もちろんあの強烈なパッケージのやつ。
ジャック・ニコルソン祭りの最終章に相応しい作品でした。
シャイニングについてはあのジャケットのおっかない顔しか知らなくて
昔の同僚のS君(髭が濃い)が会社に泊まり込みで仕事をしている時
「シャイニングみたいになってるよ!」って言ったくらい。
その程度しか知りませんでしたが、申し訳ありませんでした。
話の内容は、
人里離れた高原にあるホテルが舞台。
冬は雪が大量に降って客が入れられなくなるので、
その間暖房を入れて傷まないようにするために管理人が必要。
それに、主人公であるジャックが内定するところから始まる。
妻と息子と3人で冬の間ホテルに籠もることが決まるが、
そこは昔インディアンの墓地だった場所であり、
閉鎖空間に心を病んだ管理人が妻子を惨殺した事件があったりして……。
っていう感じ。
ジャックは小説家で(なのでこの後「恋愛小説家」の主人公になるのかなみたいな気分に)
他人が入り込んでこない空間で自由に過ごせるのは好都合だという。
だけど、誰もいないどころかそこは強力な「悪い何か」がいて、
ジャックの心を蝕んでいくのだとかなんとか。
6歳の息子は「シャイニング」という特殊能力の持ち主で、
話さなくても他人と通じ合える(能力者同士ならば?)。
ついでに、まだ見ぬものを幻視することもできる様子。
それ以外、たとえば戦う力とかはない。
父と息子。
夫と妻。
仕事、人生がうまくいっていないことへの焦りと憤り。
ジャック・ニコルソンの演技は壮絶で、かなり怖い。ヤバイ。
そして奥さんの顔も結構怖い。息子は可愛い。
複雑に色々と絡み合って、ジャックは壊れていく。
けど、色んな解釈ができる映画だと思った。
最後の写真なんか特に。
最初からあのホテルに棲んでいる何かの一味だったのか、
それともあの事件を経て一味に加わったのか。
過去に事件を起こしたグレーディが、ジャックだった説(生まれ変わりとか)とか
全部妄想でした、とかでもいいような気がする。
おっかないシーンは色々あって、
たとえば大量の血がざばーんってくるとこも怖いし、
双子の女の子、腐りはてた女性、ヘンテコな仮面のオッサン2人組。
この辺は普通にビックリしてアワワとなってしまう。
ジャックの書き上げた原稿も怖い。
いろんな形に仕上げてあるところとかが怖い。
あ、途中から微妙に楽しんでるか飽きたかしてる!って思わされるところが怖い。
倉庫に閉じ込められた時、下からのアングルで映してて怖い。
「しつける」って表現が怖い。
廊下を歩いているだけで怖い。変な動きがすごく怖い。
最後、迷路でまよった挙句凍死した姿が怖い。
いや、あれは吹きだす人が結構いるとは思う。
いきなり出てくるし。不意打ちだよね。
だけど、実際あんな風に凍死してしまった人に出会ったとして、
自分は笑ってしまうのだろうか?って考えるとすごく怖い。
あの顔のドアップをあのタイミングに配置したキューブリックが怖い。
最後の方に出てくる仮面のオッサンはほんとなんなのかな。
あれが一番ビビったんだけど。へんな帽子かぶってて。
で、とにかく、ジャック・ニコルソンはすごいなって。
素晴らしい俳優でした。
ハロランさんどっかで見たなと思っていたら
「カッコーの巣の上で」に出てきただらしない看護師だった……のかな?
モト冬樹そっくりだなこの人って思ったんだよね。
面白かった。
本当はもっと長いバージョンがあるっていう話だけど、
監督があれこれカットして「これで」っていうのなら
短いバージョンが最適ってことなのでしょう。
良い作品だと思いました。原作は読んでませんけど。良かったと思います!
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