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2015-08-17(Mon)

「ジャージー・ボーイズ」

ジャージー・ボーイズ

フォー・シーズンズの誕生と軌跡の物語をミュージカル化!
したものを映画化した作品。
フォー・シーズンズと聞いただけだとピンとこなくとも、
登場する楽曲を聞けばすぐに「ああ!」となるであろう
超有名アーティストの伝記的物語でした。監督はクリント・イーストウッド。

ドリームガールズの男性版、と考えると想像しやすいかな。
ただ、ミュージカル仕立てではなくて、普通の映画でしたけども。
(もちろん歌っているシーンは山盛り)

もともとのミュージカル版ではバンドのメンバー四人がそれぞれ語り手になって
自分達の歴史について話すという形だったようですが、
それを取り込んで、場面場面で演じている最中に任意のメンバーが
「この時はこういうことがあって、こんな風に思っていた」と語り出すという
ユニークな手法をとっている。これは結構便利なスタイルかも(説明がわかりやすい)。
ステージ上でも語り出すんだけど、ちゃんと振付をこなしながらっていうのがいい感じ。

バンドが辿って来た歴史は、過去の悪行やら、下積み時代の苦労、
いつの間にか出来ていた借金、不破、脱退、友情と家庭運営の大失敗などなど
成功の影にはいくつも失敗があって、でも本当に才能がある人は
それすらも乗り越えるのだ……みたいな。

構成についてはオーソドックスだったかなと思うけれど、わかりやすくて
すんなり入り込んでくる感じが良かった。そしてキャストの皆さんが
歌が上手いのね……。当たり前なんすけど。

去年行ったゴスペラーズのコンサートで、リーダーが歌ってた「シェリー」。
いいよね。
最後の最後、全員で歌うエンディングも良かった。
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2015-08-16(Sun)

「ルパン三世」

ルパン三世

問題の実写版です。評判が今一つなのはわかっていたし、
原作を愛する人たちからしたら多分アレなんだろうなあと思いつつ、
実際に見ないで噂を信じちゃうっていうのも良くないかなと視聴してみました。
WOWOWでやってくれてありがたいよね!


全体の感想としては、とても微妙。
言う程悪くはないけど、決して良くはない。
ルパン三世を原作にしたいのならば、相応の敬意を払うべきではないのかなとだけ。

ルパン三世が大勢に愛されているのはアニメ版の面白さゆえだと思うんだけど、
一期目の結構ダーティなルパンと、二期目以降の軽快コミカルなルパンと
どっちのいいところもとって、ハリウッド大作風にしちゃおっかな~
を目論んだところどっちつかずになって中途半端に、といった印象。

怪盗ルパン一味ですから、狙っている秘宝があって、それを取りにいくんだけど、
戦闘が激しいんだよね。組織VS組織になっている。そこがまず違和感。
インターナショナルなチームを組んで、世界を狙いにいったんだろうけども
ルパン一味はなんだかんだあってあの四人で回すから楽しいと思うんだよなあ。

ルパン三世だよな、と思ってみると、お前誰なんだよってやつが何人も出てきちゃっていけない。
たとえば泥棒同士のネットワークがあって、誰かと協力関係になるとかは別にいいけど
今回だけだよっていう扱いに出来たんじゃなかろうかと思うんだよネ。

なので、ルパン三世じゃなくて、新しい怪盗一味の話にすれば良かったんじゃんと思う。
小栗旬はまあ良くて、メイサちゃんはちょっとイメージが違うしアクションがなんか
もたもたしていてカッコよくない(そこそこ出来てるのがまた惜しい)。
玉山鉄二の次元はビジュアルはいいんだけど、あんまり撃たないのが……。
そして一番格好悪いのが五右衛門。綾野剛は多分悪くない。映像のセンスが悪い。
特に車を斬るシーン。アニメだとわーいと喜べる楽しいシーンなんだけど、
そこまで割とリアルかつシリアスな画面作りをしてきたのに、
いきなりマンガみたいになっちゃうんだよね、あそこだけね。それが超中途半端。
全体的にコミカルで、最後に向かうにつれシリアスになっていくとか、
メリハリが必要だと思うんだけど、それがない。テンポも良くない。
エドガー・ライトばりのスピード感が欲しかった。あと説明が多すぎる。
最初の30分はいらない。あの30分で飽きちゃう。31分目からちょっとだけ
ルパンらしいシーンが出てきてちょっと「おっ」と思えるのに、その前にげんなり度が。


吹き替えで見てしまったせいか、何語で舞台がどこなのか混乱してしまうのも良くない。
「キック・アス」とか、「THE・レイド」とかを観てしまうと
アクションのもたつきとか、最後のレーザーをかいくぐっていくシーンの
「それもうタイムアウト済みなのになにやってんの?」感とかが耐えられないかな……。

とにかく、そこまで酷くはない。これがすべて。でも決して良くはない。
頑張ってはいる。でも、褒められもしない。半端!なので、とても残念。

昔から噂のあった、ジム・キャリーがルパンの実写化なら見たいなあ。
ルパンダイブして欲しいなと思います。センスのいい実写化、頑張ってほしいな。

2015-08-15(Sat)

「裏切りの獣たち」

裏切りの獣たち

南アフリカの作品。
危険な潜入捜査を行い、また一人悪を捕まえた警官チリと相棒のシューズ。
ところが期待していた報奨金はもらえず
(チームを無視し、独断で動いたからという理由でもらえない)
やってられるかとすっかりやさぐれてしまう。

今度は許可ももらわずに勝手に潜入捜査を始め、
悪人たちの現金輸送車襲撃計画に参加し、
それをかすめ取ってしまおうと考えているチリ。
ところが、真面目なシューズは渋い顔。
もうすぐ子供が生まれるのに、真面目にやっている自分たちは貧しいじゃないか。
チリは散々訴えて、とうとうシューズの心が動く。

そして計画が実施されようとした時、チリたちのプランにも大きな失敗が起きて……

という話。
前提として、舞台が南アフリカであるというのが大きなポイント。
日本でだって大小さまざまな犯罪が日々起きているわけですが、
南アフリカは本当に犯罪発生率が高い。
強盗事件は1日に150件以上起きると言われている。これがキャッチコピーになるほど。

そんな街で警官をやっていれば、心も荒むであろうなあ。
ちなみに、輸送車襲撃計画はかなり穴だらけ。
まず、一味の中で信頼関係が成立していない。
凶悪なボスのもとに集っているだけで、よくわかんない人物すら混じっている。
そしてチリの考えもとても甘くて、かつて潜入捜査していた場所で
一味のうちの一人と顔を合わせたことがあるって。
シューズは慎重なので、こんな計画は駄目だと散々言うんだけども、
なんだかんだ丸め込まれて(チリが心配だったんじゃないかと思うんだけどね)
参加する。かと思いきや、外で張っていたら見つかってしまう、っていうね。

襲撃計画の前に、散々怪しまれ、シューズは始末されそうになる。
ここからチリが切り抜けていく様がみどころ。
終始ハラハラしっぱなしでした……。
この荒っぽさがまた、犯罪多発地域の無常さを物語っていて、
舞台がアメリカだと全然流れが変わってくるだろうなあと思います。
整備されていない車だとかね。
現金輸送車のガードマンの切ない語りとか。

そして色々と失敗し、何人も人が命を落として、チリがみせた表情がすごい。
自分は警官なのに。なにをやっているのだろうっていう、自問。
ただほんの少しだけ、悪人どもを叩きのめしてお金を頂いてやろうという
悪魔のささやきに誘惑されてしまった結果の重大さを、
暑い暑い道路の上で思い知るわけです。

ただの洋画として見てはいけない、ものすごくやるせない物語でした。
タイトル通り、裏切りの獣たちの話。
久しぶりにじーっと画面を凝視してしまった。
素晴らしい作品でしたがバイオレンス注意(でも結構控え目)。

2015-08-14(Fri)

「カレンダー・ガールズ」

「カレンダー・ガールズ」

イギリスで起きた実話を映画化したやつ。
当時ニュースで紹介されていたのを見た記憶が、おぼろげにあります。

チャリティのためにカレンダーを作るのだけれど、
毎年伝統的に作っていた教会とかお花の写真をやめて、
思い切って私たち奥様方のヌードにしてみました!
っていう。

ものすごく普通にくらしていた奥様たちにこんなお茶目なチャンスを与えたのは
婦人会の一人が白血病で夫を亡くした時。
主人公の一人であるところのクリスは、病院に追悼のためのソファを置こうと考える。
そのための資金は、毎年恒例のカレンダーの売り上げから。
でもいつも通りのお利口さんなカレンダーではとてもじゃないけど売れないわけで……。

クリスは保守的な婦人会に飽きているようで、
息子の隠していたエロ本やら、修理工場に貼ってあったヌードカレンダーを見て
「これだ!」と思う人。イギリスの片田舎のお固い婦人会からの依頼に、
募集を見てやってきたカメラマンたちも辟易。
やっと一人受けてくれる人を見つけるも、ヌードなんてとんでもない!と横やりも入ったりする。

夫を失ったアニーを思うクリスの熱さと、友人から差し伸べられる手を掴んで
しっかりと立ち上がるアニー。こういう女の友情っていいよね、となるんだけども、
ヌードカレンダーが成功する一方で、下世話なうわさ好きが寄って来たり、
夫婦の信頼がぐらぐらと揺れてしまったり、ついでに母ちゃんが脱いだらしいよなんて
うわさされて息子が傷ついたりと、一筋縄ではいかないリアルなドラマが良い感じ。

一行はハリウッドに招かれて有頂天になるも、
そこでイロモノ扱いされてガッカリしたり。

単純な友情物語だけではなくて、成功して浴びた光から生まれた影についても描かれていて
最後はごくごく普通の生活に戻る奥様方が良かった。
人生の喜び、哀しみ、失意、希望、などなど
爽やかに描かれていていい気持で見られる。
ヌードシーンはなぜかとても上品な印象でした。
熟女好きにはたまらんかもしれませんね。

2015-08-13(Thu)

「ミニオンズ」

ミニオンズ

たまたまやっていた前作、「ミニオンズ危機一髪」をみたら面白かったので、
一作目の「怪盗グルー」も借りて、いざ映画館へ。
人気なようで満席でした。

館内はちびっこが多かったけれど、予告は「ジュラシックワールド」とか
「ミッションインポッシブル」とかで「こわいよ~」と声が上がる。
ようやく子供向け映画の予告が出たと思ったら
ちょっとリアルな「ガンバの冒険」はなんだかとても妙な感じ……。

それはまあおいといて!
ミニオンズは現在、怪盗グルーのもとで下働きをしており、
一作目では月泥棒を敢行し、二作目ではうっかり怪生物へ変身させられたり
お茶目な様子をバリバリと見せてくれて大変ラブリーな感じ。
映像の見せ方はとてもスピーディかつセンスが良くて、
笑いについてはちょっぴり子供向け。
映像的にはこどもも楽しくて、ネタ的には大人が見ても面白い感じと
なかなかハイブリッドなアニメーションなのです。

今回はミニオンズそのものの生まれについてと、
グルーのもとに辿り着くまでの物語。
地球上に生まれ出た時から、強者に惹かれるDNAを備えていたミニオンズ。
けれどあんまり後先考えずに浮かれた行動をするために、
せっかく見つけたボスにとどめを刺すという歴史を繰り返してきて、
雪山に籠もる→やっぱボスが欲しいよ~!
ということで代表して3人が外界へ飛び出し、自分たちに相応しいボスを探すと。

悲しいシーンもくすっと笑える細かいネタを入れつつ、
ファンキーな登場人物がところ狭しと暴れまわっていて、
見ているだけで楽しい映画でした。
今回、ミニオンズがボスにしたくなってしまう最凶の女性スカーレット、
最初は萬田久子、声をあてるの上達したよなあ!って思ってたら
天海祐希さんでホント申し訳ございませんでした……。
あと、グルーの声が笑福亭鶴瓶なんだよね……。これがはっきりとイマイチで、
そやな、とか言わないで欲しくてたまらなかったんだけど、
グルーの出番はほとんどないのでまあ、よしとする。
最後に出演した時は彼もだいぶ若かったので、これ、声は若い人でも良かったのでは……と。
不満はそこだけで、他は全部良かった!

ミニオン語も面白いんだけど、今回吹き替え版で見たら
あれは多分日本語対応されていたんだよね?
いちいちナカマー なんとかバナナとか、ちゃんとしてて微笑ましかったです。

 と思っていたら、ミニオン語は世界共通だそうで……
 単にバイリンガルなだけだったのね、ミニオンたち。
 

最初に出てきた悪党大会に向かっていた家族の声、バナナマンのお二人だったみたいですが
彼らもとても上手で好感。
エリザベス女王の愛嬌たっぷりな扱いといい、センスいいなあと。
一番好きだったのは、スカーレットの夫のハーブが、
ミニオンたち3人に秘密兵器を渡す場面。
それぞれの名前を適当にアレンジして呼ぶのがすごくツボで、
結構ハーブの出てくるところで笑ってしまった。
まわりのこどもたちは笑ってなかったけどw

これはDVDもありだな、と思う次第です。
3Dの字幕で見たかったな!