというか、
家に住み着き、そこから人生の歯車が盛大にくるってしまうという話。
正直、ほんっとーーーにしんどい作品。いやな映画。なんで、って言いたくなる。
ただ、人間の悪意とか、狡猾さとか、そういったものが本当にあって、
まっとうに生きているというか、まっとうに生きているつもりの人間、
つまり誰の中にだって影はあるんだよ、って言われているような、
つまりものすごくイヤな映画です。なのに見ちゃう。
深淵を覗き込んだら、その底にいるやつもこっちを見るんだっていう、そういう話。
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2017-10-11(Wed)

「ミュージアム」

ミュージアム

2016年の邦画。
小栗旬が主演。カエルのマスクを被った連続猟奇殺人犯と刑事の攻防。

犯人であるカエル男の正体については、
映画が公開された時にぶわーっとネット上に溢れてきたので
えーあの人なのー意外ー!みたいな気持ちはナシ。
原作は未読です。


ある雨の日に、犬に食い殺されるという残酷な殺人事件が発生し、
警察の捜査が始まります。
現場には「ドッグフードの刑」と書かれたメモ。
そしてまた別の雨の日に、体の一部を切り取られたニートの死体が発見され、
そこには「母の痛みを知りましょうの刑」のメモが。
同一犯による犯行だろうと捜査を始めると、
まったく接点のなさそうな被害者二人にある共通点が見つかる。
4歳の女の子が殺され、巨大な樹脂の直方体に閉じ込められ、
自宅の玄関前に置かれるという猟奇的な事件、
その犯人の裁判で、裁判員を務めていたというもの。
すぐに裁判の関係者が保護されることになるが、
犯人のフットワークは超軽い。
裁判官も裁判員も次々と死体で発見されていく。
沢村刑事の妻も事件の裁判員。
夫婦の仲が冷え切っていて行方のわからなかった妻も、
あっという間に連れ去られてしまい……。


カエル男の正体は?
沢村は連れ去られた妻と子を救えるのか……!?

みたいな話です。
全体的によくできてました。
正直、カエル男の犯行はかなりグロい内容のものばっかです。
が、なぜなのかな。映像はよくできていたのに、怖くはないという。

主人公沢村は組織から一人飛び出し、仲間から追われながらも犯人を追い、
絶望の底に叩き込まれちゃうんです。かわいそう、なんだけど。

なんでしょうね。
自分でもよくわからないんですけど、
怖くはなかったです。あと、あんまりウワアとはなりませんでした。
よく配慮された映像だったってことなのかな。



このスッキリとしていない感想が出てきたのは、たぶんですけど
主人公はかなりイヤな目にあうけど、最終的にはだいぶ良かった、というのと
カエル男が強すぎて現実感がなかったからかな?
犯行があまりにも素早すぎて、創作感が強かったのかもしれません。

後半はカエル男と沢村、2人の戦いが結構長く描かれてまして、
カエル男の生活の中に筋トレでもあればもうちょっと面白かったかも。

あとは、映画ならではのドラマティックすぎた、西野刑事のシーン。
本当の刑事さんでも、やっぱり仲間を優先するのかな。
犯人を追うという選択肢も、あったと思うんすけどね? みたいな。

でもよくできてました。とても。
個人的にはグロさはゼロといっていいほど感じませんでしたが、
もちろん画面がヤバいと思う人もいっぱいいると思います。
R指定がないのはわからないでもないけど、
異を唱える人もいるかもしれないですねえ。

2017-09-30(Sat)

「怒り」

怒り

2016年の邦画。
ヘヴィな映画でした。名作だけど、心がとても重たくなる内容。
原作小説は未読です。


ある夏の日に、閑静な住宅街で起きた夫婦殺害事件。
そのあまりにも異様な現場から物語はスタート。
捜査の結果、犯人は「山神一也」だとわかります。
未解決事件の犯人を捜す番組にとりあげられ、
もしかしたらこいつがその犯人なのでは……と
疑われる三人の男の周囲が描かれていきます。


千葉の漁港に現れた正体不明の男を、松山ケンイチが。
東京でとある男とゲイのカップルになったのは、綾野剛。
沖縄の小さな島に現れた自由人を、森山未來。
それぞれが正体のよくわからない、過去のわからない男でして、
周囲の人間は「彼を信じたい」と思いつつ、
でも疑念の目を向けてしまって、という構成。


知られたくない過去や事情を持っていると
こんなにも生きていきにくいのか……っていうのが主題かと思います。
最終的には犯人もわかるんですけども、
そんなことよりも、そうじゃなかった二人とその周囲、
犯人だった男の周囲にあふれた悲しみがもーやるせない。

指名手配写真が、この三人の俳優の顔をうまーくミックスしたのかなあって
誰にも見えるし、誰にも見えないといういい感じの出来でして、
なるほど言われてみればこの3人似てるかも、みたいな。

犯人の周囲でやるせない思いを抱える面々も、みなさんよかった。
渡辺謙と宮崎あおいの親娘も良かったし、
濃厚なシーン満載の妻夫木聡も良かった、
そして沖縄編の広瀬すずですよ。
全然わかんなかったw とても上手。迫真の演技で、でもその分みてて辛かった……!

世の中には理不尽なことがいっぱいで、
努力とか、意識改革なんかでは解決できないものも結構あるんですよね。
なんかね、そういうものに対してどんな心をもって生きていけばいいのかなって
そんなことを考えてしまう映画でした。

いやでも、ヘヴィです。本当。心が藍色に染まったような感じです。

2017-08-15(Tue)

「ポケットモンスター きみにきめた」

ポケモン映画20周年、アニメ版主人公のサトシ原点回帰作、
やっと見てきました。

4月に入院した家人がやっと家に帰ってきまして、
手続きやら片付けやらでてんやわんやしつつ、
もーポケモン見に行かなくっちゃね!と映画館へ。
マーシャドーをもらってきました。
セブンイレブンでもらったミュウ、
ポケセンでもらったビクティニ、
映画館でもらったマーシャドーがいまの手持ち。小学生みたい。


私はあんまりポケモンのアニメには興味がなかったんですが、
XYからハマって、昔のもそこそこ見てはいました。
特に初回のピカチュウのいやいやぶり、
オニスズメ怖えはインパクト大でしたから
(ピカチュウの死んでる感が怖かった)
それをきれいな映像で再現されたのはよかった。

初回の再現のあとは、
もしもあのときカスミに出会わなかったら……
みたいな感じなのかな。
オリジナルのアニメ版ではオニスズメから逃げる途中に
ジムリーダーであるカスミから自転車を強奪し、
そのあと再会して一緒に旅に出る流れですけど、
カスミは出てこなくて、
サトシは一人旅、途中で寄ったポケモンセンターで出会った
ポッチャマを連れた女の子のマコト、
ルカリオを連れた男の子ソウジと
一緒にホウオウを探す旅に出ることに。

ホウオウから命を与えられたという
エンテイ、スイクン、ライコウが出てくるのもいい。
というか、エンテイやイワークの大きさが
しっかり描かれているのがいいよね、と。
昔のポケモンアニメは今ほど世界観に忠実ではなかったというか
看板がカタカナだったり、ポケモンの大きさも適当といいますか。
それがダメだったとは思いませんけど、
今のアニメはそのあたりかなりしっかり表現するようになったので
エンテイ、イワーク戦の相手の大きさはよかったなーとしみじみ。
寝ていてもひらひらとなびくエンテイのたてがみとか
映像はすごくよかったですね。
副監督がXYの担当をしてる人だったので
XY好きの私としては映像にはすごく満足でした。

今回はいろいろと、20周年ということもあったのか
思い切った表現が盛り込まれていて、
特にサトシの見た夢が、現実世界に生きる人間としてはなんともいえない
辛みみたいなのがあったなあと思います。

でも、サトシが目指していたポケモンマスターとはいったいなんなのかが
今回はっきりと示されまして、
それが本当にサトシらしいなあってほほえましい気分になりました。
彼はポケモンのためならビルから飛び降りちゃうし、
マグマにも飛び込んじゃうし、
自ら技も受けちゃうし、無茶苦茶なんですけども、
それだけポケモンを大事に思ってるってことなんですよね。
だからこそ、モノクロで描かれた夢がつらいってことでもあり。

最後の最後、ピカチュウとともにピンチに陥って、
サトシはピカチュウにモンスターボールに入るよう説得します。
ピカチュウはサトシとともにいたいからと拒否、
で、その直後のサトシの行動だよね。
ああ、ってなりました。
愛する我が子を守る母みたいなあの行動に
なんか、ああ、サトシなんだなあって。
XYでシトロンが感じたのはこういう気持ちよな、
って思いました。はい。

個人的にレントラーがすごく好きなので、
途中に出てきたシーンは結構悲しかったりとか、
サトシの手持ちピカチュウとリザードンしかいないのかとか、
(キャタピー→トランセル→バタフリーは登場する)
トランセルと一緒に戦う方法がかなり良かったなあとか、
このサトシがのちのXYのサトシになるんだろなとか。

そしてエンディングですよ。
アニメ版の総集編にふさわしい演出で、
あと「オラシオンのテーマ」がかなり良くて、
歴代ポケモン映画全部みてない私としても
ぐっとくる歌とメロディでした。
今回のゲスト声優もみなさん上手だったので
あと、配布ポケモンのために作られた物語、という感じも薄くて
お話としてもすごくよかったなあと思います。

アローラからやってきたトレーナーも良かったですよ。
前髪がオシャレでね。
シンジとかあの辺のライバルキャラを濃縮還元した感じですよね。
あえて、これまでのシリーズのキャラクターを出さずにいたのが
新しく集大成としてまとめる、という今作の目的にあっていて
良かったなあと思います。

序盤にサトシがワンリキー使いと戦うシーンがあるんですが
それが終わってから背景が映ったとき、
サワムラーと稽古しているトレーナーがいまして。
うらやましいなと思いました。
私もサワムラーとかルチャブルとか、
カイリキーを連れてお買い物とかに行きたい。
そんなこと考えながら家に帰りましたよ。

2017-07-12(Wed)

「シン・ゴジラ」

「シン・ゴジラ」

昨年公開されて大ヒットだったシン・ゴジラ。
周囲からの評判も上々で、でも劇場に行くチャンスがなくて
今回ようやく見ることになりました。

「もしもゴジラが今、首都圏に現れて大暴れしたら」
という名のドキュメンタリーでした。
現実的で、でもちょっと夢のある、日本的な人間ドラマ。
面白かったです。

実際に東京湾にゴジラが出てきてしまったら、
災害への対策もあんな風に行われていくでしょうし、
無責任な野次馬、不機嫌な当事者たちの反応も納得いく作り。
いざ戦うとなった場合に、どれだけの縛りがあって
なにとなにを天秤にかけなければいけないのか、
大勢の人が住んでいる場所だから、
攻撃のできる軍隊を持っていない国だから、
地球規模で考えるととんでもない事態だから……、と
日本を取り巻くあれやこれやが次々と立ちはだかってくる。

そんな中で、ゴジラをどうするのか、

なにができるのか、

どうやってかわすのか、

などなど、みどころがいっぱい。
たくさん出てくる作戦、会議、肩書などの名前はただの飾りで、
日本はちゃんとああいう名称を付けて管理しながら対応していく国なんですよ、
ってことなんだなあと納得。
スーパーヒーロー1人が止めるんじゃなくて、
使える人材を集めていくつものチームで立ち向かう。
マリオじゃなくてピクミンなんだなあって思ったりなんかして。


最初に出てきた第一形態のゴジラの姿にまずビックリして、
あっという間に進化していって、
米軍の攻撃に対する反応のあまりの激しさにすごくショックを受けて()
実際あんなトンデモ怪獣が出てくる可能性はかなり低いとは思うんですけども、
それでもなんかすごくショッキングな映像でした。

そして最後、なにがなんでも失敗できないという状況に陥って、
やれることを全部やり尽くした作戦がホントに素晴らしい。
ゴジラのいたあの立地を生かしつくしたやり方は非常に熱くて、
そしてなによりも日本的で、
邦画にありがちな無駄な余白は一瞬たりともない、
脳が心地良く疲れる作りのいい映画でした。

個人的には、石原さとみさんの「コピー」の発音がツボで、
「キャピー」って真似して遊んでしまいましたとさ。

こんなの作られちゃうと、これまでの路線のゴジラはもうなかなか作りにくいかもね。
なんて思ったりもしました。