忍者ブログ

2015-08-28(Fri)

「PLANET OF THE APES」「猿の惑星創世記」「猿の惑星新世紀」

WOWOWで連続でやっていたので、見てみました!猿惑!

まずはリメイク版というべきか、「PLANET OF THE APES」。
ティム・バートン監督作品。主演はマーク・ウォルバーグ。好き。

Wikiをみたら「リ・イマジネーション作品」と書かれていましたが、
確かにそんな感じかも。最初に作られた1968年版はかすかな記憶しかないものの、
なんだかんだラストシーンなんかは覚えておりますとも。
あれとまったく同じではなく、宇宙で実験していたら電波の嵐が発生。
実験・訓練中のチンパンジーを派遣したところ、行方がわからなくなったので
慌てて追いかけたらタイムスリーップ!そして猿の支配する惑星にとうちゃーく!
みたいな話です。
人間に理解のある猿人もいたり、色々ありまして、最後のオチにはちょっと笑ってしまう
お茶目な作品!2001年公開ってことで、もう14年も前か……と。
特殊メイクが若干甘いようで、猿人たちの様子が微妙なんですが、
それはそれでまあ良かったです。タイムワープがすげえ適当なのもよいです。
英語って宇宙の公用語なんだなあとか色々思うところはありますが、
細かいことはま、いいよね!って感じでマーク・ウォルバーグでした。

で、お次が「猿の惑星 創世記」ジェネシス編です。
主演はジェームス・ブランコ。こちらは2011年作品で、さすがに進化しているCG。
ただ、チンパンジーたちが浮いてるのはハッキリしていて、たまに気になりました。
内容はかなりいい感じで、認知症を患った父親を治したい思い出作った薬を
まずはチンパンジーに投与して実験→一匹が激しく覚醒→アクシデントにより殺処分、
になるんですが、このチンパンジーが子供を産んでいた。という展開。
殺してしまうのは忍びないと研究者のウィルが連れて帰るのですが、
母親の覚醒ぶりを受け継いでいることがわかり、家で薬の研究をこっそり続けて……
みたいな。

いわゆる治験、動物実験におけるダークな部分と、家族愛、そして
他のチンパンジーとは違う運命を背負ったシーザーとウィルの友情、
賢すぎた故に起きた行き違い……などなど、見応え抜群の内容でいい感じ!

主人公ウィルの彼女になる女優さんが、ものっすごい美人だったのもポイントでした。
インド出身だとか。う、美しい……って即検索してしまったよ。
ただ、三部作で作る予定は最初から決まっていたのかな、
シーザーたち猿軍団が覚醒し、人類に独立宣言をしたところでおしまいとなってしまう。
これはこれで問題ないんだけど、ウィルったらあのあと大丈夫だったのかな……と心配に。

暴れゴリラとの友情だとか、研究施設で覚醒していたチンパンジー、
穏やかなオランウータンなど、霊長類好きはたまらないかもしれない。
一番ぐっときたのは、ウィルのお父さんの病状が悪化して、トラブルを起こしたシーン。
シーザーが割って入って、やりすぎてしまい、お父ちゃんと最後に抱き合うところ。

進化しすぎたあまり、自分のアイデンティティが崩壊してしまう、
ペットなのか、人間と対等に扱われたいのにっていう思いが生まれていく様は
先日みた「her」のAIと通じるものがあったよね、みたいな感じ。
霊長類保護センターにいた猿軍団が思った以上に大群だったのがまたいい感じでした。


そして続編の「猿の惑星新世紀」。
猿たちを覚醒させた新薬が、実は人間にとっては死のウイルスであり、
そのせいでもう滅亡寸前まで追い込まれている世界が舞台。
前作のシーザーは最後の方でちょっとしゃべったりするところまできていて、
ポケモンでいうところのニャース状態だったんですけれども、
そこから更にもうちょい進化していて、でも完全にしゃべれるわけでもなく、
そのリアルな感じに好感。

結局、人間に歩み寄ろうとするシーザーと、人間を許せないもう一体の覚醒チンパン・コバの戦い
それにプラスして生き残った人間たちも分裂したりと、
世界はまさに世紀末でした……。

ここから完全なる「猿の惑星」が出来上がっていくんだろうなあ。
最終作は来年公開予定なのかな?ちょっと楽しみになりました。
創世記は特に面白かったなあ。目が離せませんでした!

PR

2015-08-26(Wed)

「her 世界で一つの彼女」

her 世界で一つの彼女

AIにマジで恋する男の話、というあらすじに惹かれてみてみた。
ちょっぴり近未来が舞台で、主人公は「手紙代筆業」を生業にする男セオドア。
妻とは離婚寸前であり(この辺りの海外の感覚はいつもよくわかんないんだけど、
夫婦で離婚が成立していないくてもよその異性とイチャついていいものなのでしょうか)、
一人の寂しさから、人工知能との会話を始めてみるっていう流れ。

なにもかも音声の指示で全部済んでしまう世界なので、
セオドアはずっとイヤホンを耳に装着している。
メールのタイトルを読み上げてもらって、削除と呟けば次。
つまりこの世界の人たちは、隣の人間のぶつぶつを華麗にスルー出来るという設定
なんだなと思います。多分だけど。日本じゃ流行らなさそうなスタイルで暮らしている。

で、今回12才以上推奨マークがついてて、どんなかなって思っていたら
結構アレでした。なんというか、大人向けだったので、正直15歳以上が良かったのでは……と。
主人公がひとりで寂しいからなんでしょうが、夜な夜な大人のチャットにいそしむところから
スタートすんだよね。エロチャット(音声でくっきりと)のシーンとか、
いやこれ中学生にみせるのどーよ……ってなったので。
最初にいいなって思った眠れない夜を過ごすさみしい女の子とのチャットは、
まあ、エロい方向に速攻で進むんだけど、猫の死骸で首を絞めてくれ!とか
ちょっとアレな感じの人。仕方なく付き合う主人公に思わず苦笑しながら、
とうとう人工知能「サマンサ」との出会い。

このサマンサという名前はAIが名前辞典から探してつけたもので、このAIが賢い。
ユーモアもあって、気が利いて、ついでにセクシーなのです。
傷心のセオドアはみるみる癒され、サマンサはどんどん成長していく。
心を惹かれあい過ぎた二人は、言葉で疑似セックスみたいなとこまでいっちゃって、
そこから更にサマンサは成長するのです。
ああ、自分にはからだがないのだなあ……って。

サマンサの人間臭さはかなり異常なレベルで、
自分とセオドアの間にある壁、肉体について、善意の第三者で解決しようとするわけです。
どこで見つけてきたのかわからないけれど、若い女性に指示を出して、
セオドアと交わりみたそうとする。
もちろん、セオドアは戸惑うわけです。
全然知らん女を、オーバーラップさせて抱けといわれても、困っちゃうのです。

他にも、とうとう離婚が成立した元妻との美しい思い出と厳しい現実、
友人夫婦の決裂に、同僚とのダブルデートなどなど、
二人の愛は散々試されて、本当の恋人同士のように揉めて、心を寄せ合って、
でも最後に気付いてしまう。最後、恐れていたことが起きてしまった!という展開。

そして結局、人間とAIの恋愛は不成立に終わるんですが、
おもったのが、これがロボットならなんの問題もないんだなあっていうこと。

いや、それについてはA.Iでやったかな……。
子供が生まれない、子供が育たないでまた堂々巡りが始まるのかもしれない。

人工知能と人間と、恋愛は可能なのか?という問題を
真正面から描いたなあって思いましたよ。
面白いかと言われるとちょっと困ってしまう。
人間に近付けた結果、AIのいいところがなくなってしまったのだなあという
不思議な感覚に囚われつつ、下ネタばっち来いな人工知能ってすごいなって。
(苦手な感じだったので感心しつつも引きました)
そんな感想。

2015-08-25(Tue)

「大逆転裁判」

大逆転裁判」をクリアしたので、感想を。

一番最初に出たGBA版の逆転裁判から遊んでいるし、
シリーズは全部、ついでにすすめられた「逆転検事」もやってるので
割とコアなファンだと思ってます。
遊んでないのはレイトン教授と一緒のやつだけかな?
GBA版の2が発売された時に、ファミ通の攻略記事をみて興味が湧いたので
同じ日に出た廉価版の1と一緒に買って、1から順にクリアしました。
面白かったよね!1はちょっと短かったかなと思ったけれど、
当時自分もGBAのゲームの開発に携わっていたので、
あんなにダイナミックなキャラの動かし方をするとは……とか、
細かいところまで仕込まれたネタとか、少ない人数でまったく新しいものを作り出した
制作チームの皆様をものすごく尊敬したものです。
主人公のなるほど君のちょうど良さに加え、真宵ちゃん、はみちゃん、御剣検事、
その他の登場人物も隙のない作りで。
エンターテイメントに徹した楽しい裁判モノであり、ちゃんとど真ん中には
訴えるものもあって、良かったなと。

ただ、コント番組でちょっと人気が出るとだらだら続きを作ってしまって、
最終的になんかたるんでしまう現象というのはどんなジャンルにもあるもので、
逆転裁判もなんというか、ちょっとたるんだコンテンツになってしまったなと思っていました。
明らかに失敗だったであろう4と、その後になんとかしようと作られた5、
という風に自分は受け止めておりますが、正直な気持ちを言うと、
確かに4はちょっと駄目な部分が多い(主人公が半端なのと、なるほど君の扱いが良くない)。
普通の携帯機向けのゲームとして考えれば、水準以上になっているはずなのに、
なんだかこう、余計な口出しが多かったのでは……と邪推してしまう出来でした。
5は4のリカバリー作品だと思うので、かなり頑張っていたものの、
崩してしまったなるほど君と半端なおどろき君という前提ありきなのがネックだったかな。
追加コンテンツが一番面白かったので、余計にそう思えてしまった。
とはいえ、面白かったんだけどね!だってつまんなかったら最後までやらないもん!

逆転検事はそこそこ面白かったし、そもそも御剣大好き、更にはそのお父さんめっちゃカッコいい、
大好きなオッサン天国と化した2は最高だったんだけども、
でもやっぱりテキストがね……。足りなかったなと思います。センスがね。
逆転裁判風にしようとして作った感が出ていて、足りなかったなと。

こういう歴史があるので、新しく出たものについても期待していいのやら悪いのやら
あんまり情報を集めなくなってしまった私にはわからなかったのですが、
それでも好きなものというのは、コアなファンなら買ってしまうものでして。
発売日に買いましたとも。でもFEやってたので、寝かせてた。ところがそのFEが
自分の望んでいたものではなかったガックリ感があって、
それでゲームはちょっとお休みしていて、っていうのは嘘でブレフロやってたんだけど、
ブレフロも夏の祭りが終わって(まだやってるけど)一息ついたので、
じゃあ裁判ちゃんとやろうかなって。それで始めたわけなんですが。


そしたら、最後まで一気でした。色々言いたいことはあったけれども、
でもやっぱり面白かった!ものすごく「逆転裁判」のオマージュ作品でしたから、
1からやってる私にはちょっとしたご褒美というか。
ただ、オマージュたって2話のあの展開はものっすごい悲しかったですけどね!!
あの衝撃は、逆転裁判1の2話と、銀河英雄伝説の2巻でしか味わえないと思うの。

最初はいちいち「。」が入ってくる口調に慣れなかったのと、
時代が古いせいで様々なものごとがアナログになってしまったことに
ちょっとした憤りまで覚えていたんですけれどもね。
それもすぐに慣れたし、すさとちゃんが可愛い。
すさと(漢字変換がめんどくさいので勘弁)ちゃんの口調が、
完全にはみちゃんだなって思った瞬間、なんかもう可愛かった。
ついでにはみちゃんだなって思った瞬間、真宵ちゃんはやっぱり最強のヒロインだったなと
いう思いも出てきてなんとなく悲しくもなりましたけれども。

……実は褒めるところはそんなにないのかもしれない。
逆転裁判らしい、登場人物のへんてこな動きだとか、相変わらず検事たちが
ド派手な衣装を着ていてうふふってなっちゃうところとかが良いだけかもしれない。
ヴォルテックスとバンジークスについては文句ゼロ。
というか、亜双義君に関してもゼロ。基本的に全員ゼロ。
ホームズについてはかっこいい名探偵というよりも、割と危ない人みたいな
イメージを持っていたのであれはあれでいいのかな……と思わなくもないけれど、
ちょっと変人すぎたかなという気もする。アイリスは可愛い。
カプコンのキャラクターは本当に魅力的で、好みなので甘くなりがち。
見た目と、シナリオの展開なんかは文句がないんです。良く出来ている。

だけど、全体を通して、舞台として選んだ時代とか日本の位置付けのせいで
爽快感が全体的に皆無なのがなあ!っていうのがものすごい問題点。
犯人が逃げおおせてしまった感が強い、1話、2話、あと3話。

モヤモヤしつつも、続きが気になるのでプレイしていって、5話で感じる
「あれ?ひょっとしてこの話でおしまいなのでは感」に激しく焦りましたが、
思った通り、5話でおしまいでした……。

「大逆転裁判」のいけないところはコレに尽きる。
続編前提で全部ブツ斬りの作りにしてしまったところ!全然すっきりしないの!
んもー、最悪なんですよ。謎を何個残して終わったのか3時間は問い詰めたい出来なのです。

ところが、終わったところで感じたのが「続きを早く!」だったので、
これはいいゲームなんだろな……と思います。
もっと遊びたいんだもんね……。
にしても、ストランドマガジンなど、キャラばっかりを全面的に打ち出した
追加コンテンツは頂けないです。5みたいなシナリオなら喜んで買ったのに……!

というわけで、不満たらたらなのにしてやられている、楽しい楽しい大逆転裁判でした。
はやく続きをお願いします。マジで。カプコンさんお願いします!

2015-08-22(Sat)

「ファーナス 訣別の朝」

ファーナス」をみてみました。

アメリカンハッスルに出ていたのと同一人物とは思えない
素敵なクリスチャン・ベイルを見られます。はい。

主人公のラッセルは可哀想なやつなんです。
田舎町でほそぼそと真面目に働いているんですが、急に不幸が連続して起きるのです。
恋人とささやかに慎ましやかに暮らしていたんですが、
ある夜交通事故を起こして収監。
刑期を務めている間に、父親が死に、恋人はおっさん保安官に寝取られ、
戦争から帰ってきた弟もなんだか妙なことをしているようで……。

改めてまた慎ましやかな暮らしを再開するも、弟が地元では有名な荒くれ者に殺されてしまう
という無情な展開。



静かな映画なんです。主人公も静かな男です。
この話は、ずっと慎ましやかに暮らしをしていたある男の、
秘められていた激情についての物語だと思ったんですが、
その激情ですらも静かでね。アーティスティックだと思いました。

抑圧されていた暮らしからの解放、なんだと思います。
それまでにたくさん抱えてきた諦めが募った結果、
自分でやるしかない。やると決めたからには、最後までやる、みたいな。
弟が出来なかったことを、兄が果たしたという面もある。
ずっと自分を縛っていたすべての鎖を解いて、ラッセルは本当の人生を歩みだしたのかなあと。
彼を待っているのは、厳しいことこの上ない現実だと思うんですが、
でも、清々しい気分だったんじゃないかなって。

最後、ラッセルは弟の仇を討つんですが、その場面もとても静かでね。
そこに美学というか、彼の魂のあり方みたいなものが滲み出ているようで、
味わい深い映画だと思いました。
ものすごく面白いかと言われると、そうでもないんだけど。
こういう静かな映画って、いいものだと思います。
あと、あいかわらずウディ・ハレルソンがやべえなって感じました。
すごい存在感だよね!

ド派手なCG、わかりやすい物語、とは対極の、
一人の人間の修羅場を美しく描いた一本だと思いました。なかなか良かった。

2015-08-19(Wed)

「ゴースト・ワールド」

ゴースト・ワールド

公式サイトが古い。よく残っていたもんだ……と妙な感心をしつつ。
2001年の作品。ソーラ・バーチ主演のものです。
もともとコミックが原作なんすね。アメリカらしからぬ、陽気さのない作品でした。

大きな感想からいうと、ものっすごくいい作品でした。
主人公の女の子イーニドは、高校を卒業したものの進路は決まらず、
それどころか美術の補習を受けなければ証書をもらえないという体たらく。
真面目に働くこと、身分のない今をまっすぐに見つめず、受け止めず、
この時期特有のイライラと妙なプライドの高さ、残酷さ、そして少しばかりの誠実さを
これでもか!というほど濃密に描き出している作品でした。

親友のレベッカと一緒にだらだら暮らし、実家を出たいから二人で暮らそうと考えるものの、
物件を見るとか、家賃のために働くこともできず、
からかうだけのために新聞に公告を出してダメ男を探し出し、
彼に絡んで執着するけれど、その人間性に惹かれてしまい、
彼に幸せをと思うけれど、いざ誰かがそばにやってきたら怒りを抱き、と。

イーニドはめちゃくちゃなんです。
思春期の女子特有のあのあやふやな感情、湧きあがる苛立ちが
容赦なく描かれていてとにかくすごい。

結局、イーニドには自分の確固たる居場所がなくて、
彼女の好きなものだけを集めた素敵な場所が欲しいのに、
そういうわけにはいかないと頭では理解していてたまには努力するんだけど、
ただただ真面目に努力するのはやたらと悔しくて、
ついつい衝動に任せてめちゃくちゃにしてしまうけれど、
それはただ一時の憂さ晴らしにしかならず、
すべての結果が良くない形でいっぺんに最後、返って来てしまう。

あとほんの少しだけ、世界が彼女に優しかったらなあと思ってしまう。
イーニドは本当に駄目な女の子なんだけどね。
でも、とても可愛い。歳をとった自分には、とても可愛い子だと思いました。
多分シーモアもそう思ったんだろうなあ。

青春の時期にひとかけらも鬱屈などしていない、
自分は真面目にやってきた!好き放題やった!という方には
あんまり響かないかもしれない。

主演のソーラ・バーチの肌の白さと、彼女のきている真っ赤な服のコントラストが
みていてとてもハラハラさせられるのも良かった。
あの赤の鋭さは、意図して選んだものなんでしょうね。
年だけは「大人」扱いされるところまで来たけれど、
彼女はある意味で既に「女」なんだけど、中身は頼りない少女そのもので、
そう思うと、あの最後のシーンはとても悲しくてね……。

あのバスは新天地へ行く物なのか、それとも、この世ではない場所に誘うものなのか。
しみじみ考えてしまった。すごくいい映画でした。みて良かった。