忍者ブログ

2015-02-03(Tue)

「俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク」

「俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク」

実は続編だったとは知らずにこの2を見てしまった、
俺たちニュースキャスター。

すごかった。なにがすごいって、まったく自重しないところ。
すべてにおいて自重なし、ギリギリを越えたところを攻めてきて、
アホを極めたコメディ映画かと思いきや、深いところにテーマを置いてる!

主演はウィル・フェレル。どこかで見た顔だと思っていたら
プロデューサーズの!ヒットラーの人!

アメリカでは超有名なコメディアンだったってことで……はじめて知ってごめんね。

物語は、ニュースキャスターをクビになってテレビ局を追われた主人公ロンが
24時間ニュースだけを流し続けるという新しいテレビ局に雇われ、
かつての仲間とコーナー作って大騒ぎ!みたいな話。


アメリカで初の女性キャスターが誕生すれば、おんなのくせに!と騒ぎ
黒人の若い女性が上司になれば、ブラック!ブラックと口走り、
イケすかない相手との勝負には禁じ手を使いまくる。

これらは全部皮肉で出来ていて、ニュースの本質はなんだったけという問いかけになっている。
視聴率だけが大切なのか、視聴率のために見失うものがあって良いのか
人生にとって大事なものはなんなのか、などなど。
最後にきて畳みかけてきて、なんだかすごいカオスを生む。

家族の尊さに気が付いた主人公は、いままで破りまくって来た
息子との約束を果たしにピアノの発表会へ向かうが、
そこでまた大どんでんというか、常軌を逸した悪ふざけをし始める。
いろんなテレビ局のキャスターが襲い掛かってきて、
未来の光線銃だとか霊を呼んだり、ミノタウルスと戦ったり
元妻の彼氏が実はエスパーだっりとかもうわけがわからないw
しかもこのシーン、5分くらいなのにめっちゃ豪華キャストでやんの。意味わかんねえw

オンリー・ゴッドとは真逆の作風の、真逆方向へ突き抜けた一本だった。
テイストはまったく違うけれども、こうも突き抜けた作品を連続で見られてとても満足。
面白かったです。でも、ユーモアに寛容な人だけ見てほしい。
PR

2015-02-02(Mon)

「オンリー・ゴッド」

オンリー・ゴッド

現代は「ONLY GOD FORGIVEN」。
フランスとデンマークの共同制作で、舞台はタイのバンコク。

「復讐劇」と言われるとなんだかこう、ムズムズしてしまう感じ。
いや、全編通して、見ている間も観終わった後も、ものすごくムズムズする
非常に痒い映画でした。

物語のあらすじとしては、主人公はアメリカ人のジュリアン。
兄が殺され、母がやって来て、兄を殺したヤツを見つけて殺せと命じてくる。
それで、なんだかんだ。です。


結論からいうと、ものすごく良かった。
こんな映画なかなか撮れないし、作れないと思う。
でも説明は難しい。

この話は、
母親にぎゅうぎゅうに縛られて生きていた男が、解放される
っていう話。だと、思う。基本的に。

出てくる人物は全員狂っていると考えて良い。
ジュリアンとマイは違うかな。
最初に死ぬ兄も、悪でだけ構成されたような母親も、簡単に言うとクズ。
バンコクに舞い降りた復讐の天使であるところの、元警官のチャンも狂っている。
映像はずっとゆっくり、極彩色で、現実なのか夢幻なのかわからないシーンが多く
残酷表現も盛りだくさん。

でも、とても美しく撮られていて、芸術的。
誰も彼もまったくブレない、チャンの制裁もそう。全員がやり過ぎで、どストレート。
なので、最後は妙な爽快感すら覚える。

狂った世界の中でジュリアンと、マイだけがまとも。
警官の皆さんも、元警官で私的な制裁を加えるチャンを応援しているし、
一仕事終えた後のカラオケにも付き合っているあたり、
チャンさんさぞかし伝説があるんでしょうね……ってな感じで
誰も彼も嫌いにはなれなかった。クズなんだけど、芯が通ってるから。

どんでん返しの類がなく、強い者が強く、弱い者は全員屠られる世界の
非常に濃厚な90分で、これは評価が分かれてもやむなし。
でも、私は好きでした。
ぐさーっと刺さった一本だった。でも他人には薦めない。デンマークヤバい。

2015-02-01(Sun)

「アビエイター」

アビエイター

実在の人物の半生を映画化、
マーティン・スコセッシ&レオナルド・ディカプリオってことで
こいつは観なきゃね!みたいな感じで鑑賞。

昨日は「ロミオ&ジュリエット」を観ようとしたんだけれども、
微妙な現代化が気に入らず途中で挫折。
若いディカプリオがとてもハンサムですごく良かったんだけれども
なんだろうねあの感じ。好きな人は好きなんだろうけど。

それから少し経った、ちょっと大人のディカプリオ。頑張ってた。
最近の小汚いディカプリオの方が好きなんだけど、
ちょっとジャック・ニコルソンに似てきちゃった30代のディカプリオがいいけど
でもアビエイターのディカプリオも良かったね。

アメリカの実業家、大富豪でるハワード・ヒューズが
映画と飛行機作って暴れる物語。

ただ単に財産を受け継いだボンボン、ってだけではなく
才能と決断力に優れた人だったのだろう。
だけど精神的に不安定。極度の潔癖症だし、ちょっと壊れている部分がある。
だからこその才能なんだろうなあ……ってなんだか納得しましたけどね。

映画を見た後ハワード・ヒューズについて軽く調べてみたら
要はWikiを見ただけなんだけど
それだけで「わーすごい」ってなります。
ごくごく平凡な自分とはかけ離れた、人類史上まれにみる人生の持ち主だったのだなって。

飛行機墜落のシーンはすさまじい迫力でした。よく生きてた。
生きていたってことにまた、特別な運命を感じてしまう。
特別な人の人生を覗いてみたい人はぜひ、って感じの一本。

2015-01-30(Fri)

「タイピスト!」

タイピスト!

フランス映画でした。
1950年代、社会へ飛び出そうとする女性たちの憧れの職業は
ズバリ「秘書」!。とある会社の求人に応募して、
タイピングならできます!と両手ともに一本指でタカタカ打ち出す主人公ローズ。
ちょっとドジで田舎者っぽいところもあるけれど、
一生懸命でキュートなローズは見事に採用され、
なんだかんだで「タイプ早打ち選手権」に出ることに……。

っていうあらすじにひかれて見てみました。
早打ち選手権めちゃめちゃ盛り上がってるんだけど、
当時大人気の競技だったとか。なるほど。ドレスで参加する訳ですな。

ローズは可愛いんだけども、タイプの早打ち以外に特技はない。
ついでに田舎から出てきて、お父さんが頑固なので、
お前はさっさと結婚しろと言われていて帰れないような状態。

やとってほしけりゃタイプの早打ち大会で優勝しな!

就職先の社長であるところのロイに特訓され、
地方予選を勝ち進んでいくローズ。
もちろん、このロイとのラブもあり、スポ根的要素もあり。
家族の在り方、離れていても思い合う不器用な父と娘だとか、
お互いの人生に大きく踏み込む勇気についてだとか
そういったあれこれが絡み合いつつ物語は進み、
最終的に世界大会決勝までいってしまう。

ありがちな話なんだけれど、盛り上がりますよね!
ってところでしょうか。

フランスの早打ち女王になったローズが
メディアにもてはやされアイドル状態になったりとか
ホント盛りだくさんでお菓子屋さんみたいな映画でした。

レトロな衣装や背景がいい感じで、
あと早打ちがハンパなく早いとことか、とても良い。
ここが最高!ってポイントはないものの、
悪い部分のない映画、でした。

2015-01-29(Thu)

「ミスター・スキャンダル」

ミスター・スキャンダル

珍しくWikiなどでまとめられていないイギリス映画。
実在のソーホーのポルノ王……じゃないか、
水商売キング ポール・レイモンドの人生を描いた作品。

男は女が好きだ。美女だともっと好きだし、ついでに裸ならもっと良い。
そんな感じでストリップクラブを作ったポールさん。
ヒソヒソされるも大盛況で、劇場を開き、不動産を買占め、
豪邸を建てて子供を私立の学校へ通わせて……。
と、順風満帆の人生を歩んでいたものの、
お気に入りの女の子にすぐに手を出すクセから小さな転落が始まる。
っていう。

妻と子がいながら家を出て、年下のナイスバディと付き合い始め
男性向けのエロ雑誌を出版して大成功。
娘はショービズ界で働きたいと言い出し、手伝ったり失敗したり。


まずは、妻が美人。
で、妻と子を捨てさせた若い才能あふれる愛人アンバーを演じる
タムシン・エガートンが驚くほど綺麗。参った。すげーの、足長いし。
みんなポンポン裸になる映画なんだけど(今までで一番ぼかし処理が多い映画だった)
タムシンさんもすぽーんと脱ぐんです。すごいの。綺麗なの。エロく……ないの……。

この映画は出てくる女性の90%が裸になるんだけれども
(元妻ですらも熟女ヌードを撮られる)
でも全然それだけじゃなくて、大きな成功の影にあった不幸だとか
家族の運営はまったくうまくいかなかったりだとか
そういうものをすべて描いていてすごくこう、迫ってくる。辛い。

最初はノリでイエイイエイしていた愛人も、
自分が妻になり、夫を挟んだ先に裸の女がいる生活に疲れ果ててしまう。

娘だから、父親の力を借りてデビューするも、
裸にならない女が出てきたところで注目されない。
娘の苦悩を、父は心から理解しようとしない。

表面的にはうまくいっていたように見えて、娘の心に開いた穴は大きく
ドラッグという落とし穴にはまってしまう。
たくさんのものを、誰もがうらやむような宝の山を持っているのに、
心が満たされなければ生きていくのは辛い。

そういう、普遍的な人生を描いた映画でした。
なかなか良い感じ。

現代から過去を回想しつつ、不幸な死の理由を探っていくような構成。
薄暗いことが多いイギリス映画らしい、重めの、
でも割とファンキーな造りで良かったです。