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2016-01-20(Wed)

「女子ーズ」

「エイジ・オブ・ドラゴン」を見ました。
「白鯨」をドラゴン退治にアレンジした話だったんですけど
いまいちだったので感想は特になしです。

で、「女子―ズ」。

宇宙からやってきた正義のヒーローにうっかり選ばれちゃった
女の子たちの話。
ヒーローはその都度適当に選ばれて、契約の期間が終わればお役御免となるらしい。
ヒーローもののお約束を踏まえつつ、新たに選ばれた5人はみんな女の子で、
苗字にそれぞれ色が入ってるしそれでお願い、みたいなかるーい空気で
それでついつい、5人も引き受けちゃって……

だけどたまには行けない日もある。だって、女子だもん!

というコンセプトの話。
コンセプト通りのデキでした。
5人がみんな可愛くて、それだけでもういいかなって感じ。
ゆるーい話がゆるーく進むので、あんまりなにも考えずにみたい方にオススメ。

ただ、時々挟まれる具体的な名称にドキっとしたり、
小ネタがやたらと鋭すぎたり、
レッドの超問題発言があるのでそこは見ものかもしれません。
これも監督の味だね。

桐谷美玲ファンにはおすすめしたいな。
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2015-10-08(Thu)

「ケープタウン」「ブラック・レイン」

ケープタウン

あらすじに惹かれてみてみると、とんでもなくしんどい映画でした……。
2013年の作品。主演はオーランド・ブルーム。

発端は、植物園で発見された若い女性の惨殺死体。
元ラグビー選手の娘は、薬物を摂取し、レイプされた上で殺されていた。
主人公のブライアンは刑事で、同僚のアリと一緒に捜査を始めるが、
麻薬どころかとんでもない凶悪な犯罪組織が暗躍していて……

みたいな感じ。
麻薬の売人と暴力だけではなく、それ以上に深い深い闇が待ち受けていて、
映像的にもものすごく重たく、ヤクなんかすべてのオマケでしかないっていう
容赦のなさで結構な衝撃を受ける作品でした。
「裏切りの獣たち」でも描かれた南アフリカの悲惨さですが、
こっちの方がもっと大変。
この地で警察の仕事を引き受けるには、よほど強い精神がないとダメなんじゃないかな……。

ブライアンもアリも家族を巻き込まれ、また黒幕の作ろうとしていた
悪魔の薬の正体に愕然。
大切なひと、尊い命が失われ、アリは復讐の鬼となり、
悪は一掃されるものの、あまりの惨状に言葉もないよってなもんでした。

地獄って存在するんだなって。思います。多分これは現実の話なのでしょう。
平和な日本からでは想像もつかない、悲しい世界の話でした。辛い。

でも人は、許せるものなのかな……。複雑な気分になります。



「ブラック・レイン」
1989年の日米警察VSヤクザのアレ。
あんまり興味がなかったんだけど、いい機会だし見てみようかなと。
主演はマイケル・ダグラスで、直前に「オーシャンズ11」を見ていて、
アンディ・ガルシア超かっこいいと思っていたので出てきて嬉しかったけど……。

主人公のニックはニューヨークの警官で、強い正義感の持ち主。
離婚しており、子供の養育費にはちょっと困っている彼なんだけども、
ちょうどゴタゴタがあった後に入ったレストランで、白昼堂々殺人事件が発生。
日本人が日本人をどうどうとぶっ殺す(しかも刃物で)あぶない犯人を追いかけ、
散々追いかけた末に無事逮捕。
正義の鉄槌を食らわせてやりたいのに、日本に送り返さなければならず、
ついでにゴタゴタがあったせいで移送の仕事を任されることに。

相棒のチャーリー(アンディ・ガルシア)とともに日本について、
無事に犯人を引き渡した……と思いきや、それがニセ警官で、
大阪府警からは散々言われてしまう。日本語がわからないからって。

どっちが悪いんだと揉めたあと、このまま帰っていられるか!と怒るニック。
捜査に参加させろとゴネて、監視役の刑事と一緒ならいいよと、
松本警部補が二人の通訳兼お目付け役に。

いままで全然気にしたことがなかったんだけど、
高倉健ってすごくいい役者だったのだなあ……と本当に沁みました。
生真面目で、正義感が強くて、友情も大事にして、でも組織も大切だし……と。

ニューヨークから来た二人の刑事の自由さをうらやましく思ったのか、
ちょいちょい揉めたものの三人は仲良くなる。クラブで一緒に歌って、打ち解ける。
下の名前で「マサ」と呼ばれるようになり、
オシャレなネクタイをチャーリーからもらったりとか。
そんな楽しい一夜の支払いは府警のツケにしてもらった帰り。

自分を逮捕したアメリカ野郎が気に入らないのか、
凶悪なヤクザの男、アメリカでも大暴れしたスーパーバイオレンスこと佐藤が
部下を引き連れてやって来て、チャーリーがやられてしまうという流れ。


タイトルである「ブラック・レイン」の意味。
ヤクザ同士の抗争と、日本の警察の組織の在り方などなど、
描いているものはやまのようにあって、
最後の暴れぶりときたらもう……。

日本の監修がよく行き届いているのだろうな、と思わされる、
ヘンテコジャパニーズが出て来ない感じが良いものの、
ところどころ日本のキャストの演技がすげえヘタクソじゃない?という点もあり
(あくまでその他大勢の人達ですけども)

にしても、高倉健ですよ。松田優作のクレイジー感も凄かったんですけども、
高倉健がどうしてあんなにも愛されるのかが一発でわかったというか。
魅力が伝わり過ぎて、いまさら過ぎて恥ずかしいくらい。

アンディ・ガルシアの人の好さそうな感じも良いし、
健さんが「ニックさん」「チャーリーさん」って言うのもいい。

アクションはバイオレンスで、そのバイオレンスの感じも少し邦画っぽくて、
でも全然嫌じゃなくて、見て良かったなあと思いました。
色んな人が出てて、結構びっくりしたけど、ホント映画ファンからしたら今更なんだろな。

2015-08-16(Sun)

「ルパン三世」

ルパン三世

問題の実写版です。評判が今一つなのはわかっていたし、
原作を愛する人たちからしたら多分アレなんだろうなあと思いつつ、
実際に見ないで噂を信じちゃうっていうのも良くないかなと視聴してみました。
WOWOWでやってくれてありがたいよね!


全体の感想としては、とても微妙。
言う程悪くはないけど、決して良くはない。
ルパン三世を原作にしたいのならば、相応の敬意を払うべきではないのかなとだけ。

ルパン三世が大勢に愛されているのはアニメ版の面白さゆえだと思うんだけど、
一期目の結構ダーティなルパンと、二期目以降の軽快コミカルなルパンと
どっちのいいところもとって、ハリウッド大作風にしちゃおっかな~
を目論んだところどっちつかずになって中途半端に、といった印象。

怪盗ルパン一味ですから、狙っている秘宝があって、それを取りにいくんだけど、
戦闘が激しいんだよね。組織VS組織になっている。そこがまず違和感。
インターナショナルなチームを組んで、世界を狙いにいったんだろうけども
ルパン一味はなんだかんだあってあの四人で回すから楽しいと思うんだよなあ。

ルパン三世だよな、と思ってみると、お前誰なんだよってやつが何人も出てきちゃっていけない。
たとえば泥棒同士のネットワークがあって、誰かと協力関係になるとかは別にいいけど
今回だけだよっていう扱いに出来たんじゃなかろうかと思うんだよネ。

なので、ルパン三世じゃなくて、新しい怪盗一味の話にすれば良かったんじゃんと思う。
小栗旬はまあ良くて、メイサちゃんはちょっとイメージが違うしアクションがなんか
もたもたしていてカッコよくない(そこそこ出来てるのがまた惜しい)。
玉山鉄二の次元はビジュアルはいいんだけど、あんまり撃たないのが……。
そして一番格好悪いのが五右衛門。綾野剛は多分悪くない。映像のセンスが悪い。
特に車を斬るシーン。アニメだとわーいと喜べる楽しいシーンなんだけど、
そこまで割とリアルかつシリアスな画面作りをしてきたのに、
いきなりマンガみたいになっちゃうんだよね、あそこだけね。それが超中途半端。
全体的にコミカルで、最後に向かうにつれシリアスになっていくとか、
メリハリが必要だと思うんだけど、それがない。テンポも良くない。
エドガー・ライトばりのスピード感が欲しかった。あと説明が多すぎる。
最初の30分はいらない。あの30分で飽きちゃう。31分目からちょっとだけ
ルパンらしいシーンが出てきてちょっと「おっ」と思えるのに、その前にげんなり度が。


吹き替えで見てしまったせいか、何語で舞台がどこなのか混乱してしまうのも良くない。
「キック・アス」とか、「THE・レイド」とかを観てしまうと
アクションのもたつきとか、最後のレーザーをかいくぐっていくシーンの
「それもうタイムアウト済みなのになにやってんの?」感とかが耐えられないかな……。

とにかく、そこまで酷くはない。これがすべて。でも決して良くはない。
頑張ってはいる。でも、褒められもしない。半端!なので、とても残念。

昔から噂のあった、ジム・キャリーがルパンの実写化なら見たいなあ。
ルパンダイブして欲しいなと思います。センスのいい実写化、頑張ってほしいな。

2015-05-18(Mon)

「渇き。」

渇き。」を観てみる。

「告白」が面白かったのと、原作にも興味があったので。
読んでないんですけども!
人間の中にある「どうしようもない悪」っていうのはすごく興味があるんです。
生まれ育ち、思想など、諸々の要素とは関係なしに、
どうしようもなく悪くなってしまう人間はこの世に存在しているとおもうので。


どうしようもなく胸糞の悪い「世界に実在する地獄」はしっかり描かれていて
正直、これが映画で良かった。
自分があんな世界に、ほんの数ミリでも足を踏み入れるような人間じゃなくて良かったって
思う程なんですけどもね。

どいつもこいつもクズばっかりで本当に嫌になっちゃう映画でした。
主人公はクズ。主人公の探している娘もクズ。元妻もクズ。
元部下もクズ。クズばっか!びっくりするほどクズばっかで、
それだけでもクラクラしちゃうのに、映像が攻めすぎていて、
音楽にも狙いすましたあざとさがあって、物語の見せ方も、
現在と過去、現実と妄想が入り乱れる作りなもんだから、

全部ちゃんと、意図したように出来上がっているんだけれども、
これは盛り過ぎ。見る人の体調を考えていないw
盛り過ぎなので胃もたれです。

最後のほうでね。
主人公が、色々あってある女性を襲うんです。
そういう展開はあってもいいし、主人公も狂っているので仕方ないんだけど
でもやっぱ!ドンびいた!もっと短くていいと思った!やり過ぎ!

最後の最後までやり過ぎでもう、疲れ果ててしまった……。

これとかなり近い印象だと思ったのは、ちょっと前に見た「オンリー・ゴッド」
なんだけど、あれも極彩色の映像を挟みながらもどこか清らかで。
あんなに激しい内容、映像なのに、すごく静かな映画だったという印象なんだよなあ。
あれは、良かった。長さもよかったし、消化できた。
あのくらいに抑えても、内容は充分伝わるんじゃないかなあ。

劇薬を、そのまま激しく表現しちゃったなあっていう感じ。
「地獄でなぜ悪い」同様、スタイリッシュバイオレンス表現が胸やけ状態で
なにがあっても絶対二度は観ないと思う。もし触れるのなら、原作小説がいいかな。
視覚・聴覚まで使いたくない。

2015-05-01(Fri)

「青天の霹靂」「ルームメイト」

珍しく邦画を続けて2本観てみる。
まずは「青天の霹靂」。劇団ひとり監督作品。

わたしは「ロバートホール」の頃から劇団ひとりが好きで、
下ネタは基本好きじゃなくて、裸芸、泣き芸は正直頂けないと思っているんだけど
それでも劇団ひとりがなぜかとても好きだったんだけど
「陰日向に咲く」は観てないし読んでない。
あと、大泉洋が好きじゃない。あの「俺って面白いでしょって感じを
出し過ぎずにいる面白い俺がいいでしょ」みたいなオーラが好きじゃないから。

それでも観てみたら、良かった。っていうかうっかり泣いた。
売れない流行らない孤独なマジシャンが、タイムスリップして
自分が生まれる前に飛ぶ話。そこで、自分の両親に出会って……という。
タイムスリップ+家族愛、この組み合わせで考えるとかなり王道な設定。
そこに、柴咲コウの美しさと、劇団ひとりの演技の臭さと、大泉洋のちょいグレ具合と
半端なくどストレートな台詞があわさるとあら不思議……。とても良い作品になったよ的な。

劇団ひとりが演技をしていると、「キス我慢」を思い浮かべてしまうという意見もあり
確かにそれは仕方がないなと思う。あと、ペペとチンが完全にペキパチ先生だった。
中川家の礼二がいないのが不思議なほどにw
でもそれも込みで、劇団ひとりってすごく知的で、エンターテイナーで、
才能にあふれていて感覚の鋭い人なのだなあって思いました。
舞台のセット、スクリーンの中に映るもののすべてが徹底していたし。
ただの「芸人がちょっと芸術家肌を出して撮った映画」では収まっていなかったかなと。
アーティスティックではなかったけれど、まっすぐ正直な気持ちのいい話でした。


で「ルームメイト」。

序盤の雑な描写に「なんじゃこりゃ」って思ってたら、
それも理由がありまして……って感じでした。
むしろ最初に違和感を覚えた方が、最後までみた場合楽しめると思われる。

映画をやる前にビッグコミックスピリッツでコミカライズされていて、
原案はそれと同じだったように思ったんだけどだいぶ違ってた!

事故にあって入院した主人公。家族もあてにできず、経済基盤も不安定。
そこに、自分に親切にしてくれる看護師が現れ、一緒に暮らすことになり……
というお話。

最後は「うわー」ってなるよね。
北川景子の冷たい顔は非常に良いです。
実写版セーラームーンの頃から好きでした。はい。
深田恭子のボインも良かったね。下からみたアングル良かったですね。

ひさびさに「良かったな」って思えた邦画でした、両方。これは幸せな話!