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2015-10-18(Sun)

「アニー」と「ANNIE」

WOWOWで連続放送していたのでみてみました。

有名なミュージカル作品ですね。日本でも毎年舞台をやってる……
んだっけな、今でも? 調べてみたらやってました!
舞台版はみたことないので、ストーリーはぼやっとしか知りません。歌はわかるけど。


というわけでまずは1982年版の「アニー」から。

時代は1933年、ニューヨークが舞台。
孤児院で暮らす10歳の赤毛の女の子、アニーはとても元気で頭の回転も速い。
孤児院を管理するミス・ハニガンは厳しいというか、
自堕落で少女たちをこきつかい、自分の男運の無さを嘆いてばかりの人だけど、
そんな彼女のもとでもアニーは希望を見失わずに暮らしている。
自分を置いて行った両親がいつか、迎えに来てくれると。

そんなアニーが、偶然億万長者の屋敷に招かれることになる。
スーパーリッチなウォーバックスさんは、仕事仕事で人間味に乏しい男。
大統領ですら電話をかけてくるような力の持ち主で、
自分の印象を良くしようと「孤児を招いてもてなす」計画を実行したら
アニーの明るさ、賢さにすっかり魅了されてしまって……

という話。
というのはなんとなく知っていたんだけど、
管理者であるハニガンさんの余りの乱れっぷり、世の中への憎しみの深さ、
更にはその弟カップルがしでかした悪事については知りませなんだ。

アニーは両親から「半分に割れたロケット」を持っていて、
その片割れを持って迎えにくるものだと信じている。
だから、ウォーバックス家でとても冷たくされても、良くしてもらっても、
「自分は大丈夫だ」と言い切る強さを持っている。
彼女の賢さ、お茶目さ、謙虚さが、みていて切なくなりますな。
お話だとわかっていても、あんな風に暮らしていた少女はきっといただろうし、
帰る場所、自分だけを守ってくれる家族がいないというのは
どれだけ心細くて悲しいものか、いい年になってきたので沁みちゃってもう大変。

ハニガンさんの弟が「殺してやる!」と追いかけてきた時に、
ハニガンさんが良心のかけらを見せてくれたのが良かった。
弟はとんだクソ野郎だったけどね。
明るく希望に満ちた物語だけれども、世間に溢れる哀しみ、苦しみもしっかり描かれていて
清く正しいミュージカル、でした。
(古い時代の作品にありがちなムダなシーンは多いと思ったけど)
「Tomorrow」を大統領と歌うところで思わず泣いてしまった。
あの歌は、今の日本に必要なんじゃないかな。
明日になればまた太陽が昇るから、って、思う心をしっかり持っていたいものですね。
グレース役の方が美しいのも良かったです。




で、その次に2014年版「ANNIE」を見たんだけど……

舞台はニューヨークだけど、時代は現代に移り、
アニーは自分を置いていった両親を待ち、学校ではわりと人気者。
アバズレ感満載の里親キャメロン・ディアスのもとで暮らしていて、
市長候補の大金持ち、ジェイミー・フォックスのイメージアップ作戦のために
同居することに。と、流れは大体同じ。

なんだけど、なんか違う感がすごくて、
30分くらいでもう見るのを止めてしまいましたとさ。

現代的すぎて、家がビルの最上階で
すべてがハイテクな感じだとかそういうのも、
夢がないというか……。

大きなお屋敷で孤独に暮らす偏屈ものの爺さんのところに、
天真爛漫で賢い女の子がやってくるのがいい話なのに、
ちょっとダーティなイメージの携帯電話会社の社長が
ビルの最上階の無機質な部屋に女の子を住まわせるっていうのは
だいぶテイストが違っているかなーっと。

1982年版は、使用人もたくさんいるんだよね。
みんながみんな、家の主の前でヘマをしないように頑張っている中に、
小さな女の子がもこもこの犬を連れてきて微笑んで、
それでちょっと幸せな気分になって、みたいな流れがあるからいいのになー。みたいな。

今の時代で昔通りのアニーはできないんだと思うんだけども
(黒人は出て来なかったし)
そこのところは理解できても、コレジャナイ感は我慢できなかったかな。
1930年代のアニーは、学校にも行かず、大統領のところにもヘリで行くし、
あやしげな術を使う用心棒がいて、ちょっとファンタジーの入った世界観だから、
急に21世紀になっちゃうとついていけないのかもしれない。
単体でみたらもうちょっと見れたかな?

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2015-10-14(Wed)

「マジック・マイク」「ガッチャマン」

まずは「マジック・マイク

チャニング・テイタム主演の、男性ストリッパーの物語。
いや、すごいねアメリカって!って久しぶりに思った一本。

マシュー・マコノヒーも「ダラス・バイヤーズクラブ」であんなに死にそうだったのに
お元気でなによりだなあと思います。

物語は割と王道な成長もので、仕事が長続きしないキッドが
ストリッパーのマイクと出会って、自身も舞台に立つようになり、
なかなかいい線いってるじゃん、とメキメキ頭角を現し
ついつい調子にのってヤクとか決めて乱れて、
こんな生活ってどうなのって考え直してマイクは卒業、
キッドは俺はまだまだ花を咲かせるぜ!と袂を分かつ……みたいな。

日本に似たようなものが存在するのかどうかはわかりませんが、
とにかく男性ストリップは過激。
女性のストリップと違うのは、男性が攻める側だからなのかな。
客席の女性を引き込んで絡むのですが、まあいやらしいいやらしい。

ただ、風俗に近い業界に身を置く人はやはり節度が多く求められるのだろうと思います。
客との関係、甘い誘いや、薬物とかね。
誘惑の多い暮らしの中で、バランスを崩せば一気に足元をすくわれて、
積み重ねてきたものがすべてあっという間になくなってしまうというか。

マイクはとても堅実で、舞台の上の自分と普段の自分は違う、と
職業意識の強いプロだったのでしょう。
若いキッドはそれがまだわからず、すごく強気に出る。最後はちょっと切ない感じ。
キッドのお姉さんはまともなんだけどね。若いとわからないこともあるかな。

とにかくダンスがキレてて素晴らしい。
いやらしいんだけどね。ああいう場所には行きたくないんだけど、見応えがあって良かったです。



「ガッチャマン」

噂の実写版。ひどいひどいと噂だけ聞いていたので、
でも見ないで「ひどいんだろーな」とおもうのはなんなので、
ルパン三世同様実際みてみることに。

有名な批評サイトで100点満点中4点と言われておりましたが、
私は40分くらいで心の底からギブアップしました。
一応さいごまでチラッチラッとは見たんだけど……。

まず序盤に入ったヘンテコなアニメ。
あれが既に面白くない。面白いと思う人も多かったようですが、
私にはまったくもって寒々しいものでした。笑えない。

で、すぐに本編が始まって、地球が絶望的に破壊・侵略を受けていると説明されるのに
地球の半分はぶっ壊されて、一部の地域でのみ暮らすことを許されていて、
それでももう、それも失われそうな雰囲気みたいなのを出しているっていうのに!

東京都心が平和すぎ!

遠景はまったく破壊の爪あとみたいなものはなくて、むしろ栄えた印象。
でも近くによると、それなりに世界に危機がありそうな空気を
申し訳程度に出しているわけ。外国人がいっぱいウロウロしていたりね。
ニュースは緊迫した感じだしね。
でも、ジュンが登場するとその設定が一気に崩壊してしまう。
こぎれいなOL風ファッションだし、たーくさんショッピングしちゃった☆
って感じで紙袋満載だからね。
三ツ星レストランなんかねーだろーがこの世界にはもうよー って思うじゃないですか。
最初に、真っ黒に染まった空と、侵略してきた人たちを見たんだから……。

で、世界中の権威たちが揃って呑気に会議しているところに、
ぐるぐるのホイーガみたいなのが突っ込んでくるので、
それでガッチャマンが出動ですよ。
民間人になりすますのはもういい、初の任務だ!みたいな。

なんで民間人になりすましてたのか、全然わかんねえの。
選ばれし戦士なんだから、選ばれし戦士として街の様子を見張ってたんじゃダメなの?
なんでうきうきショッピングとかしなきゃいけないの?

そして戦闘が始まって、スーツの造形はなかなかいい感じ。
CGは微妙だなー。頑張ってるとは思うけど、あきらかCG過ぎて、特に上手くもない。

この時にちょいちょいキャラクターの個性が見えてくるんだけど、
リーダーのケンはいいとして、ジュンと甚平が軽すぎる。
ケンとカップルになりたすぎるジュンと、天才なのか天才じゃないのかわからん甚平が
演技もこの二人についてはちょっと足りないというか。
緊迫感を持たせたいのか、軽妙にしたいのか、方向性がずっとグラグラし続けるのが
この映画の1番悪いところだと思う。

ケンとこの後に出てくるジョーについてはシリアス極まりなくて、
(言ってることとやってることについては置いといて、ムードの話)
敵もちゃんとしてるんだけど、時々ものすごく脱力させられる要素があって、
見る気がガリガリそがれていってしまう。このグラグラ感が酷過ぎてダメ。

その他、設定があれこれとにかくブレたり矛盾していたりする点が多いし、
説明でしかない台詞が多すぎてげんなりはどんどん増していき、
最終的にすげークソだなって感想しか出てきませんでした。

あと、演出がことごとくダサイのが頂けないかな。
鈴木亮平の髪は染めなくて良かったと思うし、
パーテイ会場へ入るためのハッキングシーンはもたつき過ぎ、
ハッキング成功のあとのドヤ顔がめちゃくちゃダサくてイライラ、
プロポーズのあと拍手されてんのなんなの?
あのビジュアルでカークランド博士?
適合者にしか世界は救えないのに、思想が自由過ぎ、管理もされてなさすぎ、
あと最後。あのコクピットなんなの。あの椅子はどういうことなの。

割と悪くないっていう感想もありましたが、
出演している俳優が好きとか、某作品よりはマシとか、そういうのが多くて、
これが心の底から面白かった!って人はさすがにいないんじゃないかと。

やりたいことはわからなくもないんだけど、
でも全部がちぐはぐで、作り手の足並みが揃っていない感じが酷かった。
見るんじゃなかったなーって最後は思った。

デビルマンとどっちがマシかと聞かれると、まあガッチャマンのがマシかな……?
あちらは演技力が壊滅的にアレだったから……。

2015-10-12(Mon)

「マトリックスレボリューションズ」「ネバーエンディングストーリー」

「マトリックスレボリューションズ」

「マトリックス」は凄まじく視覚的に訴えてくる作品で、
公開当時、事前の情報でワクワクして、
妹と一緒に観に行って、そのあと更に友人とも観に行ってしまった、
自分史上なかなかない、劇場につい2回以上行ってしまった作品だった。
(あとは「アバター」とか)

マシンガン撮影という、スローモーションとはまったく違う
あまりにもスタイリッシュな見せ方にすっかりやられてしまって、
アニメ嫌いなのにアニマトリックスもみて、
続編のリローデッドもワックワクでみにいったものでした。

ところが、リローデッドがかなり恋愛に比重を置くものだったのが
かなり期待外れだった上、もう忘れてしまったけれど結構ガッカリさせられて、
それで三作目、これで完結だってのにレボリューションは観に行ってなかった!
ので、今回WOWOWが放送してくれたのでみてみることに。

まず思ったのが、リローデッドの直後から速攻で始まるので
(おさらいが一切ない)
どーゆう状況だったかなーこれはー という戸惑いからスタート。
ネオはひとりでなんかわかんない場所にいて、
その他のみんなは敵の総攻撃に備えなきゃならなくててんやわんや。

大事な兵器を搭載した船を回収しなきゃなんないらしく、
でもネオはひとりで敵の総本山に殴り込みにいく決心がついたようで、
それでわあわあやって、一人死んで、トリニティピンチ、ネオは目をやられ、
あー人類が滅びちゃう~~~からの、増殖の極みまでいったエージェント・スミスと対決。

みたいな感じかな。
スミスはバグみたいなもんで、それをネオが修正したというか、
最後に内部に入り込まれたのを利用してスパーク、みたいな。

細かい説明はないので、多分こういうことなのかな、と想像していくしかない。
最終的に機械からの攻撃はやんでイエーイってなったけど、
あのあと人類は一体どんな道を歩むのやら……。

でも、トリニティだけが見た本当の空の色は、綺麗だったよね。
面白いとか面白くないは置いといて、最終作をみたので満足。
ただ、説明不足は否めないかなと思うし、最後の最後でアクションがほとんどないのはちょっとね。


「ネバーエンディングストーリー」

多分昔みたんだけど、いかんせん古いので、
少年が白い竜に乗ってるイメージ以外なにも覚えていなかった。
ので、改めてみてみました。

母を失って、生活にすっかりうんざりしている少年バスチアンが主人公。
いじめっこに追われて逃げ込んだ書店で、店主から気になる本を紹介されて
こっそりそれを持ち出し、学校の隠し部屋のような場所で読んでいく。

おもったよりもファンシーな話で、
最初に出てきた岩の巨人とかかたつむりとか、
登場する人間じゃないひとたちは造形がみんないい感じ。
ラッキードラゴンだけがちょっと気持ち悪いかなw
そういえば小さい頃に見た時も、納得いかなかったのを思い出したり。

本を読んでいるバスチアンと、本の主人公アトレイユが少しずつ近づき、
世界が同化していくような感じはとてもいい。
頑張ったのに努力が実らず、ファンタージェンがたった一粒の砂のかけらになってしまうのは
悲しくて、でもその後の復活が、母を失った悲しみの癒しにも通じていて、
夢や希望で世界をよみがえらせるっていうのはこれまたいいんだけど、
最後にあんなイージーな仕返しをするのはいかがなものか。

子供の頃なら、あれで単純に笑ったんだろうけどなあ。
今となっては、そんな終わり方やめてほしいなあって思うものですねw

にしても、アトレイユと女王様の女の子、美しくてビックリ。
きれいな子供って、夢があっていいなって。強く思いました。

2015-10-08(Thu)

「ケープタウン」「ブラック・レイン」

ケープタウン

あらすじに惹かれてみてみると、とんでもなくしんどい映画でした……。
2013年の作品。主演はオーランド・ブルーム。

発端は、植物園で発見された若い女性の惨殺死体。
元ラグビー選手の娘は、薬物を摂取し、レイプされた上で殺されていた。
主人公のブライアンは刑事で、同僚のアリと一緒に捜査を始めるが、
麻薬どころかとんでもない凶悪な犯罪組織が暗躍していて……

みたいな感じ。
麻薬の売人と暴力だけではなく、それ以上に深い深い闇が待ち受けていて、
映像的にもものすごく重たく、ヤクなんかすべてのオマケでしかないっていう
容赦のなさで結構な衝撃を受ける作品でした。
「裏切りの獣たち」でも描かれた南アフリカの悲惨さですが、
こっちの方がもっと大変。
この地で警察の仕事を引き受けるには、よほど強い精神がないとダメなんじゃないかな……。

ブライアンもアリも家族を巻き込まれ、また黒幕の作ろうとしていた
悪魔の薬の正体に愕然。
大切なひと、尊い命が失われ、アリは復讐の鬼となり、
悪は一掃されるものの、あまりの惨状に言葉もないよってなもんでした。

地獄って存在するんだなって。思います。多分これは現実の話なのでしょう。
平和な日本からでは想像もつかない、悲しい世界の話でした。辛い。

でも人は、許せるものなのかな……。複雑な気分になります。



「ブラック・レイン」
1989年の日米警察VSヤクザのアレ。
あんまり興味がなかったんだけど、いい機会だし見てみようかなと。
主演はマイケル・ダグラスで、直前に「オーシャンズ11」を見ていて、
アンディ・ガルシア超かっこいいと思っていたので出てきて嬉しかったけど……。

主人公のニックはニューヨークの警官で、強い正義感の持ち主。
離婚しており、子供の養育費にはちょっと困っている彼なんだけども、
ちょうどゴタゴタがあった後に入ったレストランで、白昼堂々殺人事件が発生。
日本人が日本人をどうどうとぶっ殺す(しかも刃物で)あぶない犯人を追いかけ、
散々追いかけた末に無事逮捕。
正義の鉄槌を食らわせてやりたいのに、日本に送り返さなければならず、
ついでにゴタゴタがあったせいで移送の仕事を任されることに。

相棒のチャーリー(アンディ・ガルシア)とともに日本について、
無事に犯人を引き渡した……と思いきや、それがニセ警官で、
大阪府警からは散々言われてしまう。日本語がわからないからって。

どっちが悪いんだと揉めたあと、このまま帰っていられるか!と怒るニック。
捜査に参加させろとゴネて、監視役の刑事と一緒ならいいよと、
松本警部補が二人の通訳兼お目付け役に。

いままで全然気にしたことがなかったんだけど、
高倉健ってすごくいい役者だったのだなあ……と本当に沁みました。
生真面目で、正義感が強くて、友情も大事にして、でも組織も大切だし……と。

ニューヨークから来た二人の刑事の自由さをうらやましく思ったのか、
ちょいちょい揉めたものの三人は仲良くなる。クラブで一緒に歌って、打ち解ける。
下の名前で「マサ」と呼ばれるようになり、
オシャレなネクタイをチャーリーからもらったりとか。
そんな楽しい一夜の支払いは府警のツケにしてもらった帰り。

自分を逮捕したアメリカ野郎が気に入らないのか、
凶悪なヤクザの男、アメリカでも大暴れしたスーパーバイオレンスこと佐藤が
部下を引き連れてやって来て、チャーリーがやられてしまうという流れ。


タイトルである「ブラック・レイン」の意味。
ヤクザ同士の抗争と、日本の警察の組織の在り方などなど、
描いているものはやまのようにあって、
最後の暴れぶりときたらもう……。

日本の監修がよく行き届いているのだろうな、と思わされる、
ヘンテコジャパニーズが出て来ない感じが良いものの、
ところどころ日本のキャストの演技がすげえヘタクソじゃない?という点もあり
(あくまでその他大勢の人達ですけども)

にしても、高倉健ですよ。松田優作のクレイジー感も凄かったんですけども、
高倉健がどうしてあんなにも愛されるのかが一発でわかったというか。
魅力が伝わり過ぎて、いまさら過ぎて恥ずかしいくらい。

アンディ・ガルシアの人の好さそうな感じも良いし、
健さんが「ニックさん」「チャーリーさん」って言うのもいい。

アクションはバイオレンスで、そのバイオレンスの感じも少し邦画っぽくて、
でも全然嫌じゃなくて、見て良かったなあと思いました。
色んな人が出てて、結構びっくりしたけど、ホント映画ファンからしたら今更なんだろな。

2015-10-08(Thu)

「コールド・バレット 凍てついた七月」

「コールド・バレット 凍てついた七月」

あらすじがいい感じだったので観てみる。
主演はマイケル・C・ホール。

ある夜、主人公リチャードの家に侵入者がおり、
威嚇のために持っていた銃を、手を滑らせて発砲。
見事に命中して、犯人は死んでしまった。
正当防衛が認められた上、犯人は指名手配中の凶悪犯だとわかったものの
人を殺してしまった事実は重たい。
悩んだ挙句、犯人が埋葬されると聞いて墓地へ行くが、
そこには犯人の父親(こちらも前科者)が待っており、息子を狙われるようになる……

という話なんですが、この話の中核は全然ここじゃなかったっていうね。
てっきり幼い息子を狙う犯人との攻防を描いたものかと思いきや、
この父親はあっさり捕まったと知らされるリチャード。
これで安心して暮らせるなあと思っていたら、
例の父親がなぜか警察に縛られて、貨物列車が通る線路に放置されている現場を目撃してしまう。

罪の意識も相まって、父親を助けるリチャード。
問題はもう一つ、警察署で見かけた自分が射殺した男の手配写真が、
どうにもおかしい。自分が撃った男はこんな顔じゃなかったのに、と思っていたが
警察に思いっきりはぐらかされて違和感爆発なのです。

二人は協力関係になり、警察の隠し事と、指名手配されている息子フレディを探るようになる。


途中から父親であるベンの旧友で、私立探偵でもあるイカしたおっさんが加わり、
息子を探すんですけどね……。

警察の隠し事というのは、フレディの身柄の安全を確保するために、
(マフィアの秘密を暴露したフレディは、証人保護プログラムで守られている)
死んだと装ったというもの。リチャードに撃ち殺されたのは別人で、
死んだことになれば安全だよねという理由でフレディとして報道されてしまった。

そしてなにより、守られているフレディがとんでもないクズ野郎なんです。
息子の正体が人としてありえない最悪のクソ野郎だったと知ったベンは、
どうしてくれようかと悩んだ挙句……。


正直まったく無関係だったリチャードが仲間として行動し続けたのは、
自分が殺してしまったのは本当は誰だったのか知りたくて、
と理由だったんですが、これが最終的にさっぱり忘れ去られているのが痛い。
最後の最後で「あれえ~~?」となって終わってしまい、
途中は良かったんだけどなあ、と思わざるを得ない作品。
特に探偵登場から盛り上がったんだけどなー。最終的になんかモヤモヤしちゃって。

フレディのやっている最低最悪のクズ行為も、正直酷すぎてドン引きといいますか。

あとは、自宅が殺害現場になってしまって、リチャードたちは自分たちで掃除するんだよね。
そういうことってあるのかなあっていうのが気になりました。
あとは、デクスターなら血のあと消すくらい簡単だよね、とか
お、夜中出かけるなんてターゲット探しに行くのかな、とか
そういう気分になってしまうのがちょいと頂けなかったかもしれませんが
デクスターを見てない人には関係ないからまあいいかな。

息子については完全にハリソンでしたが、本当は違うっていう。
というわけでものすごくビミョーな作品でした。